朝井リョウ『仮面ライダーセイバー』と小説家のリアルを語る

佐久間宣行 仮面ライダーとスーパー戦隊を語る 高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと

朝井リョウさんが2020年8月16日放送のニッポン放送『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』の中で『仮面ライダーセイバー』についてトーク。主人公が小説家ということで劇中に登場しそうな小説家のリアルな日常について話していました。    

(高橋みなみ)こんばんは。高橋みなみです。

(朝井リョウ)仮面ライダーです。

(高橋みなみ)いや、違います(笑)。

(朝井リョウ)こんにちは、皆さん……(笑)。

(高橋みなみ)ちょっ、どうしたの? 誰?(笑)。

(朝井リョウ)いや、仮面ライダーです。

(高橋みなみ)仮面ライダー、そんなにごります?(笑)。

(朝井リョウ)仮面ライダーなんですが……。

(高橋みなみ)どうしました? 仮面ライダーっていうのは?

(朝井リョウ)9月6日から始まる新仮面ライダーの主人公はなんと、小説家っ! このニュース……。

(高橋みなみ)そうなの?

(朝井リョウ)なかったよね? 今まで。仮面ライダーの主人公が小説家っていうこと。で、なんかビジュアルも解禁されたんですけど。仮面ライダーの頭。初めて見た時には「なんかツノが生えているな」みたいに思ったんです。頭の真ん中になんかボンッて突き出ているものがあって。「ああ、ツノが生えている」って思ったらそれ、万年筆でした。

(高橋みなみ)待って! 情報が多くて、わけがわかんないよ!

(朝井リョウ)それを見た瞬間、もう私はちょっと「えっ? 考えなきゃ……話、考えなきゃ!」と思って。

(高橋みなみ)「話、考えなきゃ!」ってどういうこと?(笑)。

(朝井リョウ)「私が話を考えなきゃならない……」って思って、今回はちょっと「東映に届け」スペシャルということで。ちょっといくつか私……ちなみに『仮面ライダーセイバー』ですから。聖なる刃で「セイバー(聖刃)」。「“聖なる剣”で運命を切り拓く! 消えた世界を取り戻す“救世主”が降臨! 次元を超えて異世界=“本の世界”で戦う、初のライダー! ――世界を、街を、人を、そして“本”を救うため…。『仮面ライダーセイバー』の運命の戦いがはじまります…!」って。で、決め台詞。「物語の結末は俺が決める!」って。

(高橋みなみ)えっ、本当?

(朝井リョウ)こんなん聞いたら、もう考えるよ。

(高橋みなみ)「文豪にして剣豪」って書いてあるよ?

(朝井リョウ)めっちゃいいよね!

文豪にして剣豪・仮面ライダーセイバー

(高橋みなみ)でもなんかさ、私が知ってるライダーのビジュアルじゃなくなってるわ。

(朝井リョウ)だからどんどん考えなきゃいけないから大変だよね。本当に。

(高橋みなみ)だって今までってベルトじゃん?

(朝井リョウ)ああ、変身ベルト。

(高橋みなみ)ベルトは付けているんだけど、剣をガチガチに持っているし。情報量が多いわ。

(朝井リョウ)で、顔の真ん中に。これ、たしか万年筆なんですね。だからリアルにあれをすると、私が仮面ライダーだったとしたら、私がこのラジオに遅れて現れたとしたら……高橋さんは全然気付いてないのね。「えっ、どうしたの?」「ごめんごめん、ちょっと……」って言ってたら、それは世界を救った後なのよ。

(高橋みなみ)アハハハハハハハハッ!

(朝井リョウ)それでなんか、頭に万年筆がついていて。「えっ、なんか頭についているよ?」って。それをすぐに隠して。「あ、ごめん。なんでもないよー」って言ってごまかすんだけど、本当は世界を救った後の万年筆がここにドーンと……。

(高橋みなみ)えっ、待って? セイバーはさ、万年筆を頭に刺して変身するの? どういうこと?

(朝井リョウ)いや、詳しいことはまだわからないですけど、そのビジュアルを見た限り、変身後は頭に万年筆だったんで。

(高橋みなみ)なんで? 変身が解けているのに万年筆だけ?(笑)。

(朝井リョウ)だから私、今後ラジオに遅れてきたりとか、頭になんかついていたとしても、気を使って。ちゃんと空気を読んで言わないでいただければなって。

(高橋みなみ)ヤバい。知らなかった。いろいろびっくりした。

(朝井リョウ)ということで、今日は東映の方に届けということで。仮面ライダーセイバーにこういうシーンがあったら視聴者の小説家たちは「わあ、リアル!」って思うであろうというシーンをいくつか提案したいと思います。

(高橋みなみ)気になるわー(笑)。

(オープニングの曲が流れる)

(高橋みなみ)高橋みなみと……。

(朝井リョウ)仮面ライダーの……。

(高橋みなみ)『ヨブンのこと』……。もう! ねえ。「仮面ライダーの」って言うの、やめて!

(朝井リョウ)だって、しょうがないじゃん? 公式に発表されたんだから。

(高橋みなみ)いや、別に朝井さんが仮面ライダセイバー?

(朝井リョウ)「仮面ライダーセ(↑)イバー」なんですって。音程は。でも、リアルにさ、米田さんのお子さんの世代とかを見るとして。それで「作家になりたい」みたいな人が増えたりする可能性があるってこと?

(高橋みなみ)めちゃくちゃあると思うよ。

(朝井リョウ)おお、それは面白いじゃない? それはなかなか、これまでにないような影響の与え方をする可能性がありますよ、これは。

(高橋みなみ)ねえ、朝井さん、遅れてくる時ってだいたいトイレじゃん? 世界を救った後じゃなくて、トイレじゃん!

(朝井リョウ)って、思っていりゃいいよ!

(高橋みなみ)アハハハハハハハハッ! いや、でもだいたいそうじゃん。リアルは!

(朝井リョウ)って、思っていればいいよ。そうやって思っている平和な世界に生きていて、いいね! 大変よ、こっちは。

(高橋みなみ)なんでセイバーの本体としてしゃべるの? なんなの?

(朝井リョウ)いや、そういう風に思えているのも……っていう話。こっちが……。

(高橋みなみ)ムカつく!

(朝井リョウ)これからも遅刻してきたら「またトイレに行ってたな」って笑ってくれるのが、嬉しい! でも別に感謝されるためにやってるわけじゃないから。こっちもね。

(高橋みなみ)だからなんでセイバー目線なんだよ!

(朝井リョウ)でも、なかなかその、たぶん作家の世界っていうのもさ、取材しようと思ってもしにくいだろうし。調べたら、その製作委員会に出版社もたぶん入ってなかったんですね。東映とテレビ朝日とADK的な、なんかその結構少数精鋭みたいな感じがしたので。その、いくつか、「こういうシーンがあったらいいんじゃないかな?」っていう風に思ったことをちょっと言っていきますね。

(高橋みなみ)紙にめちゃくちゃまとめられてるじゃん!

KADOKAWA編

(朝井リョウ)まずはKADOKAWA編。各出版社ごとにひとつずつ、こういうシーンがあったらいいんじゃないかなって思ったのがあるんで。で、セイバー、KADOKAWAに行こうとしたけども飯田橋駅東口で降りてしまい、大遅刻する。

(高橋みなみ)フハハハハハハハハッ!

(朝井リョウ)いや、これはリアリティーあるのよ。これは!

(高橋みなみ)わかんないよ!

(朝井リョウ)いや、これは西口なの。でも飯田橋駅ってすごく大きいから。だからセイバー、東口で降りちゃうの。で、地図を「KADOKAWAに行こう」って思って検索をしたら「えっ、今、どこ? 『飯田橋から歩いて5分』って言っていたのに!」って。それが、東口で降りてしまって対談に遅刻します!

(高橋みなみ)じゃあ、これはかなりリアリティーを?

(朝井リョウ)もうこんなシーンがあったら作家は「うわーっ! 調べてるー!」ってなるよ。

(高橋みなみ)どうやって調べたら、その情報が出てくるのよ?(笑)。

(朝井リョウ)それでセイバーは対談相手のベテラン作家を怒らせちゃうのよ。遅刻したことによって怒らせちゃったら、悪の組織のベテラン不機嫌煽りーズが……悪の組織がベテラン作家をどんどんと不機嫌にしていくのよ。「格下なのに遅刻してきましたね」とかって言って。どんどんとベテラン作家を不機嫌にしていって、それでセイバーは戦います。そのベテラン不機嫌煽りーズと戦って。

で、対談が終わった後になんとかね、「ありがとうございました」って言って帰って行く時に、その対談相手だったベテラン作家の人が東口で用事があるの。でも西口のKADOKAWAから東口に行きづらくて困っているところをセイバーが案内してあげるの。さっき東口で降りたから。というので、ハッピーエンドです。KADOKAWA回はこれでハッピーエンドを迎えるっていう(笑)。

(高橋みなみ)これで第一話が?

(朝井リョウ)これ、第一話です。

(高橋みなみ)第二話は?

(朝井リョウ)でも「この調子だと飽きるね」って思いましたけども。今(笑)。

(高橋みなみ)フハハハハハハハハッ! なんで飽きた?(笑)。

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