澤田大樹 国連「ビジネスと人権」ワーキンググループ訪日調査記者会見を語る

澤田大樹 国連「ビジネスと人権」ワーキンググループ訪日調査記者会見を語る TBSラジオ

澤田大樹さんが2023年8月4日放送のTBSラジオ『武田砂鉄のプレ金ナイト』の中で国連の「ビジネスと人権」ワーキンググループが行った訪日調査の結果を話す記者会見の模様について紹介していました。

(澤田大樹)で、もう1個なんですけど。今日、『Session』でもちょっとお話をしたんですけど。ジャニーズ事務所の性加害問題を国連の調査団が調べてるよっていうのが結構、夏前ぐらいから話題になっていましたけど。それの報告の会見が日本記者クラブで行われたんで行ってきたんですね。で、調べていたのはどういう人たちか?っていうと、国連のビジネスと人権に関する作業部会という組織で。先月から12日間にわたって調査を行って、それを終えた報告のための会見だったということですね。

で、報告者はダミロラ・オラウーイ議長っていう人と、ピチャモン・エオパントンさんっていう2人の方でした。この間、東京にいただけじゃなくて大阪とか愛知とか北海道とか福島とか、いろいろ行っていた。で、会った人がたとえば政府の人権担当補佐官を筆頭に、各省庁の代表とか、あと東京、大阪、札幌の自治体とか。あとは政府機関。あとは民間企業。味の素、ファーストリテイリング、キリン、東京電力など。それから人権の活動家とか、ジャーナリストとか、労働組合とか、あらゆる人たちと会っていて。で、その中にはジャニーズ事務所の人もいたし、その性被害を受けた当事者もいたという風に言っていて。

で、直後に同じ会場でジャニーズの性被害者の方、当事者の会の会見もあったっていうことで。これ、完全にジャニーズ案件について国連および被害者でやる会見の場だと思って行ったら、全然違ったっていうことで。

(武田砂鉄)ああ、そうなんですか。

(澤田大樹)そうなんですよ。で、今回の調査をした国連のチームがステートメントを9ページにわたって出してるんですけど。そのうち、性被害に関して書かれてるのは1ページの3分の1にも満たないんですね。

(武田砂鉄)そのジャニーズの件の。

(澤田大樹)ジャニーズの件に関しては。ということは、大半は違うことが書いてあるっていうことで。

(武田砂鉄)20何分の1ぐらいってことだよね? 計算すると。

ジャニーズ事務所問題に関する記載は全体のほんの一部

(澤田大樹)27分の1ぐらいなんですよね。で、残りは何を書いてるか?っていうと「日本におけるビジネスと人権についての状況」ということを書いていて。日本はアジア太平洋地域で2番目にビジネスと人権についての行動計画を策定していて。「ビジネスの分野でも人権を重んじていきますよ」っていうプランを出していたわけですね。そのためのガイドラインというのも去年、作っていて。大枠としてはいいことやってますよっていう風に言ってるんだけど……ところが、細々と見ていくとまだ過労死とかもいっぱいあるし。外国人労働者に対する扱いがひどいし。

そしていざ、なにか問題が起こった時に、たとえば法律面。裁判所に行く時にアクセスが悪すぎる。これは物理的な距離のアクセスじゃなくて、たとえばその提訴してから判決が出るまでに時間がかかりすぎだとか。あとは裁判にお金かかりすぎるとか。あと裁判官側が人権意識がなさすぎて、ひどい判決をバンバン出しているとか。あとは賠償金が少なすぎる。そんな額では被害に釣り合わないというような指摘があったりだとか。

あとは司法分野以外だと、国として人権について強い力を持ってサジェッションをしたりする機関がそもそもないという指摘があったりだとか。そういうところが結構細々と……今、話したのは大きいところの指摘なんですけど。それさらに細かく見ていくと個別案件としてリスクとされているものもあって。たとえば女性の問題。これは何か?っていうと、ビジネス分野。女性の正社員の所得が男性比で75%しかないとか。あとは非正規分野でも男性の8割しかもらえてない。企業の役員はほぼ男性であるとか。これ、ずっと言われてることですよね?

(武田砂鉄)そうね。

(澤田大樹)あとセクシュアルマイノリティに関してもこの間……彼らは12日間しかいなかったけれども、その間で何度も当事者への差別を耳にした。トランスジェンダーについても書かれていたし。「包括的な人権法制が必要である。人権擁護のための法制が必要だ」っていう指摘があって。日本はこの前、理解増進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)というのを作ったはずなのに、国連からは「それでは足らないよ」っていうことを言われてるっていうわけで。

あと、その他には障害者とか先住民族……これはアイヌですね。それから部落差別の問題とか、労働組合を作るとそれが潰されるみたいな話とかも書かていれたりして。本当に細々といっぱい書かれている。で、その本当の最後のところにエンタメ分野の話があって。そこではハラスメントも結構横行してるし、長時間労働もずっとある。下請け労働とかも大変だっていう中で、その最後の最後にようやくやジャニーズ事務所の問題が来るっていう形になっていて。

(武田砂鉄)そうすると、かなり全体的に「この国はまずいところがたくさんありますよ」っていう指摘を、結構隅々までいろんなところをされたっていう形になるんですね?

(澤田大樹)そうなんですよ。で、ジャニーズ問題に関しては「メディアがもみ消しにも関与してましたよ」っていうのが言われていたりとか。「企業とか政府はこれまで、対策を講じずに来てしまっていたけれども、実行犯に対して透明に捜査をし、被害者に対しては金銭とかでちゃんとフォローアップするべきだ」っていうことは書かれてるんですけど。全体で見るとこれは「日本の今の人権状況は結構やばいですよ」っていう話だったんですけど。

「今の日本の人権状況がやばい」という報告

(澤田大樹)ところが、この会見に来ていた人のほとんど……というか、もう全てですね。質疑時間の全てをジャニーズの質問に費やしてしまっていて。で、答える側も「ここまでしゃべったんで、もうジャニーズのことはこれ以上はしゃべれませんよ」って言ってるのに、そこでさらにずっとジャニーズの話だけし続けるっていう。だから、この全体についての話が結構重要なのに、そこに目が全く向かなかった会見だったという。

(武田砂鉄)当然このジャニーズの問題はもちろん大きな問題なんですけども。

(澤田大樹)はい。大きな問題です。これが小さいということを言ってるわけじゃないんです。

(武田砂鉄)でもむしろ今、日本が置かれてる人権意識とか、自分が問題が起きた時にアクセスする場所がないとかっていうことは当然、ジャニーズの問題にも繋がってるわけなんで。

(澤田大樹)そう。その一端なんですよね。

(武田砂鉄)だから大きな枠で見なきゃいけないんだけど、どうもこの、ここだけを追求するというか。そこで何か言葉をもらえないか?っていう風に質問をしてしまうというね。そうすると、これはたぶんこの国連の人たちが言っている懸念、警戒っていうのは、このままだと温存されちゃいますよね?

(澤田大樹)そうですね。ちょっと呆れた顔をしてましたよね。

<書き起こしおわり>

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