Creepy Nutsのお二人が2020年11月22日放送のTOKYO FM『木村拓哉のFlow』に出演。DJ松永さんが「人生の1曲」として竹原ピストルさんの『カウント10』を選曲。その魅力や効能を木村拓哉さんに話していました。
(木村拓哉)ああ、と、思ったらそろそろお別れの時間が近づいてきたということで。
(DJ松永)あらら……もう、お別れか。
(木村拓哉)さあ、先週はRHYMESTERを聞いてもらいましたけども。今週はDJ松永さんの人生の1曲を伺います。どんな曲でしょう?
(DJ松永)竹原ピストルさんの『カウント10』という曲です。
(木村拓哉)おおっ! マジ!?
(DJ松永)あら、ご存知ですか?
(木村拓哉)いやいや、知ってます! 知ってますけど……ああ、そうなんだ!
(DJ松永)めちゃくちゃ好きなんです。
(木村拓哉)へー! その理由は?
(DJ松永)これは本当に俺にとって聞く時期によって効能が変わる、しかも超劇薬な曲なんですよ。
(木村拓哉)劇薬?
聞く時期によって効能が変わる曲
(DJ松永)劇薬。昔から聞いてるんですけども、時期によって全く効能が違う。俺、DJの大会は2010年に出て。そこからしばらく……6年空いて2016年、2017年に出て。それであと去年、2019年にも出たということで。4回、出ているんですけども。2016年の大会に向かって練習……ルーティンをめちゃめちゃ作ってる時に最初、聞いていたんですよね。これ、サビが「ダウンからカウント1、2、3、4、5、6、7、8、9までは悲しいかな神様の類に問答無用で数えられてしまうものなのかもしれない。だけどカウント10だけは自分の諦めが数えるものだ」というんですよ。で、「僕はどんなに打ちのめされようとも絶対にカウント10を数えない」っていう歌なんですよ。
それで俺はすごいその時、前向きだったから。「よし、俺は絶対にカウント10を数えない。9までは数えられたけど、絶対に10は数えずにめちゃめちゃ努力して勝ち抜いてやるんだ!」っていう風にすごい前向きな、そういう作用があったんですけども。2016年の大会で負けて。それで2017年にも負けた後、本当に落ち込んでる時ってこれ、めっちゃ残酷なんですよ。「いや、数えさせてよ……」って思うですよ。その諦めかけている、折れかけている人間にとって、カウント10を数えさせてくれないことがどんなに残酷かって思うんですよ。
本当に落ち込んでる人にとっては、めちゃめちゃ劇薬。それで2019年。ついに大会を勝ち抜いた。それでめちゃめちゃ、「よっしゃーっ!」って。もう全てが報われたんですよ。その全てが報われた含まれた後の人生でも、やっぱり仕事で落ち込んだりとか、人間関係で傷付いたりとか。「あの人を怒らせちゃったな」とか「傷つけてしまったな」とかって、下らないことで落ち込むんですよね。自分のない瞬間。その時は今、これを聞くとなんか「ああ、あの時に俺はカウント10を数えなかったな。お前、めっちゃ頑張ったじゃないか!」っていう自分を慰めてやれるやれるような曲になっているんですよね。
今は本当に落ち込んだ大事な時に聞くお守りのような曲になっていて。時期によって全く……本当に前向きになれる時。めちゃくちゃ、もう絶対に聞けない超劇薬の時。今は大事な時だけに聞くお守りみたいな曲っていう。すごい俺にとっては人生と共にあるような曲ですね。
(木村拓哉)すごいね!
竹原ピストル『カウント10』
(木村拓哉)世界1位を取ったDJが選んだ選曲がまさかのアコギとブルースハープのみの1曲というね。
(DJ松永)フフフ(笑)。
(木村拓哉)聞いていて思ったけど。やっぱりそっち側の立場になって物を発信できる人ってやっぱりそれだけ傷付いたり、悔しかったり、苦しかったりした思いがあった、そういう人がきっとその人の目線で物を考えることができたり、発信をすることができたりしているんだろうなって今、竹原ピストルさんの曲を聞いていて思いましたね。こんなデジタルな人なのに……。
(DJ松永)そうっすね(笑)。
(木村拓哉)こんなアナログな選曲をするなんて。
(DJ松永)本当ですね(笑)。アナログ楽器しか使っていない(笑)。
(木村拓哉)『木村拓哉のFlow』、11月のゲストはCreepy Nutsのお二人、R-指定さんとDJ松永さんでした。ありがとうございました!
(R・松永)ありがとうございました!
<書き起こしおわり>