PUNPEEさんがJ-WAVE『SOFA KING FRIDAY』の中でカニエ・ウェストについてトーク。最新作『ye』の話やこれまでのお気に入り作品などについて話していました。
(PUNPEE)そんな、耳も気圧でやられちゃって。「やべー!」とか思っていた……ちょっと偏頭痛だったり気圧の低さでやられていたんですけども。そんな自分の体調とは裏腹にですね、海外の新譜が最近充実していて。ヒップホップですね。ちょっと前のエイサップ・ロッキー『Testing』に始まって。
プシャ・Tの『Daytona』とか。
話題のカニエ・ウェスト『ye』だったりとか。
— KANYE WEST (@kanyewest) 2018年6月6日
次は、もう出ているんですかね? カニエ・ウェストとキッド・クディ(Kid Cudi)の(KIDS SEE GHOSTS)……これ、「クディ」なんですかね? 「カディ」なんですかね? 自分はずっと「カディ」だと思っていたんですけども。最近、知り合いのハリーさんっていう人が「クディです」って、英語をしゃべれる人が言っていて。「あれっ?」って。ウータン・クランのRZAとかも英語圏の人は「リザ」って言っていたりとか。結構永遠に謎に包まれる系の英語の発音……チャド・ムスカ(Chad Muska)っていうスケーターを「チャド・マスカ」って言ったりとか。いっぱいいままでにもあると思うんですけど。どっちなんですかね? キッド・クディ? カディ? うーん、自分はずっと「カディ」だと思っていたんですけど。まあいいや、どっちでも。
で、こちらがみんなカニエと仲がいい方たちなんですけど、全部が7曲で統一されていて。プシャ・T、カニエ・ウェスト、キッド・クディと2人で出した『KIDS SEE GHOSTS』。これもカニエの考えなのかな?って。なんか一聴してカニエさんの今回のアルバムの『ye』は……なんだろうな? Twitterとかでも山に籠もって山の山頂で録るみたいなことも言っていたから、そういう雰囲気で聞けちゃうっていうか。で、ジャケットも山の感じとか。そういう雰囲気を感じさせて聞かせちゃうのはすごいな、面白いな、へーなんて思ったりしたんですけども。
言っていることは結構やっぱりハードなお騒がせな感じというか。ここ最近のカニエさんは結構突拍子もないことを言ったりとか。トランプさんを応援するって言ってそっちの方面の人じゃない人から反感を買ったりとか。
いろいろとお騒がせな方なんですけども。そんなカニエ・ウェストさんがアルバムを出しまして。自分的にはビートは『No Mistakes』っていう曲が好きだったんですけども。
Kanye West『ye』
歌っている内容はなんか、女性のことを結構中心に歌っている『All Mine』っていう曲が結構好きで。
変な歌い方で裏声で入ってきて「♪♪♪♪」みたいな感じで。で、タイ・ダラー・サインがその後にちょっとゲスいラインで女性を口説くみたいな感じの内容なんですけども。ライターの池城美菜子さんという方の『ye』の全曲解説が載っていて。そこで見たのが結構エグいラインなんですけども(笑)。
Ye 全曲解説。
さくっと書こうとしたら、5000字超えちゃった。まぁまぁ面白く書けたと思うので、宜しくお願いします。https://t.co/6IhhoZih49
— Minako Ikeshiro (@minakodiwriter) 2018年6月3日
「ケリー・ワシントンと撮られたら大スキャンダルだよな/ナオミ・キャンベルとだってつき合えるしストーミー・ダニエルズだってイケるかも」みたいな。でも、ストーミー・ダニエルズという方は自分もここで……すいません。情報不足ではじめて知ったんですけども。昔、トランプさんと関係を持ったという噂があって。それの口止め料をもらっていたんですけど怖くなっちゃってメディアに出てきたというポルノ女優の方らしいんですね。このストーミー・ダニエルズさんっていうのは。で、その名前を、「ストーミー・ダニエルズだってイケるかも」って言っている時点で、カニエはあんまりトランプさんを支持しているけどこういう名前を出しちゃうっていうところとかがなんかカニエっぽいなみたいな感じで聞いたりしていました。
あと、自分がgeniusとかを見ていてよくわかんなかったラインは「I love your titties ‘cause they prove I can focus on two things at once」みたいなのがあったんですけど、「自分はあなたのおっぱいが好き。なぜなら、自分は一度に2つのものに集中できると証明してくれるから」みたいなラインがあって。なんか突拍子もないことを言ってんなって思いながら聞いてましたね。でも、その前のラインで「Let’s have a threesome」って……「threesome」っていうのはたぶん3人でいろいろとすることだと思いますけども。この「3」から「your titties」で2つ、「two things」になって。最後に「一度に(at once)」ってなって。その3、2、1……みたいな感じできっとかけているというカニエらしいリリックなんだと思いました。
で、メッセージも来ていて。神奈川県の男性の方ですね。「いつも寝ている嫁を起こさないようにイヤホンをしながら聞いております。ワンマンライブもよかったです。考え込まれた演出にうっとりしてオーディエンスと一緒に揺れていました。最高の時間でした。今回も演奏したMPCに関して質問をしたいのですが、はじめてサンプリングした曲はなんですか? またカニエが好きだと思われるのですが、カニエの曲で好きな曲は何ですか?」というメッセージがちょうど来ていてました。
MPCで何をサンプリングしたかはあまり覚えてないですけども。たぶん家にあった童謡とかのレコード。『3匹の子豚』とか、意外といいフレーズが入っているんでそういうところからしたと思うんですけども。で、カニエの中で好きな曲は、カニエのアルバムでいちばん好きなのは『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』っていう……何枚目のアルバムだろう? 忘れてしまったんですけども。
『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』
当時、出てき始めていたニッキー・ミナージュとかすごいフレッシュに入っていて、自分は『Runaway』とか好きな曲が入っているアルバム。
ファーストアルバムの『College Dropout』も結構リアルタイムで聞いていて。当時、ジェイ・Zの『The Blueprint』で華々しくカニエ・ウェストとジャスト・ブレイズがプロデューサーとして出てきて。「うわっ、すげえ! こんなヤバい2人がネプチューンズとかティンバランドの後に出てきた!」って思った記憶があります。
で、自分のいちばん好きな曲というのはカニエのラップの曲じゃなくて、ここであえてプロデュースをあげさていただこうと思うんですけど。タリブ・クウェリの『Get By』という曲のビートをカニエがやっているんですけども。これはもしこれからライブをする、ラップを始める人とかいたら、このインストでライブでやってみたりしてもかっこいいんじゃないかなとか思う曲です。というわけで、自分が好きなカニエのプロデュースの曲ですね。タリブ・クウェリで『Get By』をお聞きください。
Talib Kweli『Get By』
というわけで聞いていただいたのはタリブ・クウェリで『Get By』。結構初期のカニエ・ウェストがプロデュースを――まあ「初期」っていっても2000年以降ですけど――プロデュースをしております曲をかけさせていただきました。この曲のリミックスでモス・デフとかバスタ・ライムズとかジェイ・Zとかカニエ自身がラップしているものもあって。タリブ・クウェリはジェイ・Zと比べて全然アンダーグラウンドなラッパーなんですけど、やっぱりビートがかっこいいとみんなそういう有名でメジャーでやっているジェイ・Zとかも乗ってきちゃうっていうところが結構胸アツだった記憶があったりもします。他にもたくさん好きなカニエワークス……もちろん、ジェイ・Zの『IZZO』だったり。あとはコモンの『Be』もそうだし。
コモンのその『Be』っていうアルバムはほとんどやったりとかしていて。それもすごいかっこよくて。あと、コンシークエンスっていうカニエのレーベルから一時期デビューしたラッパーのアルバムとかも結構かっこいいビートがあったりとかして。
ファーストアルバムの『College Dropout』を出した時って結構「ラップがヘタクソ」ってみんなに言われていたんですよね。バシバシとハメていくナズとかクール・G・ラップとか、そういうのとは違って、結構間があったりとか。声とかもちょっとナヨっとしている感じだったから、「ラップはやめておけ」みたいな感じで結構批判されていたような気がします。でも、その後にフォロワーのルーペ・フィアスコだったりとかいろいろ出てきたりして。
『808s & Heartbreak』っていう全部をオートチューンで歌っていて。当時は「こんなの全然理解できない。よくわかんない」って言われた、全編オートチューンで歌ったアルバムを突然出したりして。でも、それがいまは結構フューチャーだったりとか、そういうのがスタンダードになっているって考えると、やっぱりこの人ってすごいなっていう。毎回、なんか意識を変えさせるようなことをする。でも、思想的には「それ、大丈夫?」みたいなのが結構あるんですが。自分はいろいろと「うーん……」って気になってしまう存在のカニエ・ウェストさんでした。
<書き起こしおわり>