星野源『MIU404』元刑事の方からの感想メールを紹介する

星野源『MIU404』元刑事の方からの感想メールを紹介する 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2020年8月11日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で自身の主演するドラマ『MIU404』に対する元刑事の方からの感想メールを紹介していました。

(星野源)『星野源のオールナイトニッポン』をお送りしております。先週金曜日、TBS金曜ドラマ『MIU404』第7話「現在地」が放送されました。感想メールが届いております。35歳の方。「9年前、私は刑事でした。中学生の頃から警察官に憧れて、こつこつ勉強して、大学卒業後、夢を実らせました。ですが、人の人生と大きく関わるこの仕事が私には荷が重すぎたのか、いつしか鬱病にかかり、なかなか病に打ち勝つことができず、苦しんでいました。そんな私を心配する母の顔を見て『退職』という道を選びました。

その時の決断は正しかったと思うし、そう決めた時はすがすがしい気持ちになったことを覚えています。それでもやっぱり警察官への憧れの気持ちは存在しているようで、退職してからずっと刑事ドラマや警察ドキュメントを見る気になれずにいます。続けられなかったことが悔しいんだと思います。源さんのラジオはずっと聞いているので、撮影が始まったばかりの頃、申し訳ないですが『見たくないな』と思っていました。

でも、見てみたい気持ちがどんどん募り、意を決して見てみようと決意しました。毎回毎回、不意に重なってしまう自分の経験に心をざわつかせながら頑張って見ています。これからも『MIU404』って面白いという気持ちだけでは見れないとは思いますが、最終回まで自分の気持ちと戦いながら楽しませていただきたいと思っています。私の行き場のない気持ちをどうしても吐き出したくて、源さんに送ってしまいました。これからも撮影、頑張ってください」という。ありがとうございます。嬉しいですね。

こういうメールが……前回はですね、現職の刑事の方からメールをいただいて。今回はもともと刑事やられていた方からのメールをいただきまして。なんかこういうことってあんまりないなと思って。すごく嬉しいですし。「行き場のない気持ち」って書いてありましたけど、送ってくださって本当に嬉しいです。

星野源『MIU404』第6話・志摩一未の過去を語る
星野源さんが2020年8月4日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で主演するドラマ『MIU404』の第6話についてトーク。自身の演じる志摩一未の過去などについて話していました。 (星野源)先週金曜日、TBS金曜ドラマ『MI...

いや、本当に何て言えばいいでしょう? 僕はその志摩一未という役を演じさせていただいておりますが。志摩という人間ではないにも関わらずね……星野源なんだけど、演じている時でもやっぱり「苦しいな」って思う時があったりとか。やっぱり想像力を働かせば働かせるほど、苦しい気持ちになったりとか。もちろん嬉しい気持ちになるってこともお芝居の中ではあったりはするんですけどね。

でも、それでもあると思うので、こういう本当に警察官、刑事という仕事って当たり前のことだとは思うんですけど、大変だなって。で、人間と当たり前に関わらなきゃいけないし、そこも一番取り繕えない部分と言いますか。それがどうしてもぶつからざるを得ないというか。で、その中で自分の心が動かざるを得なくて。でも動き続けていたらやっていられないというような職業でもあると思うので。本当に難しい職業だと思うんですよね。

でもその中で退職という道を選んだということが、何だろう? やっぱり「清々しい気持ちに当時はなった」という風に書いていただいてますけども。でも、それでもやっぱり悔しい気持ちも少しあるというようなこのメールを送ってくださるっていうことが、何て言えばいいだろう? 何か、すごく伝わるものがありますよね。それだけ本当に大変な職業なんだなとは思うし。でも、こういうことってもちろん規模の大きさとか、あとはその人その人の状況だったりによって全部違うんだとは思うんですけど。

うーん。本当にそれは正しいんだと思います。自分の職業と比べることはなかなかできないけれども、やっぱり……『逃げ恥』ではないけど。「辞める」とか、「ああ、これはダメだ」って思った時にその場所じゃない場所に行くっていうのは本当に大事なことだと思うんですよね。それは学校とかもそうだと思うし、それは住んでいる場所とかでもそうだと思うし。「ああ、ここにいたら自分はダメになる」って思ったら、自分を責めたりとか、悔しいとかって思いがもちろんあるとは思うけど。

そこからとにかくいなくなって、違う場所に行くっていうのは本当に大事なことですよね。それで解決することが本当にたくさんあると思うし。僕はそういうことをもうたくさん思ったけど。「いなくなれなれない」という判断をしたことが結構あったので。そこで結構、「ちゃんと離れておけばよかったな」とか、そういうことを後悔じゃないけれども。何とか乗り越えられて「危ねえ……」みたいな。

だから、乗り越えられたからまだよかったけど。1個、何か違ったら今、ここにいないだろうなっていうようなこともすごくあるので。だからこれはもちろんこの投稿者さん的には苦しい気持ちだったり、悔しいという思いは消えないかもしれないけど。ねえ。こういう風に件名に「源さんに届け」って書いてくれているような気持ちをですね、届けてくれて本当にありがとうございます。

「あなたにしかできないことが絶対にある」

うん。だからあなたにしかできない……9年前、刑事だったからあなたにしか感じられないことが絶対にあるはずで。あなたにしかできないというようなことも絶対にあるはずなんですよね。だからそれが、たとえばその場所からいなくなるという判断をしたとしても、それは絶対に消えないし。それはあなたの良い部分っていうか。あなたにしかない、何かを救えたりとか、何かを作れたりとか、何か生み出したりとかすることができる、人間としての条件を作ったんだと思うんですよね。そこの場所からいなくなったことで。

だから、それを……僕が言うのはなんですが。ぜひ、恥じずにというか、生きていってほしいな、なんて思いました。本当にメール、ありがとうございます。そして、そうそう。今週、ずんの飯尾さんが登場します(笑)。そうなんです(笑)。ずんの飯尾さんと……本当に撮影が幸せでしたね。大好きなので。『引っ越し大名!』でも……その時にね、一番最初にしっかりお世話になりまして。

そこからご飯をご一緒させていただいたりとか。あのね、『うちで踊ろう』の時にね、飯尾さんが連絡をくれたんですよ。で、「すごく良い! 押しつけがましさゼロ! 素晴らしい歌!」っていうのを送ってくれて。それが本当に勇気になりましたね。その時、すごく嬉しかったです。

ずんの飯尾さんとの撮影

なんかそういうことを連絡してくださったりとか、撮影中もですね、非常に……まあほぼ志摩と話すみたいなシーンが多かったで。非常に楽しく撮影させていただきました。なんで今週金曜日夜10時から、『MIU404』、またね、ぜひ見ていただきたいです。とても大事な話になると思いますので。少しでね、クライマックスに差しかかっていますが。その後にちゃんと続くというか、すごく生きてくる素晴らしいお話だと思います。ぜひ皆さん、8話も見ていただきたいと思います。

<書き起こしおわり>

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