佐久間宣行 よしながふみとの対談記事の反響を語る

佐久間宣行 よしながふみとの対談記事の反響を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

佐久間宣行さんが2020年7月1日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でコミックナタリーで行った漫画家・よしながふみ先生との対談の反響について話していました。

(佐久間宣行)で、そういう出来事があったのと……いや、違うんだよ。この出来事は別に大してしゃべりたい出来事じゃなかったんだけども。あまりにもちょっと窪塚っぽかったから……っていう(笑)。

佐久間宣行 アニサキスを注意すべき寿司ネタとその覚え方を語る
佐久間宣行さんが2020年7月1日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で知り合いのお医者さんから聞いたアニサキスを注意すべき寿司ネタについてトーク。その覚え方を紹介していました。 (佐久間宣行)それで、あとね、コロナ...

あの先週の金曜日にあるネット記事がね、アップされたの。で、それはよしながふみ先生っていう漫画家の先生との対談だったんだけど。これ、俺にとっては途轍もない出来事で。なんだったらもう本当に人生で一番好きなぐらいの漫画がさんなのね。今だったら『大奥』『『きのう何食べた?』?』。もうちょっと前だったら『西洋骨董洋菓子店』とか、そういうのを書かれている人なんだけど。これ、実は2ヶ月ぐらい前にメールでオファーがあって。

で、番宣経由で来ていたからメールを開いたらもう目を疑って。「よしながふみ先生と対談?」って。俺、もう何回も読み返しているような漫画の先生だから。それで『MELODY』という雑誌があって。女性向け……まあ少女漫画とかが載っている雑誌で。「その30周年記念対談です。その第一弾としてよしながふみ先生と対談してください」と言われて。俺、いろいろと考えたんだけど、実は1回これ、断ったのよ。

それはなんでか?っていうと、大好きな先生の前で『MELODY』っていう雑誌を全部現役で読んでいるわけじゃないから。「結局、知らねえな」っていう風に思われたり、地雷踏んだりしてちょっとでも嫌われる可能性があるぐらいだったら俺は会わないっていうタイプだから(笑)。だから「僕は力不足だと思います。よしなが先生は大好きだけど、少女漫画も読むけど、『MELODY』をずっと現役で読んでできたわけじゃないから、それはたぶん他に適任者の方がいます」って言って1回、断ったのよ。

俺、こういうことあるの。随分前に電気グルーヴっていうかピエール瀧さんのラジオに出る時も、1回断ったことがあるのよ。会って地雷を踏んで嫌われたら嫌だなと思って。フハハハハハハハハッ! 好きすぎるから。好きすぎと会いたくないのよ。っていうのがあって、よしなが先生との対談も1回断ったというか、「自信がないです」って言ったら、「今回は『大奥』最新刊が出るということが中心なので。よしなが先生の著作を全部読まれてるんだったら大丈夫です」って言われて。

「ああ、それならお引き受けします。夢のようです」って言って。それから1月ぐらいずっと心の中にあってさ。で、やっぱりさ、1週間前ぐらいからなんて言ったらいいの? 「うわっ、やだな……」って思い始めて。その気持ち、わかる? 本当に大事なことがあると、「俺、なんかすごい嫌なことを言っちゃんじゃないかな?」って思って。で、著作を読み返したりして。それで対談の前日ぐらいにそのピークが来るのよ。マリッジブルー的なやつ。

「うわっ、もうダメだ……これ、今から断れないかな?」って思ったんだけど、とりあえず「著作を読みなおそう」と思って。それで『大奥』を18巻。まあ、ちゃんと読むとやっぱり3、4時間かかるわけ。読んだらめちゃくちゃ面白くて。面白ければ面白いほど、「これの作者と対談するのは……無理だ! 俺、やっぱり断ろう」って思って(笑)。前日に。「体調悪い」っていうことしようかな?って思ったんだけど。

でも奥さんに言ったら「いやいやいやいや。あなた、本当に好きじゃん。で、私も好きだし……」って。奥さんは俺よりもよしなが先生のことが好きなのね。「いや、こんなずっと好きだった漫画家さんと話せるなんてことはないから、絶対に受けた方がいい」って言われて。「わかった」って。それでもう1回、『大奥』を読み直して。3時間かかって。で、「他の著作の話にもなるかもな?」と思って『きのう何食べた?』を読み始めて。あれも10何巻あるわけよ。で、「他の著作の話にもなるかな?」と思って昔の短編集とかも読み始めて。対談集も読み始めたら、朝(笑)。

もうギンギンの状態で、そこから「はっ!」って気づいて。「俺、自分とよしなが先生との思い出をちゃんと書き起こしてないな。これじゃあしゃべれないな」と思って。で、書き起こし始めて、それを終えて。12時だったっけな? まあ、お昼から対談だったんだけども。その10分ぐらい前から……リモートの対談だったのね。で、ZOOMで対談をしますっていうことになっていたから自宅のパソコンの前に座って。それで何回か、入室をしようとするんだけど、10分も前だから弾かれるわけ(笑)。

弾かれつつ、2分前ぐらいに……でも、絶対に先に入りたいと思ったから。カチカチッて入って待っていたの。そしたらパパパパッて何人か女性が出てくるんだけど。よく考えたらよしなが先生って顔出しをしてないから。誰がよしなが先生なのか、わからないわけ。フハハハハハハハハッ! 「えっ、誰なんだろうな?」って思って。みんな、だいたい同い年ぐらい女性なのよね。で、「うーん? もう……どうしたらいいの? も、もう……やめる!」みたいな状態になったんだけども(笑)。

そしたら1人の女性が「ああ、どうも。編集者の○○です」「ああ、編集者のなのね。はい、消えた。残りの2人のうちのどちらかだ」って思って(笑)。で、「大丈夫です、佐久間さん。しゃべりづらいでしょうから、対談を始めたら私たちはビデオをオフにしますから」って。それでよしなが先生と対談してくれてっていう。「ああ、みんな見てるのね。まあ、そりゃそうだよな」って思って。「わかりました」って。で、ビデオがオフになって。パパパパッて消えて、よしなが先生と対談になって。

で、もう最初にさ、まずさ、嫌われたくないから。俺がどんなに好きか?っていう話をちゃんとしようと思って。メモにも書いたから。思い出、それを語ろうと思って。「いや、僕が初めてよしなが先生の著作を読んだのはたぶん大学生の時だったと思います。この本から読み始めて、そこから同人誌も読みまして。この本を読んで。『フラワー・オブ・ライフ』という作品ではこのセリフに影響を受けまして。

あとは『こどもの体温』という作品のシフォンケーキを作ったこともあります。それと『きのう何食べた?』の中にあるパウンドケーキ。これを僕が作って、堂本剛くんの誕生日に贈ったことがあります。最近、この対談の前日も『きのう何食べた?』の唐揚げを作って……実家のやつですよ。唐揚げを作って食べました」って。それで気付いたら10分、ひとりしゃべり。フハハハハハハハハッ!

冒頭10分、古参アピール

対談で一番ダメなやつ。よしなが先生にほぼしゃべらせない(笑)。自分がどんだけ古参か?っていうアピールを本人に(笑)。「あ、ありがとうございますよ」っていう(笑)。「ああ、それはありがとうございます!」って。どう考えてもみんな、先生の話が読みたい。聞きたいはずなんだよ。なのに、対談相手でそれを引き出さなきゃいけない俺が自分の熱い思いをただ語り続ける冒頭。で、「うわっ! うわうわっ!」って思って。でも、よしなが先生は優しいから。「私が最初の頃から支えていただいた読者の方で嬉しいです。本当、嬉しいですよ」みたいなことを言ってくれたから。「ああ、嫌われてはいない!」と思って(笑)。

そう思って、そこからちょっとある程度リラックスして喋れたのね。で、結局90分ぐらい話したのかな? で、まあまあ話としては面白買ったの。後半、意気投合したのもあって。それはなぜか?っていうと、よしなが先生は漫画を書いてるし、俺もテレビを作ってるけど。どっちかっていうとソフトの受け手……要は漫画の読み手の方の部分が大きいから。「たぶん書かなくなっても一生読み続けますよね」みたいな話で意気投合して、それはよかったんだけど。まあ、とりあえずそれで終わったの。

「うわっ、終わった……もう考えたくない」って思って。で、1週間後に記事の原稿が送られてたの。もう度肝を抜かれたんだけど。普通の対談よ? 1万2000字(笑)。『ROCKIN’ON JAPAN』の野田洋次郎インタビューよ、これはもう(笑)。半生を語るやつ。半生を語って、音楽と出会ってから最新アルバムまでを語る長さなのよ。で、その対談では「うわっ、これが世に出るのか……」って思って。

しかも冒頭の俺の10分近いしゃべり、そのまま載ってるのよ(笑)。これ、ウェブの強さね。カットしなくて出ちゃうから。それが全部出るのね。「ああ、出るんだ」と思って。でもまあ、俺から「カットしてください」って言うのもおかしいから、間違いだけ訂正して。「全然大丈夫です」って言ってノーカットで出ることになって。で、気が気じゃなくてさ。久々にやらかしたんじゃないかなと思って、先週の金曜日に記事が出て。

「出ました」というメールが来たから。それはもう、もちろん当然の義務として告知のツイートはする。で、そこから普通だったら自分の作った作品とか、エゴサーチとかしちゃうんだけど、怖いからとりあえずやめて。反応を見るのは全部やめて。もうパソコンを閉じて、会社で仕事に没頭しようって思ってメール開いたんだよね。

そしたら、会社の同期の女性……仮に「鈴木」ってしようかな。同期の鈴木からメールが来てたのね。システム系の人で俺と全く仕事では関係がないから、普通にメールなんか送ってこないのよ。同期って言ってもさ、全然違う部署だから。そしたらその同期の鈴木からメールが来ていて、それを開いたら「!」マークがたくさんあるメールが来ていて。

「よしながふみ氏との対談、読みました。うらやましい! ただひたすらうらやましい! 『大奥』終盤ですね! 泣ける。何で? 死ぬ。死ぬ。私、死んじゃうって思いながら『MELODY』、毎号を読んでます。佐久間、ありがとう。いつか山下和美先生と対談することになって山下邸に行くことがあったら写真、いっぱい撮ってきてください」っていう、オタクのメールなのよ、もう。

同期からの熱いオタクメール

あと、ちょっと意味が分からないのが、「山下先生と対談することがあったら山下邸に行ってください」ってこれ、説明をすると、山下和美先生っていう漫画家の人がいて。その人は『ランド』とか『不思議な少年』とかを『天才柳沢教授の生活』とかを書かれてる、これもすごい漫画家さんなんだけど。漫画家のオタクから言うと、数奇屋造りのすごい有名な自宅をお作りになっていて。それを漫画にしてるぐらいの人で。だから漫画オタクの中の夢のひとつが「山下和美先生の自宅に行く」っていうことなの。

で、「今、よしなが先生と繋がれた佐久間だったら、山下先生の自宅にも行けるんじゃないか? そしたら写真を撮って私に送ってきてください」っていうメールなのよ。……関係なくね?(笑)。で、「ああ……」っていう風にだけ返信して。ものすごい熱量のオタクのメールが来たから。

で、「うわあ、でもよしなが先生の作品ってこれぐらいの影響力があるんだな」って思って。で、家に帰って飯を作って。その日、奥さんは遅くて。遅くに帰ってきて。奥さんがたまたま俺の飯を食いながら「よしなが先生の対談、読んだんだけど……」って。「おお、どうした?」って。「いい対談だった」って言ってくれるのかな?って思ったら「なんかさ、私の記憶とあなたの記憶をごっちゃにして自分の記憶にしてしゃべってるよね? 『きのう何食べた?』のレシピはたしかにあなたが作ったけど、シフォンケーキは私が作ったんじゃありませんか?」って言われて(笑)。

「もう、いいじゃん!」っつったんだけど(笑)。「よしなが先生にそこを誤解されたくないし、あなたは私の記憶を奪った。記憶泥棒だ!」って言い始めて(笑)。もうさ、嫁もオタクだからさ、よしなが先生に自分の手柄が取られたみたいになって。「いや、それはもう夫婦の思い出じゃん?」「夫婦の思い出とかじゃない。シフォンケーキは私が作りました!」って。久しぶりのめちゃくちゃな夫婦喧嘩。フハハハハハハハハッ! 

(CM明け)

(佐久間宣行)でね、ちょっとだけ話させて。夫婦喧嘩したのよ。で、夫婦喧嘩をしたらだいたいリビングに居づらくなって、自分の部屋に戻るのは旦那じゃん? で、俺が悪。俺が悪いんだけど、さも「痛み分けだな」みたいな顔をして自分の部屋に戻ったの。「いや、もうまあまあまあ……1回、冷やそう」っつって自分の部屋に戻ったの。で、自分の部屋に戻ってパソコンを開いたら、会社のメールアドレスに知らない名前の人からメールが来ていたのね。

で、「誰だろう?」って思ったら「サイバーセキュリティの佐藤(仮名)です」って来て。「えっ、会社の人?」って。会社の人だから俺のアドレスを知ってて、それで送ってきたのよ。「えっ、誰? 誰?」って。全然関わりない部署の先輩か後輩かも分からない人から。しかもサイバーセキュリティーからメールが来たから。「乗っ取られたのかな?」と思って。

「どうなんだろう?」と思ってメールを開いたら「サイバーセキュリティーの佐藤です。仕事以外のメールで失礼します。コミックナタリーのよしなが先生との対談、拝読させていただきました。よしなが作品の熱烈なファンだったと知り、さすがの守備範囲の広さ、驚きました。よしなが先生の作品では『西洋骨董洋菓子店』が好きです。『LaLa』は創刊号から読んでいた世代なので対談中に出てきた日渡早紀先生や樹なつみ先生の作品はリアルタイムで読んでおりました」って……オタクからのメールなんだよ。フハハハハハハハハッ!

「はじめまして」なのよ。いや、だからまず誰か知らないから。同じ会社の人かもしんないけど!って。準備できない心があって。それで続きがさ、「よしなが先生が挙げていらっしゃった『日出処の天子』『綿の国星』『ガラスの仮面』『紅い牙』『スケバン刑事』『パタリロ!』『エイリアン通り』『ツーリング・エクスプレス』、全て私、読んでおります」って。もうその圧がすごいのよ。「俺も読んでいるけど……待ってくれ待ってくれ。溺れそうだよ!」と思って。

それで「佐久間さん、よしながふみ先生の対談、本当に素晴らしいと思います。さて、現在は山下和美先生の『ランド』にハマっています」って書いてあって。「えっ、こいつも!?」って思って。それで読み進めたら……「山下先生との対談、数奇屋造りのご自宅を訪問する時にはぜひぜひ教えてください。お写真、ほしいです」って書いてあって。フハハハハハハハハッ! 「嘘だろう?」と思って。オタク同士、シンクロしてんのよ。で、全く同じじゃん。俺の同期の鈴木(仮名)とサイバーセキュリティーの佐藤(仮名)がさ。

シンクロするオタクたち

で、「厚かましいお願いだとは重々承知しております。しかし、周りに少女漫画好きが少なくて苦労してますゆえ、どうかご容赦ください」って書いてあって。「いやいやいやいや、お前らが友達になれよ!」っていう(笑)。山下和美オタクだからね。たぶんこの2人、よしながふみ先生のオタクでもあるかもしれないけど、どっちかっていうと山下和美先生のオタクだからね(笑)。

あと、これを聞いてる人で山下和美先生にツテがある人……俺、家に行きたいです。フハハハハハハハハッ! ということがあったのと、この後……これは本当におまけなんだけど。対談が終わって、このメールをもらった後に「ああ、『大奥』の最新刊、買ってねえや」と思って俺、クリックして買ったんだけど。家になぜか……たぶんそれでもうアップアップになってたんだろうね。クリックを何回かしちゃった上で2冊、買ってたんで。1冊、余っているんですよ。だから今日、リスナープレゼントさせてください(笑)。『大奥』の18回のみ、プレゼントとさせてくださいっていう。

<書き起こしおわり>

佐久間宣行 テレビ東京・漫画オタクたちからの再び届いたメールを語る
佐久間宣行さんが2020年7月8日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』Mixchannelの中で先週話したよしながふみさんとの対談記事に反応したテレビ東京社内の漫画オタク2人から、再び届いたメールについて話していました。...
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