朝井リョウ ラジオNIKKEI初出演で考えたことを語る

朝井リョウ ラジオNIKKEI初出演で考えたことを語る 高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと

朝井リョウさんが2020年8月23日放送のニッポン放送『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』の中で初めてラジオNIKKEIに出演した際に考えたことについて話していました。

(朝井リョウ)それでまあ、山崎育三郎さんのラジオのお話がありましたが、私はラジオに関してはすごくその、お尻が軽いというか。尻軽ラジオ男としてやらせていただいてるんですけども。1回も行ったことがなかったラジオ局があって。

(高橋みなみ)へー。どこ?

(朝井リョウ)ラジオNIKKEIです(笑)。ラジオNIKKEIだけ、行ったことがなかったの。で、まあさ、番組的にも出るような内容のものがあまりないので。競馬の番組であったりと、あとは結構お金関係。やっぱり日経新聞のあれっていうこともあって、お金関係で投資家の方が番組をやったりとか。そういうのが多いのでなかなか縁がないなと思ってたんですけど。私、8月14日の放送だったかな? ラジオNIKKEIの番組に出させてもらったんですよ。

(高橋みなみ)へー!

(朝井リョウ)それは小塚さんっていう、普段競馬の実況をやられている方が30分番組を持たれていて。そこのゲストの依頼が来たんですよね。で、どうしようかな?って、こういろいろスケジュールとか組んでる時に思ったんですけど。「ラジオNIKKEI」って書いてあったから「えっ、行ったことない!」と思って。「行きたーい!」って(笑)。それで行ってきたんですけども。虎ノ門琴平タワーっていうのの17階にあったんだけど。知らなかったんだけど。台本には書いてあったんだと思うんですけど。私は当日、行って結構びっくりしたのが、その新番組の初回のゲストだったの。

(高橋みなみ)おおーっ!

(朝井リョウ)それで「なんで?」って思って。その小塚アナって私の10歳ぐらい上で。まあハロプロオタクの方ではあったんですけれども。

(高橋みなみ)ああ、そうなんですね。

(朝井リョウ)でも、その人がというよりは、そのディレクターをやっている女性の方が、私の本を読んでくれていてオファーをしてくれたっていうのがあったんですよ。で、そういうのがすごい久しぶりだったの。なんていうの? 私の本読んでくれた人がメディアの仕事をしてて、オファーをしていただくということがすごい久しぶりで。でも何て言うのかな? そういうことがたぶんこれから……こういう仕組みが増えていく中で、これから頑張っていかないといけないんだよなって思ったんですけど。

(高橋みなみ)えっ、それはどういう気持ちなの? 嬉しいの?

(朝井リョウ)これまでってたとえば、なんか本が映像化したりとかする時って、すごい本が売れてベストセラーになって、それでテレビ局がお金を出して大型の作品ができるみたいな感じが結構セオリーだったのよ。だから本もベストセラーを生みましょうっていうのが……当然、それは今もあるけども。でも、たくさん売れて、それによって読者がたくさんいるから映画にしても人がたくさん来てくれる可能性があるので映画にしましょう、みたいな感じの流れのやつが多かったんだけど。

でも、なんか今って結構、別に部数は関係なく、監督が「この本がすごい好き!」みたいな。それで結構、「この人の原作物だったらこの監督だよね」みたいながもうある人もいるし。本当、この5、6年でさ、なんか……「1人ひとりの愛みたいなのがすごい大事」って思いません? でもなんかラジオもさ、ちょっと真面目な話になっちゃってあれですけど。ラジオも私、いろんな番組を聞くんですけど。その中で今、GERA放送局っていうアプリでやってる……ラジオ局をアプリがやってるところがあって。そこは、まあ間違っていたら申し訳ないんですけど。

その中で番組を持ってるパーソナリティーがいるじゃないですか。ニッポン放送とかは、たとえばニッポン放送全体に広告を打つために企業の人がお金を払っていて。テレビとかもそうじゃん? なんだけど、そのGERA放送局っていうのはアプリで各番組を配信していて。それで番組ごとにCM権みたいなのをたしか売ってるのかな? WEB上で。それを個人でも買えるし。

(高橋みなみ)ああ、そうなんだ。へー!

(朝井リョウ)だからまあ個人に支援をしてもらうという。みたいな感じで番組が成り立っていたりとか。で、なんかさ前に私が「怖い」って言っていた……そのミュージックビデオとかも自分のチームで撮りますっていうバンドが怖いっていう話をしていたじゃないですか。

(高橋みなみ)言っていたね(笑)。

(朝井リョウ)でも、それもその話でさ。だから大きい組織がドンとお金をかけて売り出すみたいなのから、本当になんか1人の作り手の愛とかみたいなので「私はあの人とやりたいんです!」みたいなことの方が目に入ってくるなっていう。小さいチーム制でもう、やりたいことをやっていくみたいな。

(高橋みなみ)変わっていくよね。あと、やっぱり何だろう? 私たちを知ってくださっている世代の人たちがどんどんこの仕事の……わかる?

(朝井リョウ)ああ、そうね。ディレクターさんになったりとかっていうことですよね。

(高橋みなみ)そうそう。なってきてたりとか。私も話していて、今まで、10代の後半とか20代の頭ぐらいの時は自分と同世代のスタッフさんを見つけるの、めっちゃ難しかったの。全然いないなって。

(朝井リョウ)それは10年前とかだから、高橋さんが28ぐらいの時ですね?

(高橋みなみ)いやいや、違う違う! 10年前でなんで今の年齢ぐらいなのよ? 違うわよ!(笑)。

(朝井リョウ)ありがとう(笑)。

(高橋みなみ)どうも(笑)。で、そう。いらっしゃらなかったんだけど、最近やっぱり自分がさ、30ぐらいになってくるといらっしゃってさ。「世代でした」とか「聞いてました」とか「一緒にお仕事をしたかったんです」とか言われるとさ。そういう本当にまさに1人の愛でさ、いろいろと決まることとかあるじゃん?

(朝井リョウ)だからすごく「通知表じゃん!」って思ったの。これからはたして私は……だからこれから、出版社に21、2の子が入ってきた時に「誰か好きな人に依頼していいよ」ってなった時に選ばれるのか?って思って。

(高橋みなみ)ああ、なるほど!

(朝井リョウ)なんかそれをすごい思った。本当、たぶんどんどん小さいチーム制になっていく気がするから。「誰かの心に刺さらなきゃ!」ってすごい思った。その……なんか逆に今まではその小説の新人賞賞受賞作とか、たとえば直木賞もそうだけど。出版社もたぶん大きい文脈を打ち出そうとしていたし。最終的になんかそういう大きい文脈を手に入れることができたら本も売れるかもしれないし……とかいうことがあったけど。どんどんなんかその物差しが変わってきたなって。

(高橋みなみ)個人の力がどんどん強くなってきているっていうことじゃないですか?

(朝井リョウ)そうそう。思った時に……だから私、どっちかっていうと既得権益の側だなっていつも思うの。その、淘汰される方だなって思うの。「歴史ある賞の受賞者の方ですよね」みたいな。その昔からある文脈の中でこの人はどういう人なのか、みたいな風な見られ方というか、打ち出され方をしてきたから。そういうのが全然関係ない世代の子たちが「自由に自分が好きな小説家を選んでいいよ」って言われた時に……「ええっ? 行ける!?」って。

(高橋みなみ)フハハハハハハハハッ! 眼力(笑)。

(朝井リョウ)そう思ってすごいドキドキしたっていうのがありましたあ。

(高橋みなみ)いや、これはでもわかる。すごく。

(朝井リョウ)なんかすごく、グーン!って上がった琴平タワーのエレベーターを下りでもうズーン……って(笑)。すごい重力! 下りの重力、すごかった。

(高橋みなみ)フハハハハハハハハッ! ドーン!っていう?(笑)。

(朝井リョウ)ドーン!ってなりました。本当に。頑張っていかないとね。

(高橋みなみ)頑張ろう!

(CM明け)

(高橋みなみ)エンディングです。いや、深い話になりましたね。

(朝井リョウ)でも「深い」ってすぐ使うやめよう?

(高橋みなみ)深いよ。

(朝井リョウ)やめて! 私、本当にいろんなラジオを聞いていて。「この話、深い」ですねっていうのを聞いた瞬間に「浅い!」って思うから。もう「深い」は禁止。

(高橋みなみ)フハハハハハハハハッ! もうなんでよー! じゃあ、他の言い方、なに? めっちゃムズいじゃん。なんだろう?

(朝井リョウ)「深い」は「不快」なので……つまんな! つまんないですねー、今の。

(高橋みなみ)おおう……。

(朝井リョウ)いや、でもそうなの。「深い」って言うのは……これはすごい偏見かもしれないんですけども。ちょっとやっぱりあの、若いアイドルの方のラジオで多いので。すぐに「深い」って言う人が。そこを別の言葉で言ったら、それだけで「あっ!」って聞いている人は思いますから。

(高橋みなみ)でも、なんだろうね?

(朝井リョウ)それを別の言葉で言うだけで。でもなんかさ、「変わっていくな」って思ったのがさ、その……なんかまた重い話が続きますけども。その、ファッション業界がさ、店舗を持たなくなっていくんじゃないか、みたいな。言われているじゃないですか。

(高橋みなみ)ああ、今本当に増えてますよね。

(朝井リョウ)だから、それってつまり言い換えると、その在庫ありきの売り方がもう厳しいってことだよね? いろんなことが変わっていく中で、その在庫ありきの商売ってファッションの他にまだあってさ。本もそうなのね。

(高橋みなみ)ああ、そうか!

(朝井リョウ)本もそうなの。本当に本って置いてあることが大事なの。本屋に行ったら、絶対に置いてあるじゃん? で、それがすごい大事だったんだけど。なんかそれが厳しくなるってなったら、ついでに見つかるとかがなくなってさ。本当に……私をもう初めから知ってるそうな人にしか。たとえばWEBで直接売りますってなった時にさ、初めから知ってる人にしか知ってもらえないし。かと言って、すごいたくさん宣伝費とかを割いてもらえるわけではないから。その……全部ファンクラブ化していくっていうのはでも、それはそれでどうなの?って思うところもあるわけですよ。

(高橋みなみ)なんか、読み手というかさ、受け手もさ、新しい出会いがなくなってくるよね。

(朝井リョウ)なくなってきちゃうのかなとも思うし。あんまり強固なつながりすぎても、ちょっと怖くない? その、ちょっと共依存っぽくなっていくのでは……みたいな。

(高橋みなみ)きっとたぶんお互いに依存するよね。読み手もそうだし、書き手もきっと……。

(朝井リョウ)その人たちに向けて書いちゃったりとか。とか、いろいろ考えるっていう回が『仮面ライダーセイバー』にあります。

(高橋みなみ)ちょっと待って! えっ、あるの? その回、あるの? 在庫を考える回が?

(朝井リョウ)セイバーが在庫ありきの売り方について悩む回。あるんですよね。

(高橋みなみ)もう私、逆に9月が楽しみになっちゃっているからさ! 本当にどんな内容なんだろう?っていうね。

(朝井リョウ)本当? セイバー、琴平タワーのエレベーターに感動するっていう……楽しみだよね! どんどん増えていって。

(高橋みなみ)フハハハハハハハハッ! 絶対にないじゃん、その回!

(朝井リョウ)もうどんどん、関係ない。セイバー、赤坂で水ようかんを買う回っていうのもあるし。もう関係なくなってきます。途中から。

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(高橋みなみ)逆に今まで出たセイバーの想像の話が1ミリも反映されないパターンもあるわけじゃん? 変な話だけども。全く出てこないっていう時もあるわけでしょう?

(朝井リョウ)そんなことはないですよ(笑)。

(高橋みなみ)絶対、どれもでてこない! 私、わかっているのよ!

(朝井リョウ)そんなことはないです(笑)。

<書き起こしおわり>

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