DJ YANATAKE Kanye West『ye』『Kids See Ghosts』を語る

DJ YANATAKE Kanye West『ye』『Kids See Ghosts』を語る INSIDE OUT

DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でカニエ・ウェストの新作アルバム『ye』、キッド・カディとカニエのユニットの『Kids See Ghosts』について話していました。

(DJ YANATAKE)カニエ・ウェストのアルバム、先週の時点ではあまり話もできなくて。

DJ YANATAKE・渡辺志保 Kanye West『ye』の第一印象を語る
DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でカニエ・ウェストのアルバム『Ye』の第一印象についてトーク。ニューヨークに旅行中の渡辺志保さんも現地からコメントで第一印象や現地の人々の反応などを紹介していました。 ...

それはなんでか?っていうと、やっぱりトランプさん支持とか、ああいう一連の発言もあってめちゃくちゃ炎上をしましたよね。で、カニエ・ウェストは7曲入りのアルバム『ye』っていうのが6月1日に出ましたけど、その前にみんな、2枚のシングルが出ていたの、覚えていますか?っていうね。『Ye VS. The People』とか。『Lift Yourself』とかっていう曲が出たんですけど……あれとかものの見事にずっこけているでしょう?

https://miyearnzzlabo.com/archives/49919
https://miyearnzzlabo.com/archives/50087

もう、あれとかなかったことになっているでしょう?っていうぐらい、カニエが新曲を出したのにこんなずっこけるのは見たことがないっていうぐらいのずっこけ方をしていたシングルが2枚、出ていて。アルバムには結局入らなかったんだけど。で、だから実際にどういうアルバムになってくるんだろうかな?っていう気持ちもあったし。あと、リリースされたアルバムのジャケットをまずパッと見て「I hate being Bi-Polar. its awesome.」って書いてあって。ワイオミング州の田舎の山の写真の真ん中に字が書いてありましたよね。

I hate being Bi-Polar. its awesome.

あれ、どういう意味なんだろう?っていうのをいちばん最初に調べたんですけど……「躁鬱でいるのは辛く、でも最高だ」っていうような訳があるんですけども。これを見て、カニエは結局今回、自分が躁鬱病だということをすごく言っているアルバムなんですけども。やっぱり躁鬱病とか、さっき「病気の話に触れるのは……」なんて話をしましたけども。すごくそういうの、簡単に触れられないっていうか、そういう感じがして。それで消化するのに時間がかかったというか。

だからとにかく歌詞とかをちゃんと読んでみたいなっていうのがあったので、ちょっと先週ね、上手く話ができなかったっていうか。あと、カニエのアルバムを聞くのにこんな気持ちになるんだ……っていうので、1週間じっくりといろいろ聞いてみたりしたんですけど。うん。で、まあまあアルバムを聞いたらやっぱり躁鬱病の話とかを結構ガンガンしていて。本当になかなか自分の中に上手く入ってこないというか、すごくそういう感覚のアルバムでした。僕的には。

で、自分でがんばって和訳したりとか、あと和訳してくれた人のサイトとかもいろいろと読んだりしたんですけども。なんか、いままでみたいに逆にめちゃくちゃ遠い存在……「俺は神だ!」とか言ってくれた方が、そういう風に楽しめる感じは正直あったんですね。「俺がどんだけすごいか」っていうのだけをひたすら言ってくれたりした方が。でも、今回は病気のことも含めてちょっとリアルに痛いっていうか。それでも俺、いまでも全部わかっていない気がするし。っていうか、全然わかってないし。でもなんか、そういう表現がすごくたくさんあるのがあんまり簡単に……聞いてすぐに「最高だ!」みたいに言えるアルバムじゃなかったっていう感じなのかな? 本当に。

でも、カニエは自分が病気であることとかも逆にそれを「俺はスーパーパワーを持っている。だから普通の人とは違う視点が見えてくるんだ」みたいに言っていてその言い方はすごく面白かったりもするんですけど。でも逆に、なんか物悲しさも感じるラインだったりもして。でもだいぶそういうことで、いまのカニエの精神状態とかもわかってきた気がしたんで。だいぶいいアルバムなんじゃないかな?っていう風に聞けるようになってきたんですけど。なんか結構、勝手に重たく聞いてしまったというか。まあ志保さんの見解も今後聞いていきたいなと思いますけども。

でも本当はもっともっとすごい過激な内容だったという発言もカニエさんはしていて。で、トランプの発言をしてからすごい炎上しちゃって、そこからだいぶ書き直した、作り直したんだっていう話も言っていたりするんで。じゃあ、本当にカニエが言いたかったことって実は今回は言えてないのかな? とか。最初の仮タイトルは『Love Everyone』だっけ? そういうのもあったし、どれが本当のカニエなのかがわからないまま来ているアルバムなんで。うん。複雑な心境で聞いていました。

で、そんな感じでカニエがワーッと話題をかっさらったこともあってプシャ・Tとドレイクも落ち着いたっていうところもあったんですけど。最初、次のアルバムね。6月15日にカニエとキッド・カディのKids See Ghostsっていうユニットでアルバムが出るって言われていたんですけど、これがなんと1週間早まって6月8日にリリースされて。もうたたみかけるようにカニエのアルバムが出たということで。

これはたぶん『ye』よりも先に出来上がっていたんじゃないかな?って感じがしますけど。でも、正直この『ye』も『Kids See Ghosts』を聞いても正直物足りないなって思うことも個人的にはあって。エイサップ・ロッキーの『Testing』とかもそうなんですけど。やりたいことはすごくわかるし、それに向かってやれている感じもするからアルバムっていう作品としてはたしかに素晴らしいんじゃないかと本当に思うんですけど、DJ的にはどうしても一発で、「この曲でバッコリみんなが盛り上がる絵が浮かぶ!」みたいなキャッチーな曲がないというか。ちょっと偏差値が高すぎみたいな感じがしちゃって。

どうしてもDJって「この曲をかけたら盛り上がるな!」みたいな視点で聞いちゃうんで。なんかいまいちそういう曲がないなっていう感じがあります。まあ、いま裏でかけている『Yikes』とかは結構いい感じにはなるかなと思うけど。

それでもいままでのカニエのシングルと比べると……っていうのはどうしてもあるかな? エイサップ・ロッキーもしかりですけどね。なんかそういう風に思っております。でもこれからね、もっといろいろと流行ってくることを祈っておりますが。じゃあ、そんな感じでさっそく曲に行きましょう。こちらも現在聞き込んでいるので、来週あたり志保の話も聞いてみたいと思います。カニエ・ウェストとキッド・カディのアルバムからKids See Ghostsっていう名義ですね。四次元という意味の『4th Dimension』です。

Kids See Ghosts『4th Dimension』

はい。ただいま聞いていただいておりますのはKids See Ghostsの『4th Dimension』でした。結構これ、1930年代の曲をサンプリングしていたりするっていうのもなかなかおもしろいポイントなんじゃないかなと思いました。

<書き起こしおわり>

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