プチ鹿島 2017年「今年の漢字」候補・「隠」を推薦する

能町みね子 2017年「今年の漢字」候補・「逃」を推薦する YBSキックス

プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で発表を目前に控えた2017年「今年の漢字」を予想。隠蔽の「隠」を推薦していました。

(プチ鹿島)先ほど、お昼の番組を担当されていた櫻井アナウンサーから資料をいただきまして。というのは、今年の漢字というのが午後2時に発表されるんですって。

(塩澤未佳子)ああ、今日発表。

(プチ鹿島)で、またあの清水寺で偉いお坊さんが難しい字で、キョトンとする……。

(塩澤未佳子)すぐ読めないんですよね(笑)。

(プチ鹿島)そういう季節になってまいりましたね。で、実際にそうなんですよ。去年の漢字って、覚えてます? これ、日本漢字能力検定協会というのが募集して発表しているんですよね。いちばん多かったものをね。

(塩澤未佳子)「安」?

(プチ鹿島)「安」はね、一昨年です。2015年。安全保障関連法案の審議でしょう。で、テロ事件や異常気象など人々の不安の「安」だって。これもその漢字能力検定協会の説明を読むとね。「安心してください。穿いてますよ」っていうのも。

(塩澤未佳子)あれ、一昨年ですか?

(プチ鹿島)一昨年らしいですよ。もう7年ぐらい前の感じですけども(笑)。でね、2014年。その前の年は「税」。消費税が17年ぶりに引き上げられた。

(塩澤未佳子)ああ、「税」ね。

(プチ鹿島)だいたいヒントを言うと、オリンピックのある年というのは五輪関係なんですよね。2013年は日本中が輪になって歓喜にわいた年ということで、五輪の「輪」。去年は実はリオ五輪で金メダルが多かったということで「金」。あと、政治と金問題で「金」ですって。

(塩澤未佳子)「金」でしたか。

(プチ鹿島)たしかにピコ太郎も金ピカでしたね。トランプも金ピカでしたね。

(塩澤未佳子)ですね(笑)。

(プチ鹿島)まあまあ、これもあんまりあれですけど。流行語大賞と同じでちょっと「はあ?」っていう……(笑)。

(塩澤未佳子)そうそう(笑)。

(プチ鹿島)まあまあ、いいじゃないですか。

(塩澤未佳子)まあまあ、そういうことですよね。

(プチ鹿島)さて、だからこの資料をいただいて、せっかくだから僕もオープニングで考えてみよう。勝手に発表しようと思ったんです。

(塩澤未佳子)今年の漢字を?

(プチ鹿島)ええ。「今年の漢字、今年のうちに」なんて言いますけども。なんだと思います?

(塩澤未佳子)ええっ、今年なんだろう? ちょっと待って下さいよ。

(プチ鹿島)僕も、その五輪だから「金」とかね、そんなのは4年に1回ずつじゃないですか。だからそれよりは、今年はいろいろと考えたんですけど。まあ、安倍さんが言うにはたぶん、北朝鮮の国難がありましたから。「北」でいいのかもしれないですけどね。

(塩澤未佳子)「北」ねえ。

国難解散の「北」

(プチ鹿島)ぜひ選んでほしいですよね。これ、「北」以外で外したらちょっと違いますからね。「あれっ? あの選挙はなんだったの?」ってことになりますからね。

(塩澤未佳子)なっちゃいますからね。全てが崩れちゃう。

(プチ鹿島)ぜひ番記者の方、聞いていただきたいんですけど。「今年の漢字、なんですか?」って。僕はね、「隠」。隠蔽の「隠」。

(塩澤未佳子)ああー、はいはい。

モリカケ問題の「隠」

(プチ鹿島)ちょっと真面目に言いましたけどね。だって今年、これしか考えようがないですよ。まあモリカケ問題とかいろいろと言われましたけど、あれって結局プロセスの不透明さがあらわになった問題でもあるじゃないですか。「あの文書、どこに行ったんですか?」「もうないです」「記憶にございません」「えっ?」っていう。で、なんだったらそれを秋に国会でどんどん(審議を)やろうか?って言ったら、選挙になっちゃった。僕はあの時、「みんな逃げた解散」って言ったから、まあ今年の漢字は「逃」でもいいんですけど。

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(塩澤未佳子)うん。

(プチ鹿島)あれも大きい意味で隠しているわけですよね。相撲、どうですか? 隠蔽の「隠」、そのものじゃないですか?

(塩澤未佳子)隠れている!

大相撲暴行問題の「隠」

(プチ鹿島)ついでに貴ノ岩も隠れちゃって。この間、日刊ゲンダイなんか一面で「貴ノ岩 隠匿」って。「京都に潜伏か?」ってもうこれ、論点がズレてるじゃないか、もうっていう(笑)。でも、貴ノ岩もそうですけど、結局あの事件って暴行問題で終わりなんですけども。それ以外に情報戦が仕掛けられて、言っていることが違っていたりとか。ねえ。この間もどこかのテレビ局が貴乃花親方の知人だという人のコメントを紹介したら、「そんな知人なんて、いねえよ!」っていう、そういうクレームが入ったりして。まあいろいろと飛び交っているわけですよ。

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(塩澤未佳子)ねえ。複雑になってきちゃった。

(プチ鹿島)そもそもあの飲み会で何が行われたのか? 相変わらずわからない。隠されている。で、僕ね、相撲のひとつの魅力というのはよくわからない、なんか世間とはちょっと隔絶された、隠れた部分でもあるとは思うんですよ。ねえ。お相撲さん、お坊さん、ムツゴロウさん……まあ、この間の富岡八幡宮でもそうですけども、宮司さんとかって、やっぱり僕らの日常の世界とは違う。だから「さん」付けで尊敬と親しみを込めて呼ぶわけだし。

(塩澤未佳子)うんうん。

(プチ鹿島)でも一方で、本当はあの世界、どうなっているんだろう?っていう、ちょっとした怖さ。

(塩澤未佳子)ミステリアスですよね。

(プチ鹿島)だから今回の日馬富士のはその怖さの部分っていうのがちょっとパカーンと出ちゃったですよね。

(塩澤未佳子)たしかに。

(プチ鹿島)だからじゃあ、全部をオープン化すれがいいか?っていったら、結局じゃあ相撲が柔道になればいいのか?っていう問題ですよね。これは(賛否は)分かれると思いますよ。柔道ってやっぱりオリンピック競技になるぐらいですから、どんどんどんどん、もうカラー道着とか、なんだったら戦い方の方法が違うわけじゃないですか。ヨーロッパの選手はレスリングのタックルをそのまま、ねえ。そうすると、日本の柔道の所作を覚えてきた人は「いや、こんなのは柔道じゃない」って思うらしいんですよ。だけど、オープン化するっていうことはそういうことでしょう? だから、白鵬さんが「勝てばいいんだ」っていうのは、それはしょうがないよね。

(塩澤未佳子)うーん。

(プチ鹿島)育ってきた相撲が違うんだから。でも、国際化になるということは、そういうことでしょう? でもじゃあ、それでいいのか?っていう時に、それをつなぎとめるのが曖昧な「横綱の品格」とか、そういうことじゃないですか。勝てばいいだけのものじゃないぞ、とか。でもそれは、わかんないよね。ちゃんと叩き込まないとね。

(塩澤未佳子)土壌は、もうね。

(プチ鹿島)そう。だからある意味、僕はいろんなものが良きにつけ悪きにつけ隠されているのが相撲界だと思うんですよ。ただじゃあ、全部隠されていていいのか?って言ったら、さすがに暴力とかそういうものは世間と折り合うためにはアウトでしょうっていう、そういう話だと思うんですよ。だから、これも「隠」です。で、もうひとつ言うとね、モリカケも大事なんですけど、本当に大事だと思うのが、南スーダンの日報問題ってあったじゃないですか。

(塩澤未佳子)ああ、はい。

南スーダン日報問題の「隠」

(プチ鹿島)要は、「破棄した。捨てた。処分した」と説明していた南スーダンのPKO舞台の日報。これが実は陸上自衛隊がずっと保管していた問題っていうのがありましたよね。それがなぜ問題なのか? 自衛隊を派遣しているわけだから、当然戦闘なんか起こらない地域なんですよ。でしょう? だけど、その日報には「戦闘」という文字がどうやら昨年の7月のものにはあったんじゃないか? それをジャーナリストの人が情報公開請求をして。それに最初、去年の12月ぐらいにはどう答えたかというと、「捨てた」というんですよね。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)ところが、世論が「いや、それはおかしいだろ?」ってなったら、「あった」って言い出したんですよ。

(塩澤未佳子)そうそう(笑)。

(プチ鹿島)で、その当時の稲田さんっていう面白い人がいたでしょう? あの方もやっぱり二転三転して、対応が後手後手に回ったということで。稲田さんっていうのは、今日久々に毎日新聞がこんな記事を出しています。「稲田氏、信頼回復多難」。というのは、勉強会を再開したと。だけどやっぱり、南スーダン問題とか、都議選の最中に自民党候補の応援演説で「防衛省・自衛隊としてもお願いしたい」って発言しちゃったりとか。「ええっ?」ってなったじゃないですか。でも、結局ずーっと辞めないで、ある意味勝ち逃げっぽかったんですけど……まあ、(任期が終わる内閣改造の)直前でやっぱり辞めましたよね。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)この人も今年の重要なキーマンだと思うんですよね。だから僕は「隠」。「逃」でもいいですけどね。「みんな逃げた解散」って僕、上手いこと言いましたからね。フハハハハッ!

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(塩澤未佳子)上手いこと言いましたよ(笑)。

(プチ鹿島)だけどそれを総じて、大きい意味で「隠」でいいのかなと思いますよ。だってこの間の国会。野党の質問時間を減らして、与党の方を増やしてっていう問題もあったじゃないですか。それもリンクしている記事が今日、あって。これは朝日新聞ですね。特別国会を記者が振り返っているんです。で、質問時間の攻防に関して、ある記者の方はこんなことを言っています。「(与党の質問時間を長くしようという)申し入れは、自民党衆院議員の当選2、3回生一同としているが……」。僕、この『キックス』でいち早く言いましたよね? これ、他が「なんで野党の質問時間を削って、与党のを……」っていう書き方なんだけど、読売新聞だけは「自民党若手議員の質問を増やすために」っていう切り口で書いたんですよ。ところが、「……当然2、3回生一同としているが、実は事後に知ったという若手も複数いた」というんですよ。「国会で僕ら若手の質問時間を増やしてください!」っていうために、「よし、わかった!」というので与党側が案を出したというんですけど、若手はそんなこと知らなかったって言っていた人が結構いるらしいという。

(塩澤未佳子)うん。

(プチ鹿島)で、そもそも、ここが大事ですよ。「そもそも、若手が質問時間を増やせと言うなら、安倍首相が野党の臨時国会招集要求に衆院解散で応じたことを批判し、『国会を開け!』と批判することが筋ではないか?」とこの記者の方はおっしゃっている。だからさっきの「隠」と同じじゃないですか。選挙で隠しちゃった。逃げちゃったわけですよね。

(塩澤未佳子)はー。

(プチ鹿島)で、やっぱり総括せざるを得ない。だから僕、この「隠」っていうのは意外といいところを突いているんじゃないかなと思うんですけどね。

(塩澤未佳子)そうですね。なんか当てはまってきますけどね。

(プチ鹿島)まあこれで35億の「億」とかだったら、「はいはい……」ってなるけどね。

(塩澤未佳子)アハハハハッ!

(プチ鹿島)まあ、「北」でしょうね。それで解散したんですからね。それを、解散を支持した人たちは推すべきだと思うし。僕は「隠」でいいんじゃないかなと。籠池さんもどこかに隠されてますからね(笑)。

(塩澤未佳子)隠されてます(笑)。

(プチ鹿島)隠されてますよ、あれ。笑い事じゃないですよ。保釈がなかなか……っていうね。

(塩澤未佳子)ああいうところ、冷暖房もないらしいですね。

(プチ鹿島)困ったなー。夫婦で。あれ、あまり早く保釈しすぎたら流行語大賞に「忖度」の受賞者として出てきちゃうから保釈しないのかな? なんていう、そこまで俺は考えちゃうよ。でも、流行語大賞も終わったわけだし……っていうね。というわけで、2時の発表まで1時間もないですから。これ、また清水寺の偉いお坊さんがササッと書いて。

(塩澤未佳子)達筆で。

(プチ鹿島)みんな、キョトンとする瞬間が今年も間もなく訪れます。というわけで、『火曜キックス』スタートです。

<書き起こしおわり>

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