モーリー・ロバートソンさんがblock.fm『Morley Robertson Show』の中でカニエ・ウェストのドナルド・トランプ大統領支持表明について話していました。
(モーリー・ロバートソン)「人生一度きり」っていうことを最近、よく口にするようになったんですけども。本当にね、人生はまたたく間で短いっていうことがわかったんですよ。ちょうど30年前の1988年のこの頃、僕はアメリカのハーバード大学をアニメーターとして卒業しました。それから、まだ1本もアニメを作っていないんだけど(笑)。なんのために勉強をしたんだろう? みたいな。電子音楽をやっていたんだよね。それがいま、ダブステップとかDJとかトラップをやっているのは、そこはなんとなくつながりは感じられるんですけども。
やっていたことが、「ああ、またいつかちょっと時間ができたらアニメーションを作ろうかな」とか思っている間に大学の頃にやっていた16ミリフィルムで撮影するという仕組み、16ミリそのものが市場から消えてしまい。16ミリの映写機なんてございません。カメラもございません。で、みんないまやるとしたらデジタルだよね。カメラを向けながらきっとフォトショップかなんかでコマ撮りをしていくんだろうと思うんだけど、そこまで行く根気も興味もなくなってしまって。もうどんどん変わっていくわけですよ。人間っていうのは。
で、それが本当に実に88年から30年もたっているんだけど、いま30才以下の人っていうのは私がまたたいた間に生まれたっていうことになるんですよね。だから本当にいまハタチの子っていうのは気づいたら30年後。つまり50才になっているっていうのがあっという間に来るということだから、自分がやりたいことを「いつか」っていう風に先送りしない方がいいぞっていう話なんです。それで「じゃあ先送りしない、いますぐやるんだ」って言っても、結局若いとフォーカスがないわけですよ。目の前に何をすればいいのかとか何をしちゃいけないのかっていうこともわからなかったりするから。
で、いちばんいいのはやっぱり自分のメンターになる人物にとにかく突撃して、その人に弟子入りして、いろいろと教えてもらってそれを超えるっていうことなのね。ところが、自分の経験でもわかるように結局その弟子入りしたくなるおっちゃんだったりが結構カルトの教祖だったりするわけ。あるいは詐欺師だったり洗脳をされたりとか。やっぱりあるわけよ。それもくぐるのがブートキャンプで、まあそういう考え方になっていくのかな? だからこの世の中にまんべんなく、運動も勉強もできて性格もよくって穏やかで幸せに……っていう、なんか『瀬戸の花嫁』のような生き方のコースってなかったりするんだよね。
最近、カニエ・ウェストっていうアメリカのメガスターがメルトダウンを起こしているのがちょっとアメリカのニュースを賑わせているんですけども。彼はいきなり最近、トランプ大統領支持になったんですね。
急にドナルド・トランプ大統領支持になる
we got love pic.twitter.com/Edk0WGscp6
— KANYE WEST (@kanyewest) 2018年4月25日
で、トランプ大統領っていうのは非常に黒人に対して厳しい政策をとっていたりとか、非白人全体……アメリカでは非白人のことを「People Of Color」っていうんですね。「有色人種」っていう風に日本語ではなるのかもしれないけど。その人たち全般にとっても厳しい政策を打ち出しているので、だいたい黒人の人っていうのはトランプに対して批判的なんです。
ところがカニエ・ウェストが本人の心情でいきなり「いや、アメリカは偉大にならなきゃいけない。僕とトランプ大統領はお互いにドラゴンソウル(龍の魂)を持っている仲間なんだ」みたいなことを言って、そういうツイートを始め。いちばん直近だと「奴隷制はあれは黒人の側にも問題があって、自分たちで選んだんじゃないの? そうじゃなきゃ400年も続かないでしょう? なんかやっぱり居心地がよかったんじゃない? 奴隷制って」みたいなことを言って他の黒人から「ワーッ! 黙れ! 冗談じゃない!」ってなって。
で、「どうしてカニエはこのようにメルトダウンをしてしまったのか?」みたいなのがアメリカの『Vanity Fair』みたいな芸能ニュースにいっぱい出ているんですけども。そこで分析されている中でひとつ面白かったのが、要はあまりにも自己実現度が激しいアルファ・メイル。アルファなパワーを持った、自分の弱いところを全て克服してスターになった人っていうのはあまりにも個人主義というのが強すぎて、人間の属性を超えてしまう。だから普通の意味での「弱い人を助けよう」っていうのがなんかまどろっこしくなっていくわけね。
「弱いやつらにチャンスを与えても、最初からチャンスをモノにしないから弱いんじゃないのか?」みたいな視点に雲の上からなっちゃうわけですよ。で、そういう気持ちに自分も実はだんだん最近なっていって。世の中のモテない人に彼女や彼氏をあてがった方がいいのかな……って。フェイスブックがなんか最近出会い系の機能を追加するなんてニュースを読んだ時に「なんでモテないやつらにパートナーをあてがうんだよ? そんなやつら、一生寂しく暮らしていればいいんだよ」みたいについ思ってしまう脊髄反射のカニエ・ウェストの僕がいてですね。「ああ、ヤバい! カニエは狂っている! でも、俺もキチってる!」みたいに。どうしよう……みんな、僕に人生のアドバイスをください。ということで1曲目、最高にいいのを見つけました。強烈です。Chimeの『Double Jump』!
Chime『Double Jump』
<書き起こしおわり>
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