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荻上チキ TOKIO山口達也 謝罪会見報道とネットの反応を語る

荻上チキ TOKIO山口達也 謝罪会見報道とネットの反応を語る 荻上チキSession22
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荻上チキさんがTBSラジオ『Session-22』で女子高生に対する強制わいせつの容疑で書類送検されたTOKIOの山口達也さんの問題についてトーク。謝罪会見報道やそれを受けたネット等の反応から、いくつかのポイントを抜き出して話していました。

(荻上チキ)さて、今日はですね、いろいろな報道のされ方や反応のされ方を含めて、コメントしたいものがあるんで。オープニングでね、南部さんと話していこうかなと思うんですけれども。

(南部広美)ええ。

(荻上チキ)ジャニーズのね、人気アイドルグループ……バンドグループTOKIOのベーシスト、山口達也氏が実際に未成年に対して性的要求を行い。酒を飲ませたなどとして実際に問題化しているわけですね。で、具体的なそうした性的加害に関しては、具体的な容疑があるということで。その容疑は山口氏は認めているということになっているようなんです。昨日の夜にこれがわかって、今日会見があったんですか?

(南部広美)そうでしたね。

(荻上チキ)どんな会見だったんですか?

(南部広美)午後2時ごろ、山口さんが謝罪をするっていう形で。で、メディアが多数。

(荻上チキ)ズラリと来ていて。200人を超えたみたいですね。他にもバンドメンバーの担当している番組とかもあったりするわけでしょう?

(南部広美)はい。それぞれその番組がどういう風に今後、するのかっていう判断を発表したりなんかっていう風に報道はなっていましたけどね。

(荻上チキ)なるほど。はい。他にもほら、他のメンバーもいるじゃないですか。その人たちもコメントとかを出していたということのようですね。で、その会見と、それから今日の1日のテレビというのは私、ずーっと出ていたので見れていないんですけども。

(南部広美)ああ、報道には触れられないという。

(荻上チキ)そうなんですよ。南部さん、見ていてどうでした?

(南部広美)うーん……なんて言ったらいいんでしょうね。あの、もちろん社会的にとても影響の大きなアイドルっていう立ち位置ですし。年齢的にも社会的にも大人という立場なので、その件に関して謝罪をするっていうことはとても必要なことなんだろうという風に思いましたけども。

(荻上チキ)それに対する反応とかは、どうだったんでしょうね?

(南部広美)反応というと?

(荻上チキ)たとえば、コメンテーターの人とかさ。

(南部広美)ああ、そこは見ていないですね。

(荻上チキ)ああ、本当? そこ、気になるね。いや、今回いろいろ、テレビのたとえば芸能界とか諸々ニュースとかのコメントの仕方とかもいろいろと気になるんですけれども。僕はネット上の反応とかを見ていたんですよ。で、いろいろな反応がある中で、いろいろと整理されないまま議論が進んでいるということが気になるわけですね。僕は直接見てないので、記事とかあるいは発表されたもの、あるいは反応を見て知ったことではあるんですけれども。まず、その未成年の少女とは番組上で出会ったということですよね。加えて、飲酒を求めた。しかも自分が退院した直後に飲酒を求めていて、退院をする前の入院の理由のひとつが肝臓の問題だったということですよね。

(南部広美)はい。

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「依存症」報道する場合のポイント

(荻上チキ)というようなことから、アルコール依存症が疑われる状態であるっていう話がまず1個あるわけです。で、この「依存症」という話にするのであれば、依存症に関するしっかりとした情報提供と、それから依存症全体がどういった問題なのか? 依存症っていうのは治すために治療をすることが必要……「治す」というか「回復」が必要なんですね。完治することはないので、どうやって依存症を受け入れて、回復していくか? ということが必要なんですが。そうした情報を、例えばひとつの犯罪報道としてのみ済ませてしまってはいけない。これはいつも言っていることですよね。

松本俊彦と荻上チキ メディアの薬物報道の問題を語る
国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦さんがTBSラジオ『荻上チキSession22』に出演。荻上チキさんとともに、メディアの薬物報道の問題点などについて話していました。

(南部広美)はい。

(荻上チキ)その「出口を示す」っていうことがメディアには求められるという風に思うんですね。今回、この犯罪報道なんだけど「芸能スキャンダル」っていう文脈でも取り扱われがちな気がするわけですよ。でも、芸能スキャンダルっていう文脈になったがゆえに、なんか犯罪報道だったらしないであろう取材の仕方っていうものをガンガンするっていうことがありえたりすると思うんですね。具体的には、たとえば今回、周りで共演していたタレントさんとかがいるわけでしょう? 未成年の。

(南部広美)ああ、はいはい。

(荻上チキ)そうした人たちの(SNSの)アカウントとかを見つけて、その人たちに取材依頼とか、あるいは一般の人たちもどんどんどんどんリプライを送ったりしていて。「あなたですか? どうですか?」とか、「コメントを聞かせてください。どうですか?」みたいな。それは結果として(被害者などの)特定につながっていくという動きになるんですけども。まあ、そうした動きを見せていたわけですよね。で、こうした依存症の話っていうのもっとしっかりと取り上げてほしいなという風に日々、思っているわけですが。じゃあ、お酒だったから、依存症だからその行為が許されるかというと、当然そんなことはないわけです。「飲んでいたんだから仕方がない」とか「飲んでいたから軽率だった」ということではないんですよね。

(南部広美)うん、うん。

(荻上チキ)そこは決してセットにしてはいけない問題で。「依存症の回復は重要ですよね。そのことを認めていきましょうね」って話と、それとはまた別の加害とそれを否定するようなやり取りっていうのは分けなくてはいけない。今回、たとえば反応の中で、TOKIOってアイドルでしょう? 人気じゃないですか。「そういった人気のアイドルに対して迫られたことはむしろ得に考えるべきだ」みたいなことを言う人もいるわけですよ。

(南部広美)ええっ!?

(荻上チキ)まあ、あるいはファンの中のごく一部ではあるんですけれども、「自分だったら受け入れる」とかあるいは、逆に「自分がファンである、あの人を告発するなんて!」みたいな形の人もいる。ごく一部ですよ。多くの人たちはショックとその後のいろいろな支え方みたいなものを考えています。

(南部広美)はい。

(荻上チキ)あるいは、ファンでもないけどそういったことを言う人もいるわけですよね。それは、いろいろ二重、三重に問題がありますよね。つまり、周りの側が「あの人なら加害者じゃないだろう」とか、「あの人ならそんなことをしない」とか、被害者の人が被害を訴えているということを否定するっていうことになるわけじゃないですか。

(南部広美)そうですね。その当事者じゃない外側が……っていうことですよね。

(荻上チキ)そうですね。で、今回は加害の側が認めてるわけでしょう? ということは、周りがさらなる二次加害をするとか、二次被害を生むっていうことは不必要なコミュニケーションじゃないですか。そうしたような状況の中で最近ね、その覚えたての言葉なのかわからないですけれども「ハニートラップ」っていう言葉を使う人が多いんですよ。

(南部広美)ハニートラップ?

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「ハニートラップ」という言葉を使う人たち

(荻上チキ)要は、「ハニー」っていうのは「女性」。「トラップ」っていうのは「罠」。「女性が性的魅力を使って相手を罠にはめること」っていうことなんですけども、ハニートラップという言葉を使って要は「被害者の方の意図的な冤罪事件だ」っていうようなことにするであるとか、あるいはそこまでの意図がなかったとしても、「そもそもそういったシチュエーションを作り上げた時点で罠だ」っていうようなニュアンスで言う人がいるわけですね。

(南部広美)うーん……。

(荻上チキ)意味、わかりますか?

(南部広美)えっ、被害と加害が逆転しているっていうことを言いたいっていうことですか?

(荻上チキ)そう。逆転するということ。加えて、「その加害というものが致し方ないことだ」っていう風に言うことになるんですよ。これ、福田財務次官の問題の時にもそういった議論が出てきていますけども。要は、「そういったシチュエーションで(お酒を)飲んでいる男がいるならば、そうなるということがあり得るというのはわかったはずだ。その目の前に魅力的な女性が来たならば、そういう風になることは致し方ない」みたいな形になるわけですね。これは全ての男性、全ての女性に対して問題になる発言。そんなことをしない人だってたくさんいる。

(南部広美)そうですね。

(荻上チキ)そして、「そういったことを全部想定した上で、そういったシチュエーションになったんなら受け入れなければいけない」っていう発言自体がそもそもおかしいわけですよね。だからたとえば「呼び出された時点で断るべきだった」とか、そうした話があったりするわけですけども、番組共演をずーっとしていて、しかも一回り以上年上のお父さんぐらいの世代の人に呼ばれて、「遊びにおいでよ」みたいな感じだったら、それは断りづらいっていうのもあるかもしれないし、信頼しているからうれしいっていうのもあるかもしれないし。いろんな感覚っていうのがあったりしますよね。

(南部広美)その当事者の方じゃないとわかりえないことですよね。外から「こうだったろう」「ああだったろう」とは言えないことですよね。

(荻上チキ)そうですよね。あとね、「他人にとってはアイドルかもしれないけれども、自分でただのおじさん」っていうようなケースって腐るほどあるんですよね。そうしたようなこととか、あと今回、「キスしてしまいました」っていう説明をたしかしていたと思うんですけども、性暴力の中でたとえば「キスぐらいで……」みたいな形で反応するみたいな。そんな風に言う人もいたりする。で、それの延長線上で「この人はキスで捕まったのに、あっちの方はこれで捕まっていない。これはおかしいじゃないか!」みたいな。人と比べて、どっちの方が軽くてどっちの方が重くて。「重いはずのあいつは逃げているじゃないか!」とか。「重いはずのあいつはまだ認めていないじゃないか!」みたいな議論があって。その言い方っていうのは、被害を結果として比較していることになるんですよ。

(南部広美)そうですね。全く違うことを。

(荻上チキ)だから、また別の性暴力を許せない!っていう、言いたいことはわかるんですけども、でもあえて並べることによって二次被害をむしろ生んでしまう側にそれがなってしまうんですね。結果として。というようなことも含めて、いろんな定形の言葉みたいなものが噴出してしまっているんですよね。で、その中でいろいろと、たとえばジャニーズっていう非常に影響力があって大きな事務所だから芸能関係のいろんな問題点っていうところに焦点が当てられた議論もあったりして。まあ、そういった議論はどんどんやった方がいいと思う。妙なタブーとかはいらないと思いますし、あとはメディアによって、あるいは事務所によって、「この事務所の不祥事は報じるけど、この不祥事は報じない」みたいなそういうバランス感覚があって。僕はわからないですけども。まあ、ありそうですよね?

(南部広美)どうなんでしょうかね。「忖度」っていうんですか? 

(荻上チキ)いや、もっと具体的な「握り」ですよ。

(南部広美)あと、その関係性っていうんですか?

(荻上チキ)ええ。っていうものが、たとえばこの日本社会とかでね、存在するとするならば、そもそもスキャンダル的なものとかいろいろな報道をどの価値報じるがあるのか?っていうものはまた別問題としてあるとしてですよ、でも「あそこだからやめよう」「あそこはやめよう」「あそこはやってやれ」とか、そうした線引きが個別の権力関係によって発生してしまうんだったら、それは「パワーハラスメント」の構造を芸能界全体で生んでしまうということにもなってしまうので、それもまた問題ですよね。

(南部広美)うんうん。

(荻上チキ)かと言って、そういったスキャンダル報道をバンバンやれ!っていうかというと、それまた別のハラスメントを生んでいるっていうメディア業界の問題もあるから、それはまた別の議論ではあるわけです。だからちょっと簡単にまとめますと、「依存症」という観点からの丁寧な報道、これはメディアに対して求めなくてはいけないなと。

(南部広美)そう。発言の中に「アルコール」とか「入院していた」っていうこととかがあってのことですからね。

(荻上チキ)そうですね。「お酒を飲んでの失敗」みたいな言葉で矮小化しない方がいいです。これはアルコール依存症の問題でも、それから性加害の問題でも、どちらでもそうですね。で、そしてその性加害の問題については当事者同士が話し合っていくっていうような状況の中で、周りは特定をしたりバッシングをしたり、「こうだろう」っていうような話をするのではなく、あるいは「呼び出されて行ったことが悪い」云々とかっていう話をするのではなく、「どういう風な知識とかコミュニケーションが必要なのか?」っていうことを話し合っていくことが必要なんですよね。

(南部広美)うんうん。アルコールの依存症云々に関しては、ご本人はそこまでではないっていう風に発言をしていたと記憶してるんですけども。認めてはいないというか。

(荻上チキ)そこは一般的な問題としていまはコメントしますが、ただその「アルコール依存症だから無害。無実、無罪」とかそういったことでは一切ないし、それを逆に言い訳にするようなことになったならば、それはむしろ大問題だという風なことは言っておきます。ただ、いろんな問題が同時に起こっているので。以前から繰り返している、二次被害を生まないために、そうした書き込みなどがあったら粛々とSNSに通報するなり、あるいはミュートにするなり、いろいろな書き込みを自分では拡散しないなりっていうことを心がけることが必要かなと思います。

あとね、こういったニュースを見て、いろいろとたとえばお子さんとかね、身近な人に声をかけるご両親とかいると思うんですよ。「気をつけなよ」みたいな感じのコミュニケーションする人もいるかもしれませんが、その時にちょっと注意してほしいことが僕、あるわけですよ。

(南部広美)はい。

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身近な人と話し合う時の注意点

(荻上チキ)たとえばね、僕は自転車を盗まれたことがあります。で、泣きながら家に帰りました。その時に、たとえば親にね、「なんで鍵をかけなかったの?」っていちばん最初に言われて二重にショックだった、みたいなことがあったりするわけですね。

(南部広美)ああ。「それはあなたの責任」って言ってるようなものですもんね。

(荻上チキ)あのね、盗まれた理由のひとつにそれがあったとしても、責任は自分にあるわけではないということってあるじゃないですか。それと同じで、悪いのはあくまで盗んだ人。悪いはあくまで加害をした人。いろいろと「自衛のためにこういったことに注意しましょう」っていう注意情報として伝えるのはいいわけですけど、「被害にあった人にはこんな隙があった」みたいな形で叩く材料にするのって違うわけですね。

(南部広美)うんうん。

(荻上チキ)だからなにかそういうことがあって、こんなことが嫌だったんだっていう時に「気をつけなさいよ」とかじゃなくて、「ああ、それは嫌だったね。身を守るためにはこうで、こうでね」っていうような形で、説教ではなくて情報提供みたいな。

(南部広美)そうか。なんか思わずというか、全くそこに傷つくと思わずにパッと出てしまうことって、親の側というか大人の側の立場として、あるかもしれないなっていま、話を聞きながら思いましたけども。

(荻上チキ)「ああ、それは嫌だったね」とか「ああ、帰ってくるの大変だったね」とかさ。自転車を盗まれたらね。みたいな、そんな一言から入れるいろいろな今後の話とか。「どうしようか?」っていう話もできたりするわけだからね。

(南部広美)そうですね。心配であるがあまり、「ダメだよ」っていう言い方から入ってしまう親御さんっていうのは、もしかしたらね。

(荻上チキ)そうですね。だからそういったコミュニケーションのやり方もいろいろとね、考えていかなくてはいけないと思いますが……。

<書き起こしおわり>

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