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武田砂鉄 フォーリンラブ・バービーインタビュー書き起こし

武田砂鉄 フォーリンラブ・バービーインタビュー書き起こし ACTION
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お笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーさんがTBSラジオ『ACTION』に出演。武田砂鉄さん、幸坂理加さんと本やファッション、ジェンダーとお笑いなどについて話していました。

(武田砂鉄)本日のゲストはお笑いコンビ、フォーリンラブのバービーさんです。よろしくお願いいたします。

(バービー)こんにちは。お願いします。

(武田砂鉄)お会いしたかったでございます。みなさんね、まず心配されてる方もいらっしゃると思うんですけど。アキレス腱を断裂?

(バービー)はい。もう完全断裂ですね。切りました。

(武田砂鉄)お具合はいかがですか?

(バービー)具合は……ちょっと装具っていうの付けてなきゃいけないんですけど、それがぶっ壊れてしまったので。結構、いまスレスレの状態で生きています。もうすぐ取れます。

(武田砂鉄)YOSHIKIさんかバービーさんかっていうぐらい心配してますよ、みなさん。

(バービー)本当ですか?(笑)。そんな……YOSHIKIさんレベルまで言ってよかったですか? ああ、嬉しいな。

(武田砂鉄)今回は僕、バービーさんにお会いするのは初めてなんですけども。なぜお越しいただけたかっていうと、あるバラエティ番組を見てたら、そのバービーさんの自宅訪問っていうのをやって。僕、そのタレントさんの自宅訪問をやるとかならずその本棚が気になっちゃって。その本棚が映ると一時停止をして……。

(バービー)いやー! いやらしい(笑)。

(武田砂鉄)いやらしいの。いやらしいんだけども、そのいやらしい一時停止の結果、「この方はかなり本を読まれてるな」って。で、僕は結構、その前にすごく影響を受けた司法ジャンルとその司法の中でジェンダーがどういう風に扱われてるかっていう本があって。牧野雅子さんっていう方の本がピッと一時停止で目に入ったから。かなりでも、たくさん本を読んでらっしゃいますよね?

バービーの本棚が気になる

(バービー)いや、そんなに実際は読んでいないです。ちゃんと読めてないですけど、あのロケの時も……というか、毎回自宅訪問の時には「本棚を映さないでくれ」って言ってるんですよ。で、インサートって言ってそこだけアップにしていろいろと撮る人がいるんですけども。「本棚はやめてくれ」って毎回、言っているんですけど。たぶんあの番組だけ私が目を離した隙に撮ってたんですね?

(武田砂鉄)たぶん全体の部屋をなめめるような感じの時に、結構そこがパシッと映っちゃった感じですね。

(バービー)ああ、なめのショットでみたんですか? なんだ。

(武田砂鉄)なめのショットの一時停止です。

(バービー)それはもう、見に行ってますね(笑)。

(武田砂鉄)見に行ってる。それはこっちの一時停止が悪いの。だからその、撮られる方は別に……。

(バービー)そのなめがある時にはそういう、結構エッジの利いたタイトルのものは抜いてました。でも、あの時はちょっと残っちゃってたんですかね。

(武田砂鉄)ああ、ちょっと修正なしの感じで。

(バービー)戦争物を抜いたりとかしていたんですけども。あの時には、ガッツリとジェンダーの物が残ってましたね。

(武田砂鉄)でも、そういったところにやっぱり興味がおありになる感じは……?

(バービー)いやー、そうですけど……なかなかこう、「どうなの?」って言われたのは初めてですよ。

(武田砂鉄)それはもう、一時停止をするようなやつはろくでもないんですよ。

(バービー)そうです。ろくでもないですね、本当に。でも、なんかそのTwitterで反応してくださったのはすごい嬉しかったんです。やっぱり響いている人には響いているんだなっていうか。こういう見方をしてくれる人がいるんだっていうのはすごい嬉しかったですね。

(武田砂鉄)本当、だからバービーさんのインタビューとか、いままでおっしゃっていたことをいろいろと読んでいると、本当にいろいろなチャレンジをされてるじゃないですか。お庭でハーブを育てたりとか。

(バービー)えっ、なんで知っているんですか?

(武田砂鉄)日経新聞をすごく愛読されてるとか。

(バービー)そうです。私、イギリスのチェルシーフラワーショーっていうガーデニングのワールドカップ。あれにボランティア・スタッフで参加しているんですよ。でもそれは公表していないというか。まあ、したところで話題にもならないんですけども。それのゴールドメダルを取った庭にボランティア参加したりとか。

(武田砂鉄)でもそういう、チベット体操のインストラクターをやってるとか、そういうこととかも入ってますからね。

(バービー)そうなんですよ。チベット密教専攻だったんで。今日、ちょうどたまたまシンギングボウルっていう仏教音楽で使う……。

(武田砂鉄)あの「ブオオオーン♪」って鳴るやつですよね。

(バービー)あれを買いに行って、買ってきたやつを持ってきちゃいました。ティンシャっていうやつなんですけども。

(武田砂鉄)でも、そういう知的探究心みたいなものがものすごくおありになるんじゃないかなと……。

(バービー)いや、全く「知的」とは私のパブリックイメージは違う感じなんですけども。

(武田砂鉄)いや、僕にとってのバービーさんの「パブリック」はそっちですよ。そういう風にいろんなことをやられていて。それは昔からそういう好奇心とか探求心みたいなものは強いタイプの人だったんですか?

(バービー)元々は大学入るのも最初は犯罪心理学を学びたくて探してて。その間にチベット密教の本に出会って開いた時に雷を打たれ、「これを書いている人のところに行きたい」と思っていたのが東洋大学のインド哲学科っていう(笑)。本当に社会性のない人たちが集まる学科で。

(武田砂鉄)そもそも大学の学部を選ぼうっていう時に犯罪心理学っていうのが一発目から出てくるって結構珍しいと思うんですけど。それはなんかきっかけがあったんですか?

(バービー)たぶん同年代かと思うんですけど。あれですよね。「キレる14歳」の世代ですよね?

「キレる14歳」の世代の武田砂鉄&バービー

(武田砂鉄)そうですね。2個ぐらいで僕の方が上だと思いますけど。「キレる14歳」とか「17歳」とか、大体もう社会から「あいつら、危ないぞ」って言われてきたという。

(バービー)という風に言われるクリーンヒットの世代で。犯罪を起こす少年たちの。

(武田砂鉄)クリーンヒットの。いつも我々は「危ない」って言われていたんだから(笑)。どの時代も。

(幸坂理加)ええーっ!

(バービー)そうそう! そうですよね。そんな世代だったんで、やっぱり犯罪にはすごい興味があって……「犯罪に興味がある」っていう言い方もおかしいですけども(笑)。

(武田砂鉄)まあでも、ある種自分たちに矢印を向けられて「危ないぞ」って言われると、やっぱり「なんでそうなるんだろう?」って思いますもんね。

(バービー)うんうん。あとはどこかに狂気があるんじゃないか?って、自分の中にもなにかを見出してしまうかもしれないなという不安とか。なんで、犯罪を起こすのと起こさないののスレスレのところを知りたいとか。そういうところに興味があって、たぶん最初に犯罪心理学を学ぼうって思って。そこからなぜかグイッと角度が変わってチベット密教の方に行って。

(武田砂鉄)その雷が……なにかの本を読んでビビッと雷が落ちたのは、何がどうしたんですか。その時に。

(バービー)『チベット死者の書』っていう、埋蔵教典なんですけども。それが60年代のニュー・サイエンスのブームの時代の時に、埋蔵されていたのをアメリカ人が発見して。それがベストセラーになってるんですけども。ビートルズとかが山ごもりをしていたような時代で。それがなんか和訳されたみたいなやつを読んだ時に、なんかもう「私、ビートルズ」ぐらいの感覚で。「わかる、わかる!」みたいな。

「その気持ち、すごいわかる!」みたいな感じになっちゃって。まあでも、浸ってる部分は絶対にありますよね。そこに魅力を得た自分みたいなのと。でもやっぱりその、「科学では答えの出せないところの答えがここには示されてるんじゃないか?」みたいなところとかをなんかそのチベット密教に感じて。それでグッとのめり込んだのがいちばん最初ですね。

(武田砂鉄)でも、その犯罪心理学をやる時にはある種、自分と社会の中でちょっと不安感みたいのがあって。不安感をどうしようかってなった時にそういったチベットの話……密教であるとかっていうのを知った時に、スッと入り込んでいけたみたいな?

(バービー)そうですね。たぶんどっちにしろ、どっちのジャンルも死生観みたいなものを……やっぱり思春期なんで。そういうところを考えてる時にたぶん、「ここには答えがあるんだ」みたいな感じになったんだと思います。

(武田砂鉄)そういう「生きるとは何だろう?」みたいなテーマって、誰しも考えると思うんですけど。それって冷静に考えてみて、自分がその学生時代から……中学校なり高校でも、強かったですか? そういう、根を詰めるっていうか。

(バービー)強かったと思います。私は北海道出身なんですよ。で、娯楽なんか全くなくて。で、この間、聞いたんですけども。寒いところで何にもないところだと哲学的概念が伸びやすいって聞いて。もうたしかにその通りで、自然しかないところで。真っ暗な夜空を見て。もう、「生きる」を考えるしかないですよね。「生きるとは」とか「人はなぜ生まれたのか」とか。

(武田砂鉄)暑かったらもっと、海に飛び込んだりできるけど。

(バービー)はいはい。イエーイ!って。

(武田砂鉄)でも、寒かったら外を見て、「概念……」ってなりますよね。

(バービー)そうそう。「森、自然……」みたいな。

(武田砂鉄)「私、誰?」みたいな(笑)。

(バービー)そうそう(笑)。「神とは?」みたいな。わからないですけど。たぶん、そういうことしか考えてなかったんだと思いますね。

(武田砂鉄)でも最初、お笑い芸人になるんじゃなくて、作家さん……構成作家さんとかを目指したかったっていう。で、なんか「表現したい」という思いも強かったんですか?

(バービー)そうですね。なんかやっぱり自分の思想だったりとか、色を出せるのってそっちの方だって思ってたし。やっぱりそういう……なんか表に出るような人間じゃなかったんで。「生きるとは?」みたいな感じだったんで、絶対に人前に出たくない。それでお金をもらうってなったら、作家しかないなと思って。で、「書く仕事ってなんだろうな?」っていうので養成所を探し始めて。

「放送作家って作家だから行けるか」と思ったら、テレビの放送作家ってやっぱり違うんだっていうところで、なんか勝手に……まあ見てくれとかを見て「お笑いの方に行け」って言われて(笑)。「お前は作家コースじゃないだろ?」って言われて芸人のコースに入ったのが最初です。もう芸人なんか全くやる気なかったです。

(武田砂鉄)でも、いろいろと調べさせていただきますと、中学の学園祭とかでペーパードレスを作って。やっぱり一世を風靡した時期もあったって……これ、ソースはご自身ですよ?(笑)。

中学の学園祭で一世を風靡

(バービー)ああ、そうですか(笑)。いやいや、そうです。その時は田舎では「デザイナーの神童」と呼ばれてました(笑)。

(武田砂鉄)フフフ、北海道のデザイナー業界が激震したと。

(バービー)そうです。田舎のその周りでは。すっごいパリコレみたいなやつを作ったんで。

(武田砂鉄)もう学校一のおしゃれ女子と言われていたという。で、そのおしゃれな部分と、「生きるとは?」って夜空を見上げるっていうのは両方チャンネルとしてはあったわけですね。

(バービー)そうですね。なんか一緒だと思ってましたね。美術の授業の時とかも、なんかよくわかんないオブジェ作ったりとかして。なんか手だけのオブジェとか(笑)。だからもう、本当にいわゆる中二病ですよね。そういう感じです。

(武田砂鉄)でも本当、そのバービーさんのInstagramとかを見ると、その美意識の徹底というか。美意識をどこまで弾けられるのか?っていうのをすごく徹底されてると思うんですけど。でもやっぱりそれを見てると、その何て言うか、「女性の美みたいなものは別に対男性に使うっていうことじゃなくて。これは私のための美なんだ」っていうことを徹底されてるから。

やっぱりその中学校時代にペーパードレスを作って一世を風靡した時って、別に他者に気に入られようとかって思ってるわけじゃなくて、「私、これ!」っていうのをたぶん主張されてたと思うから。その頃といまはあまり変わらずにと言うか、徹底されてるんじゃないかなっていう気もしたんですけどね。

(バービー)そうですね。「変わらないね」とか「ブレないね」とか言われるんですけど。逆に私からするとそれ以外ができないというか。いまになっては大人だから「ああ、これってやりすぎちゃダメなことなんだ」ってわかるようになってきましたけど。なんか合わせる意味とかが全くわかんなかったんで、たぶん東京に来てからは「なに、あの変な子?」とは思われてただろうなと、いま思うと思います。足並みをそろえることを知らなかったので。

(武田砂鉄)でも、そういう芸人さんになりたてで、それそこ最初そんなに売れてない頃だとしたら、そういった自分の美意識を徹底するっていうことよりも、なんかにこう、何かの形に合わせなきゃいけないことってのもたくさんあるわけじゃないですか。そういうのに対しての抵抗感みたいのはなかったですか?

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