Creepy Nutsのお二人が2020年1月28日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でマシンガン・ケリーとエミネムのビーフが再び勃発しかけた件について話していました。
(DJ松永)じゃあ、ヒップホップニュースにまいりましょうかね。ラッパーのマシンガン・ケリーが「50歳のアーティストが流行りに乗ってミームを投稿して若者ぶってるなんて……こんな光景を見ることになるなんて思いもしなかったよ」とエミネムに噛みつきました。
(R-指定)またか……。仲良くせえよ!
(DJ松永)マシンガン・ケリーとエミネム、犬猿の仲なんだよね。
(R-指定)そう。マシンガン・ケリーはね、アメリカの若手ラッパーですけれども。マシンガン・ケリーが昔、エミネムの娘さんの写真を見て「いい女だぜ」と言ったことに対してエミネムがブチ切れて。「俺の娘にちょっかい出すな!」ということで、アルバムの中でちょっとマシンガン・ケリーをディスるようなラインを入れたら、マシンガン・ケリーもブチ切れて。1曲丸々エミネムのディス曲を作った。で、それにまたエミネムも1曲、丸々マシンガン・ケリーをぶっ飛ばすような曲を作るというね、ケンカがありましたけれども。
(DJ松永)ありましたね。
(R-指定)また喧嘩してる。仲直りせえよ! まだやってんのか?
Machine Gun Kelly slams Eminem for posting meme: "50 year old artists tryna be relevant" https://t.co/5KgENhFFoO pic.twitter.com/5Kcmgy7VQ4
— Rap-Up (@RapUp) January 26, 2020
(DJ松永)しかもエミネム、その先輩の懐の深さとかは一切見せない(笑)。タメぐらいの感じでキレてるよね?
(R-指定)来たものはもうボコボコにするっていう。
(DJ松永)もう関係ないんだね。これ、あれですよね。いろんなSNSのプロフィール写真の違いを投稿するというミームがインターネットで流行しているということで。
(R-指定)ミームっていうのはこれ、ネット上のノリみたいな。
エミネムがインターネット・ミームを狙う
(DJ松永)たとえばさ、「チャリで来た」みたいな画像が流行ったりとかしていたじゃん? ああいうのもミームというか。ネット上のノリとかムーブメントっぽい、ネタ系な流行りのことをミームっていうんですよね。
(R-指定)今、あれっすもんね。海外の若手ラッパーとかがやっぱまずはインターネットミームっていうやつで売れたりっていうのが結構パターンとしてあるらしいんですよね。TikTokで女の子がそのラッパーの曲で踊ってくれて、それで売れるみたいな。リル・ナズ・Xとかもたしかそれで売れたんよね。
(DJ松永)ああ、そうか。で、これはたとえばよくあるよ。本当に……「インスタはこんな感じ。Twitterはこんな感じ。Facebookはこんなやつ」みたいな感じで……ほら、ネタ系ツイートっていろんな形を変えて、表現を変えてたびたびバズったりとかしているけど。エミネムがそれをやっているんだね。
(R-指定)エミネムがそれやってたんや。えっ、ちょっと……。
(DJ松永)「バスりたいな。バズってTwitterで有名になりたいな、俺も!」っていうのを……(笑)。
(R-指定)いやいや、シェイディ。エム、そんなのせんでエエって……。
(DJ松永)そしたら若者から「人気をほしがっているんじゃねえか?」って感じで噛みつかれたと。エミネム、現在47歳です。
(R-指定)ええーっ! 47なんやね!
(DJ松永)だからたとえば……置き換えるとMummy-DさんとかがTwitterを始めてめちゃめちゃリツイート狙いのネタツイートをガンガンやっているみたいな(笑)。どうですか?
(R-指定)ああー……ちょっと、やめてほしいな? ファンとしてはちょっと見てられない……。
(DJ松永)見てられないDさんなんか、嫌じゃん? 見てられないDさんなんか、見てられないよな?
(R-指定)というかやっぱり、たしかに日本語ラップのかっこいい人はあんまりせえへんもんな。たしかにな。
(DJ松永)そうなんですよ。ちなみにこのツイート、もう消されたらしいです。なんか後悔していたみたい。
(R-指定)えっ、ツイ消し?
(DJ松永)ラッパーが吐いたツバを飲むという。アメリカの、世界の有数のレジェンドラッパーのエミネムが吐いたツバを近年……近年、吐いたツバを飲んだらしいです(笑)。
(R-指定)エミネム、そんなことするやつやないって俺は信じたいねんな。でも、乗っ取られたんかな?
(DJ松永)乗っ取られたのかな? ただ、皆さん。エミネムのそういうツイート、スクショして本当にマウントをとっていくとかはあんまり良くないよね?
(R-指定)それをやるの、一番キショいな。
(DJ松永)でも、マシンガン・ケリーは同じような状態になっているけどね(笑)。
(R-指定)やめような! あ、えっ、ケリーがツイ消ししたの?
(DJ松永)ああ、ケリーが消したのか。エミネムは消していない? 「こんなことになるとは思わなかったよ」というエミネムへのディスツイートをケリーが消したの? おい、ケリー!
マシンガン・ケリー、ツイ消し
MGK responds Eminem's meme then deletes the tweet ? pic.twitter.com/FjSflsddwL
— BLACK SHOTA RUSTAVELI (@Breakingers) January 25, 2020
(R-指定)ああ、じゃあエミネムは全然胸を張ったまんま? そのミームを垂れ流しているの? めっちゃいいやん!
Did I do this right? pic.twitter.com/ZkoV5T4yxB
— Marshall Mathers (@Eminem) January 24, 2020
(DJ松永)しかも後乗りの……斬新でもない。さんざん過去に同じようなネタがバズった中で。
(R-指定)そっちの方がラッパーっぽい! やってもうたけど、全然……。
(DJ松永)ああ、若者のケリーがツイ消しするのは全然大丈夫。なんか、しそうだし(笑)。
(R-指定)じゃあ、噛み付いて、ケリーがビビってツイ消ししたのか。だってね、壮絶やったんすよ。マシンガン・ケリーに対するエミネムのディス曲が。ホンマにもう、フルボッコと言われるようなキレッキレのラップが全編、何分間か。
フルボッコのディス曲
(R-指定)それをやられたというトラウマがあるけど、またエミネムがやっていたから、またケリーは攻撃してしもうた。けど、パッとトラウマで「あっ、またボコボコにされる……」と思って焦って消したんかもしれん。
(DJ松永)フフフ(笑)。
(R-指定)「あっ、またボコボコにされる! 消しとこう!」って(笑)。
(DJ松永)ちょっと待って(笑)。本当にそれってインターネットのやつじゃん? 「悪口は言いたい。本人にバレないように」っていう……本当にインターネットのやつ、掲示板のやつとかじゃん。マシンガン・ケリーのモチベーションって。
(R-指定)でもケリーもね、めっちゃラップ上手いですから。
(DJ松永)超かっこいいし。でも、ちなみにマシンガン・ケリーは過去にエミネムについてこう語っていますよ。「あいつは金持ちなのに20年間ずっと怒ってる!」って。それは本当にそう。
(R-指定)それはホンマにそうやねん。エミネムはずっと怒っている。これね、ケリー。20年間怒っているんじゃなくて、エミネムはより今の方が怒っているから。20年間ずっと怒ってると思うやん? でもデビュー当時の方がまだ丸かったと思う。
(DJ松永)ああ、そうなの? どうした?
キャリアを重ねるごとにどんどん怒るエミネム
(R-指定)ちょっとね、二作前のアルバム(『Revival』)ぐらいで内省的な、あんまり怒ってないエミネムかな?って思ったのよ。
ほんなら、エミネムの往年のファンが「いや、エミネム、全然切れてないやん?」って言われて、それにエミネムがもっと切れるアルバムを……エミネムがちょっと切れを抑えようとしたら「全然エミネムさん、怒ってないですやん?」って言われて、それで全編怒こっている『Kamikaze』っていうアルバムを出したから(笑)。
(DJ松永)フハハハハハハハハッ!
(R-指定)それでまた、最新アルバム『Music To Be Murdered By』っていうのが出たんやけども、それもすごいから。
(DJ松永)ああ、マジで?
(R-指定)ラスト、1分ぐらいずっと早口でラップしてる曲があって。『Godzilla』っていう曲があって。これ、すごいから。
(DJ松永)うわっ、怖!
Eminem『Godzilla feat. Juice WRLD』
(R-指定)すごいよ。最高。
(DJ松永)だってね、ラッパーとか、そもそも表現する人は全部そうだけど。ラッパーってのは自分の実人生を歌うわけですよ。そうなってきたら、どんどん、書けば書くほど歌うことなくなってくるじゃないですか。それがどんどん増えてくるって……病気なんだよ!
(R-指定)エミネムだけね、増えていってるんですよ。
(DJ松永)いや、おかしいんだよ! 本当に……本当に言うことってなくなってくるじゃん? みんな精神的に成熟してきて、本当にいろんなことが許せるようになったり、怒らなくなってきたりするじゃん。人間、誰しもそうなのにさ。本当、エミネムはずっとお金持ちなのよ。
(R-指定)「金持ち喧嘩せず」じゃないけどね、金を持てば持つほど余裕は出てくるから。昔やったら怒っていたようなこととかも許せるようになってくるねんけど。エミネムの場合は金を持てば持つほど怒っているからね。
(DJ松永)いいね!
(R-指定)すごいから。
(DJ松永)もう病気だよ、病気。
(R-指定)普通ね、バースっていうラップの部分ね。ここはだいたいね、デビュー当時は言いたいことがいっぱいある。だから長い。で、どんどん短くなっていって、コンパクトになっていくはずやねんな。言葉選びとか。だから昔、早口やったラッパーが歳を取っていって言葉数が少なくなるってのはあるんです。ジェイ・Zがまさにそうで。ジェイ・Z、デビュー当時はめちゃくちゃ早口ラップやったけど、今はゆっくり。でもエミネムはデビュー当時より今の方が8倍ぐらい早なってますよ(笑)。
(DJ松永)フハハハハハハハハッ!
(R-指定)ラップが。どういうことなん? 歳を取ってからスプリンターになるやつ、おる? なんで?
(DJ松永)本当、ありえないんだよね。で、最新のアルバムも20曲、入っているの? おかしいよ!
(R-指定)20曲。1時間4分。
(DJ松永)だって最近って、本当に10曲のアルバムとか多いし。最近はフルアルバムすら少ない。あとは1曲の分数も短いのにさ、エミネムは全部逆行ってるんだよね。全部が……自然の摂理に抗っているんだよね。怒らなくなるものを怒っていって、バースも減るのが増えて、曲数も減るのが増えるっていう。怖いよね、本当にね。いやー、俺らがエミネムぐらい稼いだらさ、何かに怒れるんですかね?
(R-指定)いや、怒られへんのちゃう?
自然の摂理に抗うエミネム
(DJ松永)でも、なんだろうね? 怒りだけでしか表現活動ができないっていうのも悲しい話だよね。その、絶対に違うじゃないですか。幸せになって「幸せだ」っていうそのままを書いて、素晴らしい曲になったりも絶対にするじゃないですか。
(R-指定)たしかに。でも、ラップは上手くなり続けたいやん? だから、俺らはキャリアを重ねるごとに「幸せになっていた」っていう喜びを無茶苦茶早口で、文字数を詰めて……(笑)。
(DJ松永)フフフ、「美味しいご飯食べたい」「めちゃめちゃチヤホヤされたい」みたいな(笑)。
(R-指定)フハハハハハハハハッ! アホみたいになるな(笑)。
(DJ松永)「ご飯、美味しい! 友達、楽しい!」って(笑)。
(R-指定)アホや! そんなもん、わざわざ文章にして(笑)。
(DJ松永)それで「おおおーっ!」みたいな。本当にね、まあ、俺らならめちゃくちゃいい大人になると思うけどね。
(R-指定)なれるかな?
(DJ松永)だって余裕がないから怒るんじゃないですか? 普通はね。普通は余裕がないから、自分の思い通りにいかないから、やっぱりカッとなったりするじゃないですか。本当に俺らはさ、金持ちになったらさ、高校生に水風船をバーッと投げられても、笑ってられるけどね。
(R-指定)余裕でヘラヘラしている。「ハハハ、なにしてんねーん?」。
(DJ松永)「なにしているんだ? 他の人には、するなよ!」って(笑)。
(R-指定)「おいちゃんやから怒られへんねんで。他の人にはするなよ?」。
(DJ松永)「おう……お前ら、面白いな? 面白いやっちゃ!」。
(R-指定)フフフ、そんなんじゃダメなんちゃう? まあね、いい大人になれるようにがんばりましょう。
<書き起こしおわり>