モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中でドナルド・トランプ大統領の2019年一般教書演説とナンシー・ペロシ下院議長の反応について話していました。
(モーリー)一般教書演説について一言コメントをしたいんです。ご存知のように中間選挙の結果、下院は野党の民主党側に行ってしまったんですね。そうすると結果、下院議長と副大統領が大統領の後ろに座って、顔が見えるところで生放送で大統領が一般教書演説をするんです。ということは野党の下院議長であるナンシー・ペロシさん。女性の議員がトランプさんの後ろにいて、前でトランプさんがワーッ!って言って自分を褒め続ける間、後ろでスマイルしているんだけどその笑い方がね、ちょっとこうやって……これ、英語では「smirk」って言って。日本語では「苦笑い」っていう風に翻訳をされるんだけども。独特の「あんた、なに言ってんの?」みたいな笑い。
そしてトランプさんがそもそも女性蔑視発言が目立ったり、いわゆるいろんな女性の権利……日本ではあまり争点にならないんですけど「中絶する権利」みたいなものを抑止しようということをキリスト教右派への媚びでやっているわけ。そういう女性の権利縮小に抗議する形で女性の参政権を象徴する白い服を主に民主党の女性議員たちは白い、真っ白な一角があったわけですよ。
Mood. #SOTU (? Getty) pic.twitter.com/WJWTkOzb6h
— TIME'S UP (@TIMESUPNOW) 2019年2月6日
(モーリー)その時、トランプさんはそれを我田引水しようとして「私のおかげでかつてないほど多くの女性が議員に当選した」って言ったんですよ。
(プチ鹿島)はー!
(モーリー)「いや、あなたが男尊女卑発言をしたから有権者が女性に投票したんじゃない?」っていう、そこらへんのオウンゴールはともかく彼はそこらへんは上手いんですよ。「壁を作ることで不法移民が減って正しい移民のためになる」とかいろいろと言っているわけ。それであまつさえ、「この国がもっとも強くなるのはみんながひとつになった時。つまり分断を乗り越えてお互いに譲り合った時こそ議会政治が力を発する」っていう風にその一行が盛り込まれていたわけ。
その時、スタンディングオベーションが起こり、副大統領のペンスさんはもちろんのこと、ペロシさんも立ち上がって拍手したんだけど。それは、いわゆる皮肉がこもっているわけじゃない? 分断をしているのはトランプさん本人だから。その時のナンシー・ペロシ下院議長の拍手の仕方が、こうやって拍手したの。
ナンシー・ペロシのスタンディングオベーション
This is it. This is the photo of the century. @SpeakerPelosi wins. #SOTU pic.twitter.com/3mZ9DTeGHe
— Becca Morgan (@itsmebeccam) 2019年2月6日
(プチ鹿島)フハハハハハハッ! なるほど。
(モーリー)「まあー、よく言ったわね」って。その仕草がちょっと斜めに笑っているのも含めて、いわゆるミーム化しちゃったんですね。で、いまそこにいろんなセリフをつけてネタになっている。
(プチ鹿島)大喜利になっている。
Nancy Pelosi with the P for Petty.
I stan the shady clapping with the smirk. My newest gif. pic.twitter.com/hf783VhIbX— Tugen Girl (@tugengirl) 2019年2月6日
(モーリー)大喜利になりつつあるんです。で、要はこれはトランプさんが政府閉鎖をして……トランプさんはなんとしてでも壁を作りたいわけじゃない? それをペロシさんは「絶対にやらない!」って言って、「政府閉鎖にもつれ込んでも壁は作らない!」っていうそのペロシさんにトランプさんが折れたわけですよね。政府を再開して。だから、ペロシさんの存在感っていうのはそこなんですよ。
(プチ鹿島)なんかみんないつもスタンディングオベーションをバーッてやっているイメージがありますけど、そういうバージョンもあったっていう?
(モーリー)つまりペロシはスタンディングしないか、むっつりしているというオプションもあったんだけど、それをある種「あんたがそんなことを言うのも面白いわね」ってジーッと見て拍手するっていうのが……で、形としては彼女はなにも悪いことはしていないわけ。マナーにはなにも違反していない。でもほんのちょっとのニュアンスで、わかる人にはわかる形で反発している。で、今後、議会がねじれていますから。壁を含めてトランプさんのいろんなものがだんだんと麻痺していくだろうことが暗示されている一件だったっていうことですね。
<書き起こしおわり>