星野源『MIU404』第6話・志摩一未の過去を語る

星野源『MIU404』第6話・志摩一未の過去を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2020年8月4日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で主演するドラマ『MIU404』の第6話についてトーク。自身の演じる志摩一未の過去などについて話していました。

(星野源)先週金曜日、TBS金曜ドラマ『MIU404』、大好評でございます。本当にありがとうございます。第6話「リフレイン」が放送されました! 本当に『MIU404』、いろんな人に「面白いよ」って言っていただけて、本当に嬉しいですね。だから撮影が始まったのが今年の2月なんですよ。半年経ちました。

だから長い間ずっと……もう今、スタッフのみんなとも言ってるんだけど。「今年はもう『MIU404』の年だね」っていう。もうずっとこれ、やってるから。自粛期間も合わせて、本当にずっとこの話っていうか。まあ僕が演じている志摩一未のことをずっと考えている1年間だなと思いますけども。

今回の第6話「リフレイン」はですね、志摩の過去が明らかになるストーリーでございまして。皆さんからたくさん感想をメールいただいております。ありがとうございます。それでね、昔のバディ、昔の相棒役。捜査1課時代、捜1時代の相棒が村上虹郎くんということでね。僕もちょっと共通の知り合いがすごく多かったりとかして。でも、ちゃんと会ってお話したことなかったので。

本当にでも楽しかったですね。虹郎くんのお芝居が本当に何て言うんだろう? 非常にまっすぐでですね。そのまっすぐさが……香坂っていう役だったんですけども。その香坂にもうばっちりハマっていたような感じがして。本当に一緒にお芝居をしていて楽しかったですね。

感想メールを読みたいと思います。大阪の方。「『リフレイン』、見ました。志摩の過去にどんなことがあって他人も自分さえも信じられなくなったのか? 見たい、知りたいけど、怖いという気持ちでした。6年間の志摩の苦しみが痛いほど伝わりました。でも現在の相棒・伊吹と九ちゃんのデコボコバディがこれまでみんな見逃していたこと、見ようとしなかったことを別の角度からグイグイ切り込んでいったことで見えた事実。青池の回のように本当のことは分からないけれど、香坂は最後まで刑事でいようとして絶望して命を落としてしまったのではなかったと思いました。

さらに絆が深まったバディと機捜メンバーがどんな風に事件を解決していくのか? (桔梗隊長の息子)ゆたかくんと志摩の萌えるバディはまた見れるのか? 楽しみは続きます。第7話のゲストの皆さんも豪華ですね。次の金曜日も楽しみに待っています」という。ありがとうございます。そうですね。今週の第7話はゲストにりょうさん、そして塚本晋也さん、King Gnuの井口理くんということで。ちょっとこの撮影もかなりカオスな感じで面白かったですね(笑)。

そしてさらに予告を見た人は「えっ? BABYMETAL?」みたいな。そういうところもありましたから。どんな話なのか、たぶん全然想像できないと思いますけども。いや、なんか撮影していて面白かったです。

いやいやいや、そうですね。うん。あの志摩の過去……本当にあれはですね、でもこういう過去があるということは大まかに。すごく大まかで、「相棒を亡くしている」という話だけ、それは知っていて。でも、あの物語の中では「相棒殺し」という風に言われてしまっているという中で、それがどういうことなのか?っていうのもストーリーの中で分からないという状況だったんですけど。

でも僕も、どういう相棒がいて、どういう風なことがあったのか?っていうのは知らないままずっと演じていたんですよね。だから「なるほど。こういう感じだったんだな」っていう。でも、「セリフが目の前の人に言っているのとプラス、同時に自分に向かって言っているという……同時に別の方向に、前と己に向かって同時に言っているっていうシーンはきっとここだろうな」と思いながら、毎話毎話しゃべっていたので。今、6話を見た後に1話から5話っていものを見返してもらうと、「あっ!」って思う箇所がすごくいっぱいあると思いますので。

6話を見てから過去回を見返すと気づくこと

「ああ、だからこういう顔をしてたんだな」とか、なんかそういうのがいろいろ伝わってくるので。より、見返すのも楽しいと思いますので。ぜひ志摩の表情を含め、言い方も含め見ていただければと思っております。ねえ。本当にもう……それで、続いて。静岡県の方。「先日の仕事終わり、車の中で『Hello Song』を熱唱しながら帰路につきました。『いつかあなたに出会う未来』という歌詞を聞くたびに、コロナが明けたら絶対に源さんのライブに行くんだ。笑顔に会いに行くんだと思いながら家に着き、スマホをチェックすると、SNSに普段見ないようなたくさんの『いいね』が付いていました。

『何事だ?』と思い、インスタを見て、とても驚きました。源さんのインスタのストーリーに『MIU404』で自分が書いたイラストを載せてもらっていたのです。大海原に投げ入れた小さな小さなメッセージボトルが、まさか源さんに届いたなんて……絵を通して間接的ではありますが、『いつかあなたに出会う未来』が起こるなんて。本当に『Hello Song』の歌詞そのままで、タイミングすらぴったりで。こんなことがあるだとしばらく信じられず、とてもドキドキしました。

めっちゃくちゃに嬉しかったです。まさに今、うずくまることばかりな世の中ですが、そんな世の中の目を開かせるような脚本の『MIU404』を見ながら、少しでも絵を描き続けていこうと改めて思いました。残りの撮影も皆様、お体にお気をつけて。無事に走り切れますように。来週の放送も楽しみにしています」という。ありがとうございます。

この方、あれですね。ウイスキーグラスの中に志摩が沈んでいくっていう絵を書いてくださった方ですね。そうですね。僕のInstagramのストーリーに『MIU404』の絵を書いてくれている人たち……特に志摩の絵を書いてくれてる人をですよね、「これ、いいな」と思ったのは何となくたまにピックアップをしていまして。それは単純に僕が全く絵が書けないんで。

絵が書ける人を非常に尊敬しているっていうのはあるんですけど。そうですね。なんで、イラストが好きだとか書きたいなっていう……技術の上手い・下手ではなく、「何かいいな」って思うのをいつも上げておりますので。ぜひ書きたいと思った方は書いていただけると思っております。

さて、もう一通。これもね、読みたかったんですよ。この方は匿名希望の方です。「決して番組内で採用していただく目的ではないのですが……」という風に最初に書いていただいたんですが。でも、「感想です」ということでメールをいただいたので、ちょっとぜひ読ましていただきたいなと思います。「ドラマ『MIU404』、毎週楽しみに拝見しています。実は私は志摩さんたちと同業です。おそらく地域は違えど大勢の同業者が毎回、心の中でチャチャを入れつつ見ておられるかもしれません」という。

恐らく、機動捜査隊の方か、もしくは刑事の方であろうと思われます。どういう関係の方なのか、わかりませんが恐らく刑事の方であろうと思われます。「……その中でも前回の『リフレイン』は泣く以上に胸が苦しくなる回でした。感情移入とは違う、記憶を呼び起こす物語でした。やった後悔、やらなかった後悔。あの時、一声かけていれば……もしも、飲みに誘っていれば、亡くさずに助けられたかもしれない後輩の思い出が私にはあります。それなりの年数を勤めていると、『ああしておけば、こうしておけばよかった』という悔いと共にいます。

でも私たちはそれを表に出さず、いつも強く、そして正しくいなくてはならない。それがふと、しんどくなると、お酒の力を借りて、失ったものの思い出を共有できる仲間とだけ共に語り合うスイッチがたしかに存在します。本編最後のマンションでの、あそこの場所での数分間は星野さんご自身の気持ちが入っていたお芝居で素晴らしかったです。

それと同時に、同じように実際に棺に語りかけたり、泣きながら怒鳴っていた同僚がいたなと思い出して、辛いシーンでした。志摩のように冷静な人や、九重のような若手。そして飲むと愚痴る陣馬さんのような方は現場にたくさんいますよ。あと、同業同士の結婚事情も当たっていてクスリと笑いました。私は伊吹のようにどんな相手にもいつも機微を捉えて、寄り添える人間でいたいと思います」という。ありがとうございます。

現役の関係者の方からのメッセージ

ねえ。いやー、このメールはとても……何て言うか、嬉しいという気持ちもあるし。だから「届いていて嬉しい」という気持ちもありますし。こういう風に「毎週楽しみに拝見しています」と言っていただけることも嬉しいし。野木さんがね、脚本を書かれていて。もちろんディレクターは塚原さん、竹村さん、加藤ちゃんというメンバーですけども。そして、プロデューサーは新井さんという方で。元々ね、役者のところまで台本が来るまでに、いろんな会議だったりとか打ち合わせがある中で、僕らのところに物語が来るわけですけど。

それの前まで、いろんなことをやってるくださる方々がいて。そして僕らが演じる上で、やっぱり特に最近はいろんな職業を描いたりするドラマも多いし。「実際の職業の方がどう思うんだろう?」とか「実際、この当事者だったり同じ立場の人ってどう思うんだろう?」っていうのはやっぱり考えながら演じるんですよね。やっぱりその人たちが「そんなことはねえよ」っていう風に思う作品もいっぱいあるだろうし。それとは別に「すごく当たっているな」って思う部分があれば嬉しいなと思うし。

だから、こういう風にメッセージをいただけると、すごく……間違っていなかったんだなという風に思いますね。そして、僕のところに来る前の、その台本の段階ですよね。だからその時点で、やっぱりこういうことってなかなか取材できることでもないと思うんですよね。やっぱり、ものすごくセンシティブな話だし。公に言葉にすることではないっていうことだと思うので。でも、それが間違っていなかったという風に思えるし。そういう風に伝わっているということが本当に、そしてこういう風にメッセージをくれたっていうのは本当にありがたいなと思います。

そして、ちょっと細かくは言いませんが、新しい台本をね、先日もらったんですよ。でもこのメールを僕はさっき、見たわけです。さっき見てすごくびっくりしたのは、どこかは言いませんけど、ほぼ同じセリフが昨日もらった台本、この中にあるんですよ。だからそれはね、すごいですよ! それって、やっぱり間違っていないんだっていうのが、どれだけそれを思いながら野木さんが書いているか?っていうのを僕は……だから非常にこのメッセージを読んで感動したし。うん。

なんかそれも含めて、とても本当に、やっぱりこういうメッセージをくださるっていうのも簡単なことではないと思うんですよね。うん。だから本当にメッセージをいただけって嬉しいですね。自分も……僕も、当事者の方々の気持ちっていうのはやっぱり分からないんですよね。実際にインタビューができたとしても分からないと思うし。機捜の方にお会いしたけど、こういう話はやっぱり聞けなかったし。

でも、やっぱりずっとこのこと、志摩という人間を想像するこの半年でもあったんで。だからそういう風にメッセージをいただけるのは本当に嬉しいです。本当にありがとうございます。もうぜひねぶり棒を差し上げたいんですけど(笑)。「採用される目的ではないので」ということで、ご住所も書かれていないので。気持ちのねぶり棒を差し上げたいと思います(笑)。ありがとうございます。

さあ、ここで1曲しましょう。先日、『MIU404』のオリジナルサウンドトラックが発売になりまして。聞いた方もいらっしゃると思いますが。 得田真裕さんという方が劇伴を作られていて、その曲をかけたいと思います。「ああ、この曲がこのタイトルなんだ」と思う人も結構いると思いますが。実はね、『志摩一未』っていうタイトルの、僕の役名と同じ名前の曲がありまして、それをかけたいと思います。得田真裕さんで『志摩一未』。

<書き起こしおわり>

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