星野源『The Shower』の歌詞を語る

星野源 新曲『ドラえもん』ジャケットデザインと歌詞を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で、ニューシングル『ドラえもん』に収録されている『The Shower』の歌詞について話していました。


星野源『ドラえもん』

(星野源)そして、そのシングル『ドラえもん』に入っているカップリング曲の『The Shower』という曲がありまして。この曲をかけていきたいと思いますが。メールを読もうかな? 山口県の方。「ニューシングル『ドラえもん』、先週フラゲしてから何度も聞いています。4曲、どれも素敵ですが私は特に『The Shower』が好きです。最後に『だれもきみのほんとをしらないし ほんとのわたしをだれもしらないわ』の部分が思春期の女の子の複雑な気持ちが詰まっている歌詞だなと思いました。

私自身、高校生活で思い通りに自分を表現できないまま卒業をしてしまった気がして後悔していますが、実はその自分が本当の自分だったのかも……とか思ったりもしました。自分のことなのにはっきりとわからないモヤモヤした感じが歌詞に表現されているような気がして、こういう気持ちってみんなも感じているのかな? 私だけじゃないのかな? とうれしくなりました。今回も素敵な作品を届けてくださって本当にありがとうございます」。ありがとうございます。

じゃあ、その『The Shower』を聞いてみましょうかね。先週発売されました星野源のニューシングル『ドラえもん』の中からカップリング曲です。3曲目。『The Shower』。

星野源『The Shower』

お送りしたのは私、星野源の11枚目のシングル『ドラえもん』のカップリング曲で『The Shower』でした。メールを読みます。京都の方。「『ドラえもん』、毎日何度もリピートして聞いていますが、特にリピートしてしまうのが『The Shower』です。私はこの曲の女の子は思春期のしずかちゃんをイメージしてしまうのですが、私もしずかちゃんと同じ一人っ子の女の子で育ちました。大切に愛情を受けて育ちましたが、いろいろと悩みだす思春期、友達にも相談できない。家で話せる兄弟もいない。

部屋にこもると親に心配される一人っ子の私にとって、お風呂って本当に1人でいろいろと考えを巡らせられる大切な場所でした。シャワーがあれば流れた涙も親にバレずに流してしまえる。私はどんな大人になるんだろう? と漠然とした不安と期待をお風呂で癒やしていたように思えます。いまはそれなりに大人になり、母親にもなりましたが、この曲にはまだ胸の中にいるあの頃の自分を見せられているようで、リピートを止められません。思春期の女の子の心をこんな素敵な曲にしてくれた源さん、本当にありがとう」。ありがとうございます。うれしいですね。こういうの。ありがとうございます。

『The Shower』という曲について、今回の『ドラえもん』というシングルは、前もお話しましたが、『ドラえもん』という曲はタイトルを『ドラえもん』にしようと思っていて。その『ドラえもん』というタイトルにしたいと思った時から、シングル全体をもうドラえもんというコンセプトシングルにするのが面白いんじゃないかと。いわゆる、僕の活動の流れを割とぶった切っているというか。前後の流れも特になにも考えずに「ドラえもん」という枠の中でできているという。そこが自分の中でのすごく壮大なチャレンジであり、めちゃくちゃ面白かった遊びだったんですけども。

そんな中で、2曲目の『ここにいないあなたへ』は劇中歌、挿入歌だったんですけども。その4曲目のハウスバージョン『ドラえもんのうた』は『ドラえもんのうた』をカバーするという。で、その3曲目の『The Shower』はしずかちゃんの歌を作りたいなと思って最初に作り始めて。で、なんとなく僕のしずかちゃんのイメージって、本当に周りに愛をすごく与えて。本当に優しいし、素敵な女の子なんだけど、みんな、ちっちゃい頃とかを含めてイメージしやすいマドンナ像というか、優しい女の子っていう印象……そういうのを背負いすぎているんじゃないか?って。なんとなく、勝手にそういう印象があって。

しずかちゃんのイメージ

で、たまにしずかちゃんがハッとするようなことを言うんですよね。ものすごく、物事を芯を捉えて見ているっていう見方のことを言うことがあって。「僕たちはしずかちゃんのことを誰も理解できていないんじゃないか?」っていうところから曲作りをはじめて。で、そういう詞世界にいまこういう風に流れた音、音楽っていうものが合わさったらすごく面白いんじゃないか?っていう風に想像して曲を作り始めました。それで、MPCを叩いてくれたSTUTSくんにオファーをして。ビートは打ち込みっぽいですけど、全部生演奏で叩いています。

星野源『The Shower』STUTSとの共演を語る
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というような感じなんですけど、書いているうちにちょっとしずかちゃんにしてはちょっと……思春期になってしまったなと。小学生ではなくなってしまったというのがちょっとあって。でも、僕とか男の子の年齢感と女の子の年齢感は違うので。小学校6年生とかだったら、意外と当てはまるのかもって思うんだけど。なんか、「しずかちゃん」ということを明言してしまうよりも、16才とか17才とかの思春期の女の子っていう風に枠をちょっと大きくして書いてみようという風にして歌詞は書きました。

あと、「水に流す」ということが僕はすごく好きで。僕も思春期はシャワーを浴びている時に結構日頃のいろいろを水に流す時間だったので。不安とか不満とか、そういうものを排水口にどんどん流していたイメージだったので。そういう思春期の女の子の歌詞を書いてみようという風にして書きました。なので、しずかちゃんという風に決めているわけではないですけど、そういう風に想像してもらっても大丈夫ですという感じですね。

<書き起こしおわり>

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