モーリー・ロバートソン アメリカ富豪の400人の学費ローン肩代わりを語る

モーリー・ロバートソン アメリカ富豪の400人の学費ローン肩代わりを語る 水曜日のニュース・ロバートソン

モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中でアメリカの富豪が大学の卒業式で卒業する約400人の学費ローンを全て肩代わりすると宣言した件について話していました。

(モーリー)アメリカの富豪が400人分の学費ローンを肩代わり。これ、どういうことか?っていうと、ほとんどがアフリカ系アメリカ人の学生が通っている大学というのがあるんですね。で、アメリカの大学にはマイノリティーを社会的に応援していこうということで。大学教育が貧しい人、親が学歴を持っていない人、そしてマイノリティー……黒人やヒスパニック。そして移民したての二世だとか、そういう家庭だとやっぱり子供を大学に行かせる余力がなかったり、親が長い間何世代も単純労働をしてきた家族で、それでうまくいっているからということでその意識が薄かったりとか、いろんなバリアがあって。特に黒人の学生たちが高等教育を受けて社会に進出する機会というのが閉ざされているわけですね。

なので、普通に大変な学費ローンの問題の中にさらに「黒人」というハードルとか貧困……まあ、貧困層と黒人というのは重なっているので。そういうのに対してチャンスを与えようとして、大学はできているわけ。そういう……専用ではなくて、別に白人でも行けるけど、黒人の人たちが多く通う大学。その中のひとつで、そこの卒業生でもあるアメリカでいちばんの富豪の黒人の方なのかな? フォーブスのランキングだと何百番目かなんですけど、アメリカの中ではいちばんの大富豪のアフリカ系の人です。その人がそこの卒業生でもあったんだけど、卒業式のスピーチでいきなり「今日、ここにいるみんなの学費、免除。はい。学費ローン、終わり!」って言ったらみんな最初はしずかに沈黙が流れ、そして割れんばかりの拍手となり、中には泣いていた子もいた。

(プチ鹿島)ほー!

(モーリー)ということが報道されています。で、この背景を説明すると、社会の中でそういういろんなマイノリティーや黒人に対するハンデがあるのに加えて、長い間のトレンドとして、アメリカの学費ローンがサラ金状態。過去10年で累計の学費ローン残高が164兆。どこの国のGDPだ? どこかの小さな国が1個か2個入るぐらいのすごい量の学生ローンになってしまっていて。結局、普通に大学を出て資格を取って。でも、その大学の資格……たとえばバイオの研究とかITとかを取ったとしますよね? そうすると、ローンをすぐに返済しなくてはいけなくて、自分の給料の半分を返済に回したとしても20年かかっちゃう。

(プチ鹿島)ええっ、20年!?

アメリカの学費ローン地獄

(モーリー)とかっていうことが平均値なんですよ。要は、システムが高利貸しになっちゃっている。で、要するにその将来性がある次世代に人材をつなぐようなキャリアを目指しても、返せる給料にありつけなければもっと手っ取り早くお金を稼いで返す必要があるので、自分の資格外の場所に入社して働いたりして、とりあえずローンを返すことに自分の人生の10年以上が費やされてしまうので。せっかく取った資格が……。

(プチ鹿島)それはもったいないですね。

(モーリー)だからつまり下手をすると、特にマイノリティーの方にとっては大学に投資するというリスクが、かつては「大学まで行けた」ということで絶対に親の世代よりは社会的によくなる。貧困から中流に上がれていたのが、逆にリスクが大きすぎて大学に行かない方がいいというところまで学費ローン地獄が来ている。

(田村淳)奨学金を背負うぐらいなら?

(モーリー)そう。加えて、そういう非常に辛い状態が片方にある中でトランプ政権。昨年、この学費ローンが苦しすぎるので一部を免除してほしいという嘆願が寄せられましたが、99%を却下! それでトランプはどちらかというと次世代の人に投資するというよりもいま、苦しんでいる単純労働の大学を出ていない人たちの経済的苦境が彼らの支持基盤なんで、予算をそこに寄せることの方が、そもそも自分に投票をしてくれないであろうマイノリティーに寄せるよりも優先度が高い。そんな風に政治のレイヤーもそこにあるので、非常に苦しかった。その中で、自力で成功した富豪がそういう学費免除に動いたということなんですね。

(プチ鹿島)なるほど。そういう背景があるんですね。

(モーリー)奥深いです!

<書き起こしおわり>

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