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モーリー・ロバートソン Brexitと日本の入管法改正を語る

モーリー・ロバートソン Brexitと日本の入管法改正を語る 水曜日のニュース・ロバートソン
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モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中でイギリスのブレグジット問題についてトーク。日本の入管法改正も絡めて、将来日本でも同じような問題が起きる可能性を指摘していました。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:袋小路の英国 EU離脱3つのシナリオ袋小路の英国 EU離脱3つのシナリオ」〈2019年2月12日号〉 [雑誌]

(プチ鹿島)さあ、モーリーさん、どうですか? 海外ニュースから行きましょうか。

(モーリー)まあ、いっぱいあるのでCNNからひとつ。英国議会が6月30日までのEU離脱を延期を可決っていう話なんですけども。まあとにかく右往左往している。

(プチ鹿島)この番組でもいろいろと取り上げましたけども。

(モーリー)この2週間、本当にいろんな移民や難民によって世界の各国が揺れ動いているっていうニュースが結構出てきていて。ブレグジットの直接の引き金になったのは経済的な自己決定権を国家を超えた連合体であるEU、そのブリュッセルにあるEU議会に頭ごなしに決められてしまうのが嫌だっていう漠然とした不満が政治家の間にもくすぶっていたわけですよ。

(プチ鹿島)はい。

(モーリー)ところが、いちばんブレグジットに人々の心を惑わせたというか後押ししたのは、移民・難民が大挙してやってきていて、すでにイギリスでは多すぎる。特にポーランドからいわゆる経済難民にあたるわけですけども、若くてやる気のあるポーランド人がどんどんやってきて、低賃金で働くものだからイギリスがどんどん貧しくなるじゃないか! みたいなのがあったところに「シリア難民も来るぞ!」っていうような感じで、反難民の感じが……。

(プチ鹿島)そういう声の高い主張というか、ありましたよね。

(モーリー)そうなんですよ。それで「国境をどんどんオープンにして、グローバリズムという美辞麗句のもとで自国の国民の利益を優先せず、その国益にあたるものを外国人に渡してしまっているではないか!」ということで、EU自体をその根底から懐疑する意見が強かったんだけど、それが徹底して揺さぶられちゃったわけ。それで結局、なにが起きたかというと、じゃあブレグジットは国民投票で決まりました。やります。

ところが、実際にそれを「やる」ということになると、結局経済的にイギリスの自殺行為ではないにしても、自傷行為にはなるわけですよ。いままで、せっかく経済的に最適化されていた関係をEUと組んでいたはずなのに、わざわざそれを国境のシャッターを下ろすことで、それがあたかもグローバリズムの負け組にあたる自国イギリス国民の損害を回復してくれるというような、そういう夢なんですね。

(プチ鹿島)うん。

(モーリー)で、これに対して、ニューヨーク・タイムズにトーマス・フリードマンっていう人が書いた記事があって、それが非常に面白かったんです。ちょっと引用したいんですけども……グローバリズムによって格差が広がるのは事実。そしてグローバリズムというのは一国の政府がすべての決定権を持たず、国際情勢にあわせて揺さぶられるということなんですよ。だから決定権を部分的に放棄しなくてはいけない。ところがそれを、ただ国境を強めてナショナルに戻せばいいのか?っていうと、それは狂気の沙汰である。ブレグジットもそうだ。どういうことか?っていうと、グローバリズムでいちばん見落としてはいけないのは、世界中のもっともやる気のある人たちが豊かな国へと行って、その国でよどみがちな各セクターを活性化してくれる。

(プチ鹿島)なるほど。

(モーリー)で、そのひとつの事例として、マイクロソフトとかグーグルなど世界的なIT大手企業のCEOは軒並みインド人なんですね。で、この人たちの持っているやる気とか才能を……。

(プチ鹿島)そうか。それによって活性化をさせるんですね。

(モーリー)はい。しかもその国に生まれ育った人たちっていうのはやっぱりその国の教育や文化をそのまま受け継ぎますので。そうすると、みんなと違うアイデアを出しづらくなる。ところが、外国人として来た人っていうのはリスクを恐れないんですよ。そこで育っている人たちは「これを言うと怒るだろうな」っていうことは言わなかったりするわけ。

(プチ鹿島)まあ日本だったら「前例がない」とかね。

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前例をブチ壊していく優秀な移民たち

(モーリー)ところが、自分自身が最初の前例になってきた移民の人っていうのはやる気満々で、どんどんとそれを打ち壊していくわけですよ。そうすると、グローバル企業っていうのはそういう実績主義に基づいて、パフォーマンスのいい人たちをアルゴリズムのようにどんどん上に行かせる。そうすると、いつしか世界中の企業の上層部がやる気のあるインド人と中国人とロシア系の人たちでどんどん占められてくわけよ(笑)。

要は貧しいけどもやる気のある国から来た若々しい人たちが少子高齢化が進んでいる国に行って一旗揚げるわけですよ。こういう風にトーマス・フリードマンは「だからそれを自らシャットアウトするイギリスは自殺行為じゃないか?」っていう風にとても非難しているわけですよね。だから「そもそもブレグジットというアイデアが悪いアイデアなのに、それに軟着陸なんてシナリオはどうやったってありえない!」っていう風に非難しています。で、思ったのはこれね、近々日本にも同じことが当てはまってくると思いますよ。

(プチ鹿島)まあ、だってそれこそ4月から入管法の改正とかで……でもそれってやる気のある方に「さあ、働いてください!」っていうよりは、なんかそれとは対極的な、ネガティブなね。

(モーリー)そう。「少子高齢化を低賃金で埋めてくれる人を募集」っていうことなんですよね。

(プチ鹿島)あくまでも安い労働力を雇おうっていう。

(モーリー)で、それをやっちゃうとそれは移民政策となってしまって、安倍政権も保守系から非難されますよね。なので、「そうじゃなくてこれは特別技能を持った人というのを優遇しています」っていう建前じゃないですか。でもその建前が、実はこのままの日本だと逆に命取りになるの。

(プチ鹿島)ほう。

(モーリー)つまり、自分たちのマネージャーが全員外国人になるという日が、次世代にね。すぐには来ないよ。すぐには来ないけども、ええと……「麻薬」っていう言葉を使うたびに俺の名前が記事になるんで嫌なんだけども(笑)。

(プチ鹿島)まあ、たとえとしての麻薬ですね。

(モーリー)そう。それこそが麻薬なんですよ。つまり、本当は安い労働力がほしいだけ。若くて日本に来て、結婚をして子供を生むならまあいいけど、どうせ帰るんでしょ?っていうのでやっている。

(プチ鹿島)5年、10年いたらその間は働いてもらって。で、その後はお引取りくださいっていう、そういうことじゃないですか。

(モーリー)でも、そういう都合のいいことを気休め的に決めてしまったものだから、そこで入ってくる本当にガチなエグゼクティブクラス。あるいはベンチャーで日本で一旗揚げちゃったインド系や中国系の人たちが、だんだんとお金も動かして、いろいろとロビー活動もして。日本の規制を緩和させたりした時、そういうところに日本が舵取りを握られる。これはもしかすると日本にとっていいことかもしれない。だけどいわゆるナショナリズム的にはマズいことが起きるんですよ。ここをね、ブレグジットを見て他山の石にしてほしいなと思いました。

(プチ鹿島)あと、「安い労働力をなんとか雇いたい」って言いますけど、それって上から目線じゃないですか。でも、実は韓国とかの方が外国人労働者の人気が高いっていう。そこの横のフラットな戦いもありますよね。

(モーリー)そうね。ただ、文在寅政権になると、やっぱり失業率も上がっていますし、経済の舵取り自体がイデオロギー優先になっていて、韓国の経済がどんどんと沈んでいるので。そのうち、韓国を目指していった特に才能がある人たちは日本に還流してくる可能性が強いですね。

(プチ鹿島)だからいま、外国人労働者同士で「お前の行っている国、どうなんだ?」って情報交換されていますよね。

(モーリー)そう。だからグローバリズムってそういうことなんですよ。昔、日本人が100年前にハワイとかに移民したり、ブラジルに移民したあの時代っていうのは手紙も届かないような、蒸気船で行くような時代でスローだったの。ところがいまはそれがリアルタイムなんですよ。だからそこが本質的に条件が変わっているんだということを知って。要はグローバリズムにいいも悪いもなくて。それにみんな社会が依存してしまっている以上、どうやってそれに上手く適合するのか。社会としてどう包摂していくのかっていうのが次の段階だと思うんですよね。

(プチ鹿島)そうですね。国対国ではそうだとしても、国内でも、地方で働いている外国人労働者の人が「都会の方が賃金がいいじゃねえか」ってなって、国内でも移動していくっていう。

(モーリー)絶対にそうなる。

(プチ鹿島)そしたらまた、都会に集中しちゃいますよね?

(モーリー)だからますます、移民を入れて地方格差を解消するつもりだったのに、実は地方格差を広めてしまうことになる。

(プチ鹿島)むしろ広めちゃう。

(モーリー)そう。だからそこを自民党はたぶん深謀遠慮していない。そして国民はこれに興味がない。見なければ、そこには「ない」ということになっているから。これが日本式のカプセル、ガラパゴスを維持してきたんだけど、もう昭和でも平成でもないので、次の段階ですよ。その事実を見つめて、そこからどうやって付き合っていくのかをやっぱり賛否両論、是々非々でやっていくしかないね。

<書き起こしおわり>

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