小袋成彬とDJ Takaki ロンドン・ドラムンベースシーンを語る

小袋成彬とDJ Takaki ロンドン・ドラムンベースシーンを語る MUSIC HUB

(小袋成彬)今日はDJ Takakiさんをゲストにお迎えしております。ちょっと続きを聞いてもいいですか?

(DJ Takaki)はい。

(小袋成彬)ドラムンベースというジャンルが……ジャンルというか、若い人たちがこの音楽をどう知り得たのか?っていうことを聞いた時に、やっぱり場があって。ナイトクラブに行くっていうことが夜11時以降の遊びの選択肢の唯一のひとつだったということで、そこでみんな新しい音楽だったりを知るっていうことだったんですね。で、Fabric。僕もFabric、行ったんすよ。で、すげー厳重でした。

(DJ Takaki)うん。そうですね。セキュリティーもいまね、厳重になって。当時、10年前ぐらいのFabricはいまとその活気が別物ぐらい、やっぱり当時はすごかったらしくて。いま、たとえばフェスティバルとかでヘッドライナーを飾れるような大物DJが当時はFabricで何名もワンナイトでそういうDJたちが普通に毎週末プレイしているような。いまでは結構考えられないようなラインナップが当時、成り立っていたみたいで。

(小袋成彬)へー!

(DJ Takaki)だからわざわざラインナップとかをチェックしなくても、まあとりあえずFabricに週末行けば、絶対新しい何かを感じれるだろう、新しい音楽に触れられるだろうっていう。すごくグラフに行って現場で音楽を体感するっていうこと自体がたぶんその新鮮……SNSとかが普及してない分、すごくフレッシュなことだったんじゃないかなと。

(小袋成彬)ご用意いただいた楽曲の中で、ちょうどまあ2010年前後にある曲っていうのはあるんですか?

(DJ Takaki)ちょっとリリースは分からないです。でも、多分これ、その年代の曲なのかな?

(小袋成彬)じゃあちょっと2曲目、かけてみますか。そのぎゅうぎゅうの箱で踊り狂うイギリス人を想定しながらぜひ、聞いてほしいなと。

(DJ Takaki)ちょっとこれ、1曲目にかけたものとは少し雰囲気が違って。

(小袋成彬)1曲目、だって割と聞きやすかったですもんね。

(DJ Takaki)そうですね。ちょっとこれはまた重たいような感じですね。

(小袋成彬)ああ、聞いてみたいですね。

(DJ Takaki)アーティスト名がA-Sides、曲名が『Tokiado Revision』です。

(小袋成彬)「Tokaido」ってあの「東海道」ですか?

(DJ Takaki)はい。日本語が入っていますね。

(小袋成彬)へー! ちょっと聞いてみましょう。

A-Sides『Tokiado Revision』

(小袋成彬)たしかに……いまっぽくはないですね。

(DJ Takaki)そうですね。なんか曲の質感というか、全体が醸し出している雰囲気も、まあいまっぽさは全然ないんですけど。でも、いま聞いても全然新しいし、かっこいいし。全然色褪せない曲ですよ。

(小袋成彬)わかります。なんかね、僕が「いまっぽさがない」って言うのは、たぶん来週話すと思うんですけど。やっぱりトラップとかヒップホップの影響が少なからずあるような気がしてて。ロングなベースとか、うねるようなベースとかっていうのがいまっぽさの気がするんですよね。ドラムンベースにおいても。だから、これとかはやっぱりいつ聞いても新鮮だなってなると思うんですけども。なるほどな。面白いですね。

(DJ Takaki)はい。

(小袋成彬)そうか。でもFabricってね、1回潰れちゃいましたもんね。

(DJ Takaki)そうですね。なんかFabricが1回、お客さんのトラブルで潰れてしまって。そんな中、なんかロンドン市長がやっぱりクラブカルチャーはイギリスの誇りでもあるということで、もう一度見直して。セキュリティーとかももう一度強化をしたりして見直して、新しい場をまたを作っていこうということで。いま、また引き続き熱気は継続してね、いまのロンドンのクラブシーンでもあるんじゃないかなと思います。

(小袋成彬)ドラムンベース自体の人気の波はあったりするんですか?

(DJ Takaki)ドラムンベースは結構、まあ本国っていうことだけあって、ずっと一定してるような印象で。ずっと上がりもせず、下がりもせず。かと言ってお客さんの人数が少ないわけでもなく。常に一定してずっと盛り上がりを見せているような印象があって。でもそのテクノとかハウスに言うと、もちろんそのトレンドの中であの小さい波の大小はあるんですけど。まあ、だけど平均的に見るとやっぱりすごく大きなパーティーが常に開催されていても。ずっと継続してやっぱりいまでもロンドンのクラブっていうのはずっと盛り上がっているような感じですね。

(小袋成彬)なるほど。なんか街全体にあるんですよね。そのEDMじゃない感じとかも。

(DJ Takaki)そうですよね。結構いま、ロンドンはフェスティバルもいっぱい開催されていて。ロンドンってロンドンの中に大きな公園がいくつかあるんですけども。そういう公園で毎年、その夏ぐらいのシーズンに大きなフェスティバルが開催されていて。で、そのフェスティバルでも、もちろんドラムンベースのDJが出ていたりとか。テクノ、ハウスのDJが出ていたりとか。アンダーグラウンドなそういうDJがかけるような音楽の部分もきちんとピックアップされていて。かつ、たくさんの人が来るような、大きな規模で開催されているフェスティバルがいまでもあるような感じですね。

(小袋成彬)なるほど。じゃあ、ちょっと最後にもう1曲聞いてもいいですか? どんな曲を?

(DJ Takaki)これはですね、割と聞きやすい部類に入るんですけども。でも、入ってくるベースラインとかも結構、また特異な感じがあって。じゃあ、Calibreというアーティストで『Two Ones』。

Calibre『Two Ones』

(小袋成彬)ありがとうございます。いやー、ちょっとだいぶ導入にしては割と深く話しましたけども。

(DJ Takaki)フフフ、そうですね(笑)。

(小袋成彬)来週はもっと深いところに行きたいなって。

(DJ Takaki)来週も、そうですね。

(小袋成彬)もっともっと深いところに行きたいなって思うんですが。Takakiさんも日本に来られたのも、あれは何のイベントでしたっけ?

(DJ Takaki)まあ、こっちでドラムンベースのレコードレーベルでひとつすごく有名なレーベルがあって。Critical Musicというレーベルなんですけども。Critical Musicはロンドンで結構、15年ぐらい歴史があるレーベルで。結構多くのファンから支持されている、かなりいま最も旬と言っても過言ではないレーベルで。一応その去年のドラムンベースの年間売り上げチャート、全世界の年間売り上げチャートでいま、1位を獲得しているレーベルで。

Critical Musicが主催している『Critical Sound』というレーベルナイト。レーベルのイベントがありまして。それはロンドンを軸に他のヨーロッパの諸国でも開催されているんですけども。このイベントも常にソールドアウトとなり、満員となるような非常に活気があるレーベルとパーティーで。そのレーベルの代表のKasraさんというアーティストとロンドンで会いまして。日本でその『Critical Sound』を開催できないかということになりまして。で、2月に渋谷コンタクトという会場で開催させていただきまして。はい。

(小袋成彬)いやー、僕は全然知らずに行ったけど、でもそれはそれで衝撃的だったから、いまの話しを聞けばもっと楽しめたかもって思いますけどね。また、来年とかもやってほしいですね。

(DJ Takaki)そうですね。ぜひ来年も開催できるようにいま、動いています。

(小袋成彬)TakakiさんもDJされるんですよね?

(DJ Takaki)そうですね。僕も2月にこのイベントで、インバイターとしてイギリスから招待をして。かつ、自分も出演者、DJとしてパフォーマンスをしました。

(小袋成彬)いや、すごいですね。Takakiさんも曲を作りますもんね。

(DJ Takaki)そうですね。

(小袋成彬)いまでもなんか聞けるんでしたっけ? オンラインとかで。

(DJ Takaki)一応、自分の活動の情報は自分のSNSとかに飛んでいただければ。InstagramでもTwitter、Facebookでも。「DJ Takaki」で検索をかけていただければヒットすると思いますので。ぜひ見ていただければと思います。

(小袋成彬)ぜひぜひ、よろしくお願いします。じゃあ、来週はそのレーベルのこととか、レーベルナイトについてもいろいろと聞いてみたいですし。あと、いまっぽいのって何かとか、聞いてみたいので。来週もお楽しみに! ということで。ありがとうございました。

(DJ Takaki)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/56045

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