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西寺郷太と吉田豪「歌に感情を込めて歌う」問題を語る

西寺郷太と吉田豪「歌に感情を込めて歌う」問題を語る SHOWROOM
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西寺郷太さんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。吉田豪さんと歌を歌う際に過剰に感情を込めて歌ってしまう問題について話していました。

(西寺郷太)自分が手掛けた曲は……バンもんとかも来た時には「ええっ、俺?」みたいな感じで思ったんで。もっと高速のラップとかいろんなものが入っている、いわゆる典型的ないまの女子アイドルソングみたいなもののイメージがちょっとあったんで。うっすらですけども。そしたら、「NONAのミディアムテンポのファンクみたいなのがやりたい」って言ってくれて。「そうか」って思ってやったらすごい、結果自分でもめちゃくちゃ気に入った曲にはなりましたけどね。演奏も僕しかやっていないんじゃないかな。ギターも僕がやっていて。

(西寺郷太)でも、バンドじゃないもんは本当にバンドだなって……変な話ですけども。レコーディングに他のメンバーがずっといて。朝から晩までぐらいで6人、録ったんですけど。バンドって割とそうじゃないですか。当たり前ですけども。他のメンバーがやっているのを見てディレクションしたりとか。バンドじゃないもんはすごいそういう感じで。最初、俺が作った曲のラップの部分をメンバーが「いらない」って言ってきて。それもめっちゃムカついて。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(西寺郷太)「あ、じゃあやめます。自分で歌うんで返してください」って言ったら、「やります」ってなって。

(吉田豪)そのへん、本当にはっきりと言いますよね。うん。

(西寺郷太)僕、ビートたけしさんが「自分が監督として呼ばれたら自分の好きなようにするけど、俳優として自分が誰かの映画とかに呼ばれたら、演出家とか監督の言うことに絶対に異議を出さない」っていう風に前、おっしゃっていて。僕はそれをすごいいいなと思っていて。だからその「たのんだならその人に委ねてみたい」って僕は思っちゃうんですよ。だから、小西康陽さんがPIZZICATO ONEっていう自分のアルバムで『わたくしの二十世紀』っていうアルバムを作る時に「男性ボーカルは郷太くんにたのみたい」って言われて。めちゃくちゃありがたいと思ったんですけども。その時は、もう当たり前ですけども絶対に小西さんに……。

(吉田豪)全てを委ねると。

(西寺郷太)委ねる。テイクも。

(吉田豪)自分の趣味と違おうがどうしようが。

(西寺郷太)たとえば、自分が「ピッチがおかしい」とか思っても、それは小西さんが「よい」としたものには……。

(吉田豪)だって小西さん、意外とピッチ間違っている方がいいっていう人ですもんね。

(西寺郷太)それもあると思うし。「でも、ここは合っていてほしい」とか。それを、下手したら僕は曲すら、ギリギリに1回ぐらいしか聞かないで行って。というのも、あんまり聞いて変な郷太節みたいなのを入れるのも嫌だなと思って。「本当に言われた通りにやろう」って思って行ったんですよ。そしたら、いきなり小西さんにバンッて譜面を渡されて。メロ譜が書いてあって。

(吉田豪)譜面でなんだ。

(西寺郷太)で、小西さんってすっごいいい人なんですけど、スタジオではめっちゃ怖いんですよ。もう昔の昭和の、筒美京平さんとかああいう先生のスタジオなんですよね。小西さんがちゃんとしていて。「こんにちは」って。いつもクラブとかで会う小西さんじゃなくて、本当に……。

(吉田豪)飄々とした軽い小西さんしか知らないですからね。僕とかは。

(西寺郷太)そう。すごい優しくて僕も大好きなんですけども。それにプラス、僕をボーカルとして呼んでくれてありがたいなって思っていたけど、ピリッとしていて。「僕、メロ譜とか読んだことないですよ」って言ったらニヤッとして。「郷太くん、そうなの? 全部考えていると思った」って言って。それで砕けて。でもその時も、そのボーカルは松尾潔さんとかが「郷太くんの歌でもあんなにいいのはないよ」って言ってくれて。ドラムがない、歌とピアノとかだったんで。

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PIZZICATO ONE『日曜日 feat. 西寺郷太』

(吉田豪)うんうん。

(西寺郷太)だからやっぱりそういうのを僕は好きなんですよね。だけどバンもんの子たちはその時には言ってきたから。「そうじゃないでしょ? 『郷太さんにお願いしたい』って言ってきたんだったら、1回やってみようよ。やってみた後でああだこうだってなるのはまだしも、渡した段階でそれはないよね?」っていうので1回、ブチギレて。でも結果、めっちゃ楽しい仕事で。僕もすごいこの曲に関しては気に入ってますね。

(吉田豪)たしかちゃんももさんが絶賛していた印象があります。

(西寺郷太)はいはい。ちゃんももちゃんの歌がめっちゃ上手いんですよ。いままで会った女子アイドルでもいちばんいいんじゃないか?っていうぐらい上手い子で。単にフェイクが効かせられるとかメロディーがいいとか歌が上手いとかって実は僕もあんまり好きじゃないんですけども。たぶん一緒だと思うんですけども。いっつも「感情をなくして歌え」っていう風によく言うので。

(吉田豪)重要ですね!

(西寺郷太)「普通にやれ」って。

(吉田豪)ああ、僕がよく言うやつだ。「感情を入れすぎるな」っていう(笑)。

(西寺郷太)そう。僕もレコーディングの時に……だからそう。小西さんの時にも僕は無感情で歌っているんで。小西さんに「もっとエモーションを入れろ」って言われれば入れるけども。ちょっとやっているんですよね。小西さんの時には。「ああ、ジョージ・マイケルみたいでいいね!」って言われて。「ああ、ここはいいんだ」って。でも、基本的には淡々とやろうと思っているし。僕がボーカルディレクションをする時にはいつも人にそう言うんですよ。「まず、普通にやろう」って。

(吉田豪)フラットに。

(西寺郷太)人はいちばん悲しい時に「ウワーッ!」とかってやらないから。もっと、本当に大事な人が死んだら、「あ……はい、そうですか……」ってなるって俺は思ってそう信じているので。やっぱり歌って聞く人のものだし。そこに勝手に……たとえば洋服を選びに行ったらめっちゃついてくる店員みたいなのは嫌なんですよ。

(吉田豪)「泣けるでしょ? 泣けるでしょ?」みたいな(笑)。

(西寺郷太)「これとこれと……」っていきなり来たら、買わないじゃないですか。

(吉田豪)はいはい。すぐに帰りますよ。

(西寺郷太)そう。帰るでしょう。ただ、MとかLとかがあって「どうしようかな?」って思っている時に「いま、Lの方が合っていましたよ」って言ってくれたら嬉しいけど。歌に関しては僕はそういうエモーションでよくて。で、いっつもそう言っているんですけども。このちゃんもものバランスはそれがめっちゃよくて。初期の、子供の頃のマイケル・ジャクソンじゃないけども。すっごい僕は感動しましたね。あと、ぐみちゃんもよかったですね。あの子も淡々とやるんで。すごい……この曲は僕もいままでやった曲の中でもかなり気に入っていたりしますけども。

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歌の感情の問題

(吉田豪)歌の感情の問題って、僕も本当によく言うんですけども。なんでこれ、伝わらないんだろうな?って思うんですよね。

吉田豪と絵恋ちゃん アイドルが歌に感情を込めるべきでない理由を語る
吉田豪さんがYBS『909 Music Hourz』に出演。絵恋ちゃん、加藤響子さんとアイドルがやりがちな「歌に感情を込めて歌う」ことをすべきでない理由について話していました。

(西寺郷太)ああー。

(吉田豪)ある程度、アイドルとかって長年やっちゃうとスキルアップすることがそんなにないじゃないですか。ダンスのスキルとかも。で、「歌のスキルアップ」ってなると、感情を入れる方面のスキルに行きがちなんですよね。

(西寺郷太)ああ、そうですね。まさにそうです。僕は、だからいわゆるボイストレーニングっていい先生もいると思うんですけども。基本的にはボイトレって喉を壊さないためにやるものだと思っているので。だからツアーとか連日やる時に「おーい!」とか「みんなーっ!」とかって言った時に声を潰すっていうこともあるので。声を潰さないためにボイトレをやる。だけど勘違いをしてボイトレの先生が「ここで本当に振られた気持ちになりなさい」みたいな。「あなたは映像が浮かんでいるの?」みたいな風になると、「それは違うよね?」って僕はいつも思ったりしますね。

(吉田豪)(コメントを読む)「オーケンの『レコーディングはメンバーの言いなりになっておけば早く終る』とはえらい違いだ」。

(西寺郷太)ああ、オーケンさん?

(吉田豪)オーケンさんは「レコーディングの時にはメンバーの言いなりになっておけば早く帰れるから」っていう。

(西寺郷太)ああ、でもそれもメンバーが自分をプロデュースしているっていうことなんじゃないですか? 自分のいいところを。

(吉田豪)自分からは主張をする気はないっていう。(コメントを読む)ああ、言ってましたね。「筒美京平さんが『目を閉じたらそこに完璧な美少年がいる』」っていう……。

(西寺郷太)ああ、京平さんね。これは「俺のルックスと声が合っていない」みたいな風な意味で言われることがあるんですけども。そうじゃなくて、めちゃんこ褒め言葉なんですよ。「京平さんの好きな声だ」っていうことを言ってくれていて。

(吉田豪)100%の絶賛なわけですね。

(西寺郷太)そうそう(笑)。京平さんが好きな声は変な声、変わった声の人なんですって。

(吉田豪)へー!

(西寺郷太)郷ひろみさんとかC-C-Bの笠浩二さん。で、僕の声も「笠くんを思い出す」って言ってくれて。当時、20年ぐらい前ですけども。その時にそう言っていて、「いいボーカルだ」っていうことを言ってくれていたんですよ。

(吉田豪)たぶんネット上ではたぶん違う捉え方で……(笑)。

(西寺郷太)フフフ、「見た目と合っていない」みたいな感じになっていたけど、そうじゃなくて「めっちゃエエ声やん」っていうことを言ってくれただけで、僕もめっちゃ嬉しかったことなんですけども。まあ、それは別にどっちでもいいんですけども。

(吉田豪)フフフ(笑)。(コメントを読む)「吉田豪さんが水樹奈々さんの歌唱を苦手と言う理由」。そうですね。(コメントを読む)「八代亜紀さんも言っていましたね」。そうなんですよね。八代亜紀さんの持論なんですよね。「感情を入れちゃダメだ」っていうのは。

(西寺郷太)八代亜紀さんが? さすが。すごいっすね!

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八代亜紀さんの持論

(吉田豪)八代さんは刑務所の慰問とかをやっていた人なんで。慰問に行った時、感情を入れて歌っても全然人は泣かない。むしろ無感情にやった時にホロホロと泣くことに気づいて。「これなんだ」っていう。

(西寺郷太)へー! やっぱりそうですか。

(吉田豪)みたいですね。

(西寺郷太)そうか。ビリー・ジョエルの『素顔のままで(Just the Way You Are)』っていう曲があって。それは当時のビリー・ジョエルのマネージャーでもあった奥さんに誕生日にプレゼントするために書いた曲で。「君は髪の色を変えなくても、普通にしている君が好きだよ」みたいな。本当に誕生日のプレゼントとして「恥ずっ!」って思いながら作ったらしいんですよ。僕からすると「他の曲も恥ずいやん?」って思うんですけども、特に恥ずかったらしいんですよ。それが。

(吉田豪)はいはい。

(西寺郷太)それで歌っていて。で、周りのメンバーからも「歌詞が恥ずい、恥ずい」って言われて。「ベタベタすぎる」って言われていて。まあ当時は「ポップは軟弱でダサい。ロックが偉い」みたいなところでビリー・ジョエルも戦っていたみたいで。「こんな曲を出したら、勘違いされるで」って言われて。でも、いろいろと女の子のフィービー・スノウとかリンダ・ロンシュタットとかもかな? スタジオに遊びに来た人が「これ、絶対に出したほうがいいよ!」って言って出したらしくて。それで『素顔のままで』は大ヒットして。

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Billy Joel『Just the Way You Are』

(吉田豪)うん。

(西寺郷太)で、世界で何番目かに歌われているカラオケソングに『Just the Way You Are』はなって。でも、その後にビリー・ジョエルはその曲をあげた奥さんと離婚をして。でも、そのラブソングは歌わなきゃいけないわけじゃないですか。

(吉田豪)嫌な思い出があろうが、どうしようが。

(西寺郷太)嫌な思い出があるけども、みんな好きな曲ですから。それでいまはビリー・ジョエル、「今日の夜はどんなハンバーガーを食べようかな」とか「今日の夜のお店、どこかな?」とか考えながら、ボーッとしながら歌っているって言ってましたね(笑)。

(吉田豪)フフフ、でもそれで泣けるわけですよね?

(西寺郷太)そうそう(笑)。みんなは感動しているんですけども、本人は「この曲の歌詞のこととか、なんも考えんとこ。別のことを……」って(笑)。

(吉田豪)感情移入なんかするわけがないっていう(笑)。

(西寺郷太)感情移入以前にないことにして歌っているけども、ニューヨークとかに集まった人たちはみんなボロ泣きして。「Just the Way You Are♪」っていうね。

(吉田豪)うんうん。

(西寺郷太)やっぱりそれぐらい……まあ、そこまではちょっと極端ですけども。でも、歌詞とか曲って少なくとも作った時点である程度の念があるはずなんで。だから歌の段階で変に味付けはしなくてもいいかな?っていう。

(吉田豪)(コメントを読む)「清志郎も言っていたね。『普通に歌えよ』って」。「今日は普通に曲を流してやってほしい回だな」っていうね。みなさん、あとで検索とかをしていただけると助かります。

(西寺郷太)そうそう。田島貴男さん時代のピチカートの楽曲……この前も『夜をぶっとばせ』を歌ったんですけども。僕がカバーをして。NONAのメンバーが演奏をして。それはそれで良かったですよ。僕もあんまり……田島さんはどっちかっていうとレイドバックした本格的なファンキーなボーカルに変わっていったので。たぶん小西さんは(平坦な感じで)「きーみをあいっしてるのにっ♪」って。最初のバージョンはこんな感じですけども。でも「きぃーみをっ♪」みたいになるじゃないですか。いまだとね。

(吉田豪)なりますよね。

(西寺郷太)あれはあれですごいかっこいいんですけども。でも小西さんはたぶん田島さんに(平坦な感じで)「きーみをあいっしてるのにっ♪」って歌ってほしかったんじゃないかって思っていて。まあでもそれは若い頃の田島さんはもしかしたら嫌だったのかもしれないけども。

(西寺郷太)でも、僕はもう40代なんで。「ああ、小西さんに呼んでもらったんだったら小西さんに言われた通りにやりますよ」ってやったのがその『わたくしの二十世紀』で。僕もデビュー当時に小西さんにガンガン言われていたら「ええーっ?」って思っていたかもしれないですけども。でもやっぱり、それであのアルバムはドラムもなかったりして……。

(吉田豪)僕も大好きなアルバムですよ。すごくいい。

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『わたくしの二十世紀』

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(西寺郷太)あれは僕がどうこうっていうのを含めなくても、アルバムとしてすごいっすよね。

(吉田豪)素晴らしいです。

<書き起こしおわり>

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