渡辺志保・DJ YANATAKE 2018年初頭の最新ヒップホップ話題曲を語る

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渡辺志保さんとDJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で2018年開始から2週間でリリースされた最新ヒップホップ楽曲の話題曲を特集していました。

(渡辺志保)みなさん、改めまして今年もよろしくお願いしますというのと、今日の放送の内容を何にしましょうか?っていうのをヤナタケさんともお話をしまして。『”RAP”三昧』の現場でも話したんですけど、正月明けて数日もたたないうちからビッグチューンがわんさかアメリカの方では発表されていましたので、この約2週間の間で発表された曲のみで60分、構成しようかと。

(DJ YANATAKE)なので『”RAP”三昧』の続きと言ってもいいんじゃないですかね。これは。

(渡辺志保)そうね。2018年はこうなっていますという感じです。じゃあ、とりあえず1曲目を聞いていただきましょうか。これ、みなさんもすでにチェックしてるぜ!って方も多いんじゃないでしょうか。1月4日に発表された楽曲なんですけども、なんと去年傑作アルバム『DAMN.』、そして傑作アルバム『Ctrl』を発表したこの2人が、正月早々また動き出したという。よう働くな……っていう感じがしますけども。ケンドリック・ラマーとSZAが一緒になってシングル『All The Stars』を発表したと。これ、来たる日本公開は3月ですかね? マーベルの新作映画『ブラックパンサー』という黒人ヒーローの映画のサウンドトラックをケンドリック・ラマーと彼のレーベルのTDEがプロデュース&キュレートするということなんですよね。

(渡辺志保)で、その第一弾としてこの『All The Stars』が発表されたと。ちなみにサントラは2月9日発売ということで。いまiTunesのページとかを見ると、真っ黒なジャケ写。あと、この『All The Stars』とそして、先週の金曜日に第二弾で『King’s Dead』。これがケンドリック・ラマー、フューチャー、そしてジェームズ・ブレイク、あとジェイ・ロックの曲もいま発表されていて。その2曲だけが聞ける形になっていて、あとはトラックリストもシークレットになっているんですけど、もう予約注文は受け付けています。

(DJ YANATAKE)あと、もう1個ね、新しいトレーラーを見るとケンドリック・ラマーとヴィンス・ステイプルズがやっているだろうという曲がトレーラーの裏でかかっているんだけど、ハウスなんだよ。4つ打ちなんだよね。

(渡辺志保)おおーっ、そうなんだ!

(DJ YANATAKE)それもここに……『ブラックパンサー』のトレーラーで使われているから入ると思うんですけどね。また新しい感じでやってるのかな?

(渡辺志保)ねえ。そうそう。

(DJ YANATAKE)ただ、アルバムのコンセプトにとらわれずにサントラとかでやる新しいケンドリックとか、ちょっとチャレンジングなこととか。

(渡辺志保)そうそう。楽しみなんですよ。で、この『All The Stars』ともう1曲出ている『King’s Dead』に関してもケンドリックのラップは全然フロウとか歌詞の内容も違うので。本当にいつ録ったんだろう?っていう。『DAMN.』をいつ作って、いつからこの『ブラックパンサー』のサントラ用に曲を録り始めたのか、すごい恐るべし、ケンドリックの才能……っていうね。まあ、ツアーもやりながらというところなんで、ちょっと2月9日に発売されるサントラも楽しみですというところで、今日の1曲目を聞いていただきましょう。ケンドリック・ラマー&SZAで『All The Stars』です。

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Kendrick Lamar, SZA『All The Stars』

(渡辺志保)はい。いま聞いていただいておりますのは1月4日に公開されたシングル、ケンドリック・ラマーとSZAで『All The Stars』。From オリジナル・サウンドトラック『ブラックパンサー』という感じですけども。

(中略)

(DJ YANATAKE)SZA、いいですよね。俺もDJとかでよくかけてますよね。

(渡辺志保)いや、本当そう。まあこのSZAの話とかは先週、先々週ぐらいにたくさんしましたので。また、2018年もすごく活躍が楽しみです。

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(渡辺志保)では、ちょっとSZAの話が出たところで、またちょっと女性シンガーの曲をかけたいと思うんですけども。カミラ・カベロ。いま、バックでデビューシングルの『Havana』がかかっていますけども。

(渡辺志保)カミラ・カベロは元フィフス・ハーモニーですよね。ガールズグループの。フィフス・ハーモニーを脱退……どんなドラマがあったかわかんないですけども、脱退して、彼女がソロデビューしました。ちなみに、ガールズグループから脱退してソロデビューするパターンってあんまり上手くいかないという……。

(DJ YANATAKE)たしかに、たしかに。

(渡辺志保)まあ、みんなそう思っていると思うけど。たとえばプッシーキャット・ドールズのニコール・シャージンガーとかも、なんかずっとアルバム準備中でね、結局いつ出たんだろう?っていう感じだし。で、ビヨンセの場合はずっと彼女もデスティニーズ・チャイルドとビヨンセの活動を両立していたので上手くいったのであってというところもあるし。なんだけど、このカミラ・カベロ、1月12日にソルアルバム『Camila』がリリースされたと。かつ、先週のビルボードチャートを見るとこの『Havana』が3位だったのが2位に上っていて。結構なんか、本当にラッキーパンチが続いているというか。これも彼女の実力と人気ゆえなのかな?って思っていて。その『Camila』が発売されたんですけど、なんとこの中に『Inside Out』というタイトルの曲があるんですよ。

(DJ YANATAKE)うんうんうん。

(渡辺志保)で、『Inside Out』ってまるっと内側から外側にひっくり返すみたいな意味もあるし、「丸ごと」っていう意味もあるんですけど、「あなたのことを表から裏までまるっと愛したいのよ」っていうすごいストレートなラブ・ソングで。なんかね、デビュー当時のリアーナが歌ってそうな、ちょっとカリビアンテイストを感じさせるようなすごく清々しいナンバーになっておりますので。ちょっとこれは2018年『INSIDE OUT』の景気づけにお送りしたいと思います。聞いてください。カミラ・カベロで『Inside Out』。

Camila Cabello『Inside Out』

(渡辺志保)いまお聞きいただいておりますのはカミラ・カベロのファーストアルバム『Camila』より『Inside Out』を聞いていただきました。

(DJ YANATAKE)めっちゃ『Inside Out』だね(笑)。

(中略)

(渡辺志保)というわけで、すごく清涼剤のようなカミラ・カベロの『Inside Out』を聞いていただきまして。もうひとつ、モンスターチューンをここでかけさせていただきたいんですけども。みんな、これもう聞いてるし、めっちゃミュージックビデオも見ているんじゃないでしょうか? ブルーノ・マーズ『Finesse Remix』。フィーチャリングがなんと、カーディ・B!

(DJ YANATAKE)キターッ!

Start your 2018 with Big Bronx Boogie Herself @iamcardib and me Midnight Tonight EST #Finesse

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(渡辺志保)キターッ! これ、結構たまげたよね! で、もともとね、ブルーノ・マーズが去年リリースした『24K Magic』のアルバム全体が80年代終わりぐらいから90年代初頭ぐらいの、まあニュー・ジャック・スウィング的な世界観を反映した作品ということで。で、最新シングルとして『Finesse』を切った。かつ、それにカーディ・Bのラップを乗せて。さらにめっちゃバチコーン! なミュージックビデオもリリースしたということで。で、ビデオの内容もすごく90年代ライクなんですけど、これは元ネタがありまして。『In Living Color』っていうドリフターズ的な? コントあり、歌ありみたいな。まあ、よく言われるのは黒人版『サタデー・ナイト・ライブ』っていう風に言われるんですけども。それが元ネタなんですよね。

(渡辺志保)で、『In Living Color』って、ジム・キャリーを輩出していたりとか、ジェニファー・ロペスもキャリアのスタートがこの『In Living Color』でのダンス。踊り子ちゃんのお仕事というか。それがJ・ローのキャリアのスタートだったりしますし。あと、ブラックムービー界ではすごく有名なウェイアンズ家っていうのがおりまして、そのウェイアンズ家のみなさんが作ったドラマだったりするんですけども。

(DJ YANATAKE)あと、ジェイミー・フォックスとかね。

(渡辺志保)そうそう。ジェイミー・フォックスも。かつ、いろんなミュージックゲストも毎回出ていたんですよ。で、結構有名なのが2パックが出た回があって。それ、ジェイミー・フォックスと2パックが一緒に面白いことをやっているというようなエピソードもありまして。

(渡辺志保)私ももちろん、リアルタイムで見ていたわけじゃないので。後から追いかけた情報なんですけども、まあそういう90年代の金字塔的バラエティー番組の『In Living Color』をオマージュしてブルーノ・マーズがビデオを作ったと。で、ちゃんと彼もTwitter上で「僕の人生でいちばん好きなテレビ番組を題材にしました!」とか言って。で、そのウェイアンズ家のメンバーも「本当にエモーショナルや!」みたいなことをTwitterで返していたりもしていて。本当にこういうみんながハッピーになるプロジェクトってすげえいいな!って思ったんですよ。

(DJ YANATAKE)うんうん。

(渡辺志保)で、かつ、カーディ・Bのラップよ。まあ『Bodak Yellow』とか『Bartier Cardi』とかもそうだけど、やっぱり彼女のフロウって本当にイマっぽい。ぶつ切りのような、ちょっとマンブルっぽいラップだったりするんですけど、ちゃんとこの『Finesse』のリミックスのカーディはその当時のラップマナーに則ったフロウとか。まあでも、使っているスラングとかワードなんかは本当にバリバリにイマっぽいんだけど。ちょっと最後にブリッジで「On and On and On…」みたいな感じを入れるところかも本当に、あの時のロクサーヌ・シャンテ。あの時のMCライト……。

(DJ YANATAKE)結構ね、レフト・アイ感があるよね。

(渡辺志保)ああ、そうそうそう。92年ぐらいのTLCデビューした当時の、『What About Your Friends』とかやっていた時のレフト・アイ感とかもあるし。

(渡辺志保)それを、自分で書いたなら本当にすごいと思って。まあ、もしかしたらゴーストライターがいるかもしれないけど、もし「この『Finesse』のリミックスをやってくんね?」ってもらってカーディが「よっしゃ! じゃあお手本にMCライト、聞こうかな♪」みたいな感じで書いていたら、マジですげーな、この子みたいな。カーディ・B、もっと好きになりましたっていうね。

(DJ YANATAKE)はい。これ、ビデオでは『In Living Color』のオープニングがモチーフになっているんだよね。

(渡辺志保)そうそう。まんまコピってるっていうところなんですけど。なので、みなさんも何回も聞いているんじゃないかと思うし。このリミックスが発表された次の日だったかな? 私はこれをすっごいクラブで聞きたくなっちゃって。その日、ちょうどBXカフェでDJ KOMORIさんがDJやっていたんですよ。で、「このイベントは絶対に『Finesse Remix』がかかりそう」って思って行ったらかかって。その後に(MCライト)『Ice Cream Dream』とか(ボビー・ブラウン)『Every Little Step』とかもかかっていたかな?

(渡辺志保)まあ、そういうニュー・ジャックつなぎでかけてくださったりもして。まあ、これからクラブでどんどん聞く機会も増える一方……これ、かけづらいのかな?

(DJ YANATAKE)いや、全然。全然。俺も最近、たぶんこれが出てから2、3回やっているけどね。だいたい1曲目から。これから行くぐらいの感じでやっています。

(渡辺志保)ああ、そうなんだ。すごい! あらら。

(DJ YANATAKE)でも、どっちにも行けるよ。DJはよく「入口、出口」って言うんだけど。「出口」っていったら、新譜からニュー・ジャックの古いのにかけれる出口に使えるし。その逆に古いのがかかっていたら、これをかけて新譜につないでいくっていうのもできるから、すっごい便利。

(渡辺志保)ああー、そうなんだ! 結構これからガラッとね、『Bartier Cardi』とかに変わるDJの方とかもいらっしゃるんですかね?

(DJ YANATAKE)それはすごいね。でもピッチ的に、俺はたとえばこの後、新譜に行くんだったらブルーノ・マーズの『24K Magic』とかに行ったらブルーノつながりできれいに行って。そこからちょっとピッチを上げて半分に落とすとか。ってしていけば全然行けるし。

(渡辺志保)DJ YANATAKE TIPSが披露されましたね。

(DJ YANATAKE)アハハ(笑)。最近なんかTJOがそういうのをやっていたよね。「次、何につなぎますから……」みたいな。で、もちろん新譜からこれに行って、ここから古いニュー・ジャック・スウィングに行ってもいいしっていう感じですね。

(渡辺志保)なるほど。いかようにも使えるということですね。

(DJ YANATAKE)すっごい便利な曲。

(渡辺志保)じゃあさっそくそのいかようにも使えるすごく便利なこのブルーノ・マーズの新しいリミックスを聞いてください。ブルーノ・マーズで『Finesse Remix feat. Cardi B』。

Bruno Mars『Finesse Remix feat. Cardi B』

(渡辺志保)はい。いまお届けしておりますのはブルーノ・マーズで『Finesse Remix feat. Cardi B』。もうみんながゴキゲンになるチューンということで。ちなみにこの『Finesse』のリミックスのジャケ写もすごいかわいいんだけど。ブルーノ・マーズがロンTを着ているんですよね。で、その上にTシャツを着ているんですけども。その下に着ているTシャツがたしかTLCの92年の『Ooooooohhh… On the TLC』のシャツなんですよね。

(DJ YANATAKE)ロンTですよね。井上三太さんがチェキッてましたね。

(渡辺志保)そうそう! おんなじのを持ってるってInstagramに。

#BrunoMars #finesse #remix と同じ服買ってた♪ #tlc

井上三太さん(@santainoue)がシェアした投稿 –

(DJ YANATAKE)あれはアーバン・アウトフィッターズで出ているやつですね。

(渡辺志保)ああ、さすが(笑)。

(DJ YANATAKE)まあ、それはいいんですけど。いま、ちょっと調べたら「そうか!」って思ったんですけど、カーディ・Bさん。その、いま腕に「1992」って入っているTシャツをブルーノが着てるってことなんですけど、カーディ・Bさんは1992年生まれ! 生まれ年!

(渡辺志保)なんと! 92年生まれですか。そうですか!

(DJ YANATAKE)しかも92年はヒップホップでも大事な年だと言われてますからね。

(渡辺志保)本当だよね。だからその年にニューヨークで生まれ育った女の子はこうなるんだっていうね。すごいですよね。ダイナミックな感じがするけど。まあでも、ブルーノ・マーズのさ、このリミックスもたまげたし。あと、『That’s What I Like』もグッチ・メインと一緒にリミックス作ったりして。これ、アトランタのクラブでもめっちゃかかっていたし、本当になんか一粒で二度、三度美味しい男だなっていう。

(DJ YANATAKE)うん。

(渡辺志保)そのセンスがすごいなっていうのは今回、こうやってロングヒットが続いていますけども。改めて実感したことでもあるかな。

(DJ YANATAKE)なんかこの間ね、DJ 8MANかなんかが言っていたけど、クラブに行ってこれがかかると、若い子が急になんか昔のステップを踏んでフロアで踊っているのが面白いって。

(渡辺志保)ああ、そうなんですか。ちょっとスライドしてみたりとか?

(DJ YANATAKE)そうそう。普通にランニングマンとかかもわからないけど。

(渡辺志保)ああ、いいですね。そうなんだ。本当に音楽は世代を超えるといういい話みたいな感じで。

(中略)

(渡辺志保)では次、どんどん進んでいきたいと思うんですけど。カップケーク(CupcakKe)ちゃんっていうフィメールMC。2016年ぐらいからフェイダーとかコンプレックスで取り上げられるようになった女性のMCがおりまして。彼女は97年生まれ。さっき、カーディ・Bが92年生まれって言ってましたけど、このカップケークちゃんは97年生まれ。今年21才になるんですかね。シカゴ生まれシカゴ育ちなんですけど、あのチーフ・キーフとリル・リースと同じ学校だったというね。すっごい近所だなと。

(DJ YANATAKE)アハハハハッ!

(渡辺志保)彼女もインタビューで「すごいゲットーだったんですけど」っていう風に言っていて。カップケークちゃんはいろんなシングルをいくつも出しているし、アルバムも2枚ぐらい出しているんですけど、いちばん最初に話題になった、ブレイクした曲のタイトルが『Deepthroat』と『Vagina』っていう……。

(DJ YANATAKE)フハハハハッ! もう……。

(渡辺志保)私ですらちょっと言いよどんでしまう。で、ラップを始めたきっかけがダ・ブラットとか、あとお母さんが聞いていた50セントを聞いてラップしました、みたいな。「マジかよ?」って感じなんですけど。あとカイアね。『My Neck, My Back』でおなじみ。「All you ladies pop yo’ pussy like this Shake your body, don’t stop, don’t miss」って……女の子が男性にGive Headさせる曲ですね。まあ、日本でもあれこれ話題だけど。まあ、そういう曲に触発されて……。

(DJ YANATAKE)フフフ(笑)。

(渡辺志保)詩を書くのがもともと好きで。すごい教会に通っていたチャーチガールだったらしいんですけど、『Deepthroat』という曲でブレイクしたと。しかもTwitterネームが彼女は「Marilyn MonHOE」っていう。「HOE」っていうのは「ヤリマン」っていう意味だけど。で、去年出したアルバムのタイトルは『Queen Elizabitch』っていう。彼女はエリザベスちゃんなんだけど『Queen Elizabitch』って……

(DJ YANATAKE)もうひどいワードしか出てきてないな、いま(笑)。

(渡辺志保)ひどいワードしか(笑)。だから本当にね、こういうラッパーなんですよっていう感じなんだけど、でもその一方ですごい両極端というか、過激なままで結構真面目なことも歌うんですよ。その『Deepthroat』の後に彼女が話題になった曲が『Pedophile』っていう曲で。「Pedophile」っていうのは「小児性愛者」……まあ「ロリコン」っていう意味なんですけど。10才以上歳の離れた会社を経営している口ひげをたくわえたおっさんに「お前、俺とこんなことやってんのを誰にも言うなよ」って。「あれはよく考えたら性的なアビューズ……真っ当な恋愛関係ではなかったけど、あの時はハマッてたんだ」みたいなことを結構赤裸々にラップをしていて。

(渡辺志保)で、みんな「おっ!」っていう。『Deepthroat』と『Vagina』だけじゃないんだなっていうので注目を集めまして。で、去年チャーリー・XCXと曲とかもやっているから、徐々にそうやっていろんな方面からアテンションを集めてきた彼女です。かつ、かねてからLGBTのシーンなんかも支持をしていたんですけど、そのカップケークちゃんが1月5日にサード・アルバム『Ephorize』を発売したと。で、もう全曲本当にすごいのよ。マシンガンみたいなラップで本当に勢いがいいんですね。全盛期のダ・ブラットみたいな感じなんですけど。今日、紹介したいのはその中でいちばんレゲトン調の『Crayons』っていう曲があるんですけど。

(DJ YANATAKE)うん。

(渡辺志保)『Crayons』ってなんのこっちゃ?って思ったんですよね。お絵書きする歌なのかな?って思ったんですけど。で、クレヨンっていろんな色がいっぱいあるじゃないですか。それを虹の比喩としてクレヨンっていうのを使っていて。で、虹っていうのはいわゆる「LGBTQX」なんて最近は言いますけども。LGBTシーンを象徴するのがレインボーカラー、もしくは虹なんですよね。これは結構昔からのメタファーでもありますけども。なんで、その虹を表して『Crayons』っていうタイトルにしているんですけども。

しょっぱなのラインから「Man got a man, that’s what’s up!(男が男をつかまえてもいいじゃん!)」とか。で、あとレズビアンの女の子のセックスの話をしたりとか。「男の子のあの子は自分のあそこの写真を撮って、(出会い系アプリの)TinderじゃなくてGrinderに上げるんだよね(His dick might be Tinder but he post it on Grindr)」っていう。で、Grinderっていうのはゲイの男の子用の出会い系アプリだったりするんですけど。なんかそういうのをすごくナチュラルに……ちょっと『”RAP”三昧』でも紹介しましたけど、マックルモアとかがこういうことを歌うとすごく厳かな感じになっちゃったりするんだけど。

カップケークちゃんがこういうことを歌うと、本当に彼女の日常の中にそういうお友達もいて、みんなで一緒に遊んでるんだよっていう感じがすごい伝わるし、ナチュラルにサポートしてる。「Boy on boy, girl on girl(男の子と男の子、女の子と女の子が愛し合う)」っつって。「Like who the fuck you like Fuck the world(好き勝手にさせてよ。世の中なんかクソじゃん!)」っていう。結構勢い良くタンカを切ってそういう世の中について歌っているっていうことなんで。

結構彼女、このアルバムの中に『Self Interview』っていう曲もあるんですけど。本当にまあ、セルフインタビュー(自問自答)っていうことなんだけど。「なんで私、こんなことしてんだろう? 3時間もかけて念入りにメイクアップして、きっとその間に彼氏は他の女の子といるのに……」っつって。「まるでピカチュウみたいなチークボーンの女の子と一緒にいるのにさ」って言っていて。で、アメリカの女の子ってチークボーン(ほお骨)がはっきり出ていれば出ているほど美人っていうことなんですけども。

まあ、そういうのを赤裸々にラップしてたりとかで。本当にね、リリックを知れば知るほど深みにハマるって感じなんですけど。まあ結構ね、見た目もパンチがある子なので。みなさん、ぜひぜひ彼女のミュージックビデオなんかも見ていただければなと思います。というわけで、2018年。もう私が結構期待の新人として応援したいなと思うこのフィメールMCの新曲を聞いてください。カップケークで『Crayons』。

Cupcakke『Crayons』


(渡辺志保)はい。いま聞いていただいておりますのは2018年期待の新人フィメールMCカップケーク。最新アルバム『Ephorize』から『Crayons』を聞いていただきました。

(DJ YANATAKE)はい。かっこいい!

(渡辺志保)ちょっと元気が出るね。彼女のラップはね。で、カーディ・Bもそうだし、Awichも割とそうなんですけど、一緒にタンカを切ってくれる女ラッパーみたいなのが私はすっごい好きなので。そういうアーティストが元気な時代はいいなという風に思う次第です。というわけで、早いものでだんだん後半に差し掛かってますけども。2018年が始まって本当にめまぐるしいスピードでシーンがズンズンズンズン進んでおりますけども……。

(中略)

(DJ YANATAKE)というわけで、エミネムね。

(渡辺志保)エミネムね。そうなんですよ。エミネムが今年に入ってなんと、驚くべきことにリミックス楽曲を発表したと。ちょっと振り返りますけども、昨年の12月15日にアメリカで最新アルバム『Revival』が発売されたと。で、年が明けまして1月8日。ちょうど1週間前、その中に入っている『Chloraseptic』っていう曲があるんですよ。もともとはフレッシャー(Phresher)っていうラッパーをフィーチャーしていた曲なんですけど、それのリミックス版を出した。で、しかもファーストバース。最初のバースはあの2チェインズがキックしていて。イントロでも「2Chainz♪」っていうリマーカブルな彼の声が入っていて。

「ああ、2チェインズの声が一言入るだけで本当に楽曲の印象ってこんなに変わるんだな! まるでヒップホップ界の潤滑油のような存在だな、2チェインズは!」って思ったんだけど。でもこの曲、もともとは2チェインズが最初からフィーチャーされていたんですよね。で、エミネム『Revival』のトラックリストが発表された時に、この『Chloraseptic』の楽曲に2チェインズの名前がなくて。2チェインズがInstagramにね「怒!」っていう投稿をしたんですよ。絵文字を使って。「2チェインズ、怒だよっ!」っていう。それを受けてかどうかわからないけど、改めて発表されたリミックスには2チェインズがしょっぱなにいるっていう。

(DJ YANATAKE)うん。

(渡辺志保)で、結構画期的なのは、たとえばさっきのブルーノ・マーズの『Finesse』のリミックスは有り物の曲にカーディちゃんのバースが乗ってリミックス。なんだけど、これはエミネムが自分のバースを丸々録り直しているんですよね。で、なんて言っているのか?っていうと、「お前、俺のビヨンセとのリードシングル『Walk On Water』を聞いて、ちょっと俺が日和っていると思ったべ?」みたいな。あと、トラックリストが公開されたのが結構話題になったんですよ。で、「次のエミネム、どんな感じで来るんや?」って思ってトラックリストを見たら結構さ、参加アーティストも……。

(DJ YANATAKE)エド・シーランとかね。

(渡辺志保)そう。とか、アリシア・キーズとか。まあいいんですけど。なんかちょっとラップアルバムとして聞くにはパンチが足りないみたいなね。まあ結構そう思った方、多いんじゃない? 私もまあ、実際にそう思いましたよ。で、「あれっ? 50セントもドレーもいない? あっ、ジョー・バドゥンもいない?」みたいな感じだったので。「そんなこと、思ってたんだろ、お前ら?」みたいな。で、アメリカのYouTubeですごく多いのが、リアクション動画っていうのがあって。リアクションってそのまま「反応」ですけども、まあヒップホップの新譜とかアルバム、新曲・新譜が発売された時に「○○ Reaction」っつって、その曲を聞いた時の自分の反応・レビューみたいなものをYouTubeに動画として投稿をするのが流行っているんですけども。「お前ら、どうせ腕を組んでリアクション動画でも作ってんだろ? バカヤロー!」みたいなことをラップしてて。

なので、このスピード感がすごいなとまず純粋に思ったんですけど。でも、ちょっと私は『Revival』で結構エミネムがもともとのスリム・シェエイディ並にスピットしているんじゃないか?って軽く思っていたんですけど、まあそんなこともなかったりするので。曲調とフロウを聞くとね。だったら、こういう後から「お前ら! 俺のこと見くびってんじゃねえ!」みたいなのを。しかも2チェインズのバースまで乗っけて曲のリミックスを発表するなら、アルバムでやってほしかったな。ちょっとね。

(DJ YANATAKE)だからいま、正直さ、ちょっとポップに狙いに行きすぎなんじゃないか?っていう批判みたいなのに対するアンサーをバッとすぐに出したということで。でもこの曲の内容自体はすっごい評価されていて。「あのエミネムが戻ってきた!」みたいに言う人も結構いたっていうことだよね?

(渡辺志保)ねえ。まあそういうことですよね。で、コアなラップファンというか、まあ新譜好きのラップファンなんかもエミネムの方に目を向けさせたという効果はもちろんあったと。

(DJ YANATAKE)だが……まあ、アルバムの批評に対する言い訳曲みたいな側面もあるのかな?

(渡辺志保)うーん、まあ、意地悪に取ればそういう風にもなるし。こういう風に超スピード感を持って反撃するの、マジかっけー!っていう……。

(DJ YANATAKE)まあ、そうだね。それは本当に思う。

(渡辺志保)そして2チェインズ最高です! みたいなところもありますので。これ、ちょっと長いんですけど、エミネムのバースまで。途中まででもいいんで聞いていただきたいなと思います。エミネム feat. 2チェインズ&フレッシャーで『Chloraseptic Remix』。

Eminem『Chloraseptic Remix ft. 2 Chainz & Phresher』

(渡辺志保)いま聞いていただいておりますのはエミネムが放った超絶リミックス。『Chloraseptic Remix feat. 2チェインズ&フレッシャー』ですね。

(DJ YANATAKE)いやー、かっけー!

(渡辺志保)かっけー! まあ、ラップゴッド異論なし! みたいな。

(DJ YANATAKE)ただもう、「こういう俺がほしいんだろ?」みたいな(笑)。

(渡辺志保)「オラオラ!」みたいなね(笑)。

(DJ YANATAKE)あのアカペラになるところとか。「これをお前ら、待ってたんだろ?」みたいなね(笑)。まあでもね、やっぱりエミネムとかがなんて言うのかな? 焦っちゃう感じなのかな? いまな。

(渡辺志保)いやー、焦るでしょう。いま焦らないといつ焦るのよ? みたいな。

(DJ YANATAKE)意外とやっぱりね、エミネムとかN.E.R.Dとか、日本で結構みんなその2枚は「ワーッ! やべー!」みたいな人がいっぱいいたんだけど。思いの外ね。N.E.R.Dとかももうちょっと、アメリカではいまいち、ぶっちゃけ来ていない。

(渡辺志保)そうね。なんかラップ系のレビューサイトとかを見ると、ちょっと評価は低いっすね。なんか私、『HIPHOP DELUXE』っていうサイトがすごいすきなんですけど、『HIPHOP DELUXE』のレビューを見ていると12月に発売されたN.E.R.Dよりもジー・ロウのアルバムの方が評価が高かったりして(笑)。なんかまあ、N.E.R.Dはあれでひとつのジャンルじゃないですか。ヒップホップとかラップというよりもね。だからまあ、それはそれで完成されていて素晴らしいんですけども。

(DJ YANATAKE)そうそうそう。そういうのが好きな人はそれでいいんだろうけど。でも、それ以上にいまの若いヒップホップの支持が高まっているというところがあって。やっぱり……俺らの中では永遠というか、一生金字塔みたいなイメージがあるんだけど。でも、やっぱり時代は変わっていくのね、なんていうのもちょっと感じたよ。

(渡辺志保)そうね。そこを切り取ると、またジェイ・Zはすげえな、みたいな話になるんだけど。

(DJ YANATAKE)そうなんだよ! またどっかでゆっくり話しましょう。

(渡辺志保)話しましょう。ありがとうございます。というわけで、つらつらと2018年に出た新譜をおさらいがてら諸々お送りしてきましたが、みなさま、いかがだったでしょうか?

(中略)

(DJ YANATAKE)本当はね、日本語ラップも。今年リリースのも紹介したかったんですが、洋楽情報を濃くしていきたいなということで。今日は全曲、志保が選んでくれたやつにしました。それでもかけきれなかったね。

(渡辺志保)かけきれなかったね。リストに漏れたマクソ・クリームとかがあったんですけどね。マクソ・クリームと、あと03・グリードだっけかな? かけたかったんですけども。

(DJ YANATAKE)まあまあ、いいでしょう。

(中略)

(渡辺志保)で、最後に1曲、お届けしたいのは、ヒップホップの四大要素のひとつと言えば、ヤンキー。ヤンキー魂(笑)。

(DJ YANATAKE)アハハハハッ!

(渡辺志保)ヤンキーイズムが濃いラッパーはとにかく推していきたい傾向にあるんですけど。かねてからこの『INSIDE OUT』でもちょこちょこ紹介してきたYFN・ルッチ。期待のアトランタのルーキーと言われてもう何年がたったでしょうか? 去年もね、PnB・ロックとの『Everyday We Lit』とかはすっげーすっげークラブヒットだったと思うし。今年も実は彼は『Ray Ray From Summerhill』っていう長年温めているファーストアルバム、2018年こそ出るんじゃないかと言われてまして。そこからのシングルとも言われているのが、いまから最後にかけさせていただく『Street Kings』っていうタイトルもそのままなんだけど。なんと、フィーチャリング相手にミーク・ミルが参加したという。ヤンキーにヤンキーを乗せましたという。

(DJ YANATAKE)まあまあ、ある意味ホットなところを乗せてきましたね。

(渡辺志保)本当にそうなのよ。だから「Free Meek Mill」っていう感じもしますし。このヤンキーイズムあふれる1曲で今日の放送はお別れしたいと思います。最後に聞いてください。YFN・ルッチ feat. ミーク・ミルで『Street Kings』。See You!

YFN Lucci Feat. Meek Mill『Street Kings』

<書き起こしおわり>

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