モーリー・ロバートソン ドルチェ&ガッバーナ中国炎上事件を語る

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モーリー・ロバートソンさんががBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で、ドルチェ&ガッバーナが中国・上海のファッションショーのために作った動画がきっかけで中国国内で炎上した事件について話していました。

(モーリー)こちらの話題、ワイドショーなどでも連日取り上げられているんですけども。今日はモーリー流にお届けしましょう。ドルガバ、ドルチェ&ガッバーナの11月21日のツイートです。どうぞ! まあ、お詫びになっていないお詫びだということを先にお伝えしておくと……「Our dream was to bring to Shanghai a tribute event dedicated to China which tells our history and vision. It was not simply a fashion show, but something that we created especially with love and passion for China and all the people around the world who loves Dolce & Gabbana.」っていう。

やっぱり「love and passion for China」っていうフレーズが入っているんですね。「我々の中国のみなさんに対する愛と情熱を注いだファッションショーを計画しておりました。実現には至っておりません」っていう。日本語に訳すとこんな感じですね。ドルガバの公式ツイート。「私たちの夢は、上海に私たちの(ブランドの)歴史とビジョンをもたらすことでした。それは単なるファッションショーではなく中国、そして世界中のドルチェ&ガッバーナを愛する全ての人々に愛と情熱をもって作ったものでした」ということなんですが。

まあ、あらましを説明しますと、イタリアのファッションブランドであるドルガバが上海で予定していたファッションショーを中止せざるを得なくなった。それについての公式TwitterなどSNSでのコメントなんですね。で、なんでこんなことになったのか?っていうのをおさらいすると、こんな感じです。ご存知ない方もこれを見ればわかります。ショーのPR動画があったんですけども。中国のファッションモデルがお箸を使ってピザを食べようとしたり……要は西洋の料理をお箸で食べようとする中国人のきれいなモデルさん。彼女がぎこちなくやっているのをちょっとあざ笑うトーンで作られた、よくヨーロッパの人が中国人はこうなんだ。きれいかもしれないけど、野蛮っていうような、そういう含みのある動画を作っちゃった。

そしたら「箸を使う文化全体を冒涜している!」と中国で炎上しました。ショーのPR動画だったのに。そして、ドルガバのデザイナーのリーダー。その片方のDMが流出して。これがまたね、さすがドルガバ。「中国はクソ! 中国なんかなくたってやっていける! 汚いマフィアめ!」って言っていたのがバレちゃった。さらされた。そうすると、これは日本でもあったことなんだけど、そうやって書いた不適切なコメントがバレた時、「いや、あれは私が書いたんじゃなくて、アカウントが乗っ取られたんです」って言って。で、それをSNSの会社が「いや、乗っ取られてませんね」って言ったなんてことが過去にあったんですけども。まあ、今回のドルガバも「アカウントがハッキングされた」って言ってさらに炎上。まあ、はからずも火に油を注いだ。

で、ショーに出演予定だったモデルや有名人たちが一気にこぞって、24時間以内にバタバタバタッ!ってキャンセル。で、中国のEコマースサイトからドルガバの商品が消える。24時間以内に一気に動いたっていうことなんですね。

(紗倉まな)スピーディーですね。

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ドルチェ&ガッバーナの炎上体質

(モーリー)で、これはどういうことなのか?っていうことなんですけども、ドルガバのお二人っていうのは元から非常に炎上マーケティングを自分たちの顔でやっているところがあって、それがブランドなんだって確信していて。喧嘩上等なんですよ。たとえば数年前にエルトン・ジョン……同性婚をした歌手なんですけども。彼が「養子がほしい」って言った時、男性同士で結婚してどうやって養子を縁組するか?っていうと、もちろんその子供で養子縁組をする場合もあるんだけど、代理母に出産してもらう場合もあるんですね。で、それをさっきの(ゲノム編集の)デザイナーベイビーにもちょっと引っかかるんだけども、「それは生殖として、生物学的におかしいだろ?」みたいにゲイを公言しているドルチェ&ガッバーナがある種、言っちゃったわけ。で、大炎上。で、その時はハリウッドスターが怒って「ドルガバの服を焼く!」なんてこともあったんですね。

で、結局ドルガバはそうやって喧嘩上等をやり続けている人たちなんですけども、中国ではそれが裏目に出たんですよ。1日で13億人の中国市場を失う羽目になったという。

(プチ鹿島)うわーっ!

(モーリー)これがその動画。これをキャプチャーした時点で48万回再生されていますけど、ドルチェ&ガッバーナがお詫びをするという。で、なんか妙に映像的に演出されていて。

(プチ鹿島)うん。

(モーリー)2人ともかっこよく、顔は真剣なんだけども。で、最後に中国語でごめんなさい(对不起)、ソーリーって言ったんですけども、なんとなく譲っていないんですよ。「悪くないんだもん。だってこのネタ、欧米だったらいいじゃん」みたいな。要はなにがそのバックにあるか?っていうのを簡単に説明しますと、イタリアは結構中国に対する嫌悪感の世論が一部でくすぶっているんですよ。なぜか?っていうと、中国から移民の労働者がいっぱい入ってきていて。特に皮革職人の街。古くからの皮革の街で、そこは高齢化・少子化していて跡継ぎがいなくなっている。そういう場所に中国の資本で工場をまるごとコンテナでバン!って持ってきて。一緒に働く中国人も連れてきちゃう。

それでイタリア語を学ばないまま、ひたすら低賃金で働いて、イタリア国内で街が乗っ取られた。小学校には中国人の子供ばかり。そっちの方が人口が増えているから。あと、イタリアの港湾の開発権を中国が取得しようとしている。隣のギリシャでは債務超過に陥った際に事実上、中国に港湾が買われてしまった。そして南アジアのスリランカではほとんど乗っ取りのように中国が港を勝ってしまっていて、いまは軍事港になっていて。

(紗倉まな)独占的な状態なんですね。

(モーリー)だから「中国に乗っ取られてしまう!」っていう世論がすでにあって。加えて、昔からヨーロッパでは一般的に中国人やアジア人っていうのは野蛮でちゃんと言葉も話せず、そしてなんでもお箸で食べようとして不器用だな、みたいな。それをからかうネタが子供の頃からあるんですよ。目が釣り上がっているとか。だからそのノリであの動画を作っちゃったっていう、その愚かさですよね。

(プチ鹿島)そうか。僕ね、なんでこれ、中国でビジネスをするのにわざわざこんなことをやるんだろう?って不思議だったんですけど、つまりはこれ、政治家の厳しい言葉と同じで国内向けっていうことですか? イタリア国内向け。

(モーリー)たぶんね、ヨーロッパ向け? そして「ゲイがゲイをけなす」っていうのはタブーに切り込んでいいわけですよ。欧米のルールだと。だから「我々が中国をいじっているんだ」っていう。で、それを中国の若者は自分の国の国威発揚とかナショナリズムで……どの国だって自分の国の国旗を見たら若者は「なんだ、クソくらえ!」って言うものだろ?っていう風に思っちゃったんですよ。でも、逆なんです。中国の若者は思いっきり憤ってしまうんですね。そしていま、世界の高級品マーケットはだいたい毎年70億ドル動いているんですけども。その1/3。世界市場の1/3が実に中国に依存しているということなんですね。

そしてかつてね、ドルガバがもうちょっと勉強をしていればこうならなかったっていう例を最後の1個言いますね。ちょうど10年前、2008年のこと。北京五輪に向けた聖火リレーがパリを通りました。その時、チベット問題、人権問題の活動家たちが聖火リレーを妨害して。車椅子で聖火リレーを持っていた人にも立ちはだかったりもしたんですよ。これが「我々を侮辱した!」っていうことで、それがテレビに流れちゃった結果、中国じゅうの若者たちが怒り。

しかも、フランスは寝耳に水なわけですよ。「そういう人たちがいることをなぜ止めなかったのか? これはフランスの中国に対する陰謀に違いない!」っていう話が広がり、フランスの中国で展開しているスーパーマーケットチェーン、カルフールのボイコットに発展した。そして若者たちがカルフールのお店の中に入って……そこでは中国人が働いているんだけど、そこに若者たちが「ウオーッ!」って乗り込んで、みんなでスローガンを叫んでお店を麻痺させる。こういう運動があったんですね。つまり、飛び火ですよ。とばっちりですよ。そこまで非常にセンシティブな中国。そこでやっているのにドルガバはどぎつい、欧米にしか通用しないネタでやっちまっただ。ということで、たぶん再起はなかなか難しいと思います。以上でした。

<書き起こしおわり>

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