Oronoと小田部仁 カラオケを語る

Oronoと小田部仁 カラオケを語る Inter FM

ライター・編集者の小田部仁さんがinterFM『Oh Wow, Very Cool!』に出演。Oronoさんとカラオケについて話していました。

(Orono)Hey!

(小田部仁)Hey, what’s up?

(Orono)When did you go sleep last night?

(小田部仁)Like… I don’t know about one or two or something. I don’t know.

(Orono)What are you doing?

(小田部仁)You know what I’m doing.

(Orono)Ah, eating snacks? Playin Pokemon?

(小田部仁)Playing Pokemon, hang out with some Indian dudes.

(Orono)Cool! I did something.

(小田部仁)Did you? You went to like a karaoke or something.

(Orono)For an hour.

(小田部仁)That’s all? Who was wearing a Japanese girl’s high school costume?

(Orono)Me.

(小田部仁)Oh, got it. How was it? What do you sing?

(Orono)I don’t…カラオケが嫌いなんだ。カラオケの話、ちょっとしていい?

(小田部仁)いいよ。っていうかさ……まあいいや。どうぞ。

(Orono)ちょっと待って。「っていうかさ」って?

カラオケが嫌い

(小田部仁)カラオケ、一緒に行ったじゃん? あの話、したっけ?

(Orono)あのね、カラオケの話をさせてくれ(笑)。

(小田部仁)いいよ! カラオケの話、しなよ(笑)。

(Orono)カラオケの好きなところは、その「カラオケに行こうぜ!」っていうところだけなの。

(小田部仁)フフフ、いい話でね。俺もそれ、わかるかも。

(Orono)部屋に入った瞬間、「なんでこんなところに来てしまったんだ?」って思う。

(小田部仁)うんうん、わかるわかる。

(Orono)それでもう、楽しさが全部消える。

(小田部仁)「歌わなくていいな」って思わない?

(Orono)そう! あのね、友達の下手な歌を聞きたくない。しかも曲、長い。

(小田部仁)うんうん。長い長い。

(Orono)ファーストバース、コーラスだけでいい! 全部歌わなくていい! エミネム全部歌わなくていいから!

(小田部仁)いま、めちゃめちゃいい顔してるね、お前、なんか(笑)。「本当に嫌だ」みたいなみたいな顔してんね(笑)。

(Orono)本当に! あのね、カラオケってすごいMixed Feelingなの。だって1人で行ってもそう思う時あるんだよ。たまに1人で行くんだよ? なんで行きたいのかもわかんないの。母親に「ちょっと今日、カラオケに行かなきゃいけないんだ」って言って連れてってもらうじゃん? 着いた時点でもう……。

(小田部仁)どうでもよくなるの?

(Orono)「えっ、なに? ニッキーを1人で歌えばいいの?」って……。カルピスをずっと飲んでさ。なんでカルピスなのかもわからないけど。

(小田部仁)フフフ、なぜかカルピス(笑)。

(Orono)しかも、カルピスソーダね。

(小田部仁)カルピスソーダを飲むんだ。

(Orono)それをなぜか飲まなきゃいけないの。

(小田部仁)別に「飲まなきゃいけない」って誰も強制してないけど。

(Orono)いやいや、自分の中で決めてるの。しかも1杯。いっぱい飲めるじゃん? でも、1杯しか飲まないの。

(小田部仁)ちょっとずつ飲むの? 意味がわかんねえよ。

(Orono)いや、ちょっとずつでもない。最初にちょっと飲むじゃん? で、忘れちゃうの。それで電話かかってくるじゃん? 「ヤバい!」っつってそれでケイティ・ペリーを5曲ぐらい詰め込んで、最後にジュースが残ってるから一気飲みしてダッシュで出てくるみたいな。

(小田部仁)それって焦る理由もわかんないよね。あんまりだって、行きたくて行っているわけでもないのにもかかわらず、そこでなんか「歌わなきゃ!」って歌うわけじゃん? しかもなんでケイティ・ペリーを5曲歌うの?(笑)。

カラオケで歌いたい曲プレイリスト

(Orono)わかんない。しかもさ、毎日音楽を聞いててさ、「ああ、これカラオケで歌いたいな」みたいに思うんだよ。だからSpotifyにカラオケプレイリストみたいなのがあるの。なんだけど、カラオケに着くとカラオケプレイリストがあるのを忘れちゃうの。だからなにを歌えばいいかわかんなくて、毎回なんか同じような曲しかやらないの。セリーヌ・ディオンとかレディ・ガガとかさ。

(小田部仁)フフフ、お前、セリーヌ・ディオン歌うの? ああ、そう?(笑)。

(Orono)バーブラ・ストライサンドとかさ。

(小田部仁)面白いな。でもなんでカラオケに行くと途端に……音楽、好きじゃん? 音楽が好きで普通に聞いてるじゃん?

(Orono)なんか音楽が嫌いになる(笑)。

(小田部仁)フフフ、なんでわかんなくなるんだろうね? 着くと。急に歌う歌がわからなくならない? なんか、「なにを歌えばいいんだろう?」みたいな。

(Orono)あとね、ちょっとEmbarrassedっていうのがある。ちょっと恥を感じる。

(小田部仁)ああ、そうなの? なんで?

(Orono)あのね、ちょっとシリアスになりすぎちゃうんだよ。完璧主義だから。だからまず、学校の友達と行くじゃん? 学校の友達はみんなAKBとかさ、ボーカロイドとか聞いてるじゃん? で、自分1人でずっとニッキー歌っていてさ、誰もわかんないからすんげえ気まずい雰囲気でさ。めっちゃ本気で1人でニッキーを歌ってんだよ。5分ぐらい。

(小田部仁)それ、同じ経験しているよ。俺、エミネムをずっと歌ってたもん。

(Orono)でしょう? つらくない? それで申し訳ない気分になるの。なんでニッキーを楽しくて歌っているのに……しかも、こっちも楽しくないんだよ。変な雰囲気に包まれるから。

(小田部仁)それさ、インターナショナルスクールっていうか、インテグレーションスクールじゃん? それでそうなるの、ヤバいよね。俺、普通の日本の男子校に行ってたけどさ、もう「はいはい、英語ね?」みたいな。「なに? よくない? 別に」みたいな。

(Orono)そうそう! しかもさ、発音がいいとなんかすっげー見下されるっていうかさ。

(小田部仁)わかる! めっちゃ言われるよね!

(Orono)でしょう? 「お前、なにかっこつけてんだよ?」みたいな。

(小田部仁)そうそう。「はいはい。もっと普通に歌えばいいじゃん。発音、すごいね」とか言われて。

(Orono)そう! 「お前、黙れよ!」っていうね。でもみんな、そういう考えじゃん? だからなんも言えないじゃん?

(小田部仁)わかる! あれ、日本のよくないところだよ。すごいよくないところ。

(Orono)ダメだよね!

(小田部仁)ダメ。別にいいじゃん。それ、好きで歌ってるんだから。別にさ。

(Orono)カラオケはヤバいよ。

(小田部仁)でもさ、お前この間さ、俺があなたの地元に行った時にいきなりさ、誰もそういうつもりじゃなかったのに「カラオケ、行くよ!」とかってさ、カラオケに連れて行かれたじゃん?

(Orono)だからそれはそういう日だったんだよ。

(小田部仁)ああ、そういう日だったんだ。でも、あれはあれで楽しかったよ。俺は行けて。すごい面白かった。

(Orono)楽しかった。

(小田部仁)あなたが荒井由実を歌うのを聞いて笑っちゃったけど。すごいよかった。上手いなって思って。

(Orono)だからさ、それも嫌なの。「上手いな」って思われたくないの。

「上手い」と思われたくない

(小田部仁)ああ、それが嫌なんだ。でも、普通に思っちゃうよ。だって、「うおー、オロノ歌ってんじゃん?」みたいな。なんで「上手いな」って思われたくないの?

(Orono)だって別になんもがんばってもいないんだもん。

(小田部仁)だけど、別にそれはそれでいいじゃん。それで普通に「上手いな」って思うんだったらさ。

(Orono)でもさ、カラオケでいちばん盛り上がるのってさ、ダサい男子がAKBを本気で歌ってさ、「なにこいつ、キモーッ!」みたいなさ。なんか楽しいのが盛り上がるじゃん。本当で歌っているやつっていちばんウザいじゃん? それなの! だから嫌なの。

(小田部仁)自分は本気で歌っちゃうんだね。全部ね。

(Orono)だってそれはなんでかっていうと、もとの曲をすごいリスペクトしているから。I need to serve it justice, you know. But the instrumental sucks, the sound always sucks. I hate the fucking Reverb on my vocals like all the time. So…

(小田部仁)でも、いいよね。俺、そういう本気で歌っている人のやつを聞くの、すごい好きなの。俺はね、個人的には。なんでかっていうと中学の時にちょっと不登校の友達というかクラスメイトがいて。「そのクラスメイトの面倒を見てくれ」って先生に頼まれたの。で、その子がすっごい歌が好きだったの。音楽が好きだったの。だから「カラオケ、行く?」って誘って一緒にカラオケ行ったの。そしたらその子がビジュアル系が大好きで。本気で首をかっ切る仕草とか、俺の前でめちゃめちゃ近寄ってきて。この口のところに手を入れて引っかいて、血を出してその血を吐くのよ。それで俺の前で歌ってくれて。未だにその経験が衝撃的すぎて、彼がその時に歌った曲を俺、夜中になるとたまに思い出すのね。

(Orono)ヤバい!

(小田部仁)ヤバい。でもそれは俺、本当に引いちゃったんだけども。「俺はもう無理かもしれない。受け止めきれない」って思ったんだけども、何年かしてから「なんかよかったな」ってすごい思っている。あいつは本気だったって思って。

(Orono)素晴らしい! その曲、かけたくない?

(小田部仁)『Marmalade Chainsaw』By DIR EN GREYだけどね(笑)。

(Orono)イエーッ!

(小田部仁)じゃあ、DIR EN GREY『Marmalade Chainsaw』をお聞きください。

DIR EN GREY『Marmalade Chainsaw』

(小田部仁)俺、実はこの曲をちゃんと聞いたことがないのよ。CDとかでも。彼の歌でしかしらないのよ。僕は正直ね。その、本当のDIR EN GREYさんの曲を聞いたことがないんだけど、僕の中ではすごく、なんか音楽の良い思い出として残ってるの。彼にとって、なんかすごく大事だったんだなって。

(Orono)いいね。

(小田部仁)俺の中ではすげえいい話なの。でも、結構すごい衝撃だった。

(Orono)怖いよね。

(小田部仁)怖い。「人ってあんな風に変わるんだ」って思って。だから、二面性を見た。彼は救われつつ、狂気みたいなものもこれに見出しているんだなって思った。

<書き起こしおわり>

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