マキタスポーツさんがTBSラジオ『東京ポッド許可局』の曲紹介コーナーでSMAPの初期作品『正義の味方はあてにならない』を選曲。当時のSMAPの立ち位置やその革新性について話していました。
(サンキュータツオ)ここで1曲。今週はマキタ局員の選曲です。
(マキタスポーツ)はい。えー、まあ年明けからSMAPのいろいろな問題がありましたけど。僕はSMAPはですね、すごく自分の歴史上ですよ、いろいろ線上で見えてきて。その成長譚というものを一部始終見ていた。で、僕は90年代の初期からSMAPのことを注目して見ていましたが、ということで、SMAPの昔歌った歌をですね、聞いてみてもらいたいと思います。『正義の味方はあてにならない』。
SMAP『正義の味方はあてにならない』
(マキタスポーツ)さあ、聞いていただきました。
(サンキュータツオ)楽しい!この曲!
(プチ鹿島)いやー、なんですか?これ。
(サンキュータツオ)聞いたことないよ。
(マキタスポーツ)これね、91年に発売されているやつなんですけど。SMAPってほら、巷間言われているようにですね、みなさん、思い出していただきたいんですけど。最初そんなに・・・っていうか。
(プチ鹿島)ねえ。苦労した。
(マキタスポーツ)そうなんですよ。光GENJIショックっていうのがやっぱりね、あったわけで。光GENJIっていうものがひとつの当時のジャニーズ事務所のピークを迎えた後・・・
(プチ鹿島)80年代末ですね。
(マキタスポーツ)SMAPが出てくるにあたって、非常に苦労したという話が言われています。
(サンキュータツオ)忍者もいたもんね。
(プチ鹿島)ああー、忍者、いた。
(マキタスポーツ)ちょっと面白いんですよ。最初からなんですけど。僕はだから位置づけとしてはSMAPというのは、『反ジャニーズ』と言ったらちょっと言葉に角が立ちますけど。いままでのジャニーズ路線とは違う戦略で出てこざるをえなかったということで言うと、『正義の味方はあてにならない』という歌を歌っているということがすごくいみじくも象徴していて。だからその、アンチヒーローであるとか。あと、ファンタジー路線からリアリスティックな方向になるとか。時代の転換点にあって、そういうところの役割を引き受けざるをえなかったポジションとして出てきた、新たなアイコンだったということがまたこれで表れていると思うんですね。
(プチ鹿島)王道のジャニーズ系のアイドルとはまた別の。
(マキタスポーツ)うん。だからそのロマン主義的なものとかではなくて、もっとこうリアルな感じのヒーロー像として。で、まあこの後ですけどね。SMAPが世の中にバーン!と本当に当たるのは後なんですけど。その『正義の味方はあてにならない』という時代のヒーロー、アイコンであったわけですよね。等身大の。
(サンキュータツオ)なんだったら、それまでは『僕が正義の味方だ』ぐらいな?
(マキタスポーツ)そうです。たとえばそれは本当にファンタジーの中の住人としてですね、『僕は君のことを王子様として愛します』みたいな感じのテリトリーにいる・・・
(プチ鹿島)王子様はコント、やらないもんね。
(マキタスポーツ)そう。それが『正義の味方は・・・』。だから、アンチヒーローとしての。だから、キムタクさんとかのお芝居にしてもそうなんですけど。自然主義的なお芝居じゃないですか。なんか、いままでの二の線のお芝居とはぜんぜん違うあり方だったんで。これはだから、お芝居とかのメソッドにしてもそうですけど。なんて言うのかな?彼らが持っている、我々が彼らに要求したものとかっていうのは、本当に見上げるようなヒーローとか、そういうものではなかったということですけどね。
(サンキュータツオ)『ぶっちゃけ・・・』みたいなね。
(マキタスポーツ)そうそうそう。っていうことだったんですよね。改めて、その味わいを、原点に戻して聞いていただきました。
<書き起こしおわり>