(星野源)フハハハハハハハハッ! チャイムより先にバイクの音が聞こえてくるってヤバいね(笑)。遠くから「あっ、向かってきてる!」みたいな?
(寺坂直毅)「ああ、9時だな。もう終わりだな」みたいな。
(星野源)アハハハハハハハハッ! 面白い! だってああいう人たちってさ、めちゃくちゃ上下関係がしっかりしているから、時間に厳しいじゃん? 遅れたりしたら大変だもんね。
(寺坂直毅)で、そういう人たちが一番優しいんですよ。人をいじめないんですよ。そういう人たちは。よっぽど何をやっているのかわからないような人がいじめてきて。暴走族みたいな人が普段は一番優しいんですよね。
(星野源)へー! いや、なんかそうだろうなって思う。何かさ、そういうのって傍から見ていたタイプだからさ。中には入っていないからあれなんだけども。その上下関係っていうか、そういうのもあるし。あと、利害関係がない中のつながりっていうのを大事にするじゃない。ああいう人たちって。なんて言えばいいのかな? 損得じゃない中での、取りあえず1回、兄弟って決めたから兄弟だ、みたいな。でもそれって損得じゃなくて……通常の社会性とはまた違う社会性のさ、独特の社会性だもんね。だからなんか、そういう人ってなんか優しかったりするよね。まあ、だからその、別の知性があるっていうかさ。それはすごい思うな。なるほどね。面白いなー! それを傍目に見ながら?
(寺坂直毅)それで、そのチャイムを聞いて。1人で寄り道しながら自転車で帰ってましたけどね。
(星野源)その自転車の時って、いわゆるバスのやつをやっていたの? バスの妄想を……。
(寺坂直毅)はい。しかも家と高校の間は一番儲かる路線、ドル箱路線なんですよ。
(星野源)フフフ、いっぱいお客さんが乗ってくるのね?
(寺坂直毅)だから路面電車……「スーパートラム」っていう名前にして、電車にしてました。
(星野源)ああ、そうか。高校の時はもう電車にしていたと。
(寺坂直毅)「南北線」っていう。
(星野源)そうかそうか。前はバスだったけども、あまりにも人が乗ってくるから。そこにもう路線ができて?
(寺坂直毅)高校から自宅まで、5分に1本走らせて。
(星野源)じゃあ授業中はその時間割りがラジオのプログラムだとして……。
(寺坂直毅)「寺坂直毅のイーストレディオ」っていう。
寺坂直毅のイーストレディオ
(星野源)フハハハハハハハハッ! イーストレディオはさ、そうか。4時間の帯だったんだっけ?
(寺坂直毅)4時間の帯です。月金の。
(星野源)そうだよね。4時間の帯でだから一科目ごとの……それでちょっと休憩があるんだよね?
(寺坂直毅)はい。休憩時間は箱番組っていうことで。
(星野源)フハハハハハハハハッ!
(寺坂直毅)それで今、ここで箱番組やらせてもらってるのは運命を感じますけどね(笑)。
(星野源)フフフ、箱番組がついに。逆にね、そうだよね。箱番組をやる側になるっていうね。まあ、パーソナリティーではないけども、箱番組を(笑)。
(寺坂直毅)あの時、4つほどあったんです。箱番組が、僕の中で。
(星野源)それさ、その「寺坂直毅のイーストレディオ」は箱番組はいわゆる現実にいる有名人の人がやるの?
(寺坂直毅)そうです。現実にいる芸能人の方の……だから東高校っていう高校で東放送っていう名前にしていて。そこがネットで買っているっていう。ニッポン放送さんとか文化放送さんとかから。
(星野源)フフフ、買っているんだ(笑)。
(寺坂直毅)だから当時は『裕木奈江のシチュータイム』とか、そういう箱番組を。『KinKi Kidsどんなもんヤ!』とか。
(星野源)じゃあ、それは実際に放送されてるやつを買って、そこで流していたんだ。
(寺坂直毅)はい。ネットを買って15分間流して。それで私はちょっとお茶を飲んで。それで「再び戻ってまいりました」って。
(星野源)フフフ、休憩して(笑)。それで、先生が授業してるんだね。その時に頭の中で「戻ってまいりました。寺坂直毅でございます」なんて。
(寺坂直毅)そんなことをしていました。
(星野源)へー! それは、定時制って3年行くもんなの?
(寺坂直毅)通常4年のところもあるんですけど、うちは3年だったんですね。
(星野源)じゃあ3年間、通って。毎日? 月金?
(寺坂直毅)月金ですね。
(星野源)それで、卒業式……。
(寺坂直毅)3年間、毎晩夜、暗い中を通っていたのに、卒業式だけ朝だったんですよ(笑)。
(星野源)ああ、そうなんだ。卒業式は朝なんだね。
(寺坂直毅)はい、朝で。初めて太陽に照らされた学校を3年目にして見て。
初めて見る太陽に照らされた学校
(星野源)ああ、そうなんだ。面白いねー。ちゃんとっていうのもあれなんだけども、みんな卒業式は来るの?
(寺坂直毅)みんな来ていて。一番、問題があったような人が号泣してるんですよ。
(星野源)そうなんだ!
(寺坂直毅)後で聞いたらやっぱりすごいいろいろ苦労した学生さんとかもいらっしゃって。そういう人が一番泣いてましたね。僕は泣かないんですけども。「やっと出れる」って思って。
(星野源)「やっと出れる」(笑)。
(寺坂直毅)「これが最終回だ」って思って。
(星野源)ああ、イーストレディオの最終回ね。そのイーストレディオの最終回はでもさ、朝になっちゃうんでしょう?
(寺坂直毅)なんかそういうの、ありますよね。ラジオってね。変則的な(笑)。「まあ、それもいいや」みたいな(笑)。
(星野源)フフフ、まあこんな時間にちょっと移動しちゃったみたいな。そういうの、ある?
(寺坂直毅)わかんないです(笑)。なんかそういう編成みたいなね。
(星野源)ちょっとした編成の。
(寺坂直毅)東放送の編成部がそうやって決めたみたいな。
(星野源)ああ、決めたからしょうがないやと。最終回、イーストレディオはどんな内容だったの?
寺坂;それはもう、卒業音楽特集っていうことで。『仰げば尊し』みたいなものを生演奏で聞かせるっていう。
(星野源)フハハハハハハハハッ!
(寺坂直毅)しかも体育館ですから。「イーストスタジオ」っていう……。
(星野源)そうか。ニッポン放送で言うところのイマジンスタジオみたいな、公開収録とかもできる場所ね? 東放送にはそれがあったんだ。
(寺坂直毅)イーストスタジオ……「イースタ」って呼んでいたんですけども。
(星野源)ああ、略して(笑)。
(寺坂直毅)そう。「東洋一の大きさ」とか言っていたんですけども。1人で。そういうので卒業音楽をかけるという。まさにこの時期にぴったりのイーストレディオ最終回。
(星野源)いいですね。プログラムで。そうですか。いやー、なんかさ、いろんな事情があるじゃない? 生徒ってさ。
(寺坂直毅)いろいろあったんですよ。
(星野源)というか、そのいわゆる定時制で人数が少ないけど、いろいろあるわけでしょう。それでも。で、もちろん定時制じゃなくてもいろいろとみんな事情があるわけじゃない? 何かそういうのがちょっと垣間見えたりするよね。なんか卒業式って。いわゆるこう、何か解放される瞬間なわけじゃない。「解放される」っていうか、まあちょっとしたお祭りでもあるし。そうそう。
星野源・卒業式の思い出
なんかね、僕の時はね、僕の学年じゃなかったんだけど。1人、すごい人がいて。すごい優しい人なんだよ。でも優しくて、すごいセンシティブな人だったんだけど。たぶん、なんかいろいろと溜まっていたんだと思うんだけど。なんかいろいろ事情があったのか、わかんないけど。ウイスキーを卒業式に持ってきて。飲まないんだよ。飲まないで、その卒業証書をもらう時に口に含んで校長先生にブワーッとかけたの。
(寺坂直毅)フハハハハハハハハッ!
(星野源)「うわあ! すごいことをやった!」みたいな。で、もう……(笑)。でもそれが、そんなに大騒ぎにならないっていう学校だったの。「それも表現」っていう。なんか、それはすごい素晴らしいなと思ったんだけど。それを……まあもちろん怒るんだけども。「そんなこと、するな」ってもちろん怒るんだけど。何かその、すごい罰があるとかそういうことじゃなくて。「まあ、それもそういう表現だよね」っていう風な感じになるっていうのが……もちろんそんなこと、ダメなんだよ。すごい侮辱だから。そう、だからなんかいろんな人生のさ、普段溜めているなにかが……そういう瞬間なのかなって思いますね。だからちょっとね、卒業式のメールなどをこの後、ちょくちょくご紹介していこうと思います。
<書き起こしおわり>