武田砂鉄さんと澤田大樹さんが2023年12月1日放送のTBSラジオ『武田砂鉄のプレ金ナイト』の中でNHKの子会社の派遣社員がインタビュー取材した際のメモをインターネット上に流出させた事件について話していました。
(澤田大樹)今日、オンエアの直前にひとつ、取材に行ってきたんですけど。NHKの取材メモが流出したというニュースがネットなどを中心に今週頭ぐらいから話題に出ていたんですけども。
(武田砂鉄)なにがあったんですか?
(澤田大樹)なにがあったか?っていうと、NHKの記者が作成したインタビューの取材メモなどがインターネット上に流出したという。これ、NHKサイドが今日、認めたということですね。で、ネットに流出した文書というのは若年女性を支援している一般社団法人Colaboという団体があるんですけど。そこがネット上で誹謗中傷をずっとこの間、受けていて。それについて取り上げる企画の企画書とそのインタビュー内容が流出したんですけど。その誹謗中傷に加担をしていた、とある人をNHKがインタビューしていて。で、その模様が出ちゃった。企画書込みで。
で、その情報が出てしまった相手というのが、その誹謗中傷に加担をしていたという人がネタ元にしていたアカウント。そのアカウントに対して情報が流出していた。だから、その震源地に対して「こんな企画がありますぜ」っていうのが流れたわけです。
(武田砂鉄)それは問題だよね。
(澤田大樹)それで「こんなリークがありました」ということで、そのアカウントがネットに情報を出したことによって「えっ、これはやばくない?」ってなって。取材メモですから。メディア関係者としては、基本的に取材源を秘匿するっていうことは鉄則なので。今回、それがなされてないということになってしまう。それで「これはどうやって出てきたんだ?」っていうことがネットで話題になっていたんですね。
(武田砂鉄)これ、NHKが認めたわけね?
(澤田大樹)認めました。で、どんな人が流出させたのか?っていうと、NHKの子会社の派遣スタッフ。だから、子会社の社員ですらないっていう。で、その派遣スタッフはテロップとかを作ったりしていた30代の方のようで、男女については公表せずという。で、その人が端末にアクセスをして、取材メモを印刷します。で、それを局外に持ち出して、PDF化して、そのデータをそのアカウントに対して送ったということでした。で、その流出をさせた本人はなんと言っているのか? 「興味本位でやった」っていう。
(武田砂鉄)興味本位?
(澤田大樹)会見では、ということしか説明がなくて。でも興味本位っていうと、いたずらをしたみたいな……たとえばXにバンッ出して、流出させて面白がるとかだったらそれは興味本位かなとか思ったりするんですけど。今回のこれは明らかに、その誹謗中傷を扇動していた側のアカウントに対して、情報を直で送ってるんですよね。そこだけに。
(武田砂鉄)そうだよね。みんなで「こんなのあるよ!」じゃなくて。そこだけに対して「こんなの、ありまっせ」という風に送ってるわけですよね?
(澤田大樹)となると、これはやっぱりある種の意図を疑わざるを得ないですよね。で、記者会見は1時間ぐらいあったんですけど最初、誰もそれを聞かなかったので。「そういうことじゃないんですか?」っていう風に聞いたら「この流出させた側のスタッフはそのアカウント自体は見ていた」ということで。つまり、わかっていてやっているわけです。
(武田砂鉄)どういう人がどういう発言していたか、わかってやっているという。
(澤田大樹)で、それはじゃあ、どういう意図なのか?っていうことは言わなくて。NHKサイドは「今日の時点では、話せることはない。あくまでも『興味本位でやった』と言っている」という。「では、それを明らかにはしないのか? これからもっと詰めていって、話させるのか?」っていうことを聞いたんですけど。まあ当然、そこは必要かなと思うんですけども。そしたら「これがNHKの局員だったら、そういう調査も可能なんだけれども、うちの子会社の、かつそこに派遣されてきている人なので、調査をする権限がない」と言っていて。
(武田砂鉄)「権限がない」?
「調査する権限がない」(NHK)
(澤田大樹)という風にNHKサイドは言っていて。「えっ、大丈夫かな?」っていう。まあ、その局の側というか、会社のシステム上はたぶんそうなのかもしれないですね。実際にこれ、TBSで同じようなことが起こったらたぶんそうなる可能性もあるんですね。つまり、外部の人がかなり中で働いているので。指揮系統の問題、あるいは法律上の所掌の問題で「権限がない」っていうことは当然ありうるけれども。でも、外の人から見たらそんなものは関係ないわけで。そこはどうすんだろうな?っていう……。
(武田砂鉄)しかも、実際に起きたこと自体を認めてるわけだから。
(澤田大樹)しかも、そのNHKにインタビューされた側の人が「あれ? 情報が流出してるんですけど……」って言って記者に問い合わせをして、それでようやくNHKサイドが調査を始めるみたいな感じだったわけで。
(武田砂鉄)そうするとちょっと、「いや、うちの管轄じゃないんで」ということで終わるっていうわけにもいかなそうですね。
(澤田大樹)NHK側は当然、「取材相手に対しては今日、謝罪をした」と言っていて。「では、どういう風に相手が反応してたんですか?」っていう質問は今日、記者から出たんですけど。「それについてはお答えしません」っていう。ただ、NHKサイドとしては「調査対象者との信頼を損なうだけではなく、NHKに対する視聴者の皆様からの信頼を損なわれる、あってはならないことであり、深くお詫び申し上げます」ということを言っていて。それから「情報が一番行ってはいけないところに流れてしまった」ということは言っていました。
(武田砂鉄)はい。
(澤田大樹)だからこれ、この後にどうするんだろうな?っていう。もう、こういうことがあり得るってなると、たぶん「NHKの取材は受けません」という人が出てくるでしょうねっていう話で。
今後、「NHKの取材は受けたくない」という人が出てくる?
(武田砂鉄)だって、もしそれが流出した時には「いや、ちょっとうちの話だったらね、徹底的にできるんですけども。ちょっとこれ、頼んでるところのなんでね……」なんていう感じになると、なかなか難しいですよね? それはね、答える側もね。ちょっとこれだけじゃ、終わらせちゃいけない感じ、ありますね。
(澤田大樹)そうですね。
<書き起こしおわり>