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朝井リョウ 伊坂幸太郎らとの螺旋プロジェクトイベントの余興を語る

朝井リョウ 伊坂幸太郎らとの螺旋プロジェクトイベントの余興を語る 高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと
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朝井リョウさんがニッポン放送『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』の中で伊坂幸太郎さんが発起人となった螺旋プロジェクトの読者限定シークレットイベントで行った余興について話していました。

(朝井リョウ)私、ちょっと作家のイベントがありまして。あ、私10月10日に『どうしても生きてる』という新刊が出ますのでよろしくお願いします。危ない、忘れるところだった!

どうしても生きてる
どうしても生きてる

posted with amazlet at 19.09.30
朝井 リョウ
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(高橋みなみ)先週からちょいちょい挟むな……(笑)。

(朝井リョウ)3月に『死にがいを求めて生きているの』っていう本を出しているんですけど、それが螺旋プロジェクトっていうプロジェクトの本だったんですね。

(高橋みなみ)うん。

(朝井リョウ)それが8組9人の作家で、ある設定をもとに時代を書きつないでいくっていう企画で。その全員分の本がやっと出たんですよ。この夏に出終わって。だから集大成のイベントをしようっていうことになったので。

(朝井リョウ)そのメンバー、たくさんいるんですけど、その企画の発起人が伊坂幸太郎さんという本当に大人気の方ですよ。で、伊坂さんってでも、音声とかもたぶん出回っていないのよ。たぶん動いてる映像とかも見たことないでしょう?

(高橋みなみ)見たことない。

(朝井リョウ)たぶん出回ってないぐらい、あんまり表に出てお話をされたりとかされない方なんですよね。本当に逆朝井リョウですよ。

(高橋みなみ)フフフ(笑)。

(朝井リョウ)絶対にしないよ。こんな『ヨブンのこと』なんて(笑)。

(高橋みなみ)なんでよ! いいじゃないのよ!

(朝井リョウ)その余分なことはひとつもしゃべらない的な感じの人なので。だから伊坂さんがその最後の集大成イベントに出るっていうことだけでも結構「おおっ!」みたいな。誰かがすごいと交渉をしてくれたんだろうなっていう感じの出来事なわけですよね。で、そういうこともあって、クローズドなイベントにしようっていうことになってね。どれくらいクローズドかって言うと8冊、本が出てるんだけど。その本を4冊以上買わないと応募券みたいなのが集められなくて。それを買った人だけが応募して、抽選で当たった人だけが来られるっていうやつだったんですよ。だからその会場とかも名前は明かしてないわけ。

(高橋みなみ)当たった人のみ?

(朝井リョウ)そう。当然、別にその媒体の人とかも入らないっていうぐらいクローズドなイベントだったんですけど。それが9月14日にあったんですよね。そういうイベントがありますって聞いた時に、あんまり小説家って有料のイベントっていうのがないわけ。でも今回のはさ、応募券を4枚、最低でも揃えなきゃいけないっていうことだから。で、みんなの本がだいたい1600円。税込で1760円とか? いま、10%で計算したけど、それぐらいの値段になるので。4冊買ったらさ、7000円ぐらいになるわけ。となると、結構じゃん? それに気づいた時に結構「ああ、みんな7000円も払ってくるんだ!」って思ったのね。で、いままでにそんなにお金を払われてイベントに来てもらうことがなかったから、ちょっと調べたんですよ。世の中で行われている7000円ぐらいのイベントを。

(高橋みなみ)フフフ、7000円ぐらいのイベントを(笑)。

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世の中で行われている7000円ぐらいのイベント

(朝井リョウ)いろいろと調べたら、Official髭男dismの武道館、6000円。安いの。7000円より。あと奥田民生・武道館公演が6900円。酒井法子ディナーショー、ショーのみで7000円! それぐらいのものをお見せしなければいけないんだという気持ちになったんですよね。で、編集さんと話し合って……というか、別のことで話し合っている時にその話をしたんですよ。「そういえばこれ、7000円くらいお金払って来てくれるっていうことですよね?」って言って。で、クローズドなイベントだからお客さんはすごいあたたかいはず。で、9人の作家が一堂に会するイベントっていうのもなかなかないから。だから私はずっと心の中で思っていた「文士劇をやりたい」という夢を言ってみたんですよ。なんか昔の作家ってもっとね、ふざけていたのね。

(高橋みなみ)ああ、そうなの?

(朝井リョウ)そう。公演を打ったりしていたの。誰かの原作で作家だけで演劇みたいなことをして。それが「文士劇」っていう文化であったんですけども。まあ、いまはでもないじゃん? だけど「文士劇っていいな」って心の中で私は思っていたので。「文士劇、やりたいです」みたいに言ったら「はあ?」みたいな空気が流れて(笑)。「こいつは何を言っているんだろう?」という空気が流れて。一応、「伊坂さんを始めとする各作家さんに聞いてみます」って言ってるんですけど、その編集さんの目はもう、「伊坂さんがどれぐらい表に出ることが嫌いな人なのか、そういうことを避けている人なのかをお前は知っているのか、バカ野郎!」という……。

(高橋みなみ)アハハハハハハッ! やだー!(笑)。ちょっと圧がね。

(朝井リョウ)そう。感じるわけですけども。でも、そんなことは言わずに優しいですから。「ちょっとみなさんに一度、聞いてみますね」って。そしたらもう、すぐに聞いてくれたんだろうなっていうぐらいの速度で、全員が「嫌です」ってなっていますと。

(高橋みなみ)フハハハハハハハッ!

(朝井リョウ)まあ、でもそれはしょうがないよ。

(高橋みなみ)全員が全員……?

(朝井リョウ)まあ、嫌だった。全員が嫌だった。それはまあ、そうだろうなって。中でも、伊坂さんが「嫌だ」と。伊坂さんからは「僕が小説家になったのは、そういうことをしなくていいからです」っていう。もう小説家になった理由を出されたから。なんか、それは強いじゃん?

(高橋みなみ)意志がね(笑)。

(朝井リョウ)「小説家になった理由、言われた!」って思って。逆に有能なインタビュアーみたいな。「そんな言葉を引き出せたなんて……吉田豪みたい!」って思って。ちょっとドキドキしていたんですけども。

(高橋みなみ)「吉田豪みたい」(笑)。

(朝井リョウ)でも、伊坂さんの担当さんに「伊坂さんにもう1回、アプローチしてほしいです」って言って。「伊坂さんはもう最後に、それまで抜けなかった剣を抜くみたいな役でいいです。その出たくないというお気持ちは重々承知なので……」って。でも、美味しいでしょう? 「『伊坂はまだか?』みたいな話にするので。みんなで伊坂さんの噂をしてて、最後に伊坂さんが来て『剣が抜けた!』っていうのはどうですか? もう1回、聞いてみていただけませんか?」って言ったんですけども、「私が小説家になったのはそういうことをしなくていいからだというお話で……」って。

(高橋みなみ)フフフ、めちゃめちゃ嫌がられてるじゃん(笑)。

(朝井リョウ)そう。だからこれ以上文士劇のことを言うのはやめた方がいいなって(笑)。それは私もわかるんです。そのへんは。

(高橋みなみ)でも2回目、行くのもびっくりしたけどね。私は。

(朝井リョウ)そのへんはもうわかったので「じゃあ、文士劇は諦めます」って。でもやっぱりさ、「酒井法子ぐらいのことしないと……」って思ってね。

(高橋みなみ)なんでそこまでやろうとするんだよ?

(朝井リョウ)やっぱり作家がしゃべるだけで7000円っていうのはちょっとないなと思っていたので。

(高橋みなみ)そう? だってみなさんはさ、みなさんの本が好きで好んで来ているんだから……。

(朝井リョウ)だから自発的になにかをするのたぶん嫌だろうと思ったから、「イベントをする上で絶対に行わなければならないことを祭りにすればいいんだ!」と思ったんですよ。私は。

(高橋みなみ)ちょっと待って。どういうことだ?

(朝井リョウ)「ということは、入場だ!」って思ったんですよ。入場は絶対にするじゃん? トークイベント、板付きじゃないじゃん? だからその入場を利用しようって。で、1人ずつ作家が入場してくる時にだから私は歌を歌おうと思ったの。

(高橋みなみ)フハハハハハハハッ! 本当にディナーショーじゃないかよ!

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各作家に合わせた入場の歌を歌う

(朝井リョウ)1人ずつに合わせた歌を作って歌おうと思ったんですよ。でもチームYのみなさんはお気づきかと思いますが、『ラ・ラ・ランド』をね。『ラ・ラ・ランド』に歌詞をつけて歌うっていうのがあれから私のDNAに組み込まれているので。1バースずつを区切って全員作詞をして、その人のことを歌っている間に入場をしてきて。レッドカーペットみたいに「キャーッ!」ってお客さんにやっていただいて。それで1人ずつ入場してもらおうと思って。それだったらその人たちは入場をすればいいだけなので。で、各作家の担当さんに頼んだのよ。「歌詞になるようなエピソードをください」って言って。「それなら……」っていうことでね(笑)。

(高橋みなみ)ええーっ? ごめんなさい。線引きがわからんわ、もう。

(朝井リョウ)それは、その時点ではまだたぶん全容は伝わっていないのかな? 各作家のみなさんに。

(高橋みなみ)絶対にダメだと思ったのに……。

(朝井リョウ)で、各担当さんからエピソードをもらって。で、私の担当編集さんと新宿に新宿にあるピアノのスタジオ、12時~18時で取って。もう2人でその6時間で作ったんですよ。

(高橋みなみ)絶対に2人でふざけているでしょう?

(朝井リョウ)めっちゃ楽しかった! 「この人、どこまでいじっていいかな?」みたいな。本当にチキンレースなわけ。

(高橋みなみ)そうだね。攻めるのか……。

(朝井リョウ)で、替え歌でいちばん大事なのは「歌詞が絶対に伝わる」っていうことなので、もうパワーポイントでその私の歌とともにクリックしながらちゃんと歌詞がみなさんにも出るように作って。それで音源も録った状態で各作家の人にお送りしたんです。「この音源を歌うということであればいいですか?」っていう風に。だから音源を録ってあったらさ、もう「いいです」って言うしかないじゃん? もうラ・ラ・ハラですよ。ラ・ラ・ランドハラスメントを私がカマしたら、「ここまでやっているんだったらもう入場、やります」っていう風にOKをもらったの。結構大事でさ。会場はそもそもそんなことをやる場所じゃないから。だからピアノをどう搬入するかとか、そこからなわけ。

(高橋みなみ)うわっ、ややこしくなっている(笑)。

(朝井リョウ)すごい大事になっていて。マイクも別にそういうことをする場所じゃないからさ、結果的に私はヘッドセットでずっとそのトークイベントの間……もう歌があるからさ。歌ったままそのトークイベントをやるから、ヘッドセットをつけて。

(高橋みなみ)ヤバい(笑)。なんでヘッドセットなのよ(笑)。

(朝井リョウ)いろんな人を動かして、要は本番に臨むわけよ……。

(CM明け)

(朝井リョウ)で、猛練習の日々を過ごしていたの。で、やっていて、直前。もう練習も大詰めみたいになって、タイムスケジュールとかが作家全員に共有されたりするわけ。でもやっぱりさ、編集さんは作家というものをすごい大切にしてくださるから、共有されたタイムスケジュールにさ、「○時○分、開場」「×時×分、朝井リョウさん生演奏」とか書いてあって(笑)。「ああ、違う……違う!」って。でも、それを見た時、そういう……本のイベントに来てくれるる人って、なんかわかんないけど本気で来てくれるんだよね。たしかに。

(高橋みなみ)いや、そうよ。

(朝井リョウ)そう。ちょっと思って、ちょっとドキドキとかしてたんですけど。当日はもう私、そのことしか考えられなくなってて。当日も私のためにすごい迷惑をかけて。早入りしてさ、リハーサルしてさ。何度もその……私が「これをやりたい」って言ったことによってさ、バースごとに入場があってさ、そこで私もその人のことを歌いだしたりするからさ。ドアを開ける人とか、ゴーを出す人とか、いろんな仕事を生んじゃってさ。でも私が「ああ、そこはそのタイミング……OKです」なんて(笑)。

(高橋みなみ)メンタル、強いんだよな(笑)。

(朝井リョウ)「マイクありでやらせてください」とか、すごいリハーサルをやらせてもらってさ。それで作家さんも入場、すごい嫌がっていたけどもやってくれて。リハーサルで「わかりました」って。「がんばってみんなノリノリで入ってくるので……」ってやってくれたんですよ。リハーサルまで。で、リハが終わって直前にさ、どういうお客さんが来てくれるかってわかっているからさ。作家の士気を高めようっていうことで「最年少は11歳の子が来てます」とか「なんといちばん遠方はイタリアの方からわざわざ来てる人がいます」みたいなことを言われて。で、結果本番はすごく盛り上がったの。

(高橋みなみ)ああ、そうなんだ。よかった!

(朝井リョウ)作家さんも盛り上がってくれて、入場でクルクルと回ってくれたりとかして。盛り上げてくれたんですよ。でもやっぱり作家に気を使わねばならぬという司会者の出版社の人からは終わった後に「朝井リョウさんによる大変にぎやかな入場が……」とか言われたりとかして。「違う、違う、違う……コントで。酒井法子はこれぐらいのお金を取ってやっていたんで……」みたいな話もさせてもらったりとかして。

(高橋みなみ)したんかい!

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イベント参加者からの反響

(朝井リョウ)で、私は結構満足気に終わってさ。で、会場を出たら熱心な伊坂さんのファンの出待ちの方がいらっしゃったの。「ああ、でもやっぱりそうだよね」って思っていて。で、打ち上げ会場に移動して終わった後に編集さんと「ねえ。無事終わってよかったですね」みたいな話をしてたら、「終わった後に会場に残って出版社の人に感想をすごい熱心に話してた人もいましたよ」みたいなことを言っていて。

「その人も伊坂さんのすごいファンで。日本文学をすごい研究してて、伊坂さんの作品で博士論文を書いて研究しているくらいのすごいファンの人なんですよ」「ああ、そういう方がいるんですね」「その人はしかも、イタリアの方なんですよ」って。イベント中、私の隣が伊坂さんだったんですね。「私の方向に見てニコニコしてくださってると思っていたけども……伊坂さんの方を見てニコニコしていたんだ」って思ってね。で、なんかね、伊坂さんのファンがすごい来ていたのね。当たり前だけど。

(高橋みなみ)そうね。いま、お話を聞くと……。

(朝井リョウ)もう持っているファンの分母の数が違うから、すごい当然のことなんですけど。私、そのあたりのこととか、全然望まれてないことをしていたんじゃないのか?って思って……。

(高橋みなみ)ヤバいヤバいヤバい……(笑)。

(朝井リョウ)それにぼんやりと気づきはじめて。終わった後もこれ、みなさんは検索しなくていいんですけど。別に犯人を突き止めてほしいとかじゃないから。「イベント、大丈夫だったかな?」と思って検索してたら、伊坂さんの読者の人がすごいつぶやいてくれていて。「ああ、やっぱり本当に国民作家なんだな。こんなにすごいんだ!」と思って。でもやっぱり「朝井リョウさんがうるさかった」という……(笑)。

(高橋みなみ)ちょっと待って!(笑)。

(朝井リョウ)「そうか!」って。私はすごい「7000円」が頭の中にありすぎて。「なんかやらなきゃ!」ってなっていたんですけども、誰が来てるかといったら、事前に考えて……まあ、他の作家の方もいるからちょっと言葉にするのが難しいですけども。伊坂さんの読者って本当に多いから。それで今回のプロジェクトの発起人だし、滅多に人の前にも出られないし。すごい稀有な機会だからっていうことで。「そうか。全然私のコントとか、誰も求めてなかったんだ……」っていうことに事後、気付き。「カーッ!」ですよ。「カーッ!」ってなったんですよ。ずっと。そのイベントが終わってから。

(高橋みなみ)ヤバい(笑)。でもさ、ご本人はなにかおっしゃっていたりしたんですか?
(朝井リョウ)伊坂さんご本人ですか? 伊坂さんご本人はそのイベントが始まる直前に「帰りたい」という旨のことはおっしゃっていましたけど、終わったら「上手くいってよかったね。楽しかったですね」っていう話で盛り上がりました。

(高橋みなみ)フフフ(笑)。

(CM明け)

(朝井リョウ)でも、私の余興人生に新たな1ページが刻まれたのでよかったです。

(高橋みなみ)その1ページ、濃いね!

(朝井リョウ)楽しかったです(笑)。来ていただいた方、ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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