Orono 若いうちに日本を出ることの重要性を語る

Orono 若いうちに日本を出ることの重要性を語る Inter FM

SuperorganismのOronoさんがInterFM『Oh Wow, Very Cool!』の中で番組プロデューサーのエミカさんと若いうちに日本を出ることの重要性について話していました。

(Orono)今週もMy Friend、Producer of the show、エミカ!

(エミカ)エミカでーす(笑)。

(Orono)フフフ(笑)。ま、待って。そう。話があるんだよね。前の続きで。

(エミカ)そう。私、すごくジャミロクワイが好きだったのね。いちばん有名な曲で『Virtual Insanity』っていう曲があって。テクノロジーが進化をこのままずっとしていったら、自分が退化していくことに気づかないんじゃないかっていう曲なのね。

(Orono)うんうん。そうだね。

(エミカ)その意味を知った時に、すごい衝撃を受けたの。大学生の時に「これは正義なんだろうか?」みたいなこと考えるのがすごい好きだったの。

(Orono)えっ、そういう授業を受けてたの?

(エミカ)うん。そういう授業を受けるのが好きで。『Virtual Insanity』もその当時に聞いてたんだけど。その曲が出たのってね、1996年だと思うんだけど。96年って、オロノは生まれてる?

(Orono)生まれてない。

(エミカ)生まれてないでしょう? 96年ってどういう年だったかっていうと、もちろん携帯とかないし。そんなになにテクノロジー、テクノロジー言ってる時代じゃないわけ。でもいまってすごいテクノロジー社会じゃん。96年の段階でそう思ってたっていうのがすごいなって思うよのね。たしかに、このまま便利になっていっていいのかな?って思うの。たとえばだけど、携帯があるから待ち合わせしなくても会える。

「いま、どこ?」って聞けばいいから。でも、96年とかそういう当時って、その時間にそこに行かないと絶対に会えない。会えたという奇跡に喜び合えるみたいなところが昔はたぶんあったけど、いまはそういうのって「会えるのが普通」じゃん? テクノロジーが便利にしてくれてるんだけど、そのぶん幸せって増えていってるのか減っていってるのか、どうなのかな?って。どう思う?

(Orono)うーん……。

テクノロジーの進歩で幸せは増えるのか?

(エミカ)「便利」っていうことは「幸せ」なのかな?

(Orono)たぶんでも日常における幸せは減っているよね? 外で遊ぶとかさ。

(エミカ)何にもなくても遊べてたじゃん。たぶん。石とかで。昔の子供はたぶん石とか砂とかで遊んでたと思うけど。

(Orono)石と砂がiPhoneとiPadのかわりだった(笑)。

(エミカ)そう考えたらすごくない? 赤ちゃんとかにもさ、泣き止んでほしい時とかにYouTubeでね、アニメとかをずっと見せてたりするの。乳児の段階でYouTubeを知っちゃってるの。あの、大学の時にジャーナリズム専攻だったから、新聞ってさ、たとえば大手でいうと5社くらいあるのかな? たとえば、「○○でテロが起きました」っていう事件を5社それぞれが書くじゃん。でも、5社それぞれ書き方が違うわけ。「Aが悪い」って書いてるところもあれば、「Bが悪い」って書いてるところもあるし。同じ出来事なのに。でもね結局、正解はないの。

(Orono)ないよね。

(エミカ)だから個人がどう思っていくかっていう。

(Orono)わかる。結局さ、特にいまはさ、真実ってもう、ないじゃん。昔からないと思うけど、特にいまなんかないじゃん。それにこう、「真実はないんだ」っていうのに気づいて、じゃあ唯一本当なのは自分のが感じてることとか、そういうものなんじゃないかなっていうのが……。

(エミカ)その通りだと思う。

(Orono)それにさ、もっとみんな気づいたらさ、もっといい社会になると思わない?

(エミカ)うん(笑)。

(Orono)音楽を聞こうか。さっき言っていたのを?

(エミカ)うん。さっき言っていたジャミロクワイの『Virtual Insanity』。

Jamiroquai『Virtual Insanity』

(Orono)こんなに深い話、したことないよね。たぶん。いつもこんなディープな話、してないよね?

(エミカ)してないよね。

(Orono)焚き火会ではもっとできるよ。

(エミカ)焚き火はすごいことになるよ(笑)。

(Orono)映画の話をしよう。こないだ、『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』っていう映画があって。それのプレミアが日本であったのをインスタかなんかで見たの。で、監督のボー・バーナムが日本に来て。そのプレミアに来たんだけど。その時、ちょうど日本にいなくて。けど誰かに行ってほしいから。「エミカがぴったりだ!」と思って。で、エミカに……エミカの趣味って、みんなに教えてあげてよ。

(エミカ)えっ、趣味? ああ、本屋さんに行くことなんですけれど。

(Orono)本は読まないんだよね?(笑)。

(エミカ)そう。陳列されてる本をタイトルを見て、「こういう世界があるんだな」っていうのを見るのが趣味です。

(Orono)そう。だから興味がビッグなんだよね。なんでも興味があるよね。だから、エミカならすごい行ってくれるんじゃないかなと思って。いい映画だから。自分はもう2回ぐらい見てて。で、LINEして、「どう?」みたいな。そしたら速攻でチケット買ってくれて。

(エミカ)フフフ、早かったでしょう? すぐ買った。

(Orono)そう。すぐにレスポンスが来た。で、終わった後に感想を送ってくれたんだよね。

(エミカ)そう。なんかすごくリアリティがあった。

(Orono)あったよね。ああいうこと、してた。

(エミカ)ああ、オロノが? やっぱりそうなんだ。

(Orono)ずっと部屋を真っ暗にしてさ。ずっとパソコンを見たり。そういう映画があっていいなって。

『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』

(エミカ)でも日本ってああいうの、ないよね。ああいう題材がないよね。

(Orono)「プールパーティーとかがない」って言ってたよね?

(エミカ)ああ、そうそう(笑)。大学生の時に留学生が多い学校だったんだけど。すぐね、留学生は「パーティーしようぜ!」って言うんだよね(笑)。「パーティー」っていう言葉になじみがない。日本人って。「ダンスタイムみたいなのがある」っていうのが日本人にとってのパーティーじゃん。外国人の人、パーティーって好きだよね?

(Orono)なんでだろうね? でも、パーティーと飲み会って一緒じゃない?

(エミカ)あ、そう。飲み会のこともパーティーって言ってるじゃん。だからね、その当時、外国のカルチャーがわからなかったから。

(Orono)でも、興味とかってあったの? 海外のカルチャーに。

(エミカ)あったけど……私の兄ちゃん。兄ちゃんだけ、アメリカの高校に行ってたんです。もうアメリカナイズドされて帰ってきたのね。

(Orono)ああ、そうなんだ。カンザスに行ってたんだよね?

(エミカ)そう。カンザス。よく覚えているね。話を聞いたら、ホストファミリーが庭でマリファナを育てていて。ホストマザーがヤク中で、ホストファーザーがアル中で……みたいな家庭だったから、アメリカのイメージが全部それになっちゃって。で、この話がつながるんだけども、その大学生の時に怖いと思っていたアメリカから来た男の子が、むちゃくちゃいい子だったの。私の持ってるイメージを覆したの。彼がね。「ああ、私はちょっと偏見を持ちすぎていた」と思って。「ああ、世界って広いんだな」って思ったというか。その子をきっかけに興味を持った。

(Orono)ああ、そうなんだ?

(エミカ)そうそう。それまで本当に興味なかった。なんか……なんなら全世界、怖いと思ってたんだけど。

(Orono)すごい重要だね。その子は。

(エミカ)そう。すごい重要な人。そういう風に偏見で、海外に対してちょっと「嫌だな」とか「怖いな」って思ってる人って絶対いると思うの。日本に。でも私はたまたまそういう出会いがあったから解放されたけど。でもオロノとしてはさ、「もっと世界に出ていった方がいい」と思うわけじゃん。日本人が。どうしてそう思う?

(Orono)そういう考えで止まっちゃってるからだと思う。

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(エミカ)じゃあ、「外に行ったらこんないいことがあるよ」って、どういうこと?

(Orono)「いいこと」っていうかさ、視界を広げて悪いことってないじゃん。別に。

(エミカ)うん、そうだね。だから本屋に行くんだもんね。私。

視界を広げることで選択肢が増える

(Orono)そう。エミカが本屋に行くのと同じ。だってさ、自分がそのすごい音楽が好きでさ、エミカはそういう発信するような、ジャーナリズムとかさ、そういう仕事に興味があるっていうのもさ、自分が好きなこととかがさ、気付ける人って……気付けることってすごいラッキーなわけじゃん。その、全然自分が何をしたいとかがわかんないでさ、結局どうでもいい仕事について。ずっとサラリーマンをやっちゃう人とか、いるわけじゃん。そういう人たちは自分が好きなことを気づけていないだけだと思う。だからそういう人たちを減らしたいから、「日本から出ていけ」って言っているの。

(エミカ)だから、「やりたいことがない」とか……。

(Orono)なくないから。絶対に。あるから。絶対。

(エミカ)知らないだけだよね。まだ出会ってないだけだよね。で、「出会いに行け」っていう話でしょう?

(Orono)そうそうそう。しかもいま、ネットがあるからさ、もっと出会える可能性は高いわけじゃん。けど、そういうネットでもさ、結局狭まっちゃうわけじゃん。自分と自分の友達とかのサークルに。そこから強制的に脱する方法は、やっぱり海外に移住するっていう方法しかないんだと思う。本当にもそういう状況に止まっちゃっていたら。でも、ちょっと自分で変えたいみたいな意識があれば、別にどこにいてもその自分の状況は変えられる。けど、自分がその14歳の時に日本から出たきっかけのひとつとしては、なんか「自分、止まっているな」みたいなのにすごい気づいて。で、「もうこれは環境を変えないと無理だ」みたいになっちゃって。それでアメリカに行くことにした。

(エミカ)よくそれでそう思えたね。14歳の時に。

(Orono)「いま、出ないとここからもうダメだ」みたいにすごい感じて、出た。

(エミカ)環境を変えないと……って思ったんだ。

(Orono)そう。「なんのために朝6時に起きて、電車に1時間乗って学校に行ってるんだろう? 毎日同じことしてて、いいのかな?」みたいなのをすごい急に思い出して。で、親にお願いして、行った。

(エミカ)でも、それはすごい特殊な例だと思うよ。だからそう思った時に、じゃあそのいま自分がいる世界の外側に行ってしまえ!って行動に移せる人は少ないと思うけど。それを若い頃からやってたら、何度でもそれができるなって思うのね。社会人になった後にまた、同じようにそう思う機会があるかもしれないじゃん。「ああ、もうこの先には行けないな」みたいな。それで「もう出ちゃえ! あの時、そうしたし。そうした方がよかったし、出ちゃえ!」ってできるじゃん。たぶん、大人になるまでそういう行動をしてこないと、大人になってからやりづらいんだろうなと思う。

(Orono)そうだね。本当にそうだね。子供の頃は何も怖くないもんね。

(エミカ)そう。失うものないじゃん。

(Orono)「アーティストって、社会のゴミだな」みたいな思うことがあるの。

(エミカ)フフフ、ずっと言ってるよね?(笑)。

(Orono)なんだけど、リゾっているじゃん? リゾとかさ、すっごいこの人はアートを通じて社会に変化をもたらそうとしてな、みたいなのをすごい感じたの。曲の間にスピーチを急にしだして。「自分のことを愛しなさい」みたいなことをあの人、急に言いだしたりするの。あの人。

(エミカ)うんうん。

(Orono)それで、なんかアートってやっぱりそういう、なんか社会に貢献するものってあるんだな、みたいなのを最近また思いだしてきたの。最初、音楽にすごいハマった小学2年生の時とか、いちばんビートルズを聞いていたんだけど。ビートルズ聞いた時にジョン・レノンの曲とかを聞いて、「アートは社会貢献のトップレベルのものなんだ」みたいな考えだったの。だから「自分は世界平和をもたらすためにアートをやりたい」みたいなのを何年間も考えてきたの。それで、たぶん高校生ぐらいになってから「アートは何の意味もない。楽しくてやってるだけだ」みたいな考え方に完全に入ったの。で、バンドを始めてから、もっとそういう考え方に浸って。それで最近やっと、「いや、アートってそんなゴミじゃない」って気づいてきて。

(エミカ)うんうん。よかった(笑)。

(Orono)でも、自分のできる社会貢献としては、そういうこのラジオを聞いてる若い人とかに「ちょっと考え直せ」みたいな。「そういうのが1人にでも伝われば、まあいいんじゃないか。それでなんらかの社会貢献をしてるんじゃないか」みたいなのに最近、なんとなく気づいた(笑)。

(エミカ)よかった。そこに気づいて(笑)。

(Orono)でもね、めっちゃ忘れる。そのことを。InterFMに来るたびにそれ、すごく感じるの。だから、アーティストとして、アーティストの魂にはすごくヘルシーなこと。これをやるのは。InterFMがなかったらいま、どうしているか……。

(エミカ)本当?

(Orono)なんて深い会話なんだろう(笑)。

(エミカ)リゾをかけよう。もう、リゾを。

(Orono)リゾをかけよう。どの曲にしよう?

(エミカ)あの人、フルートとかも吹くよね。

(Orono)めっちゃ吹くよね。

(エミカ)うんうん。

(Orono)じゃあ、リゾの『Good As Hell』。

Lizzo『Good As Hell』

(エミカ)いや、本当にメールも来てるけど、このオロノの言葉に影響を受けて行動してる人とか、これがきっかけで何かを始めたとか、考え出したとか。そういう人がいっぱいいるから。まとめると、大学の時にジャーナリズムを勉強してたのって、ジャーナリストになりたかったの。新聞をね、5紙読み比べして、一生懸命考える日々の中で、音楽ってジャーナリズムだなって思ったの。私それまで本当に音としてしか聞いてなかったの。歌詞がどうのとか、意味がどうのとか、一切考えたことなかったから。ジャミロクワイのその曲で、「この人はすごくジャーナリズム的なことを音楽でしてるんだな」ってその時に気付いて。「じゃあもう音楽の方がジャーナリズムより強いじゃん!」と思っちゃったの。いま言ってリゾの表現方法もそうだけど。またさ、音源とライヴじゃまた違うわけじゃん。

(Orono)みんな、これを聞いてどういうことを考えてるのか、いま気になる。

(エミカ)そうだね。世の中がどうなってるか、知りたいよね。

(Orono)知りたい。だからエミカとオロノに感想を伝えてください。待っています。メールアドレスはorono@interfm.jp、ツイッターのハッシュタグは「#orono897」です。お別れタイム。あの曲をかけましょうか。『Something For Your M.I.N.D.』。See you next week. Bye bye!

Superorganism『Something For Your M.I.N.D.』

<書き起こしおわり>

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