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武田砂鉄 フォーリンラブ・バービーインタビュー書き起こし

武田砂鉄 フォーリンラブ・バービーインタビュー書き起こし ACTION
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お笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーさんがTBSラジオ『ACTION』に出演。武田砂鉄さん、幸坂理加さんと本やファッション、ジェンダーとお笑いなどについて話していました。

(武田砂鉄)本日のゲストはお笑いコンビ、フォーリンラブのバービーさんです。よろしくお願いいたします。

(バービー)こんにちは。お願いします。

(武田砂鉄)お会いしたかったでございます。みなさんね、まず心配されてる方もいらっしゃると思うんですけど。アキレス腱を断裂?

(バービー)はい。もう完全断裂ですね。切りました。

(武田砂鉄)お具合はいかがですか?

(バービー)具合は……ちょっと装具っていうの付けてなきゃいけないんですけど、それがぶっ壊れてしまったので。結構、いまスレスレの状態で生きています。もうすぐ取れます。

(武田砂鉄)YOSHIKIさんかバービーさんかっていうぐらい心配してますよ、みなさん。

(バービー)本当ですか?(笑)。そんな……YOSHIKIさんレベルまで言ってよかったですか? ああ、嬉しいな。

(武田砂鉄)今回は僕、バービーさんにお会いするのは初めてなんですけども。なぜお越しいただけたかっていうと、あるバラエティ番組を見てたら、そのバービーさんの自宅訪問っていうのをやって。僕、そのタレントさんの自宅訪問をやるとかならずその本棚が気になっちゃって。その本棚が映ると一時停止をして……。

(バービー)いやー! いやらしい(笑)。

(武田砂鉄)いやらしいの。いやらしいんだけども、そのいやらしい一時停止の結果、「この方はかなり本を読まれてるな」って。で、僕は結構、その前にすごく影響を受けた司法ジャンルとその司法の中でジェンダーがどういう風に扱われてるかっていう本があって。牧野雅子さんっていう方の本がピッと一時停止で目に入ったから。かなりでも、たくさん本を読んでらっしゃいますよね?

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バービーの本棚が気になる

(バービー)いや、そんなに実際は読んでいないです。ちゃんと読めてないですけど、あのロケの時も……というか、毎回自宅訪問の時には「本棚を映さないでくれ」って言ってるんですよ。で、インサートって言ってそこだけアップにしていろいろと撮る人がいるんですけども。「本棚はやめてくれ」って毎回、言っているんですけど。たぶんあの番組だけ私が目を離した隙に撮ってたんですね?

(武田砂鉄)たぶん全体の部屋をなめめるような感じの時に、結構そこがパシッと映っちゃった感じですね。

(バービー)ああ、なめのショットでみたんですか? なんだ。

(武田砂鉄)なめのショットの一時停止です。

(バービー)それはもう、見に行ってますね(笑)。

(武田砂鉄)見に行ってる。それはこっちの一時停止が悪いの。だからその、撮られる方は別に……。

(バービー)そのなめがある時にはそういう、結構エッジの利いたタイトルのものは抜いてました。でも、あの時はちょっと残っちゃってたんですかね。

(武田砂鉄)ああ、ちょっと修正なしの感じで。

(バービー)戦争物を抜いたりとかしていたんですけども。あの時には、ガッツリとジェンダーの物が残ってましたね。

(武田砂鉄)でも、そういったところにやっぱり興味がおありになる感じは……?

(バービー)いやー、そうですけど……なかなかこう、「どうなの?」って言われたのは初めてですよ。

(武田砂鉄)それはもう、一時停止をするようなやつはろくでもないんですよ。

(バービー)そうです。ろくでもないですね、本当に。でも、なんかそのTwitterで反応してくださったのはすごい嬉しかったんです。やっぱり響いている人には響いているんだなっていうか。こういう見方をしてくれる人がいるんだっていうのはすごい嬉しかったですね。

(武田砂鉄)本当、だからバービーさんのインタビューとか、いままでおっしゃっていたことをいろいろと読んでいると、本当にいろいろなチャレンジをされてるじゃないですか。お庭でハーブを育てたりとか。

(バービー)えっ、なんで知っているんですか?

(武田砂鉄)日経新聞をすごく愛読されてるとか。

(バービー)そうです。私、イギリスのチェルシーフラワーショーっていうガーデニングのワールドカップ。あれにボランティア・スタッフで参加しているんですよ。でもそれは公表していないというか。まあ、したところで話題にもならないんですけども。それのゴールドメダルを取った庭にボランティア参加したりとか。

(武田砂鉄)でもそういう、チベット体操のインストラクターをやってるとか、そういうこととかも入ってますからね。

(バービー)そうなんですよ。チベット密教専攻だったんで。今日、ちょうどたまたまシンギングボウルっていう仏教音楽で使う……。

(武田砂鉄)あの「ブオオオーン♪」って鳴るやつですよね。

(バービー)あれを買いに行って、買ってきたやつを持ってきちゃいました。ティンシャっていうやつなんですけども。

(武田砂鉄)でも、そういう知的探究心みたいなものがものすごくおありになるんじゃないかなと……。

(バービー)いや、全く「知的」とは私のパブリックイメージは違う感じなんですけども。

(武田砂鉄)いや、僕にとってのバービーさんの「パブリック」はそっちですよ。そういう風にいろんなことをやられていて。それは昔からそういう好奇心とか探求心みたいなものは強いタイプの人だったんですか?

(バービー)元々は大学入るのも最初は犯罪心理学を学びたくて探してて。その間にチベット密教の本に出会って開いた時に雷を打たれ、「これを書いている人のところに行きたい」と思っていたのが東洋大学のインド哲学科っていう(笑)。本当に社会性のない人たちが集まる学科で。

(武田砂鉄)そもそも大学の学部を選ぼうっていう時に犯罪心理学っていうのが一発目から出てくるって結構珍しいと思うんですけど。それはなんかきっかけがあったんですか?

(バービー)たぶん同年代かと思うんですけど。あれですよね。「キレる14歳」の世代ですよね?

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「キレる14歳」の世代の武田砂鉄&バービー

(武田砂鉄)そうですね。2個ぐらいで僕の方が上だと思いますけど。「キレる14歳」とか「17歳」とか、大体もう社会から「あいつら、危ないぞ」って言われてきたという。

(バービー)という風に言われるクリーンヒットの世代で。犯罪を起こす少年たちの。

(武田砂鉄)クリーンヒットの。いつも我々は「危ない」って言われていたんだから(笑)。どの時代も。

(幸坂理加)ええーっ!

(バービー)そうそう! そうですよね。そんな世代だったんで、やっぱり犯罪にはすごい興味があって……「犯罪に興味がある」っていう言い方もおかしいですけども(笑)。

(武田砂鉄)まあでも、ある種自分たちに矢印を向けられて「危ないぞ」って言われると、やっぱり「なんでそうなるんだろう?」って思いますもんね。

(バービー)うんうん。あとはどこかに狂気があるんじゃないか?って、自分の中にもなにかを見出してしまうかもしれないなという不安とか。なんで、犯罪を起こすのと起こさないののスレスレのところを知りたいとか。そういうところに興味があって、たぶん最初に犯罪心理学を学ぼうって思って。そこからなぜかグイッと角度が変わってチベット密教の方に行って。

(武田砂鉄)その雷が……なにかの本を読んでビビッと雷が落ちたのは、何がどうしたんですか。その時に。

(バービー)『チベット死者の書』っていう、埋蔵教典なんですけども。それが60年代のニュー・サイエンスのブームの時代の時に、埋蔵されていたのをアメリカ人が発見して。それがベストセラーになってるんですけども。ビートルズとかが山ごもりをしていたような時代で。それがなんか和訳されたみたいなやつを読んだ時に、なんかもう「私、ビートルズ」ぐらいの感覚で。「わかる、わかる!」みたいな。

「その気持ち、すごいわかる!」みたいな感じになっちゃって。まあでも、浸ってる部分は絶対にありますよね。そこに魅力を得た自分みたいなのと。でもやっぱりその、「科学では答えの出せないところの答えがここには示されてるんじゃないか?」みたいなところとかをなんかそのチベット密教に感じて。それでグッとのめり込んだのがいちばん最初ですね。

(武田砂鉄)でも、その犯罪心理学をやる時にはある種、自分と社会の中でちょっと不安感みたいのがあって。不安感をどうしようかってなった時にそういったチベットの話……密教であるとかっていうのを知った時に、スッと入り込んでいけたみたいな?

(バービー)そうですね。たぶんどっちにしろ、どっちのジャンルも死生観みたいなものを……やっぱり思春期なんで。そういうところを考えてる時にたぶん、「ここには答えがあるんだ」みたいな感じになったんだと思います。

(武田砂鉄)そういう「生きるとは何だろう?」みたいなテーマって、誰しも考えると思うんですけど。それって冷静に考えてみて、自分がその学生時代から……中学校なり高校でも、強かったですか? そういう、根を詰めるっていうか。

(バービー)強かったと思います。私は北海道出身なんですよ。で、娯楽なんか全くなくて。で、この間、聞いたんですけども。寒いところで何にもないところだと哲学的概念が伸びやすいって聞いて。もうたしかにその通りで、自然しかないところで。真っ暗な夜空を見て。もう、「生きる」を考えるしかないですよね。「生きるとは」とか「人はなぜ生まれたのか」とか。

(武田砂鉄)暑かったらもっと、海に飛び込んだりできるけど。

(バービー)はいはい。イエーイ!って。

(武田砂鉄)でも、寒かったら外を見て、「概念……」ってなりますよね。

(バービー)そうそう。「森、自然……」みたいな。

(武田砂鉄)「私、誰?」みたいな(笑)。

(バービー)そうそう(笑)。「神とは?」みたいな。わからないですけど。たぶん、そういうことしか考えてなかったんだと思いますね。

(武田砂鉄)でも最初、お笑い芸人になるんじゃなくて、作家さん……構成作家さんとかを目指したかったっていう。で、なんか「表現したい」という思いも強かったんですか?

(バービー)そうですね。なんかやっぱり自分の思想だったりとか、色を出せるのってそっちの方だって思ってたし。やっぱりそういう……なんか表に出るような人間じゃなかったんで。「生きるとは?」みたいな感じだったんで、絶対に人前に出たくない。それでお金をもらうってなったら、作家しかないなと思って。で、「書く仕事ってなんだろうな?」っていうので養成所を探し始めて。

「放送作家って作家だから行けるか」と思ったら、テレビの放送作家ってやっぱり違うんだっていうところで、なんか勝手に……まあ見てくれとかを見て「お笑いの方に行け」って言われて(笑)。「お前は作家コースじゃないだろ?」って言われて芸人のコースに入ったのが最初です。もう芸人なんか全くやる気なかったです。

(武田砂鉄)でも、いろいろと調べさせていただきますと、中学の学園祭とかでペーパードレスを作って。やっぱり一世を風靡した時期もあったって……これ、ソースはご自身ですよ?(笑)。

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中学の学園祭で一世を風靡

(バービー)ああ、そうですか(笑)。いやいや、そうです。その時は田舎では「デザイナーの神童」と呼ばれてました(笑)。

(武田砂鉄)フフフ、北海道のデザイナー業界が激震したと。

(バービー)そうです。田舎のその周りでは。すっごいパリコレみたいなやつを作ったんで。

(武田砂鉄)もう学校一のおしゃれ女子と言われていたという。で、そのおしゃれな部分と、「生きるとは?」って夜空を見上げるっていうのは両方チャンネルとしてはあったわけですね。

(バービー)そうですね。なんか一緒だと思ってましたね。美術の授業の時とかも、なんかよくわかんないオブジェ作ったりとかして。なんか手だけのオブジェとか(笑)。だからもう、本当にいわゆる中二病ですよね。そういう感じです。

(武田砂鉄)でも本当、そのバービーさんのInstagramとかを見ると、その美意識の徹底というか。美意識をどこまで弾けられるのか?っていうのをすごく徹底されてると思うんですけど。でもやっぱりそれを見てると、その何て言うか、「女性の美みたいなものは別に対男性に使うっていうことじゃなくて。これは私のための美なんだ」っていうことを徹底されてるから。

やっぱりその中学校時代にペーパードレスを作って一世を風靡した時って、別に他者に気に入られようとかって思ってるわけじゃなくて、「私、これ!」っていうのをたぶん主張されてたと思うから。その頃といまはあまり変わらずにと言うか、徹底されてるんじゃないかなっていう気もしたんですけどね。

(バービー)そうですね。「変わらないね」とか「ブレないね」とか言われるんですけど。逆に私からするとそれ以外ができないというか。いまになっては大人だから「ああ、これってやりすぎちゃダメなことなんだ」ってわかるようになってきましたけど。なんか合わせる意味とかが全くわかんなかったんで、たぶん東京に来てからは「なに、あの変な子?」とは思われてただろうなと、いま思うと思います。足並みをそろえることを知らなかったので。

(武田砂鉄)でも、そういう芸人さんになりたてで、それそこ最初そんなに売れてない頃だとしたら、そういった自分の美意識を徹底するっていうことよりも、なんかにこう、何かの形に合わせなきゃいけないことってのもたくさんあるわけじゃないですか。そういうのに対しての抵抗感みたいのはなかったですか?

(バービー)いや、そういう……郷に入っては郷に従えじゃないですけども。そういうのはめちゃめちゃできるんですよ。「できる」って言ったらあれですけども。もういくらでも頭を下げるし、いくらでもいじられようが平気だし。もうそれこそ、昔の芸人界なんて女の絶対数も少なかったんで、無茶苦茶いじられたりとかしましたけど。なんかそれに関してはあまり抵抗はなかったですね。「ああ、こういうもんなんだ」としか思わなかったっていうか。

(武田砂鉄)でも、またその女性の芸人さんたちもいろんな方たちがいらして。たぶんそういう、「いじられる、いじられる、いじられる……」っていうことを続けてる中にいる中で、最初はあった芯みたいなものがズタボロに崩れる方もたぶんいらっしゃるとで思うし。でも、バービーさんのように「それはそれ。私はいつでも……」っていうこの両方のパターンがたぶんあるわけですよね?

(バービー)たしかに、そうですね。あの、こういう言い方をしたらあれですけども。基本的にあの、彼氏いたりとかすると……(笑)。

(武田砂鉄)1人だけで笑ってますけども(笑)。彼氏がいたりすると?

(バービー)彼氏がいたりすると、そこの最低限の自尊感情は保たれるのかな、みたいなのありますけど。はい。

(武田砂鉄)じゃあ別にそういうテレビ……たぶんとりわけ芸人さんの世界は男社会っていうのがどの社会よりも強いとは思いますけど。そこの中に入っていくことでなんかこう、動きづらいなっていう風に感じるということはあんまりなかったというか?

(バービー)いやいや、まあそれはいじられたりとかすることも、そういう社会だし。そういうエンターテイメントだし。別に私の思想と相容れなくていいやっていう風に思ってやっています。だから逆に……たぶんいま、こういう番組で今回、初めて本音でしゃべっているのかなと思うんですけど。

(武田砂鉄)ありがたいです。

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「初めて本音でしゃべっている」(バービー)

(バービー)このラジオでしゃべっていると思うんですけども。まあ、そのカラクリを言ってしまうと笑いづらくもなってしまうっていうのがあるので、あんまり言うのも損だし。エンターテイメントはエンターテイメントだし……っていう感じで割り切ってるって言ったらあれですけども。はい。

(武田砂鉄)でもバービーさんのインタビューを読んでると、やっぱり「もう自虐する時代は終わった。自虐なんかしてるんじゃない。自虐をするっていうのは誰かをバカにしてる気持ちがあるからこそ、そういう気持ちが生まれてくるんだ」っていう。本当にもう、いまは美輪明宏かバービーかっていうぐらいの感じの言葉がバンバン出てくるんですけども。

(バービー)アハハハハハハハッ! 嬉しいなー!

(武田砂鉄)でも、やっぱり自分なんかもそういう風に、自虐をすることによって誰にも突っ込まれないようにまずしておこうみたいなことっていうのをやりすぎちゃうことがあって。結構、反省することもあるんですけど。その自虐っていうのは気になるというか、注意をされてるところなんですか?

(バービー)そうですね。なんか無理くりじゃないですけど、1回コメントをもらったことがあるんですよ。私がテレビでギャンギャンに「ブス」とか「デブ」とかいじられているのを見た女の子からのコメントで、「私はバービーちゃんのことそんなにブスだと思ってない。私と同じくらいだと思っていて。まるで私が「ブス、デブ」と言われてるように感じてすごくショックだった」っていうコメントをもらって。その時に「自虐はいけないな」って思ったのと、やっぱり自虐してるっていういことは、その物差しを持ってるわけじゃないですか。結果として。「ここからこうはいじっていい/ダメだ」とか。

(武田砂鉄)うんうん。

(バービー)だから、「全ての人は平等ですよ」とかって言ってる割に、その自虐の物差しは許されるっていうのはおかしいなっていう。

(武田砂鉄)たしかにそうですよね。

(バービー)そういうのは気持ち的にはあって。他の人を差別したくないなっていう気持ち。

(武田砂鉄)でもやっぱりテレビってものすごく威力があるから、そのテレビで起きていることっていうのが結構社会であったり一般生活にスライドしていくことって多いじゃないですか。

(バービー)すごく責任を感じます。

(武田砂鉄)そういうリスクとか責任っていうのはやっぱり日々、感じることは多いですか?

(バービー)めちゃめちゃ感じますね。

(武田砂鉄)でも、難しいですよね。さっきおっしゃっていたように、それをでもやっぱりエンターテインメントとして楽しんでもらいたいっていう側面と、でもそういったファンの方からのコメントが来たりすると「うん……?」ってなるわけですよね。

(バービー)そうですね。だからたと私からいちばん最初にやっていたセクハラ芸が……それは私の中ではひとつの発信だったり主張だったりしてたんですよ。私の中ではですよ。でも、それが一人歩きしていって、男性に消費されるだけの芸になってしまった時ってすごく女性を傷つけてしまうし、意に反してるなと思うから、それはやらないようにしたいなとは思っています。だからその境目をしっかり自分の中でジャッジしてやれたらなって。

(武田砂鉄)常に、誰かに言われて自分が動くんじゃなくて、自分が主体的に動いて笑いを取りに行くっていう、そこの境目。

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自分で境目をジャッジするセクハラ芸

(バービー)そうです。私がただただケツ出して、おパンツを出して……ってやっているのは私の主張であって。それを、パンツをめくられたりとか、「見せてくれ」って言われて見せるっていうのはまた違うっていうラインというか。

(武田砂鉄)それはすごい大きな差ですよね。「パンツをめくられる」っていうのと「自分から見せる」っていうのは。

(バービー)「私は見てほしくて見せているんですよ」っていう。「ここに性差を持たないでほしい」っていう後ろの意味があるんですけど。まあ、そんなのは考えないで見てもらいたいんですけどね、実際は(笑)。「この人はどうやってケツを出しているのか?」っていうのは考えないでいてほしいんですけども(笑)。

(武田砂鉄)でも、たぶんそれは作る側とか、ある種そこに一緒に出てる芸能人の人たちがやっぱり本当は考えなくちゃいけない問題だとは思うけれど。まあ徐々に変わってきてるような感覚っていうのはあるんですかね?

(バービー)めちゃめちゃあります。私よりも年上の芸歴の長い方たちとかが、なんでこの新しい感覚にフィットできるんだろう?っていうぐらい変わっていっています。難しいなと思うようなこの価値観をすごい敏感に察知して、合わせていっているのがすごいなって思いますね。

(武田砂鉄)うんうん。そういう人たちの見えている視界って本当に広いものなんでしょうね。で、「いまは何をするべきなのか?」っていうのがすごくクリアに見えてる人たちなんだろうなとは思うんですけどね。

(バービー)はい。本当にすごいですね。

(武田砂鉄)でもいま、本当にそれこそ渡辺直美さんとかね、世界で活躍されてる方も増えてきてるから。そういった「自分の容姿がこうだから」とかっていうような、そのコンプレックスっていうの、自分が主体的に持つことによって、それも武器に変換できるみたいな場面っていうのが増えてきてるような感じしますよね。

(バービー)そうですね。まあ、なんか言ってしまえばそれが「武器」にさえならなくなるぐらいがベストなのかなとは思いますけども。

(武田砂鉄)ああ、なるほど。

(バービー)それさえも、まあ言ってみれば自虐と同じ構造なのかなって思うので。

(武田砂鉄)それがまだ、ある意味それが使えるっていうこと自体はどうなんだろうか?っていう。

(バービー)差別の目線が根底にあるから、それが武器になっているだけであって。

(武田砂鉄)ああ、なるほどね。いま、下着のプロデュースも始められたっていうことですけども。

(バービー)フフフ、ありがとうございます(笑)。

(武田砂鉄)僕、以前この番組に神田うのさんがいらしてくださった時に、神田うのさんがいろいろなプロデュースをされてますけれども。そのアドバイスとしては「色とか質感とかだけをプロデュースするんじゃなくて、型から作りなさい。型からプロデュースしなさい」っていうのが神田うのさんのを教えだったんで。それをちょっとお伝えしておきたいなと。

(バービー)ああ、ありがとうございます。

(武田砂鉄)とにかく型を押さえておけということで。

(バービー)今回、もうゼロからデザインを書きました。

(武田砂鉄)それは長年、たしかに中学校時代からそういうドレスを作ってみたりっていうのは、そういう興味はずっと継続してたんですかね?

(バービー)そうですね。大まかなファッション業界だとかアパレルとかもそうだったんですけども。やっぱりいちばん下着って女性のコンプレックスが現れやすいし。実際に私がいままで、合う下着に出会ったことがなかったから、余計にゼロから作りたいなっていう気持ちはあったんですけど。今回こうやって1回、インスタとかで発表したんですけど。

やっぱりまだまだ下着の悩みですら、表に言えないっていう感覚でみんながいるんだっていうことが驚きで。これはもう是非やんなきゃなって余計に思いました。コメントに載せたら誰かに見られちゃうかもしれないからDMでコメントを寄越してきたりとか。それさえも言えない。「黒ずみが……」とか、そういうことだけなんですよ。それでもやっぱり言えないっていうのがすごいみなさん、繊細っていうか大変なんだなと思いました。

(武田砂鉄)うんうん。

(幸坂理加)どんな下着を作られていくんですか?

(バービー)サイズ的にはもうあのちっちゃいサイズから大きいサイズ。いままで日本になかったサイズをカバーできればいいなと思うんですけど。まあ、キリがあるんですけど。そこで……対極なんですよ。日本のブラって。「寄せて上げる」か、もう「ダランとしておく。とりあえず乳首だけ見えないようにしておく」みたいな。その対極で。それでみんなどっちかに寄ってしまって中間がない。

でも、かならず形は崩さないでいた方がいいと思うので、形は崩れないけどリラックスができて。かつデザインも、今回何パターンか用意したんですけど。自分がセクシーでいられる気持ちになれるものとか。いままでは「隠す」っていう下着しかなくて。たとえば巨乳の人だと。だけど、ブリッとしていることに自分で高揚してほしいなっていう思いを込めて作りました。

(幸坂理加)なるほど。自分のための下着っていう感じですかね。

(バービー)そうですね。たしかに。

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自分ために作る

(武田砂鉄)そこがたぶん、ずっと一貫されているところで。もちろん異性に対して云々ということよりも、やっぱり自分自身が納得できるものかどうかっていうのはお話を聞いているとその中学校時代から北海道の空と対話してきた感じっていうのがずっと持続しているんだなって思うんですよね。やっぱりこういう、割と芸能界の派手な業界とかにいると、「誰かにこういう風に言われた」とかってのはどうしても影響を受けちゃうけど。

でもバービーさんのお話を聞いていると、常に北海道の空と対話していた……それはイコール、自分と対話することであるということがなんか徹底されてるんだなって思って。本当にこれからは美輪明宏かバービーかっていうぐらいの話に……。まあ、誰も別に美輪さんに許可を取ったわけでもないですけども(笑)。

(バービー)ちょっと金髪にしようかな?(笑)。

(幸坂理加)バービーさんのファッションについて、リスナーの方からもメッセージが届いているのでご紹介します。「今日のゲストはバービーさんと聞いて、とっても嬉しいです。私はバービーさんのファッションが大好きで、すごくかわいいと思います。着こなし方をぜひ、教えてください。お願いいたします」ということです。

(バービー)着こなし方?

(幸坂理加)こだわりってありますか?

(バービー)私、大きい方ですけども、全然ピチピチのを着ます(笑)。ピチピチのを着て、この前も友達に言われたんですけども、「女芸人の方で細い方だよね」って言われて。「いやいや、細くはない。細くはないけど、ボディーラインを隠してないだけだよ」って言ってるんですけど。かならずウエストマーク、ベルトもするし、露出も二の腕をがっつり出したりとかもするので。もう服がかわいいなと思えば、もうお肉を気にせず(笑)。
(幸坂理加)「お肉気にせず」(笑)。

(武田砂鉄)それもなにかのインタビューで読みましたけど、結構そういうファッション観に影響を与えたのはオネエの方たちと知り合って、それのなんというかスパークするようなファッションに影響受けたっていうのをどこかでおっしゃられていましたけども。

(バービー)そうですね。ドラァグクイーンさんたちみたいになりたくて(笑)。そういう、過剰な演出っていうんですか? ファッションでも。そういうのが1個あると、やっぱり華やかだしモードになるし一気にオシャレになるかな、みたいな。で、結構大ぶりなのとかすることが多いですかね。

(武田砂鉄)なんかその、どんどんどんどん過剰になるんだけれど、過剰をやっぱりご自身で引き受けているっていうところが本当にかっこいいなっていう風に思いますね。

(バービー)今日なんかもう本当にボサボサに白シャツで……なんかパジャマみたいな感じで(笑)。

(幸坂理加)でもメガネもすっごいポイントになっていて、かっこいいです。

(バービー)ああ、そうですか。メガネをポイント……ありがとうございます。

(幸坂理加)ヒョウ柄ですか?

(バービー)いや、これは普通にべっ甲ですね(笑)。

(武田砂鉄)あの、踏み込んで失敗するタイプっていう(笑)。

(バービー)フフフ(笑)。

(幸坂理加)失礼しました(笑)。

(武田砂鉄)いやいや、お話が尽きないんでございますが。残念ながらそろそろお時間ということで。本当に楽しかったです。

(バービー)私にとってもいい機会でした。

(武田砂鉄)バービーさん、本当にありがとうございました。

(幸坂理加)ありがとうございました。

(バービー)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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