Creepy NutsのR-指定が2020年1月28日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でカップスターWEB CMの楽曲のラップ歌詞の解説をしていました。
#カップスター コラボ企画いかがでしたか❓?
引き続き、カップスター× #CreepyNutsのMVの独自の解釈をリスナーから大募集！
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— Creepy Nutsのオールナイトニッポン0 (@cnann0) January 28, 2020
（DJ松永）ということで今週からカップスターとこの番組のコラボがスタートします。タイトルはこちら！ リスナーのカップスターWEB CM解説コーナー！ この番組には日本語ラップの名曲をR-指定が歌詞を紐解いたりして楽曲を紹介する「R-指定の日本語ラップ紹介コーナー」というのがございます。このコーナーではリスナーにカップスターのWEB CMを見てもらいまして、Creepy Nutsの楽曲や映像の演出などを深読みして解説を送ってもらおうと思っております。
（R-指定）はいはい。
（DJ松永）まあうちのリスナーはね、作品を深く理解して楽しむことができる、芸術のリテラシーも高高な……。
（R-指定）「芸術のリテラシーが高高」。ああ、ボキャブラリー低低やわ！（笑）。
（DJ松永）お前、俺のこと舐め舐めか？ バカバカにしてんのか、お前は？
（R-指定）「芸術のリテラシーが高高」はボキャブラリー低低やから！
（DJ松永）ブチキレキレだぞ、お前？
（R-指定）お前、ザコザコやな？ ボキャ貧貧やぞ？
（DJ松永）ラスボスボスだぞ、俺は？（笑）。
（R-指定）いや、ラスボスボスは俺俺やから！（笑）。
（DJ松永）お前かー！（笑）。
（R-指定）なんやねん、これ（笑）。
（DJ松永）まあ、そういうリスナーにカップスターのWEB CMに隠されたメッセージを読み取って、広めていただきたいというそういうコーナーです。で、まずはね、R大先生からこの曲の歌詞についてね、解説をお願いしていいですか？ リスナーの皆さんはこの歌詞の回数を参考にちょっといろいろ考えてみてくださいよ。
（R-指定）ああ、なるほどな。いや、自分で解説をするのはちょっと恥ずいんですが……。
（DJ松永）どういうことなの？ この歌詞は。
Creepy Nuts『食べたその日から』
（R-指定）だから、その「カップスター 食べたその日から」。その後、どうなったか？っていうね。そのカップスター、食べたその日から何が変わったか？っていうのをね。言うたら、成長を描かないといけないわけじゃないですか。だから俺は自分のラッパーとしての成長とカップ麺が出来上がっていく感じ……それをラッパーとしても出来上がっていく感じを表現したかったんです。だから「食べたその日から 月日流れ今 晴れた曇り空 沸かすこのフロア」って。これはこの三連のフロウも込みで、韻を細かくたたみかけていったんですよ。まあでも「食べたその日から」「晴れた曇り空」とか微妙にね、長く踏んでるように聞こえるようには踏んでるんですけど。
（DJ松永）なるほど。
（R-指定）で、「冷めた人の目すら 沸かすフロウ」っつって。「これは3分と待たず飛び出る散文の嵐」っていう。まあ、フリースタイルとかはね、結構散文的やけども。3分待たずともすぐにできるよっていう。それで「サンプルはなし 散布する街の端々」というね。これ、サンプルはなしでもどんどん散布していくっていうのが結構ヒップホップ的には俺は歌詞とかをディールして、街中にばらまいているわけですよ。
（DJ松永）なるほどね。
「サンプルはなし 散布する街の端々」
（R-指定）それで「街の端々」からかかっているんですけども、「箸が転んで笑い転げたあの頃 俺が箸にも棒にもまだかからぬ頃」っていうね。まあ、全然売れてない時は何をやっていても、ラップやっていても楽しかったじゃないですか。でもその時は、俺たちは世間から見たら箸にも棒にもかかっていなかったという。で、「喉に絡む苦渋グッと飲み干して まずは空のカップ、空のフロア眺めながらつぶやいた 泥水すすっても雀の涙 麺をすすりながら 毎夜……」って。
これ、「すす」という音を中心に細かくたたみかけております。「泥水すすっても雀の涙 麺をすすりながら 毎夜すすり泣いたが 懲りず硯に向かいて徒然なるまま 綴り殴り書いた話の続きさ」って。ここまでずっと同じ音で行くという。だからこれは「泥水すする」を「麺をすする」にかけつつ、ラップでもたたみかけていくっていう。それで「行けばわかる 湯けむり上がる むせ返るフロアにて盛り上がる」っていう。
（DJ松永）すごいことをやっているよ、これ。
（R-指定）それで最後はこれ。「Give me a chance 引き下がることはなく 食い下がる 一か八かで決まる 日々を生きて今がある」っていう。これは「Give me a chance」の音に全部ひっかけて行くように。「Give me a chance」「引き下がる」は丸々踏んでいて「食い下がる」……それで「一か八か」っていう音も（頭韻的に）「Give me a chance」にちょっとかかってくる。それで「日々を生きて」「今がある」っていう風にここまでライムをしているわけですよね。だからまあ、これは声を低くして細かい韻を多分に散りばめて、そこで細かいリズムを生み出すという。それでより早口のところにも勢いがつくという。そういう説明を、他の人にしてほしかったな……。自分でするの、恥ずかしいねんな。
（DJ松永）すごい照れてますよね？ あと、なんかね、本気で解説できてなくないですか？ なんかねもっとすごいのに……なんかゴチャゴチャごまかしながら解説してるんだよね。お前は天才だから、胸を張って解説していいぞ？ そのめちゃめちゃさ、ほら。「箸にも」とかさ、いろいろ出てくる単語がカップラーメンにまつわるワード選びじゃないですか。それでかけてるわけじゃないですか。それでカップラーメンとその自分のラッパーとしての人生の状況をかけてるわけじゃないですか。
（R-指定）そうそうそう。
（DJ松永）全部それ、自分の口で言えよ！ 俺に言わせるなよ！
（R-指定）フフフ、いや、違う（笑）。
（DJ松永）なんなの？ 俺が解説しようか？
（R-指定）いや、自分でやるのは……。
DJ松永の補足解説
（DJ松永）これね、「サンプルはなし 散布する街の端々」っていうのはさ、ボースティングでもあるなと思ったよね。「このカップスター、めちゃくちゃ美味しい。言わずもがなだろう？ 俺のラップ、めちゃくちゃ上手い。言わずもがなだろ？ 試供品、いらねえだろ？ 散布するだろ、街の端々。お前ら、すぐ食うだろ？ すぐ聞くだろ？」っていう。そういうことだろう？
（R-指定）（小声で）そういうこと……（笑）。
（DJ松永）フフフ、なんなの？（笑）。「すすり」の流れもここ、めちゃめちゃ上手いよね。
（R-指定）（小声で）せやねん（笑）。
（DJ松永）「苦渋グッと飲み干して、まずは空のカップ、空のフロアを……」って。
（R-指定）空のカップからかけて空のフロア。「お客さんがいなかった頃」っていうね。
（DJ松永）カップとフロアをかけて。それが両方とも空で。それで「泥水”すす”っても”すず”めの涙 麺を”すす”りながら 毎夜”すす”り泣いたが 懲りず”すず”りに向かいて 徒然なるまま ”つづ”り殴り書いた話の”つづ”きさ」って……。
（R-指定）お前、バカにしてるやろ、さっきから！ お前、韻のところを強調して言うってバカにしてるやろ、こいつ！ これが嫌や。恥ずかしい！（笑）。
（DJ松永）はっきり言ってお前は天才だよ！ すげえよ、これ。マジで韻を……「すする」で韻もリズム作っているしさ。めちゃくちゃここ、気持ちいいもんね。本当にね。「徒然なるままに綴り殴り書いた話の続きさ」ってよく出てきたよね、これね。最後のさ、「客沸かし、湯”沸かし”、夜”明かし”、ふ”やかし”、冷”やかし”の類、分”からし”」……。
（R-指定）お前な……（笑）。
（DJ松永）めちゃめちゃかっこいいよ、ここ。「客沸かし、湯沸かし、夜明かし、ここに記す足跡 俺のいた証」よ。この「俺のいた証」に落ちるの、超上手くない？ 「足跡」は「即席」にも絡めているんでしょう？
（R-指定）そう。インスタント麺の即席をかけているわけですね。
（DJ松永）まあ、単純な天才だよね。
「まあ、単純な天才だよね」（DJ松永）
（R-指定）めちゃくちゃ汗かくな（笑）。こんな気持ちやったんか、ラップを解説されるっていうのは（笑）。
（DJ松永）ということで、このWEB CMにはまだまだいろんなことが隠されてると思いますので、それを考えて送ってください。たとえばね、歌詞だけではなく、「映像に映ってる乃木坂の白石さんが◯◯を暗示している」とか。
（R-指定）「暗示している」!?（笑）。
（DJ松永）とか、「◯秒で映っている看板にこんなメタファーが！」とか。「最後、Creepy Nutsが食べているのが醤油味なのにはこんな伏線がある」みたいな感じで送ってください。まあね、信じるか信じないかはあなた次第……的な感じです！ リスナーの独自の解釈をお待ちしております。
（R-指定）歌詞の解説はほとんどさっき言うてもうたけどな。
（DJ松永）いろいろあるんだって。まだ隠されているから。
＜書き起こしおわり＞
