寺坂直毅さんが2020年3月3日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で自身が通っていた宮崎県の定時制高校についてトーク。卒業式の思い出などを話していました。
(星野源)そう。このね、メールテーマを「卒業式」にしましょうっていうのもさ、いつもいくつかテーマを提案してくれるじゃない? それで作家の寺ちゃんの卒業式のエピソードを聞いて、「じゃあこれにしよう」っていう風に思ったんですよ。寺ちゃん、卒業式は何歳の時?
(寺坂直毅)あれは18歳。高校の卒業式ですね。
(星野源)どういう高校に通っていたの?
(寺坂直毅)夜間高校……定時制高校っていう夕方に始まる高校で。
(星野源)それって宮崎にあったの?
(寺坂直毅)宮崎にあるんですけども。暗い時間に3年間、通っていたので。
(星野源)俺、よくわかっていないんだけども。定時制で夜って何時からスタートなの?
(寺坂直毅)夕方5時から9時までなんです。
(星野源)時間割はどのぐらいあるの?
(寺坂直毅)45分が4つですから、4時間目まで。
夕方5時から夜9時までの4時間授業
(星野源)いわゆるさ、昼の高校だと朝から行って昼、夕方までの高校だと昼ご飯があるじゃない? 昼ご飯の休憩みたいな。そういうのもあるの?
(寺坂直毅)まず5時に行ったら食堂があるんですね。私の行っていたところには。そこでみんな食事をするんです。
(星野源)ああ、まず最初に食事なんだ。へー!
(寺坂直毅)はい。それで定時制高校っていうのは同じ学年だけじゃなくて、70歳のお婆ちゃんとか、働いていらっしゃる方がたくさんいて。
(星野源)そうか、なるほど!
(寺坂直毅)そういう人たちと一緒に食事をするという。
(星野源)仕事が終わってから食事をして、それで勉強をしようみたいな人もいるんだ。じゃあ、そこで結構話すんだね?
(寺坂直毅)話したり……先生も一緒にいるんですよ。で、僕はもうずっと先生と一緒にしゃべってましたけどね。
(星野源)へー! そういう時ってどんな話をするの?
(寺坂直毅)1人、日本の俳句ですごく有名な先生がいらっしゃって。NHKの番組とかに出られる方なんですね。歌人の方で。で、僕は宮崎の田舎の人間なんですけど、「東京のNHKというところにはね、こういうものがあってね」って。
(星野源)ああ、それは話を聞くの、楽しいね!
(寺坂直毅)あとは「このニュースキャスターは自分のことを言わなくて。このニュースキャスターは自分のことばっかりを言うんだよ。これはね、自分のことを言わないのが正しいんだよ」とか、そういうことを高校生の僕に教えてくれる先生がいて。
(星野源)ああ、面白い! へー。その時にはもうさ、寺ちゃんは紅白歌合戦は好きだったんでしょう?
(寺坂直毅)そうですね。こういう仕事をしたかったので。
(星野源)ああ、もう放送作家だったりとか。じゃあラジオはもう中学年の時から聞いていて、ハガキ職人もやってて。
(寺坂直毅)そうです。
(星野源)そうか。じゃあこういう業界に入りたいから、そういう話を聞くのが楽しかったんだ。
(寺坂直毅)イトウ先生という方が東京の……それから「テレビはこうやって見るんだ」とか。テレビの見方を。
(星野源)あ、見方も? へー。それってどういうこと?
(寺坂直毅)それは今、言ったようなニュース番組とか。
(星野源)そのニュースが……どういうこと? リテラシーみたいなこと?
先生からテレビの見方を学ぶ
(寺坂直毅)「だから鵜呑みにしちゃいけないよ」みたいな。「こういうところは自分の中で解釈して、こういうことは自分は違うと思ったら違うっていう風にテレビを見るんだ」とかっていうことを教えてくれて。
(星野源)超いい先生じゃん!
(寺坂直毅)大好きな先生で。すごい有名な先生なんですよ。
(星野源)そうなんだ。すごいね! なんかさ、そういうことってさ、学校で教えてくれないじゃん。だから、そういうことを知りたいんだよね。なんていうか、僕がさ、そういうことをたとえばもう小学生ぐらいから教えてほしいじゃん。そういうのって。そのいわゆる「メディアで流れてるものって全部が本当じゃないんだよ」っていうこととか。そういうのをみんな、自然と学んではいくけれども。やっぱり普通にみんな、いろんなことを信用するじゃない? もう本当に純朴に。で、怒ったりさ。なんかそれに怒ることで1日が潰れたりするわけじゃん。嘘だったり、本当ではないことで。だからそういうことを教えてもらえたらいいのになって。まあ、わからないけども。もしかしたら今、教えているのかもしれないけど。小学校とかで。わかんないけどね。
(寺坂直毅)まあ、なかなかないと思いますよ。で、その定時制高校っていうのがいろんな事情を抱えた人がいらっしゃるので。問題があった人とか、僕みたいに中学に行ってなかった人とか。それでカウンセラーという立場でもあったんですよ。
(星野源)へー! えっ、それは、その授業もするけれども?
(寺坂直毅)教えながら。国語の授業を教えながら、悩める子たちにカウンセラーとして「何かあったらいつでも話をしよう」という。
(星野源)それは授業外に?
(寺坂直毅)授業外で、その食堂でご飯を食べてる時とか、そういうカウンセリングの時間みたいなのがあって。
(星野源)へー! いい時間ですね。
(寺坂直毅)結構やっぱり不登校児も多かったので。
(星野源)うんうん。僕も3ヶ月ぐらい行ってなかった時間はあったけど。だから僕も自由な学校だったので。何て言えばいいんだろう? 授業に出なくても怒られないような学校だったんだけど。だからその間に僕はギターの練習をしたり、演劇の稽古をやったりとかしてたんだけど。だからその時は怒られないんだけど。「まあ、自己責任な」って言われて。それで今、非常に後悔してるんだけど。その勉強しなかったことを。だから、何かそういう意味でのいわゆる教えを受けたなと……時間が経ってわかる教えを受けたんだなって俺は今、思っているんだけども。
その人生だったりとか、そういうことを相談する人っていうのがいたかどうか?って思うと、あんまりなかったなとは思うね。やっぱり教師の方って忙しいじゃん。やることが山ほどあるじゃん。だから、それどころじゃないとかいろいろあるんだろうけど。そうか。そういう時間がまずあるんだね。まずっていうか、そういう希望があればというか。食事をしながら話ができたりするんだね。それで授業して?
(寺坂直毅)授業をして、4時間目まであって。で、僕は授業を聞いてなくて。以前もお話ししたように、ラジオを1人でやっていて……。
(星野源)フハハハハハハハハッ! 寺ちゃんは授業を聞いてないタイプ(笑)。
(寺坂直毅)というか、授業中に5、6人しかいないんですよ。生徒さんが。教室に。それで夜、寒くてですね。
(星野源)ああ、暖房はなかなか?
(寺坂直毅)石油ストーブかなんかはあるんですけども。それで夏は蚊が入ってきますしね。電気がついているので虫が入ってきたりして。
(星野源)冷房はなく、扇風機ぐらいで、みたいな。
暴走族のお迎え
(寺坂直毅)それで夜9時になったら「終了」っていうことで。そのままみんな、夜に帰っていくんですが、暴走族の音とかが……お迎えが来るんですね。暴走族の方は。
(星野源)ああ、そうか。族の方は。「兄貴!」っつって迎えが来るんだ?
(寺坂直毅)「ブルルンッ!」って。それが9時ぐらいに聞こえてくるんですよ(笑)。