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岡村靖幸とライムスター『マクガフィン』の制作過程を語る

岡村靖幸とライムスター『マクガフィン』の制作過程を語る アフター6ジャンクション
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岡村靖幸さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。ライムスターのお三方とコラボ楽曲『マクガフィン』の制作過程について時系列順に話していました。

(宇多丸)今夜の特集はこちらです。祝! 岡村靖幸さらにライムスター『マクガフィン』リリース。岡村靖幸とライムスター全員で『マクガフィン』ができるまでを徹底解説特集!

(一同)やったー!

(宇多丸)はい。ということで現在配信中。岡村靖幸さんとライムスターとのコラボレーション楽曲岡村靖幸さらにライムスター『マクガフィン』。今週のTBSラジオ推薦曲もしていただいております。どのように生まれたのか? その楽曲ができるまでをまあ、まとまった形で掘り下げたインタビューなどもないので、これはまあ、この場でやってしまおうということで徹底解説するという特集になっております。

(日比麻音子)はい。さっそく今夜のゲストをご紹介いたしましょう。音楽、シンガーソングライター、ダンサーの岡村靖幸さんです。

(岡村靖幸)はい、どうも。

(宇多丸)先日もお越しいただきましてありがとうございます。すいませんね、ちょいちょい呼び出して。

(岡村靖幸)いえいえ、とんでもないです。

(宇多丸)まあね、自分たちの曲ですから。我々が売らずして何をするか? 誰が売るんだっていうね、そういうことですから(笑)。あ、ちょっとおヒゲが?

(岡村靖幸)今日は生えてますね。

(宇多丸)生やすバージョンもあるんですか?

(岡村靖幸)生やすバージョンもあります。

(宇多丸)今日はちょっと心境的にヒゲを?

(岡村靖幸)なんですかね?

(宇多丸)オフィシャルヒゲな……。

(岡村靖幸)ああ、なるほど(笑)。

(宇多丸)こんな無意味な話をしている場合じゃありません(笑)。ということで日比さんから岡村さんのご紹介をお願いします。

(日比麻音子)はい。ご紹介します。1965年生まれ、兵庫県のご出身です。1986年に『Out of Blue』でデビュー。レコーディングではほぼすべての楽器を自ら演奏され、これまでオリジナルアルバムを7枚、発表されています。

(宇多丸)はい。もう言わずと知れたスーパースターでございました、お慕い申しております。

(岡村靖幸)ありがとうございます。

(宇多丸)この番組には今年の5月にですね、単行本『あの娘と、遅刻と、勉強と2』の発表タイミングで……このタイミングではまだ『マクガフィン』のことを何も発表してなくて。もうできてたけど、なんかニヤニヤしながらという、そういう感じでした。そして『マクガフィン』を宇宙初オンエアーした先月13日のオープニングでスタジオに……僕は知らないサプライズで登場していただいて。本当にありがとうございました。

岡村靖幸と宇多丸『マクガフィン』を語る
岡村靖幸さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。宇多丸さんと「岡村靖幸さらにライムスター」名義のコラボ曲『マクガフィン』を初オンエアーしながら、楽曲の制作などについて話していました。

(岡村靖幸)はい。

(宇多丸)あと、サマーソングコレクションをね、ずっとやっていただいて。曲を選んでいただいて、それはいいんですけども間のコメントが曲の解説ではなく、ほぼ僕に対する労いであったという。

(岡村靖幸)そう。あれ、コメントがほしかったですか?

(宇多丸)いや、曲の説明でもあるのかなと思ったら、「いやー、宇多丸さん、大丈夫ですか? 宇多丸さん、体調は大丈夫ですか?」って(笑)。

(岡村靖幸)だって恐ろしいぐらい働いて……ピンク・レディー?っていう。

(宇多丸)ピンク・レディー級(笑)。

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働きすぎの宇多丸の体調を心配する

(岡村靖幸)だって番組中にいなくなって、別の番組に行って。「◯◯さーん!」って。それ、俺も最近わかってきたんだけども。この番組が終わってもまだゲームの番組がやっていたり。最近わかっただけど。それでテレビ番組をやっているその後に、なんかAbemaTVみたいなのもやっていて。どんだけ……ピンク・レディー?

(宇多丸)全盛期のピンク・レディーか私かというね。心配していただいて(笑)。

(岡村靖幸)なんでそんなに……すごいな。

(宇多丸)もう金、金、金ですよ(笑)。

(岡村靖幸)あれでしょう? みんなが宇多丸さんに会いたいんでしょう?

(宇多丸)ああ、まあまあ、呼んでいただけるんで。

(岡村靖幸)望まれているんでしょう?

(宇多丸)ああ、そうですね。おっしゃる通り、望まれる限りは仕事しようかなと。

(岡村靖幸)すごいなー。どうやったらそんな風になれるの?

(宇多丸)だって岡村さんだってあちこちにお呼ばれじゃないですか。お呼ばれ。お呼ばれ、お呼ばれ。

(岡村靖幸)全然。

(宇多丸)もう……お座敷、お座敷(笑)。お座敷に継ぐお座敷。

(岡村靖幸)全然。

(宇多丸)そうですか? みんなは岡村さんはなかなか手が届かないと思ってる。俺なら呼べばホイホイくると思っているという。

(岡村靖幸)いやいや、すごいなっていう。

(宇多丸)なんで……この会話はいいんですよ! こんなことはいいんです。そしてライムスター。

(日比麻音子)メンバーの全員のみなさんにお越しいただいてます。Mummy-Dさん。

(Mummy-D)はいはい。

(日比麻音子)そしてDJ JINさん。

(DJ JIN)どうもー。DJ JINでーす! ダチーチーチー!

(宇多丸)ねえ。いろんな名特集でもお世話になりました。ということで、我々3人ライムスターと岡村靖幸さん。それで岡村靖幸さらにライムスターという新名義というかコラボ名義で『マクガフィン』という曲をすでにリリースしました。クレジット的には作詞/
作曲・プロデュースを岡村靖幸さん。ラップ作詞の部分を私、宇多丸とMummy-Dさん。そしてターンテーブル(スクラッチ)がDJ JINさんということになっております。

なんですが、散々この曲をかけてはいるんですけど、この曲は作っていくプロセスとかがすごい……僕的にはというか、非常にワクワクする感じがございまして。みんながそれぞれ、いろんなことを付け足してくるたびにワクワクするというか。なのでちょっと今日は僕からで、僕がインタビュアーというか、回し役になって、それぞれのパートを作る時、付け足す時、投げ返す時にどういうことを意図していたのか?っていうあたりを岡村さんが答えていただける範囲で……。

(岡村靖幸)なるほど。

(宇多丸)あまり言いたくないところもあるかもしれませんけど。そこはぼかして……。

(Mummy-D)僕らが知りたいよね。

(宇多丸)そうそうそう。だって結構ブラックボックスのところ、ありますからね。

(岡村靖幸)ありますか?

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岡村靖幸・楽曲制作の秘密

(宇多丸)だってほら、すごいトラックが来ちゃったりして。最初の時点でね。だからすごくね、謎を聞きたいんだけど。言いたくないことは言わない……黙秘権がありますから。はい。自分に不利な証拠になることはもう言わなくてもいいということで。

(岡村靖幸)了解です。

(宇多丸)ナントカ条約に基づき……みたいな(笑)。

(岡村靖幸)でも僕も聞きたいけどな。

(宇多丸)ああ、岡村さんからの素朴な疑問でも全然いいですし、リスナーからもメッセージを募っておりまして。

(岡村靖幸)じゃあ、先にどうぞ。

(宇多丸)まあ、素朴な疑問なんかもいろいろあると思いますので。一旦お知らせの後、たっぷり凝縮してお送りしたいと思います。

(CM明け)

(日比麻音子)今夜は祝! 岡村靖幸さらにライムスター『マクガフィン』リリース。岡村靖幸とライムスター全員で『マクガフィン』ができるまでを徹底解説特集! ということで改めまして岡村靖幸さらにライムスターのみなさんですよ。

(宇多丸)よいしょー!

(岡村靖幸)よろしくお願いします。

(宇多丸)えっ、まさか……えっ、えっ、来ていただけるなんてー! いやー、自分の番組ですからね。そりゃあ来ますよ、なんてね。

(岡村靖幸)そうなんですよね。この番組、あれマミーさんなんですよね。

(Mummy-D)ああ、そうなんですよ。

(DJ JIN)自分も……(番組ジングルを言う)「アフターシックスジャンクションーーーーッ!」みたいな。

(Mummy-D)(番組ジングルを言う)「アフター、シックス、ジャンクション」。

(宇多丸)ああ、本物!

(日比麻音子)おお、ありがとうございます。嬉しい。生、イエーイ!

(宇多丸)というね、素朴な喜びにあふれた……ちなみにいま、CM中というか、そこで非常にね、岡村さんが……僕らライムスターは岡村靖幸さんのその制作過程というものはブラックボックスだけども、岡村さんにとっては僕らのラップを作る過程そのもの、そっちもブラックボックスだという。

(岡村靖幸)何も見せててもらってないです。スパーン!って渡されただけなので。

(宇多丸)でもそれでお互いにキャッチボールして「おお、おお!」「おおっ!」っていう感じだったので、お互いミステリアスなところがまだ残っているという。なのでお互いがお互いに疑問なことをぶつけていくのもいいじゃないですか、これは。ということで、行ってみたいと思います。

(Mummy-D)うんうん、聞きたい。

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時系列順に楽曲制作の過程を振り返る

(宇多丸)ということで、今日は私が回しで行かせていただきますが。時系列順に。順番をどんどんどんどんと重なっていって。キャッチボールをしていったんで、時系列順に行きたいと思います。ここに『マクガフィン』制作メモということで、このライムスター側のスタッフが記録していた日程表があるわけです。どんな感じかっていう。

(Mummy-D)ああっ! それ、さっき貰ったのに楽屋に置いてきちゃった……。

(宇多丸)紙ですから。すぐに出てきます。大丈夫です。破棄していませんから。シュレッダーにかけてませんから。データも破棄しておりません!

(Mummy-D)あ、来た!

(宇多丸)来ました。まず、私が2008年2月9日、ウィークエンド・シャッフル時代に岡村靖幸さんの特集を勝手にしたという。こんなところがまずございます。そこからだいぶ経ちまして、2016年。最初はここだったですね。僕と岡村さんがテレビブロスの『あの娘と、遅刻と、勉強と』というそのコーナーの中で対談をさせていただき、そこで初対面だったという。で、いろいろあってDさんが先ほど、ACTIONでもちょっと話に出てましたが。ディジュリドゥというね、アボリジニの民族楽器の奏者、GOMAちゃんの家で岡村さんと出会ったという。

(岡村靖幸)出会いました。

(宇多丸)これが2018年5月。で、Dさんは岡村さんのライブを見に行ったりとかして。

(Mummy-D)はい。GOMAちゃんと成海璃子ちゃんという謎の3人で行きました。

(宇多丸)すごいよね。これが2018年6月。これがその曲作り云々を始める手前の段階の話です。で、手元に残ってるもので言いますと2019年1月に岡村さんに『人間交差点』出演をオファーし、2月にその出演がいろいろ調整が済んで決定した。たぶんその前後で、お互いの事務所間で「だったら曲のひとつも作ろうか?」みたいな感じが出来上がったと思うんですね。で、岡村さんからその後、デモトラックが届くのが2月14日。とんだバレンタインプレゼントが……。

(Mummy-D)へー、そうだったんだ。

(宇多丸)はい。2019年、今年の2月に届いたわけです。これって、もともとストックとしてあったトラックだったんですか?

(岡村靖幸)ありましたね。ありました、ありました。

(宇多丸)じゃあ、これを何をどうしようと……こういう時ってどうやってトラックを?

(岡村靖幸)まあみなさん聞いたからわかったと思いますけれども、ある程度作られてるけども、3つか4つのループの構成で作られたものを、非常に凝った構成で作ったというか。エディットされたものでしたよね。

(宇多丸)で、ちょっとその雰囲気の一端を……それとまんま同じものではないんですけども。ちょっとまずはその『マクガフィン』のバックトラック、インストゥルメントの状態でちょっとだけお聞きください。どうぞ。

(『マクガフィン』インストゥルメンタルが流れる)

(宇多丸)というような状態のものともう1個、トラックが。もう1個は先ほど『ACTION』でも言いましたけども、もうちょっとBPM早めで。なんかジャズ的な……。

(岡村靖幸)もっとヒップホップっぽいもののような。

(宇多丸)なんかウッドベースがすごい印象的な、でもやっぱりものすごい凝ったエディットでしたよね。なんかもうインスト曲で成り立っているような雰囲気の。

(DJ JIN)ちょっとソウルミュージック的な、ニューソウル的な。

(宇多丸)そういうニュアンスもあって。まずちょっとこのトラックを2曲聞いた時に、Dさんはどう思いました?

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トラック候補2曲を聞いて……

(Mummy-D)僕はもう絶対にこっち。『マクガフィン』のを方を……結果、『マクガフィン』になったトラックの方で絶対やりたいなっていうのはあったかな。

(宇多丸)その全体的なクオリティーのところはどうでしょう?

(Mummy-D)いや、マジでビビった! いわゆる打ち込みの人っていうのがいるのね。作曲の人とはまた別で。打ち込みがメインの人じゃないとできないレベルの、ハイレベルのエディットがなされてて。「気が狂っている」って思ったよ(笑)。

(宇多丸)要するに、岡村靖幸さんってね、そのキャリアでもちろん、全曲演奏もされるし。楽器演奏……要するにたとえばメロディーから曲を作るとか、なんかそういうイメージもあったっていうところですよね。

(Mummy-D)あとね、シンガーソングライターの人って、歌は作れるんだけど、そういう曲のアレンジ的なところは丸投げしちゃう人とかも結構多いから。「ああ、これは音像から入ってる曲だ」っていう。音像から入らないと絶対出来上がらないトラックだから、やっぱりすごいなと思って。その時点でね。

(宇多丸)なるほどね。でも本当、わかる。俺もすごく「えっ、こういう感じのが来るんだ!」っていう。結構ショックだった感じ。

(岡村靖幸)でも、あれじゃないですか? 僕たちはすれ違っているのを覚えてますか? たとえばHALCALIのリミックスの時にもすれ違っている。

(宇多丸)HALCALIは僕、一緒に曲を作っていまして。

(岡村靖幸)で、僕もHALCALIのリミックスを1曲、作ったり。そこに宇多丸さんも入っていた。で、あとはいとうせいこうさんの『再建設的』で僕も参加していて。だから僕がああいうところでリミックス系の仕事をもらってやってるので。そういうのをもしも聞いていれば、「ああ、そっちもやる人なんだな」っていう認識はしてもらえてたかもしれないですね。

(宇多丸)なるほど。まあもちろん、あとはダンスミュージック的なところに対しても……。

(岡村靖幸)リミックス系の仕事もたくさんやってるので。

(宇多丸)あとは僕、DJ OL Killerのプレイも見に行ってますからね。

(岡村靖幸)そこが本当ははじめてなんですけどね。本当にいちばん最初はそこなんですよ。三宿Webなんですよね。

(宇多丸)もちろんそのダンスミュージック的なものに対する造詣とかいろいろっていうのはありつつも、でもやっぱり改めて目の当たりに……JINなんかそういう最先端打ち込み音楽をいっぱい聞いていると思うから。

(DJ JIN)そうそうそう。これだけのまあ大アーティストと言いますか。キャリアのある方がいま、いちばん尖っているビートを作ってるみたい。しかも、世界中のいろんなビートを聞いてますけども。本当にそのクオリティーっていうかリズムの立ち方っていうか、本当にすごい。ファンクネスも感じますし。びっくりしました。

(Mummy-D)でもあれって結構前のトラックなんですよね?

(岡村靖幸)まあまあ前です。

(Mummy-D)信じらんないよね。

(宇多丸)いつごろ作っていたやつですか?

(岡村靖幸)2、3年前です。

(宇多丸)ちなみにそういうストックって、結構あるんですか?

(岡村靖幸)あります。

(宇多丸)どのぐらい?

(岡村靖幸)結構ですね。ちょっと数は分からないですけど、結構あります。

(宇多丸)ずっとスタジオに入られているから、作り溜めをしているっていうことなんですね。でも、僕らがもらった2曲を送ってきたというのは、「これがライムスターに合うだろう」という?

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数年前からのライムスターファン

(岡村靖幸)まず僕はね、数年前からライムスターのファンになったんです。うちのダンサーの人がミックステープをかけてくれたりとか。あとはセックス山口さんのDJテープを聞くと入ってたりとか。それで「かっこいいな、好きだな!」とか数年思っていたわけです。で、スタッフ側に「僕はライムスターが好きだ」ということを言っいてた。それで「好きっていうラブコールを送ってることを伝えてほしい」みたいなことを言ってた。

そこでどういう風にどうなって、どう化学変化が起きたんだかわかんないだけど、1年前ぐらいかな? 「やろうじゃないか」っていう風にスタッフ側がジャッジしてくれて。「じゃあ、数曲あるから、それをライムスター側に渡してほしい。どう聞いて、どう感じるかを返してほしい」っていうことで聞いてもらって。それで今回、『マクガフィン』になった曲が使われて。そこからまだ、話はたくさんありますけどね。でもとりあえず、入り口はそれです。

(宇多丸)でもね、「どっちもかっこいいね!」って言いつつも、我々的には割と満場一致で。もう即決で「こっち!」って感じで現状の『マクガフィン』のトラックに……まあ、「ラップが乗せやすい」とか「ビジョンが浮かびやすい」とかっていうのがあったんですけども。で、日程表によりますと、2月14日にトラックをいただいてから、3月26日にミーティングを。我々スタープレイヤーズの事務所に岡村さんをお招きしてミーティングをしました。そこで、『マクガフィン』という……。

(岡村靖幸)そう。もうこの日に出てるんだよね。すでにね。

(Mummy-D)すごいよね。その場で決まったんだもんね。

(岡村靖幸)この日にもう決まったんだよね。

(Mummy-D)そこがいちばん面倒くさいところだもんね。

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初回ミーティングで『マクガフィン』というタイトル決定

(宇多丸)ここで詰まっちゃうと一歩も動けなくなっちゃいますからね。まあなんとなく、でもスパイ映画風サスペンス……そもそも、トラックにもともとトランシーバーボイスみたいのが入ってたりとか。もともとなんかスパイ映画風の雰囲気もあったですよ。そういうイメージみたいなのは、ありましたか?

(岡村靖幸)なんにもなかったです。なにも考えていなかった。

(宇多丸)なんかでもサスペンス風だったり。僕らとしてはそれを受け取って。事前のあれでも「スパイ映画風サスペンスとか、そういう方向かな?」みたいなことは言いつつ。そこで僕が『マクガフィン』というヒッチコック映画の……。

(岡村靖幸)そう。ヒッチコックの本をバンと出してね。

(宇多丸)そう。事務所にね、僕が帯を書いたバージョンというのがあったんで。それを出して。ヒッチコックの『映画術』という非常に有名な……。

(岡村靖幸)あれ、ちょっとドラマチックなパフォーマンスでしたね。

(宇多丸)パフォーマンス(笑)。

(岡村靖幸)いや、ボンッて出されて。こっちとしては「あっ!」ってなるじゃないですか。

(宇多丸)まあまあ。「『マクガフィン』っていうタイトルでいつか曲が作れるな」っていうのは別個に頭にあったんですよ。で、サスペンス映画云々っていうところで「ああ、そういえば……」っていう感じで。そこに本もあったし。「そういえば、マクガフィンというものがありまして……」って。もう1回、説明しますとスパイ映画とかサスペンス映画で奪い合うダイヤでもいいですし、核ミサイルのボタンでもいいですし。

みんなが奪い合う……でも、実際ところはお話上、何に置き換えてもいいみたいな。これ、僕のリリックにも入っていますけども。『北北西に進路を取れ』っていうヒッチコックの映画なんか、最高ですよ。「あのマイクロフィルムには何が入ってるんだ?」「それは……(ブルルルルルルッ!)」みたいな。プロペラの音で。だからもうヒッチコックは完全にそのマクガフィン的なものをギャグとして扱っているっていう。

(Mummy-D)意識的なのね。

(岡村靖幸)でもその宇多丸さんの一言で全部が整った気がしますよね。だから、マミーさんあれなんでしょう? もうすぐ、その日のうちに浮かんだんでしょう?

(Mummy-D)それは青山1丁目でミーティングしてて。そんで渋谷ぐらいではもう浮かんでいましたね。

(岡村靖幸)すごいですよね。

(Mummy-D)いや、三軒茶屋ぐらいだったかな?

(一同)フハハハハハハハハッ!

(Mummy-D)それ以上言うと、僕の家がわかっちゃうっていう(笑)。

(宇多丸)その手前で(笑)。要は、そのトラックの非常に細かいビートのグルーヴの刻みみたいな。

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