上出遼平 危険地帯で命を守る旅の心得3ヶ条を語る

佐久間宣行と上出遼平 テレビ東京を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の上出遼平さんが2020年4月8日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』に出演。佐久間さんと危険地帯で命を守る旅の心得3ヶ条について話していました。

(佐久間宣行)今日はゲストに『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の演出、後輩の上出遼平くんが来ていきます。よろしくお願いします。

(上出遼平)よろしくお願いします。

(佐久間宣行)ということでメールが来てます。東京都の方。「上出さんは細かすぎて伝わらないモノマネのみょーちゃん軍団のネタに出ていましたか?」。フハハハハハハハハッ! ああ、出てるわ。似てるな、お前(笑)。

(上出遼平)はい(笑)。

(佐久間宣行)たしかに似ているな、上出。

(上出遼平)みょーちゃんに似ているっていうことですよね? 中国系なんですね。

(佐久間宣行)そうね。みょーちゃんから愛嬌を取ってガンギマリをちょっと足した感じですね。三重県の方。「スラム街から1人で生きて帰ってこれる上出さん。ヤンキーに絡まれた時の対処法を教えてください」。フハハハハハハハハッ! ある? ヤンキーに絡まえた時の?

(上出遼平)でもめちゃめちゃ絡まれてましたからね。僕、高校生の時とか。でもやっぱり本当に……謝る。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!

(上出遼平)本当に誠心誠意、謝るしかないですね。いろんな言いがかりをつけられますしね。

(佐久間宣行)はいはい。じゃあ、この流れで上出がどうしても伝えたいという中に書いてあった「皆さんにお伝えしたい旅のTIPS」。「これは守ってください」みたいなことでしょう? それはもう上出にしか話せないことがあるはずだから。俺も1個ずつメモっていくから教えてよ。

(上出遼平)じゃあ、コンパクトに。「走らない、止まらない、びびらない」。

(佐久間宣行)「走らない、止まらない、びびらない」。

(上出遼平)この3つだけ今日、覚えてもらいたいなと。

(佐久間宣行)そうすると、これさえあれば殺されないっていう?

(上出遼平)そうです。逆に、これをしたら殺されるっていう。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!

「走らない、止まらない、びびらない」

(上出遼平)というやつなんで。これ、結構リアルに「殺されちゃうよ」っていうのがあるので。

(佐久間宣行)ああ、危険なところで「走る、止まる、びびる」ってのいうのをやると殺されちゃうよっていうことですね。それはなんで? ちょっとずつ説明してもらってもいい? 「走らない」っていうのは?

(上出遼平)「モブ・ジャスティス(Mob Justice)」って聞いたことありますか?

(佐久間宣行)「モブ・ジャスティス」? 知らない。

(上出遼平)直訳すると「群衆(集団)による正義」っていうやつなんですけども。南米でもアフリカでもそうなんですけど。たとえば万引き犯とかをみんなで捕まえてその場でリンチして殺しちゃうんですよ。刺したり燃やしたりして。だからまあ、死体が街に転がってるような状態なんですけど。そういうことがあるので。「走る」っていうのは「僕、やりましたよ」っていうことの宣言になっちゃうんですね。だから「走ってるやつは捕まえていい」っていうことになっちゃうんで。

(佐久間宣行)なるほど。そういう地域ではね。

(上出遼平)そういう地域では。でも結構あるんですよ。なんで、僕も取材とかをしてると結構いいがかりをつけられることもあるんですけど。もう毅然と仁王立ちして説明する。謝る。走り出したらもう……死にます。

(佐久間宣行)「やっていいぞ!」っていう風に思われちゃうんだ。「うわーっ、祭りだ!」ってなっちゃう?

(上出遼平)「祭りだ!」ってなっちゃいますので。それは本当にご注意ください。

(佐久間宣行)ひとつ目はなにがあっても走って逃げたりしない。走らない。2つ目、「止まらない」っていうのは?

(上出遼平)まあ、正確には「とどまらない」ですね。これは地域限定で南米のスラムではよく聞く話。僕も結構これは言われたことなんですけども。「30分以上、1ヶ所にとどまってはいけない」っていうのが決まりで。

(佐久間宣行)なんで?

30分以上、1ヶ所にとどまってはいけない

(上出遼平)まあ殺人、強盗が頻発しているんですけど、だいたい強盗は自分が住んでいるその自分のエリアでは犯罪しないんですよ。というのは、そこでやると面が割れちゃってるんで。基本的には「カモがここにいます」ってなったら見つけたやつがちょっと遠くのやつらを呼ぶんですよ。で、やらせるんで……。

(佐久間宣行)ああ、そうか。足がつかないようにするんだ。

(上出遼平)そう。そのやつらが到着するまで、30分はかかるんですよ。

(佐久間宣行)到着するまで。デリバリーがね。殺し屋デリバリー。

(上出遼平)そうなんですよ。だから「30分」というのが基準になっていて。

(佐久間宣行)ああ、殺し屋デリバリーが到着する前に移動した方がいいという?

(上出遼平)そうです。僕も本当にメシ屋さんでスープとかを飲んでいたら美味くて。結構時間が経っちゃって。出ようとしたらお店のおばちゃんに「ちょっと待った方がいいよ」って言われて。「えっ?」って言ったら「もう外にいるから」って。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ! もうデリバリーが?

(上出遼平)デリバリーが届いちゃっているからって。で、優しい人だったんで。

(佐久間宣行)裏口から出されるとか、そういうこと?

(上出遼平)いや、逆にそこで1時間ぐらい時間をつぶして。いなくなるまで。

(佐久間宣行)ああ、あっちが帰るまで待ってからじゃないと……っていうね。

(上出遼平)「ああ、あいつは気づいているんだな」って思われるまで時間をつぶす。スープをひたすら飲むっていう。

(佐久間宣行)なるほど。本当に危険なところでは30分以上とどまるともう殺し屋が到着しちゃうっていうか。他の地域から追い剥ぎがくるっていうことね。

(上出遼平)来ますね。

(佐久間宣行)「走らない、とどまらない、びびらない」。このびびらないっていうのは?

(上出遼平)これはまあ、常識といえば常識だと思うんですけども。びびるとやられるっていう。なんとなくわかると思うんですけども。

(佐久間宣行)うんうん。わかるわかる。

(上出遼平)もうびびっちゃうと「ああ、攻撃対象ね」ってなっちゃうんで。

(佐久間宣行)「やっていいやつだ」って思われるという。

(上出遼平)「やっていいやつだ」ってなっちゃうんで。だから南米だったらもうアディダスのジャージをズルズル引きずりながら歩くぐらいの感じ。で、誰かがいたらもう握手して「Hey, Yo」ってやるぐらいのノリじゃないと危ないという。だけど逆に子供にはびびってほしいっていうのもあって。これはあまり知られていないと思うんですけども。人を殺すのって結構子供なんですよね。

(佐久間宣行)ああ、そうね。『シティ・オブ・ゴッド』っていうブラジル映画があって。それはブラジルのスラムの少年のギャングを描いたやつなんだけど。それは銃を持った子供たちが結構人を殺すんだよね。だから、その映画が実話だっていうことね?(笑)。

『シティ・オブ・ゴッド』的な世界

(上出遼平)そうですね(笑)。大人はあんまり簡単に人を殺さないんですけども。

(佐久間宣行)そうね。利益というか、逆にちゃんとお金を取った方が安全だしね。

(上出遼平)でも子供はびびって「ヤバい!」ってなって殺しちゃうというか。結構日本人が亡くなった事件とかもあるぐらいなんですけども。

(佐久間宣行)だから逆に笑顔で来る……要は、その安全な地域はいいかもしれないけども、危険な地域にいる時に子供に不用意に接するの危険ということね。

(上出遼平)ということと、子供が物を盗んでくるんですよ。それは絶対に追いかけないっていう。追いかけちゃって撃たれるっていうケースもあったんで。

(佐久間宣行)子供の方は……逆に捕まえられると思っちゃうからっていうね。

(上出遼平)そうです。「大人が追いかけてくる!」ってなっちゃうんで。それで、銃はもうタダ同然で流通してるんですよ。1回、人を殺した銃って……よく推理小説なんかで「線状痕」って出てきたりするんですけども。

(佐久間宣行)どの銃かってわかっちゃうっていうね。

(上出遼平)わかってしまうっていう。なので、1回人を殺した銃というものはもう二束三文で流通をしているんで。だから子供も平気で銃を持っているっていう。

(佐久間宣行)ああ、そういう地域では子供でも銃が手に入れられちゃうのが現実っていうことね。

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