吉田豪さんと森若香織さんが2024年6月25日放送のSHOWROOM『豪の部屋』の中で萩尾望都先生と竹宮惠子先生について話していました。
(吉田豪)(コメントを読む)「萩尾望都先生と竹宮惠子先生の本は読みましたか?」。
(森若香織)『ポーの一族』は全部は読んでますよ。
(吉田豪)それの最近のやつですよ。『一度きりの大泉の話』とか。
(森若香織)ああ! バトルのやつ? あれね、ネットの本でサンプルを途中まで読んで。それ以上、興味を持ったら買おうと思ったら、そんなに……「まあ、いいかな」と思って。
(吉田豪)たぶん森若さん的な性格だと、この平和な感じだとちょっと、この殺伐としたものを受け入れるのはちょっと……っていう。
(森若香織)お二方とも、作品が素晴らしいので。その、本人たちはまあ、そんなに知らなくてもいいかなと思っちゃった。
(吉田豪)僕は死ぬほど関連書籍を読みまくって。超立体的にしていて。
(森若香織)どういう……喧嘩っていうか? 権利問題?
(吉田豪)喧嘩っていうか……違うんですよ。なんだろう? 本当にアマデウスとサリエリ的なというか。なんだろうな? 要は超天才と……っていう。
(森若香織)ああ、アマデウス!
アマデウスとサリエリ的な関係
(吉田豪)ものすごい天才で、ちょっと天然みたいな……僕は、感情としては竹宮惠子先生にどっぷり感情移入しちゃって。少女漫画の先輩として、すごい才能のある人がいたから、一緒に住んで。ところが、みるみる吸収していく。自分がそれまで練っていた、「これからこういうものを描きたい」みたいなプランとかも話していたら、みるみる吸収して。それで自分たちよりもものすごいいい表現で作品を書いて、みたいな。それで複雑な感情を抱き。でも、それを全く萩尾先生は気づかず……っていう。
(森若香織)そういうのってやっぱりさ、さっき誰と誰って言ったっけ? 『ルードウィヒ・B』ですよね?
(吉田豪)ああ、そうです。手塚治虫で言うところの。
(森若香織)そうですよね。あと、あれですよ。最澄と空海とか。必ずそういう、天才と秀才じゃないけど。あれ、なんなの?
(吉田豪)そう。で、竹宮惠子先生がそれで当時、ものすごくネットで叩かれていて。「わかるんですけど……わかるんですけど、僕は竹宮惠子だ!」ぐらいの感じになっていて。
(森若香織)えっ、それはどっちなの?
(吉田豪)要は、あまりにもそういうのがあったんで、一緒に住んでいたはずなのに、竹宮惠子先生がちょっと別のところに距離を置いたりとかし始めて。さらには、最後はちょっと「私のなにかをパクッたんじゃないの?」ぐらいな感じのことを言われて。それが萩尾先生からしたらショックで、絶縁していくような話なんですけど。なんかね、わかるんですよ、すごく。竹宮先生の気持ちが。
(森若香織)どっち側?
竹宮惠子先生の気持ちがわかる
(吉田豪)僕は萩尾望都の大ファンで。
(森若香織)いや、『ルードウィヒ・B』で言うと、どっち側?
(吉田豪)萩尾望都先生という、圧倒的な天才ですね。
(森若香織)それで、共感するのは?
(吉田豪)その、地道な人というか。ちょっと嫉妬心が出たりとか。
(森若香織)えっ、そうなの? でも天才型じゃない?
(吉田豪)全然、全然。僕は地道な活動側ですよ。
(森若香織)そうかな? 地道に活動してるイメージはないけども。好きなことを好きなようにやっていたら、こうなっちゃいましたっていう。こういう部屋な感じがするけども。
(吉田豪)地道に下調べして、地道にインタビューして……っていうのが僕の芸風ですよ。
(森若香織)本当? そうか。その関係性は、いいかな。そうね。でもやっぱりそういう風に、あるんだろうな。
(吉田豪)あんまりジェラシーとかを抱かないタイプだったんですか? いろんな同世代の他のアーティストだの何だのとかに。
(森若香織)ああ、私が? うーん。
(吉田豪)それどころじゃなかった?
(森若香織)あんまり抱かないかも。いわゆる「負けたくない!」とか、あんまりそういうのは、ないかも。競争がちょっと苦手かも。別にいい人ぶってるわけじゃなくって。あんまり興味がないのかもしれない(笑)。
(吉田豪)話を聞いていると、それはわかりますよ(笑)。
(森若香織)でもそれを自分で「ああ、なるほど」と思ったのは『ビバ!ガールズ』っていうGO-BANG’Sの曲の中で、ちゃんと歌詞で言ってますね。「私は競争が嫌い ビバガールズ!」とかって。「女の子はかわいいのが最強だから、それでいいのよ。競争しなくてもいいのよ」っていう。やっぱりそこでも「かわいい、最強」って言ってるんだけども。
(吉田豪)思想としては、ブレがないわけですよね。
(森若香織)そう。だから他と競争しなくても大丈夫なんですよね。
<書き起こしおわり>