プチ鹿島 プーチン大統領の前提条件なし平和条約提案への安倍首相の対応を語る

プチ鹿島 プーチン大統領の前提条件なし平和条約提案への安倍首相の対応を語る YBSキックス

プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で自民党総裁選の期間中に安倍首相が出席したロシアの東方経済フォーラムの中で、プーチン大統領から提案された前提条件なしの日露平和条約締結に対しての安倍首相の対応について話していました。

(プチ鹿島)自民党総裁選、演説とかも「総裁選は党員のための選挙なんだから、一般人に届かせる演説会なんかやる必要がない」っていう首相周辺のコメントがいろんな新聞に載っていたんです。なんか僕が思っていた総裁選と違うっていう。できるだけ……これ、北海道の地震が起きる前から、討論とかを減らす。やらない方向でって。それでやっと昨日、テレビ討論をした。やっぱりテレビ討論をやると面白いじゃないですか。

(塩澤未佳子)そうですよ! やっぱりそれぞれの話を聞きたいし。

(プチ鹿島)ねえ。だから加計学園問題のことをキャスターに聞かれて、利害関係のある加計理事長とゴルフに行くのは不適切ではないか?」って言われたら、「それはゴルフに対する偏見だ。テニスや将棋だったらいいのか?」っていう、もうびっくりする論法が……「ごはん論法」っていうのはありましたけど、今度は「ゴルフ論法」っていうのが出てくると思うんですよね。

(塩澤未佳子)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)そうじゃなくて、利害関係のある人と相変わらずゴルフをやっているということ、そこが論点だったのに「ゴルフに偏見を……」みたいな。なるほどなって。やっぱり生で見るといろんな意味で「なるほどな。これが安倍さんなんだ」みたいな。いろいろと感じるじゃないですか。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)で、やっと討論でも生の言葉ですから。いろいろとみんながワイワイガヤガヤしながら立候補した2人を見れる。やっと面白くなってきた。これが最後のテレビ討論ですけども。で、昨日の前の時点の話でなんの話をしようか?っていうと、石破陣営はカリカリしている。総裁選の演説とかの期間がただでさえ短くなったのに、その中で3日間、安倍さんがロシアに行くっていう。

(塩澤未佳子)そうですね。

(プチ鹿島)これ、総裁選の期間中に外遊するっていうのは異例だそうなんですよ。読売新聞も書いていたんですけど。異様なんですよ。でも、その3日間行ってしまう。「石破サイドからすれば、これは討論逃れ、論戦逃れなんじゃないか?」っていうような報道がされていたんですよ。まあ、たぶん「上手いことやったな」って思ってロシアに行ったんでしょうね。だけど、因果応報というか……ロシアで何が起こりましたか?

(塩澤未佳子)はい。プーチンさんからね。

(プチ鹿島)東方経済フォーラムですよ。習近平さんとかもいました。ガチガチの重鎮が周りを固めて、世界中のメディアが見ている中で、プーチンさんが「いま思いついたけど……」って言った後に、「あらゆる前提条件をつけず、年末までに平和条約を結ぼう」っていうね。野郎、言いやがりましたよね? 仕掛けてきたんですよ。

(塩澤未佳子)フハハハハハッ! そうですね。言ってきましたね!

(プチ鹿島)で、いきなり仕掛けられた安倍首相は、たとえば朝日新聞の表現によると「困惑したような笑みが浮かんだ」。読売新聞の表現によると「その場で首相から発言はなかった」っていう。返せなかったわけですね。これ、どうですか? いいですか。まあ、石破派が言うには、討論を避けるためにロシアに行った安倍さんが、そこで石破さんなんかよりもよっぽどガチで強いプーチンにガチの論戦を仕掛けられた。もっと言えば論戦でもないですよね。討論を仕掛けられて、それに対して返せなかった。

(塩澤未佳子)ここで出ちゃったんだ……。

(プチ鹿島)だからそれなんですよ、因果応報っていうのは。僕、前にこの『キックス』でも言いましたけど、「モリカケ問題なんてそんな小さいもの、いつまでやっているんだ?」っていう声があることを言いましたよね? それに対しては100歩譲ってモリカケ問題が小さかったとしたら、なおさらここを徹底検証をする必要があるんじゃないか?って思ったんです。というのは、100歩譲って小さい問題のモリカケであれだけツッコミが来て、それになかなか返せない方が、国際舞台の場でトランプさんだ、金正恩だ、そういう人たちと対等に丁々発止とやりあうことができるのか?って僕、言いましたよね?

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)予感、当たったじゃないですか。もっと言いましょう。モリカケ問題が小さいと言うのなら、まあ小さいでいいでしょう。それで自民党総裁選が国内のどうでもいいコップの中の嵐と言うなら、まあいいでしょう。だけどあの国際舞台で……っていうのはあれ、それこそ「国難」ですよ。

(塩澤未佳子)もう大変な。ねえ。大きなことで。

(プチ鹿島)いやー、だからね、これロシアのメディアではどう報じられているか?っていうと、これは読売新聞を見るとコメルサントっていうロシアの新聞があるんですけど。「領土問題を解決させずに結ぶ平和条約は日本にとって無条件降伏」と論評しているんです。あと「経済協力、成果上がらず不満。領土の期待与える芝居、やめた」っていう。だからもうそういう風に言ってやったんだっていう。もうロシアではプーチン発言に対してはこういう論評が出ている。で、実際に会場でも、このプーチンさんの発言が出た時にロシアの関係者から拍手が起きたっていう。

(塩澤未佳子)おおーっ。

(プチ鹿島)これね、僕はプロレスとかが好きなんですけど。プロレスファンがよく使う言葉で「不穏試合」とか「シュートマッチ」とか「セメントマッチ」「ガチ」とか言うんですよ。プロレスも討論と似ていて。お互いに技を出し合ってがんばる。それでお客さんに喜んでもらうっていう中で、たまにやっぱり「あれっ?」っていう。見ていて変な試合があるわけですよ。つまり、なにかの感情のもつれとか、なにか「俺はこいつよりもよっぽど強いんだ」っていうのを見せたい。もしくは、若気の至りでとか、いろんな感情がもつれて不意打ちというか、そういう試合があるわけですよ。「あれっ、ちょっと仕掛けてきたな?」っていう。

(塩澤未佳子)はい。

プーチン大統領が仕掛けた不穏試合

(プチ鹿島)で、僕らはそういうのが大好物なんですけども。ひさしくそういう試合、なかったんですけどこの間のロシアのプーチンさんの安倍さんに対するあれは、久々に見た不穏試合。ガチを仕掛けてきたな!っていう。で、本来はプロレスファン、そこで何を楽しむのか?っていうと、それに対して仕掛けられた方がどう切り返すのか? だってそこで本当の実力が見れるじゃないですか。で、なんだったら道場で鍛えられていて本当の実力があると認められている人には仕掛けませんよ。だって倍にして返されるんだから。

(塩澤未佳子)はー!

(プチ鹿島)だからそういう攻防を見るのが好きなんです。それでも仕掛けてくるやつがいるから、「おっ、これはどうなる?」っていうのが僕ら、大好物なんですね。だからプーチンさんはこれ、いろいろと報道を調べてみると、まあ経済協力がうまくいかない。日本がなかなかお金を出してくれないから。もうそういうのに焦れて仕掛けたっていう。で、本来……これ、事実を言っておきますけども、きっかけは安倍さんだったんですよ。

(塩澤未佳子)ほう。

(プチ鹿島)今回、プーチンさんから100%仕掛けたような感じの認識もあるかもしれないですけども。よく読むと、安倍さんが「いままでのアプローチを変えるべきだと決意した」という風にあの東方経済フォーラムで、プーチンさんとかの前でしゃべったんです。だって日本としては「経済、そちらをやって話を進めていこう」っていう風に。そしたらプーチンさんが「晋三がアプローチを変えると提案した。そうしよう!」って言った。朝日新聞の要約によるとですよ。で、「会場のロシア政府関係者やビジネスマンから大きな拍手がわきあがった」という。そこであの「じゃあ、条件なしで平和条約を結ぼうよ」っていう。

(塩澤未佳子)ああ、そういう流れだったんですか。

(プチ鹿島)そうなんです。そういう流れだったんです。だからあそこで安倍さんがなにか返せば「よし、日本も負けてねえ!」っていう。そういう、ガチに対してガチっていう形だったんですけども、安倍さんはなにも……っていう報道ですよね。

(塩澤未佳子)はー!

(プチ鹿島)だから僕、本当に石破さんの論戦云々……昨日の時点のを見てもあれですけど。やっぱりデカいのが来ちゃった。小さい石破さんを気にしていたら、デカいプーチンが待っていた。で、昨日のテレビ討論ですよ。やっぱり「ゴルフはダメでテニスだったらいいのか?」とか。それで石破陣営に対して党内の圧力がかかっているということに対して安倍さん、夕方の日本テレビ出演時には「私の若い頃にはそんなもの、普通だった」って言っていたんですよ。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)で、どうやらそれがマズいと思ったのか、その数時間後のテレビ朝日『報道ステ―ション』の中では「いろいろと聞いてみたけど、そんな圧力をかけるような発言はなかった」っていう。これ、どういうことか?っていうと、石破派の齋藤さんっていう農林水産大臣が「あなた、安倍内閣にいて石破さんを応援するんだったら、辞表を書け!」ってある人に言われた。圧力をかけられたっていうのを先週、暴露したんですね。そのことを言っているんです。安倍さんは「それならば、名前を言えばいいじゃないか。迷惑している」っていう風に安倍さん、おっしゃったんです。

(塩澤未佳子)うんうん。

(プチ鹿島)そこで石破さん、どう切り返すのかな?って見ていたら、「それはセクハラ問題のやり取りと同じだ」って言ったんです。この間、財務省で「セクハラ、セクハラと言うならば、(告発者の)名前をあげてから言え!」って言ってしまって、「それはさらにハラスメントじゃないか?」って指摘されていたという。だから、そういう切り返しなんですよ。

外務省セクハラ問題と同じ構造

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(プチ鹿島)「『名前を言わなきゃ認めない』っていうのはそれ、セクハラ問題と同じようなハラスメント行為だ」っていう風に石破さんは切り返したんです。なるほどなって思ったんですが。ただ、そのセクハラ問題で言うと、実はその夕方の日本テレビの討論で言っていたこともつながっているんですね。「圧力があったなんて、そんなものは私の時代には当たり前にあった。それぐらい、いまもあるだろう」っていうのはこれ、セクハラがまさにそうじゃないですか。セクハラを認めないおじさんの言い分と同じじゃないですか。

(塩澤未佳子)ああーっ!

(プチ鹿島)「俺の若かった時代、そんなセクハラたくさんあったよ。だからそんなのでいちいち言わないで?」っていう論理と。まさにこっちの方がマズいと思うんですよね。で、僕は最初に公平を期して昔の自民党総裁選のことを言っていました。権力争いがドロドロでした。ただ、あの頃は批判とか……たとえば「中曽根おろし」とか「角栄おろし」「三木おろし」とか、ひとつ失態したら「じゃあ、(疑似政権交代して)うちの親分にやらせろ! 変われ!」っていう、そういうツッコミ、運動が起きたわけです。批判は自由だったんですよ。「総裁選に出るな」とか、そういうのはなかったんですよ。

(塩澤未佳子)ええ。

(プチ鹿島)だからそれを全部、「私の若い頃はもっとすごかった」って言っちゃうのは、今回の総裁選を長く見ていれば見ている人ほど「違うな」って思うんですよね。だって後藤謙次さんだって『サンデーステーション』でこの総裁選を扱った時に「長年取材してきてますけど、今回の総裁選はやっぱりおかしい。ちょっと変わっている」っておっしゃってましたから。

(塩澤未佳子)ああ、そうですか。

(プチ鹿島)うん。見ていれば見ているほど、なんかおかしいなと思うんですよ。だけど「それは自分の若い頃はもっとひどかった。だからそんなのは当たり前だ」みたいなことを言うと、それ、セクハラ親父と変わらないですからね。

(塩澤未佳子)そうねー。

(プチ鹿島)で、さらに「じゃあ圧力をかけたやつが誰か、名前をあげてください。誰ですか?」って言っているわけですよ。「セクハラ被害を訴えている人、誰ですか? 名前をあげてから言ってください」っていうみたいに。

(塩澤未佳子)同じか……。

(プチ鹿島)だからやっぱりテレビ討論って大切ですよね。そういうのを普通に僕ら、まあ死語かもしれないですけど「お茶の間」で気楽に見れるわけでしょう? で、テレビって残酷で目がキョロキョロしているとか……まあ「どっちが」とはいいませんけども。なんかソワソワしているとか。こっちの人の方がどっしりしているなとか、わかるじゃないですか。だってアメリカの大統領選挙がテレビで討論するようになってから、そういうのも重要視されるようになったっていうのがわかるなとは思いましたけどね。

(塩澤未佳子)はー!

(プチ鹿島)なんか、僕がこういう風にちょっと残念な感じで言うのは、そのプーチンさんのあそこで、やられて帰ってきたっていうのが……これ、自民党総裁選でどっちが勝った、負けたでやいのやいの言う、昨日のテレビ討論の感想だけだったらまだ、面白い話ですけども。あの国際舞台で習近平さんもいる前、言い訳のできない場でプーチンさんに仕掛けられて。僕、自分のことを「愛国者」だと思っているんですけど、普段から愛国者だって自分のことを言っている人たち、なんで騒がないんですか? これ、本当に愛国的問題、国益を損なう問題になると思いますよ。ロシアのペースでこのまま引きずられて言ったら。

(塩澤未佳子)そうですよね。

(プチ鹿島)「ああ、もう北方領土? なしなし! 早くお金ちょうだい! ねえ、年内に平和条約、やろうよ!」って。

(塩澤未佳子)言われちゃっているわけですからね。

(プチ鹿島)さらに、昨日・一昨日の話。NHKでの討論だと安倍さんは「いや、あの後にプーチンさんにちゃんと文句を言ったんだ」みたいなことを言っていましたが、ところが昨日……話がまたデカくなってきたんです。ロシアのスポークスマンみたいな人が「いや、安倍さん、そんなのなかったよ」って否定して。だからいままではよ、たとえば加計学園問題で加計理事長と会った・会わないっていうのを、もしかしたら会っていたかもしれない。だけど菅さんとかは「いや、そんな事実はない」とか。なんだったら加計学園の人から「会った事実もないです」って、そういう風にやってきていたのが、見てくださいよ。もう舞台が大きくなればなるほど、そんなの打ち消せないんですよ。

(塩澤未佳子)うわーっ!

(プチ鹿島)ロシアの報道官が「いや、そんな反論、なかったよ?」って言っているわけだから。そうすると他の外国の人が「ん? なんかおかしなこと言ってねえか、日本は」って。なんかいままで知らなくてもいい情報が「なに? なにモメてんの?」っていうことで洗い直されると、いかに危なっかしいことを言ったりやったりしているかっていうのがバレちゃうわけですよ。

(塩澤未佳子)わーっ!

(プチ鹿島)いままで、加計学園問題だったら日本国内で……まあ「済んだ」とはいいませんよ。「はいはい、次、終わり。はい」って言っていたのが、同じ手法は通用しないんですよ。だからこれ、本当に今日は……いつもは野次馬的にお送りしていますけど。これ、もう国際的な舞台でバレ始めてきている。その手法というか。これは僕、やっぱり憂うべきだと思いますよ。愛国者なら。

(塩澤未佳子)うーん……。

(プチ鹿島)本当にに、そういうちょっとブルーな気持ちになりましたね。ということで火曜キックス、スタートです。

<書き起こしおわり>

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