吉田豪と宇多丸 2018年タレント本ベスト5を語る

吉田豪と宇多丸 2018年タレント本ベスト5を語る アフター6ジャンクション

(吉田豪)高嶋政宏『変態紳士』です。

(宇多丸)出ました!

(吉田豪)こちらはね、ちょっと話題にもなっていて。発売記念でDOMMUNEで2人で番組をやりましたけども。

(宇多丸)はいはい。DOMMUNEはいかがでした?

(吉田豪)最高でしたよ。本当に僕が一切なにも振らないでも勝手に話し続けてくれる人なんで。

(宇多丸)すごい話すらしいですね。

(吉田豪)そして、言ったところでなんのメリットもない話をのびのびと喜んで言ってくれるので。バカなの?っていうぐらい話してくれるんで。すごいんですよ。

(宇多丸)へー! これはどういう内容なんですか?

(吉田豪)半分以上が「いかにSMが素晴らしいもので、僕がそれに夢中になっているか」っていうのを克明に書いています。ただ、その流れで突然、料理の魅力について1章語っていたりとか。あとはプログレとか。好きなものを並列にして語っているんですけど、「これ、料理はいらないんじゃないかな?」みたいな。

(宇多丸)フハハハハハハハッ!

(吉田豪)「グルメ食べログおっさん」とか。健康マニアの章とか。このへんはなしでSMだけでまとめた方がいい気がしますね。

(宇多丸)なんかでも、僕らがなんとなく抱いている高嶋兄。「あの人、変わった人っぽいよね」っていうのがもう凝縮されて入っているというか。

(吉田豪)そうですね。僕がインタビューした時点でも、もともとドラマでゲイの役をやった時、本気でそういうのを調べようと思って二丁目に行ったりとか。ちゃんと調査をするっていう。

(宇多丸)凝り性。

(吉田豪)そうなんですよ。で、真面目だからこそ、なにかにハマると夢中になっちゃうんですよ。で、SMに「これは!」って思ってどんどんハマっていって。いまは本当に現場でやりすぎなことをやっていますからね。

(宇多丸)現場でやりすぎなこと?

(吉田豪)僕の好きな話が、たとえば現場で差し入れとか置いてあるところ、あるじゃないですか。そこにこの人は自分用のバラ鞭っていう結構本格的な鞭を。革のものすごいムチをシレッと置いておくんですよ。で、みんな騒ぎになるじゃないですか。「なんでこんなところに鞭があるんだ? なんだなんだ?」ってなるのを遠くから見ていて。騒いでいるところに「僕のですよ、それ!」って行って、女性に対して「じゃあ、打ってください!」ってやって、「なに考えてるんですか!」って。「そういう風に突っ込まれることで、コミュニケーションが始まるんですよね」っていう(笑)。

(宇多丸)フハハハハハハハッ!

(吉田豪)やっぱりほら、上下関係とかあってなかなかギクシャクするじゃないですか。

(宇多丸)ああー、一発そこで突っ込ませるっていう。

(吉田豪)そうそう。「これがね、いいんですよ」っていう(笑)。

(宇多丸)フハハハハハハハッ! なるほどね。

コミュニケーションのきっかけとしてのバラ鞭

(吉田豪)それからはひたすら、そうやって余計なことを言って。言葉で罵られたりとか。でも、そう言いながらも興味を持ってくる子もいるっていう。だから高嶋さんは口腔内フェチ。要は歯並びとか喉とかを見るのが大好きなんで、「いかに共演者のそこを見るか? これも僕の戦いでしてね……」みたいな。もう結構ね、ギリなんですよ(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ! それはさ、今後の共演に支障をきたすじゃないですか!

(吉田豪)で、いま高嶋さんが出ていたのが『ハラスメントゲーム』っていうハラスメントをテーマにしたドラマで。ハラスメントをただす側みたいなのをやっているんですよ(笑)。本人いわく、「僕がこういうような発言をするのもね、番宣なんですよ」っていう(笑)。

(熊崎風斗)そういう方っていうイメージは全くなかったですよ。

(宇多丸)でもそれこそ、森田芳光作品とかにも何作か出てくるんですけど。やっぱり森田さん、その使いどころをわかっていますよ。変な感じで……『間宮兄弟』のものすごい声がデカいウザい感じの。やっぱりそのチャーミングさっていうか。それがわかっているんでしょうけどね。

(吉田豪)サブカル要素とSMが混ざっているんですよ。好きな映画の話とかも突然出てきて。やっぱり『時計じかけのオレンジ』が……とか、『ソドムの市』が……とか出てくるですけど。それの変態的な部分の魅力をずっと語り続けるっていう。

(宇多丸)どっちかっていうと(笑)。80年代後期とか、すごいヒップホップの話とかをすごく早い段階でしていて。「ああ、この人はそういうの、早いんだ」って思いましたけどね。

(吉田豪)あの時代、クラブカルチャーはかなり密接でしたからね。コーザ・ノストラの人とユニット組んだりとか。早かったんですよ。

(宇多丸)なにしろ『変態紳士』って首輪つけて、ねえ。ロマン優光さんですよ(笑)。

(吉田豪)この首輪も本物のを借りてきて(笑)。「いろいろと体液のついている首輪を借りてきた」っていう(笑)。

(宇多丸)体液!?

(吉田豪)そう(笑)。やっぱりね、「紳士であることが重要だ」って言っていましたね。「ただの変態じゃなくて紳士だから問題にならない。紳士性が重要なんだ。みなさんも気をつけましょう」みたいなね(笑)。

(熊崎風斗)できるような、できないような……(笑)。

(宇多丸)でもクマスもほら、グラビア評論家としてはやっぱりさ、紳士の部分は守らないといけないっていうことですよ。

(熊崎風斗)高嶋兄からそのエッセンスを学ぶっていう(笑)。

(吉田豪)「人生なんてどうなるかわからないから」っていう話でしたよ、本当に。

(宇多丸)ああ、でもその高嶋家だっていうのも……。

(吉田豪)そう。言っていたんですよ。お父さんを見て、「あんだけ元気だった父がああなるんだから、僕は好きなことをやらなければならない」っていう。深い話なんですよ。

(宇多丸)それこそ、さっきの後藤真希さんじゃないけど、その背景にあるものを考えるとね。なるほど。これは、どこから出ている本ですか?

(吉田豪)こちらはぶんか社です。

変態紳士
Posted at 2018.12.18
髙嶋政宏
ぶんか社

(宇多丸)はい。もう1冊、行けるかな?

(吉田豪)マキノ正幸さんの『沖縄と歌姫』っていうね。

(宇多丸)これは僕も読みました。

(吉田豪)あの、牧野アンナさんがこの番組にゲストで出て。沖縄アクターズスクールについて語るっていう回。

(宇多丸)安室奈美恵さんを見出す瞬間の話もされていましたけども。

牧野アンナと宇多丸 安室奈美恵引退を語る
牧野アンナさんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。宇多丸さんと安室奈美恵さんの引退について話していました。

(吉田豪)最高だったんですけども、誰よりもあの時にハラハラしていたのが僕で……っていうね。ちょうどこの本が出て、この本を読んでいる最中で。この本が結構なページを割いてね、牧野アンナさんとの確執について語っていて(笑)。

(宇多丸)はいはい。そうなんですね。

(吉田豪)「沖縄アクターズスクールをいかに追い出したか?」みたいな。だから、牧野アンナさんがものすごく語りづらそうにしながら、でも「父が素晴らしかった」みたいな話をしているのを聞いて、感動したんですよ。素晴らしい!っていう。

牧野アンナと宇多丸 三浦大知と満島ひかりを語る
牧野アンナさんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。沖縄アクターズスクール時代の三浦大知さんや満島ひかりさんについて、話していました。

(宇多丸)いや、僕もそれは重々承知しつつ、でも触れないわけにも……っていう感じなので。だからお話してくださってすごいよかったなって。実はホッとしながら聞いていたっていうところもたしかにあって。

(吉田豪)で、またこの本がいいのは、実は安室奈美恵さんの引退で出た本なんですけど、安室さんとはそんなにつながりがない人で。それよりもマキノ家のDNA的な話がめちゃくちゃ面白いんですね。

(宇多丸)芸能一家ですからね。

マキノ一族のダメジュニア

(吉田豪)芸能一家の落ちこぼれなんですよね。結局。映画界で、だから俳優的な感じでのフックアップも全くされない。親戚はどうしても長門裕之とか。「あっちの方がスター性があるから、お前はダメだ」っていう風に言われ続け。とにかく落ちこぼれ続けて、ひねくれて。親の金を使って遊ぶっていうダメジュニアにどんどんとなっていく感じの過程が。で、事業をやったら失敗して……の繰り返しで。唯一成功したのが沖縄アクターズスクールだったっていう。そのジュニア時代のダメっぷりが本当に面白いんですよ。

(宇多丸)うんうん。だってね、放蕩しようと思えばいくらでもできるっていうね。

(吉田豪)「ろくでもない親だから、金だけ引っ張ってやろうと思った」っていうね。

(宇多丸)でも、たしかにこの血筋であることの呪いもありますよね。

(吉田豪)絶対にありますよ。

(宇多丸)しかも、日本映画の父みたいなところから始まってですから。だから、たしかにそのくだりもいっぱいあって。

(吉田豪)だからこの本を読んでから、アトロクの牧野アンナさんの回を聞き直すとすごい味わい深いですよ。「これのあとでよく、こんなにいい話をしてくれた!」っていう。

(宇多丸)だから、実はあの時はどの程度触れていいのかよくわからなくて。なかなか難しいところだったんだけども。でも、ご本人が話してくださればいいんじゃないですか、みたいな流れでやったところもあって。

(吉田豪)いや、あれでね、「父がいかに素晴らしかったか」って語れるのはすごいですよ。

(宇多丸)うんうん。これだけの内容をね(笑)。

(吉田豪)そう。すごかった!

(宇多丸)ということで、マキノ正幸さん。こちらは?

(吉田豪)宝島社から出ていますね。

(宇多丸)ということで以上5冊。あらためて熊崎くんから。

(熊崎風斗)はい。後藤真希さん『今の私は』。田崎健太さんの『全身芸人』。高部務さんの『スキャンダル: 墓場まで持っていかない話』。高嶋政宏さんの『変態紳士』。そして最後がマキノ正幸さんの『沖縄と歌姫』。以上の5冊を紹介いただきました。

(宇多丸)どれも結構ヘビー級でしたね。ということで豪さん、年末にかけてこれからお忙しそうですけども。

(吉田豪)はいはい。今日はこの後、7時半から後藤まりこさんと渋谷のロフトヘブンでイベントをやりますね。

(宇多丸)7時半から。だいぶ迫っている(笑)。

(吉田豪)タクシー移動ですね。あとは毎年恒例の大晦日はロフトプラスワンのカウントダウンイベントをまたやらせていただきますっていうね。

(宇多丸)吉田さんと掟ポルシェさん。

(吉田豪)そしてK DUB SHINE、春日太一といったいつもの面々と……(笑)。

(宇多丸)フハハハハハハハッ! 春日さんが「楽しいー!」って言うっていう(笑)。

(吉田豪)最高だったんですよ。春日さんは去年、初参加だったんですけどもね。「毎年大晦日っていうのは男1人。本当にそういう華のない人生を送ってきたから、こんなに楽しい大晦日ははじめてだ!」って。路上で「たのしー!」って叫んでいたんですよ(笑)。

(宇多丸)アハハハハハッ! 最高ですね(笑)。

(吉田豪)男だけでどうしようもない話をしていただけなんですよ(笑)。そこまで楽しいわけもないんですよ(笑)。

(宇多丸)ある意味、下の下なんだけど(笑)。いやいや、最高です。吉田さん、ということで来年もお願いします。

(吉田豪)よろしくお願いします!

(宇多丸)ありがとうございました。行ってらっしゃい!

<書き起こしおわり>

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