プチ鹿島 プロレスと結婚と『逃げるは恥だが役に立つ』を語る

星野源『逃げるは恥だが役に立つ』第7話ラストの意味を語る 東京ポッド許可局

プチ鹿島さんがTBSラジオ『東京ポッド許可局』の『広い意味で論』の中でプロレスと恋愛、結婚とドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』について話していました。

星野源『逃げるは恥だが役に立つ』第7話ラストの意味を語る

(プチ鹿島)僕はね、これ、僕が見つけたんじゃなくて、ある映画を見て「なるほどな」って思ったんだけど。プロレスって広い意味で恋愛と同じだなと思ったんですよ。要は、自分が一方的にやっていちゃダメじゃないですか。やっぱり相手の話もちゃんと聞いてあげる。言い分も聞いてあげる。

(サンキュータツオ)だから「好き」って言われていて、言い続けていても……

(プチ鹿島)ダメじゃないですか。そんなの、成り立たないじゃないですか。

(サンキュータツオ)だし、付き合っていて「好きだよ」って言っていても、そいつが浮気したり不倫したりすることもあるから。迂闊に言っていることを信用しちゃいけないという。

(プチ鹿島)しかも、相手の話を聞く、相手の技を受けるって言っても別にそこはなあなあじゃないわけでしょ? 相手の話を聞いたからといって、関係が成り立つか? と言ったら、そっからねじれる可能性もあるじゃないですか。だからそこは真剣に相手の話を聞かなきゃいけないわけですよ。だから、なんか似ているなと思ったんですよ。

(サンキュータツオ)で、「おい、長州! 俺の方も向けよ!」みたいな。みんなから、「ちょっと待った!」みたいな告白タイムもあり。で、誰と寝るか? みたいなのを決めていくわけですね。

(プチ鹿島)しかも、結果はもう見えているかもしれないけど、プロセスが大事っていうのはまさに恋愛がそうじゃないですか。じゃあもう、リングに上がらないのか?って言ったら、ねえ。上がった方がいいわけでしょ? 僕、それを見て思いましたね。

(サンキュータツオ)そっか。リングに上がってからも、ちゃんと大事だもんね。付き合い始めた、結婚しましたがゴールじゃないっていうことですよね? そっからまたいい試合をしなきゃいけないっていう。まあ、マキタさんは奇しくもね、「結婚は一緒に作る作品だ」って言っていたもんね。

(マキタスポーツ)そうですね。なるほどね。

結婚は一緒に作る作品

(プチ鹿島)結婚に関しては、最近いろいろ僕、ドラマとか見ても思いますよね。契約結婚をテーマにしたあれ、知ってます? 『逃げ恥』っていう……

(サンキュータツオ)ああ、なんかいま人気があるんだよね。

(プチ鹿島)星野源さんと。

(サンキュータツオ)ガッキー、いいよ。

(プチ鹿島)あれなんかさ、要は別に恋愛関係じゃない2人が、いままで散々自分を必要とされなかった人たちが、でも「生きるために契約でお仕事としてひとつ屋根の下に暮らしましょう」っていう……合理性を追求している2人なんですよ。ところが、皮肉なことに結婚って最大の不合理じゃないですか。そこで俺、マキタさんの話を思い出したの。要は、結婚して子供ができたりするっていうことは自分の時間とかめちゃくちゃ奪われる。こんな不合理なこと、ないじゃないですか。

(マキタスポーツ)そうだよ。不合理なことはない。

(プチ鹿島)だけどそこに、なにかかけがえのないものが。それってやっぱり、想像できないですよね。やっぱり1人で合理を追求しようっていう……

(サンキュータツオ)どれだけ人と向き合うか? とかね。思い通りにならないことをどう心の対応をするか? とかね。そういうことを含んでいますよね。

(プチ鹿島)だから結婚も広い意味でっていうか、本当にあんな不条理で不合理なものはないなって最近改めて思うんですよ。だからこそ……あそこは契約書があるから成り立っているんですけど、自分を省みてね、よく契約書がなくて成り立っているなって思ったんですよね。

(サンキュータツオ)なるほどね。「大事にします」とかいう契約書がないからね。婚姻届だけだもんね。

(プチ鹿島)だってそれは「相手は自分のことを必要としてくれるかもしれない」っていう大いなる錯覚じゃないですか。錯覚が、ねえ。

(サンキュータツオ)だから面白いのは婚姻届って、「大事にします」っていう契約書じゃないんだよね。家と家との結婚というだけでも成り立ちますよっていうことを意味しているから。

(プチ鹿島)っていう、だからそれは「広い意味で○○」とはちょっとズレるかもしれないですけど、広い意味で結婚の摩訶不思議さを考えましたよ。あのドラマとかを見て。

(サンキュータツオ)なるほどね。

<書き起こしおわり>

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