(増田岳哉)そう。だから本当に言いたいのは、アーティストの皆さんの包容力がヤバい。よく俺をそんなに許してくれてるなって思う。だって俺、めっちゃ好きなことを言うやん? 自分でやっているなんて全く思わないね。その、謙虚な意味じゃなくて本当にそうなのよね。こうやってやらせてもらっているのって、本当にみんなに許してもらえてるからやなと思う。だから、みんな変わっているなって思う。
(PUNPEE)ああ、その、SUMMITにいる人が……っていうことですか?
(増田岳哉)うん。よく合わせてられているなって。だってさ、これも言ってまうけども、契約とかもないやん?
(PUNPEE)ない。俺、この話もしたくて。契約書、ないじゃないですか。
(増田岳哉)ああ、作品の印税とかに関する契約書はちゃんとしているよ。
(PUNPEE)ああ、もちろん作品に関してはあるっすけど。その、全くレーベルと契約をしっかり結んでいるわけではなくて。
(増田岳哉)マネジメント契約とかね。2年更新とかそういう……。
(PUNPEE)そう。それはないじゃないですか。音の作品の印税のとかはあるっすけど。
SUMMITレーベルとアーティストの契約
(増田岳哉)そうですね。SUMMITとPUNPEEさんでどうやって分けるという取り決めはちゃんとやってますけど。
(PUNPEE)それは今後もやらないっすか?
(増田岳哉)その「SUMMITに所属してる2年間は他のレーベルでどうこう」みたいなのですよね? そんなの、したくないっすね。
(PUNPEE)ほう。それはなんでですか?(笑)。っていう風に聞いたらなんか意見があるみたいになっちゃうけど。もう自然とそうなった感じですか?
(増田岳哉)いや、俺は意識的にですね。やっぱり毎回、自分を選んでほしいっていうエゴもあるし。たとえばさ、Pと今日、契約して。「2年間、SUMMITでマネジメントをやらしてもらったり、レーベルとして音楽作品を出しましょうね」みたいなことって全然できると思うし。まあ、Pさんに限らずアーティストの皆さん、優しいから「いいですよ」ってなると思うねんけど、「2年」っていうその期間をさ、言ったら縛るっていう部分もあるやん? で、今の現時点では、今日現在では「増田と仕事しよう」と思ってくれてたとしても、来週とか1ヶ月後とかに「もっと能力があるかな?」って思うようなA&Rの人とかディレクターの人とかマネージャーさんとかと会うかもしれないやん。
その時にさ、そういう契約があるからって動けないのも好きじゃないし。で、自分もその2年という契約があるから「PUNPEEは2年間は俺のもんだ」とか「OMSBは2年間、俺のもんだ」とか思いたくないし。お互い、その聞かせてくれた音源に対してそのもの自体にフォーカスして話したいから。「2年あるから1枚のアルバムを作らないと」とか、そういうのとかで無理やり作った音楽を別に聞きたいとは思わないっていう。
(PUNPEE)まあ、だからすごい自然な流れで。
(増田岳哉)まあ言ったらむちゃくちゃ曖昧やけどね(笑)。
(PUNPEE)曖昧だけども、ちゃんとそこにみんないますよね。
(増田岳哉)まあ、「今日時点では」ってことで。別に明日以降、いなくなる可能性は全然あると思うし。そういうのはもう全部受け入れますね。だって、それは何でか?って言ったら、自分に原因があるから。もしそうなったら。そしたらその時にやっぱり学ぶこともあるやん。でも、その取り決めがあったら、いろんな……そのPUNPEEが思ってることとかが俺にも伝わってこないと思うのよね。
(PUNPEE)「関係性的に」っていうことですね。
(増田岳哉)そう。仕事やん、もう。音楽なんか仕事じゃないですよ、だって。
(PUNPEE)うん。俺もでも「契約があるから」とかそういう感じで『MODERN TIMES』を出した感じではなかったな。
(増田岳哉)うん。だからまあ考えようによっちゃ無責任やと思うよ。マネージメントとかレーベルっていうのはアーティストさんの言ったら何年間とかを保証していって……ということもあると思うから。でも俺、保証するつもりはあんまりないし。
(PUNPEE)フフフ、そこに関しても(笑)。
(増田岳哉)そう。アーティストの人たちが本気で作ったものを自分で買いたいし。俺、アーティストの生活を……これはSUMMITの話じゃなくて。自分がたとえばニルヴァーナのCDを買う時に「カート・コバーンの生活を支えたい」とかって思ったりして聞いてないし。どうでもいいよ、そんなことは。それを自分が売り手史上になって、レーベルの都合だったりとか、アーティストとかの関係……いや、もちろん人としてもPUNPEEさんのことを好きやし。みんなのことも本当に好きなんやけど。
そういう、言ったら内情があるからと言ってそれをお客さんに強いるっていうのはめっちゃ違うと思うのよね。一番近いっていう言い方も変かもしれないけど、自分が音楽をリリースさせてもらって、その売り上げをもらっている立場として、本当にその曲が自分にとって必要かだけでいいと思ってる。
(PUNPEE)まあ自分も誰かの生活を支えようとしてCDを買ったことは1回もない。
(増田岳哉)まあ、だからさっきの包容力じゃないけど、PUNPEEさんはやっぱり優しいから。
(PUNPEE)いやー、どうなんですかね。
(増田岳哉)というか、俺に怒ったことないやん。何なん、それ? そういえば。俺にさ、疑問とか疑心暗鬼とか、「増田ってなんやろ?」みたいなのとか。レーベルに不安とか。
(PUNPEE)あんまないっすね。いやー、ないっすね。不満……うーん。いや、別にあんまり。「じゃあ、もう1回やってみようかな?」ぐらいのノリの繰り返しなんで。あんまり……だから基本的にあんまり誰にも怒らないっていうのもあるかもしれないですね。
(増田岳哉)そう。PUNPEEさんは……だから黙って去っていく人やと思うんで(笑)。
(PUNPEE)フハハハハハハハハッ! なるほどっすね(笑)。
(増田岳哉)でもそれでいいと思う。それを気づけてないことも、それはPUNPEEのことを見てないっていうことになるから。だからそれは黙って去っていくPUNPEEが悪いんじゃないんですよ。同じなんです、それは。
(PUNPEE)黙って去っていく感はもしかしたらあるかもしれないですね。
黙って去っていくタイプ
(増田岳哉)それでいいんですよ。自分もそうかもしれないし。俺もそのね、曲やったりライブに関して思ったことは言うけども。やっぱり誰にも相談はしていないし。自分で決めて。「決めたら終わり」っていうタイプなんで。さっきの仕事の話じゃないけど。
(PUNPEE)たしかに。今後はじゃあ、何かあるっすか? SUMMITで。
(増田岳哉)そうですね。今年、レーベルのみんなでツアー、遊びに行きたいなって。
(PUNPEE)自粛がなければ。
(増田岳哉)ねえ。本当に。5月もどうなるかわからないところが正直ありますよ。意気揚々と告知しているんですけども。
(PUNPEE)なんか最後にかけたい曲ってあります?
(増田岳哉)せっかくなんで1曲、『かみさま』を……。
(PUNPEE)フフフ、それだと……(笑)。
(増田岳哉)いや、Qiezi Maboの『Qamisama』を。
(PUNPEE)ああ、そっち? そっちっすね(笑)。
(増田岳哉)ちょっと意地悪な言い方になってしまいましたけども。
(PUNPEE)じゃあ、かけましょう。それ、かけていいんですか?
(増田岳哉)はい。3年ぐらい前に聞かせてもらって。その曲にやられて。あの曲は俺、めちゃくちゃヤバいと思ったんで。「かみさま」つながりでQiezi Maboの『Qamisama』。もう歌詞もすごい好きやし、メロディーも。俺、ホンマに2016年ぐらい聞いて。もしかして本邦初公開?
(PUNPEE)じゃあQiezi Maboの『Qamisama』という曲をかけて今日は終わろうと思います。増田さん、ありがとうございました。
(増田岳哉)ありがとうございました。2年間、自分もファンとして聞かせていただきました。ありがとうございます。
(PUNPEE)じゃあ、ありがとうございました。さよなら、さよなら、さよなら……。
Qiezi Mabo『Qamisama』
SOFA KING FRIDAY | J-WAVE | 2020/03/20/金 25:00-25:30 https://t.co/9dgbIWvsfF #radiko
— みやーんZZ (@miyearnzz) March 22, 2020
<書き起こしおわり>