マキタスポーツ・プチ鹿島・サンキュータツオ 松木安太郎化論を語る

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TBSラジオ『東京ポッド許可局』でマキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさんが世間がサッカー解説者松木安太郎さんを心地よく感じるようになってきている理由について話していました。

(プチ鹿島)この間、『ニワカ論』ってやったじゃないですか。

(マキタスポーツ)はい、ニワカ論。

(プチ鹿島)で、あれを話し終えた後、僕ふと思ったんですけど。そもそもニワカっていう言葉自体、最近多く目にしたり耳にしたりするなって。特にこのワールドカップでですね、4年前よりニワカを自称する開き直った人とか。一方では『ニワカだな』っていうツッコミとかが増えてきているような気がするんですよね。

(サンキュータツオ)まあ、薄いファンとはなんなのか?っていうことをしゃべってきたよね。

(プチ鹿島)『ニワカなんだけど、○○』とか。

(マキタスポーツ)だからニワカっていう言葉ができたおかげで、またいつものパターンだけどさ、恥ずかしくなくなって・・・

(プチ鹿島)マキタさん、そこなんですよ。それを僕、薄々思っていて。あるデータを見て『あ、なるほど!』と思ったのが、SNS上で全世界でね、ワールドカップについて言及した国っていうデータを調べたデータがあって。それが世界で240ヶ国あるんですけど。日本がダントツで、30%くらいを占めているんです。全世界で。ワールドカップについてですよ!

(マキタスポーツ)(笑)

(サンキュータツオ)だからまず、なに?twitterが大好きってこと?

(プチ鹿島)だからつまり『サッカーが好き』よりは『SNS、twitterが大好き』ってことで。じゃあ、なんでだろう?って思ったら、まさしくワールドカップっていうのは、共有しやすいからすぐつぶやけるじゃないですか。話題の共通が多いんで。でも一方で、知ったかぶりはしたくないっていう日本人のね、お上品なあれで。『ニワカなんだけど』っていう枕詞を置けば、すごくつぶやきやすい。

(サンキュータツオ)まあそうですよ。『ニワカですから・・・』っていうね。

(プチ鹿島)そう。で、実際僕も『ニワカこそ通ぶれる知ったかぶりフレーズ』っていうのをいろいろやったりプレゼンしたりしたら、すごく反響があって。『僕も私もニワカだから、今回楽しめました』みたいな。返りが多かったわけですよ。

(サンキュータツオ)ニワカでもいいんだよってちょっと背中を押してあげた感じなんだね。

(プチ鹿島)そうそうそう。だからまあ、同じ祭なんだけど、それにあえて乗る。もう『ワールドカップ見てません』的なそういうのよりは、あえて乗るっていう楽しみ方が増えてきたんじゃないかな?って僕は思っていた。

(マキタスポーツ)『あえて』っていうキーワードはすごく重要だよね。『あえてやっています』っていうのとか、『一周して』とかいうのは、いまのこの時代を象徴する言葉だと思うよね。

(サンキュータツオ)『逆に』みたいなね。

(プチ鹿島)一方でそういうニワカという自覚がない人が語っちゃう系に関して、『お前、ニワカだろ!』っていうようなツッコミも当然発生してくるから。だから4年前よりもね、4年前もSNSってあったと思うんですけど、やっぱりつぶやきの拡大というか。増えていると思うんです。

(サンキュータツオ)ロンドンオリンピックよりもつぶやいてるんでしょ?みんな。すごいよね。

(プチ鹿島)いま全世界で200何十ヶ国の中でダントツの3割ですよ。イギリスが11%で2位なんですけど。

(サンキュータツオ)ええっ?そんなにつぶやき国家なの?

(プチ鹿島)だから他の国から見たら『日本ってそんなにサッカー好きだったっけ?』って思っちゃうぐらい。ダントツでつぶやいてるんですって。

(マキタスポーツ)他の国からその数字を見たらそう思うだろうね。

(プチ鹿島)なんだろう?って。不思議ですよね。そこにサッカー云々っていう深い意味はなくて。たぶんそういうSNSが好きなんだろうなっていう。だからもう受け手の考え方、乗り方が変わってきてるなって僕は思っています。

(サンキュータツオ)なるほど。

(プチ鹿島)で、もっと具体的に考えるとね、松木安太郎さんいるじゃないですか。サッカーの解説の。テレ朝系列の。

(サンキュータツオ)とても専門家とは思えぬ。ねえ。

(プチ鹿島)だから解説じゃなくて、応援っていう。『よし!』とか、『PKだ、PK!』とか、『取りましたよね?』とか。『ああーっ!?』とかね。そういうのが、僕の記憶。それこそニワカでサッカーのは、ぼんやりした一般的な知識がマスコミから流れてくる記憶でいうならば、ちょっと前までその松木的な、『暑苦しい』とか、『ウザい』とか、松木安太郎を小馬鹿にする論調が常識だったと思うんですよ。『だったらNHK BSを見ます』とか。

(サンキュータツオ)でも松木さん、いいですよね。わかりやすくて。一緒に盛り上がっている感じ、ありますよね。

(プチ鹿島)それがだから最近すごく評価が変わってきて。松木大人気なんですって。

(サンキュータツオ)あ、そうなの?

(プチ鹿島)松木さんが。それはもちろん、ネットを中心にとか、そこらへんあると思うんですけど。

(マキタスポーツ)『あえて松木に乗る』みたいなね(笑)。

(プチ鹿島)そう。そこなんですよ。それまでは、『これは解説じゃなくて応援じゃん』とか、ちょっと引いて見るのが。日本人、どうしても公正中立に立ちたいし、なんか偏る自分を後ろから見られてるのが恥ずかしいっていうのがあるじゃないですか。

(サンキュータツオ)ああ、たしかに『ボランチ』とか『システム』っていう言葉を松木さんからあんまり聞きたくないところ、ありますね。なんか。

(プチ鹿島)で、この間の第三戦じゃないですか。

(サンキュータツオ)コロンビア戦。

(プチ鹿島)心地よかったでしょう?あれはもう、応援する側でいいや!って思ったら、松木解説の方が見てて心地、わかりやすいんですよ。

(マキタスポーツ)(笑)

(サンキュータツオ)『おし!』『打て!』『蹴れ!』

(プチ鹿島)これはやっぱり、受け手側の変化かなと。前も東京ドームでパブリックビューイングやっている人たちを帰り際にすれ違ったら、どんなにサッカー好きな専門的な顔をしてるのかな?って思ったら、普通にファミレスで楽しくご飯を食べている人たちのような層だし。あの日本のユニフォームを着る/着ないのそのハードルを越えたら意外と楽で楽しいんじゃないかな?っていう。もちろんそれが暴走したのが渋谷の交差点になるから。それは全部いいとは、僕は言ってないんですけど。そういう現象、それを受け入れる層が、あえて乗っかって。同じアホなら踊ろうよっていう層が、松木に乗ろうよっていう方が、増えてきた気がするんです。

(マキタスポーツ)なるほどね。

(プチ鹿島)これが今回、すごく僕は。受け手側がね。

(サンキュータツオ)でもさ、それってさ、マキタさんが『ツッコミ高、ボケ低』って言ってましたけど。どっちかって言うと、ツッコミ高からちょっとやや、ボケ再評価みたいな。

(プチ鹿島)それまで、みんな周りを伺っていて。サッカーに関するつぶやきとか。『えっ、お前昨日までサッカー見てなかったのに、なに日本を着て応援してるんだよ?』みたいな。そういうの発生したと思うんですけど。それを乗り越えて、楽しんじゃっている人が多いと思うんです。

(マキタスポーツ)俺、でもそれはツッコミとボケの気圧配置が逆転しているってことではなくて、それはやっぱり大いなる人の保守化が極まって。中間層が拡大したってことよりも、より強化されている感じがするんだよね。

(サンキュータツオ)中間層が強化されている?

(プチ鹿島)マイルドヤンキー論とかも、ちょっと似ているかもしれない。

(マキタスポーツ)中間層っていう人たちが、うわっと増えたわけじゃなくて。その意識のレベルですごく・・・俺はだからフェスとかを見ていて、思うんだけど。ロックフェスとかって言われているものなんだけど。いわゆる普段、音楽をマニアックに追っている人たちじゃない人たちがいっぱい集まるようになったのね。で、そういうことを見ていて、なにが起こっているか?っていうと要するにバカ化が行われているわけ。これは悪い意味じゃなくて、『バカになりたい』っていう人たちが増えているっていうことを、俺はフェスに関して言っている。

(サンキュータツオ)あ、たしかにサッカーにしろ、ロックにしろ、本当に詳しい人に比べたら私なんかとか、俺なんか・・・と思っているけど。

(プチ鹿島)引いて見ていたけど、いざアホになったら、バカになったら、楽しかったっていう。

(サンキュータツオ)フェスっていう言い訳とか、ワールドカップっていう言い訳があると、ちょっとバカになれるかなみたいな。

(マキタスポーツ)そう。で、要するに速やかにバカにされてくれるっていう構造や機能を持ったものが、特に人が集まってくるわけ。そういう人たちはしみったれた世の中ですから、やっぱり経済もうまく回っていない、お金も回ってこないっていうところを、もう辛酸をなめつくしてる現代人だからこそ、もう即効性があって、簡単にバカにさせてくれて、簡単に頭のネジを外させてくれて。で、リセットして浄化されて月曜日から働きに出られるものっていうのが、世の中の松木安太郎化っていうことだと思うんですよ。

(サンキュータツオ)もうその、心を抜きに行くみたいな感じのね。松木で。

(マキタスポーツ)そうなんですよ。それっていうのは、要するにすごく保守的な傾向の現れなんですよ。だから、一時でも楽しませてくれよ、世の中変わるとは思っていないから、っていうのの・・・

(プチ鹿島)そう。諦めの中から楽しむ。絶望の中で楽しむ。

(マキタスポーツ)絶望の中で楽しむ松木安太郎(笑)。

(プチ鹿島)松木安太郎。そう。で、松木安太郎、コロンビア戦、三点目を取られたら黙っちゃったんです。

(マキタ・タツオ)(笑)

(プチ鹿島)あれが俺、本当の絶望だと(笑)。何の未来もない。あ、この人が黙るっていうことは、もうダメなんだと。

(マキタスポーツ)あのね、僕、そういうことで言うと松木安太郎さんが、いつも俺、あの人実際に会ったこともありますし、すごくナイスないい人なんですけど。テレビで見るとか、あるいは音声上で聞く松木安太郎さんがどうも僕、ちょっと・・・っていうのがあったんですけど。これはだから、音響上の松木安太郎なんですよ。

(プチ鹿島)概念としての松木安太郎。

(マキタスポーツ)音で聞く松木安太郎っていうのは、ハイとローしかないっていう感じがするんですね。ハイとローっていうのはつまり、低音と高音しかないんですよ。

(サンキュータツオ)もう黙るか、『行けーッ!』っていうのか。

(マキタスポーツ)っていうやつしかないんですよ。

(プチ鹿島)『これ、ファウルじゃないか!?』

(マキタスポーツ)で、彼のロジックにもたぶんそれが現れていて。だから点を取られて負けるっていうことになったら、急に黙っちゃうっていう。

(プチ鹿島)いや、だからこれは本当、もっと掘ればですよ、専門的な人が言えば、松木安太郎にもう、あえて乗っちゃう。もしくは受け入れちゃっている層が増えているっていうのは、保守化、なんだったらもっとそれを大袈裟に言う人は右傾化とかの警鐘を鳴らす人もいると思うんですよ。だって、みんなが『世の中、これでいいじゃん、楽な方で』って乗っちゃうっていう。

(サンキュータツオ)(笑)。もう目先の松木安太郎に。もうしがみついちゃう。

(プチ鹿島)だからよく、『B層』っていう言葉、あるじゃないですか。ここ数年話題になっている。すごく行列だったら並んじゃう人とか。

(サンキュータツオ)人気のものに飛びついちゃう。

(プチ鹿島)で、すごく、そのB層っていう人は丸っきりのバカじゃないっていう。ある程度、むしろ情報を取捨選択、いろいろ多く接しているからこそ、行列のできるラーメン屋とかを自分で見つけに行って。で、それで並んじゃうっていう。だから丸っきりの無知ではない。だからこそ、いろんなものの興味へわかりやすく行っちゃうっていう。だから、そのB層ってあるじゃないですか。それに、もしかしたら近い分析をする人もいるんじゃないかな?って思ったんですけど。

(マキタスポーツ)だから俺なんかも近著で書いたことだけど、受動層と浮動層と流動層っていうのがあって。それは音楽のリスナーとかの中でそういうものを区切って解説してみたんだけど。浮動層っていうのは要するに、あえて層なんですよ。

(サンキュータツオ)特にものすごく誰かを好きとかっていうんじゃなくて、浮ついているっていうことでね。浮ついて動くで浮動層っていうね。

(マキタスポーツ)そうそうそう。で、『あえて』っていうことを枕詞に動く、動きがちな人でもあるんだよ。だから、これをすごくうまく取り込んだのがいまのロックフェスでもあると思うんだよね。で、本当これはね、楽曲上の機能としても、四つ打ちビートっつってね。『パンパンパンパン♪』っていうやつね。一小節四拍のやつだと、みんな盛り上がるんだよ。やっぱり。だからビート上もそういう機能性をもった音楽とかをやると、みんなが乗れるっていうものを、アーティスト側も作り始めるんですよ。

(サンキュータツオ)もう、そのフェス用に。

(マキタスポーツ)あえてフェス用に。

(サンキュータツオ)浮動層も盛り上がれるように。俺さ、そこで疑問なのがさ、いわゆる求道層。オタクみたいな。時代とかにかかわらず、ずーっとそれを追いかけているような人もいるわけじゃん。その人たちはどう思っているの?そういう現象について。

(マキタスポーツ)まあ、もうフェスから離れていくよね。っていうのがひとつ。で、半ば、もう一方で、フェスはいまこんな感じだから・・・って。いまのこの大衆音楽に関わっている自分をちゃんとわかっていた上で、フェスに、一応見届けるっていう気持ちで行っている人。どっちもいます。

(サンキュータツオ)一応、エントリーモデルとして機能してるってことは理解しつつも、たとえばすっごい、もうずーっとJリーグを追いかけてて、サッカーのことも4年間、ずっと考えている人が、『まあ松木解説は見ねえわ』って思っているのか、『いや、あの解説はあの解説で、4年に1度見る人にはいいんじゃないの?業界的に』っていう風に思っているのか、どっちなんだろうか?

(マキタスポーツ)サッカーの方はわからないけど、ただ一方でさ、セルジオ越後さんの敗戦の弁とかが・・・

(サンキュータツオ)求道層(笑)。ずっと、始まる前からずっと辛口だもんね。『勝てるわけない』みたいな。

(マキタスポーツ)で、あの雰囲気のままだと、どうもやっぱり暗いよね。だから両輪揃ってないと、すごくやっぱりいけないかなと思うよね。

(サンキュータツオ)俺さ、でもさ、そのセルジオ越後みたいなのって、しごくごもっとも的なね、正論のつまんなさみたいなの、あるじゃないですか。つまんない正論よりも、松木っていう方が・・・(笑)。

(プチ鹿島)楽なんだよね。俺さ、マキタさんのさっき言ったこと、すげー改めて気になって、もう1回ね。やっぱり絶望的って、ちょっと大袈裟かもしれないけど、もしかしたらやっぱり絶望的・・・絶望的って大仰だけど、なんか受動的にならざるを得ないじゃないですか。受け身にならざるを得ない。その中でやっぱりフェスとか、なんかこう自分からなにかを見つけるんじゃなくて、ひとつのイベントがベルトコンベアーみたいに流れてきたら、『フェスに乗る』『ワールドカップに乗る』っていうのは、これは責められないと思いますね。いまの。だから僕はフェスは、『ああ、楽しそうだな』と思ったのは、正直、『モテキ』っていうマンガ、あったじゃないですか。

(マキタスポーツ)はいはい。

(プチ鹿島)あれで、『ああ、楽しそうだな』って思ったクチなんですが。あの主人公なんて、まさに派遣社員じゃないですか。その中で、週末はこういうので楽しんで、スイッチON/OFFを切りかえてるんだなって思ったら、いろんな生活の楽しみ方があるんだなって僕は思ったんですよ。はじめて。でも、そういうことじゃないですか。やっぱり。もう、自分の本業は本業でちゃんとやりつつ、そっちはバカみたいに爆発はしないだろうから、じゃあもう世の中のイベントでもいいですよ。そっちに乗って楽しもうよ!っていう。そういうことじゃないですか。

(マキタスポーツ)そうだね。

(サンキュータツオ)ああ、そういうことなのか。

(プチ鹿島)よく言うのが、いまの10代・20代とか生まれてから不景気だから。だから『牛丼がかわいそう』とか言っても、『いや、別にいいじゃん』って言う方が俺、リアルに聞こえるわけ。

(サンキュータツオ)不景気っていう言い方は、景気が良かった頃を知っている人の話しだからね。

(マキタスポーツ)そのね、郷愁とかね。

(サンキュータツオ)だから、オヤジジャーナル用語だよ。

(プチ鹿島)勝手に憐れまれても・・・っていう。

(サンキュータツオ)俺、ちょっとそうだもん。不景気ってあんまり、ピンとこない。大人になってから、ずっと不景気だから。

(プチ鹿島)むしろ、だからデフレを満喫しているみたいな。

(マキタスポーツ)(笑)。でも、デフレを満喫するかどうか?だよな。

(プチ鹿島)慣れちゃっているっていうかさ。

(サンキュータツオ)それこそ、マキタさんとかがたまに言う、大学生の時はバブルでみんなタクシーに乗っていたっていう感覚が俺、もうわかんない。

(プチ鹿島)それを忘れられないおじさんっていうのがいるんですよ。もうなんとか、あの時代。あの時代がもしかしたら、絶対特殊だと思うんですよ。いまから考えると。でもあれが、実は基本線で。もう1回!みんなの努力が足りねえだけだからさ!って。精神論でさ、もう1回、あの時代がんばろうよ!オリンピック呼ぼうよ!みたいな、そういうオヤジはぜったいいるはずなんです。精神的なオヤジの人も。

(マキタスポーツ)そうだね。あと、もうひとつね。音響上の松木化みたいなことを言いましたけど。あともうひとつね、ラーメン界も松木安太郎化してると。だから、味付けがハイとローしか。ものすっごい、甘くて塩っぱくて、みたいなことにしてあるのも、あれは即効性があるんですよ。

(サンキュータツオ)味、濃いもんねー!たしかに!つけ麺ね。

(マキタスポーツ)つけ麺とかにしても、普通のラーメンにしても。

(プチ鹿島)やっぱりそれを聞くと、ちょっとそんなに健全な方向じゃないよね。極端と極端しかないっていうのは。いや、別に結局SNSだってそうじゃないですか。グレイゾーンで、すぐに答えを答えなきゃいけないとか、態度を明らかにしなきゃいけないとか。グレイゾーンがどんどん狭まっているじゃないですか。

(マキタスポーツ)そうだね。

(サンキュータツオ)グレイゾーン認めない論だよね。これね。マキタさんが言っている、その『松木安太郎化』っていうのは保守化っていうことなの?それとも、両極端になっているってことなの?

(マキタスポーツ)ええと、だから両極端になっているんだけど・・・

(サンキュータツオ)音響上の松木安太郎っていうのはハイローしかないっていうことだよね?

(マキタスポーツ)そうだね。ドンシャリです。我々の業界でいうドンシャリっていうやつですね。ドンっていう低音部と、シャリっていう高音部。

(サンキュータツオ)ああ、だから両極端になっていると。

(マキタスポーツ)そうそうそう。だけど、それを見る人たちとかさ、受け止める人たちはすごく気持ち的には保守化傾向にあるんじゃないかな?と思う。

(サンキュータツオ)ごめん。なんで保守化なのか、もう1回教えて。ちょっとよくわかんない。

(マキタスポーツ)だから、安全牌。安心、安全。で、また簡単に・・・

(サンキュータツオ)サッカーを見ていて、松木安太郎解説だと安心するっていうこと?

(プチ鹿島)それに乗ったほうが楽っていう。

(サンキュータツオ)楽なんだね。とにかく、システムとかのことを考えなくていいから。

(プチ鹿島)俺ね、本当そこらへんは、今日これを話してよかったんだけど。1人の時は、モヤモヤしている部分はあったの。松木安太郎を受け入れた層があって、みんな楽しくアホになっていいって。ああ、そうなったんだなと思う自分もいるんだけど、これってなんか本当に・・・それこそ特にネットで中心の人気でしょ?それってなんかどっかで見たぞっていうのもあるわけ。で、そこに乗っからざるを得ない現状っていうのもあるじゃないですか。楽しむっていうさ。だからこれが、もっと言うとヤンキー論とかにも通じるのかもしれない。地方で、いま自分の生活圏で家族と楽しめばそれでいいじゃん!っていう層が増えているじゃないですか。

(サンキュータツオ)そっか。だからそういう人たちが4年に1度サッカーを見る時に、たしかに特集とかやっていて、いろんな。ザックジャパンは強いのか、弱いのかもよくわかんない感じになっていて。世界が強いのか?日本が弱いのか?もちょっとよくわかんない。

(プチ鹿島)そう。それは、ずっとNHK BSでサッカーを見ている人からしてみれば、4年に1回そんな騒いで、『感動をありがとう』とかいって。お前ら、アホか!?っていう層も絶対にいるんですよ。

(サンキュータツオ)まあ、求道層ね。

(プチ鹿島)それはいるんですけど。いていいんです。だけど、やっぱり周りでワイワイ騒ぐ・・・

(サンキュータツオ)よくわかんない時に、目先の松木に。

(プチ鹿島)で、俺はやっぱりそういうニワカとか騒ぎ出す人って、いままでの自分だったらバカにしてたと思うんですよ。なんだ、こいつら?って。いやいや、でもいまの世の中のシケた状況でね、いろんなイベントが流れてくるんだったら、それを楽しもうって引き受けたっていうか、受け入れる人が増えるのはしょうがないなって。いいんじゃねーか?っていう風に思っている自分もいるわけ。

(マキタスポーツ)あと、手前味噌になりますけど、『ルーズヴェルト・ゲーム』っていうの、ありましたけど。ルーズヴェルト・ゲームの香川照之の顔芸も松木安太郎化が・・・

(プチ鹿島)そうですね。

(サンキュータツオ)(笑)。油っこいなー!たしかに!

(マキタスポーツ)あの顔芸って、すごいじゃないですか。それにみんなでわちゃわちゃツッコみながらも、あれに。結局ルーズヴェルト・ゲームって、俺も野次で貢献してましたけど、香川照之の最後の顔芸には敵わなかったじゃないですか。

(プチ鹿島)だから僕、ルーズヴェルト・ゲームを見ててね、すごく象徴的だなと思ったのが、あれはTBSの福澤さんっていう方ですね。半沢直樹も撮られている方。で、半沢直樹にも香川さんは出ているわけですね。香川照之を軸とした、周りの顔芸コンテストと比べると、僕はやっぱり堺雅人はバーン!とこう、半沢ゲー・・・半沢ゲームじゃねーや。

(マキタ・タツオ)(笑)

(プチ鹿島)半沢直樹で。そこで引き立ったっていうのがあって。堺雅人がいないルーズヴェルト・ゲームっていうのを考えると、なんかいろいろ見えてくるものがあるんですよ。やっぱりセリフのテンポが早い。で、顔芸。セリフのテンポが早いっていうのは、たとえばマキタさんそうです。あと、談春さんもそうです。異業種の方を入れた場合、役者の持っている味わいとか、プロの役者の芸とかを削ぎとって、ある意味異業種から来た人でも、セリフさえポンポン出せば成り立つっていう。そういうひとつのルールっていうか、見せ方なんだろうなって、僕は思ったわけ。

(サンキュータツオ)ある意味、文脈を持っている人を当て込んだ方がいいってことだよね。

(プチ鹿島)だからすごく顔芸もそうだし、わかりやすいですよ。この間の、沖原の天敵の彼・・・ちょっと意地悪をしていた如月なんて、わかりやすくて。悔しい時、悔しいって顔をしながら爪を噛んだんですから。

(サンキュータツオ)(笑)

(マキタスポーツ)悔しいとき、爪を噛むときー!(笑)

(プチ鹿島)それも記号としての悔しさをこうやっていて。でも、わかりやすいですよ。

(サンキュータツオ)しかも、2個乗っけてますからね。

(マキタスポーツ)あれは松木化です。

(サンキュータツオ)松木化ですね。だから味が濃い上に、甘くしてるみたいなもんだね。つけ麺だわ。

(プチ鹿島)そこを、ああ、わかりやすい!っていう層の、それが大多数だと思うんですよね。

(マキタスポーツ)あと、最近。また顔芸の方に話がスライドしていきますけど、俺はやっぱり『花子とアン』でも仲間由紀恵さんの、蓮子の顔芸が・・・

(サンキュータツオ)蓮子、怖くない?顔芸。

(マキタスポーツ)あのね、たぶん顔面の中にある静脈とかを、コントロール自在なんですか?あの方は。なんですか、あの顔芸のすごさ。

(サンキュータツオ)(笑)。なんか笑顔なんだけど、怖い時あるよね。

(マキタスポーツ)あの人の異様なる顔芸のテンションによって、それが印象づけられていくんですけど。味付け、濃すぎるんですよ。基本的に。朝から。だけど俺、好きなんですよ。見ちゃうんです。

(サンキュータツオ)仲間由紀恵、最高だよ。

(マキタスポーツ)朝から簡単なんですよ、やっぱり。仲間由紀恵見ると。

(プチ鹿島)すぐ出せるっていう。

(サンキュータツオ)目先のね。松木だから。仲間由紀恵の松木安太郎化(笑)。

(プチ鹿島)ルーズヴェルト・ゲームでさ、唐沢さんと江口さんが共演してたじゃないですか。僕の中であれ、『白い巨塔』以来10年ぶりの夢の共演なんです。ご存じですか?白い巨塔が今年1月くらいに再放送してたんです。で、やっぱりおもしれーな!って思いながら見たら、やっぱり10年たったら、当然演出も時代背景も違うんですけど、10年前の白い巨塔はやっぱり行間で分かれよっていう演技合戦みたいなのがあったんです。ところが、同じあれで10年たって、福澤さんにかかると、もう江口・唐沢も行間無しの顔芸大会になるんですよ!

(マキタスポーツ)顔芸大会(笑)。

(プチ鹿島)そういうことですよね?俺、それしみじみ感じた。だから松木化。ラーメン濃いか薄いか。

(サンキュータツオ)それを考えたら、コロッケさんがウケ続ける理由、わかりますよね。面白いよ!って言っている感じだからね。モノマネをした上に、顔が面白いっていう。それはしょうがないよね。

(プチ鹿島)だからグレイゾーンが撤去されていくっていうので、いいの?って思う層もあれば、無いからこそ楽っていう層もいるんですよ。絶対。YESかNOか。

(サンキュータツオ)だからその、サッカー以外にも、たとえば松木安太郎がそれを見て反応できるかどうか?っていうのも大事だと思う。たとえば花子とアンだって、やっぱり仲間由紀恵さん見て松木安太郎が『いいねー!』とかさ、『そこ、もっと!』って。

(マキタスポーツ)松木さんが美輪明宏の代わりになると。

(サンキュータツオ)そうそう!(笑)

(プチ鹿島)そう。『花子、行け!』って。

(マキタスポーツ)それだったらルーズヴェルト・ゲームも俺じゃなくて松木安太郎を入れればいいじゃん。

(サンキュータツオ)なんて言うの?同じ良質なドラマでも、松木安太郎がルーズヴェルト・ゲームを見てるのは想像できるんだけど。『MOZU』とかを見てるのは、なんとなく想像できない。

(プチ鹿島)あー!それは面倒くさそうだ。

(サンキュータツオ)行間があるやつは・・・

(プチ鹿島)『わかんない!』『ややこしい!』

(マキタ・タツオ)(笑)

(サンキュータツオ)でも、大事ですよね。なんか、息苦しいじゃん。いま。いろんなさ。なにかを表明したらさ、それこそ自分よりも詳しい人がツッコミを入れたりだとか。気分で言ったら、『根拠を言ってください!』みたいな。だからSNS大好きなんだけど、ツッコミも怖いから迂闊なことを言えない。で、求道層から怒られる。だから浮動層としてなにかを表明したいけど、きっかけがほしいって時に、やっぱり松木安太郎っていうのはいちばん乗っかりやすい。いや、本当世の中の松木安太郎をいっぱいね・・・俺、松木安太郎さんに『どんな映画が好き?』とか聞いていった方がいいと思うんだよね。

(プチ鹿島)『E.T.』!

(マキタスポーツ)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』!

(プチ鹿島)『ジュラシック・パーク』!恐竜、でかいですよ!

(サンキュータツオ)『いいねー!おっきいねー!』

(マキタスポーツ)(笑)

<書き起こしおわり>

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