アグネス・チャンとプチ鹿島 熊本市議・子連れ議場入り問題を語る

アグネス・チャンとプチ鹿島 熊本市議・子連れ議場入り問題を語る 荒川強啓デイ・キャッチ!

プチ鹿島さんがTBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』の中で、熊本市議会で緒方夕佳市議が生後7ヶ月の赤ちゃんを連れて議場入りした問題についてトーク。かつて、子連れで出勤したことで「アグネス論争」を巻き起こしたアグネス・チャンさんにこの問題についてインタビューしていました。

(片桐千晶)「子連れで議会に出席した女性議員へ熊本市議会が厳重注意」。第五位。28ポイント。今月22日に開会した熊本市議会の定例会で緒方夕佳市議が赤ちゃんを連れて出席しようとしたことがルールに抵触し混乱を招いたとして、熊本市議会は文書での厳重注意とすることを決めました。市議会は議員以外を「傍聴人」とみなし、傍聴人規則で「いかなる理由でも議場に入ることはできない」と定めています。厳重注意を受けて緒方市議は記者団に対し、「議会の開会が遅れたことは申し訳ない」と謝罪しました。

(荒川強啓)はい。今日のニュースプレゼンターは時事芸人のプチ鹿島さんです。こんにちは。

(プチ鹿島)こんにちは。よろしくお願いします。

(荒川強啓)このニュース、先週話題になりましたね。

リスナーからの意見

(プチ鹿島)ちょうど1週間前ですね。で、メールもたくさんいただいております。こちら、青梅市48才の女性。「昔のアグネス問題を思い出します。預ける場所が見つからないなら、連れてくるしかないですよ。託児所を作るべきです」という。アグネス・チャンさんのことですね。こちら、千葉県白井市44才男性。「赤ちゃんを連れて議場、このニュース、市議に対しても役所に対しても感心しません。議場は職場です。レストランや娯楽施設じゃないんです。赤ちゃんが泣いたら審議は止まるし、衛生的な環境とも言えず、赤ちゃんにもよくないでしょう」という

(荒川強啓)うーん。

(プチ鹿島)まあ、たしかに赤ちゃんが泣いたら、ぐっすり寝ている議員さんとかを起こしちゃう可能性もありますからね。

(片桐千晶)その可能性はありますね(笑)。

(プチ鹿島)その問題が重要だと思うおじさん議員もいるかもしれない。ということで、おさらいをします。11月22日。1週間前ですね。熊本市議会で緒方夕佳市議(42)が生後7ヶ月のお子さん、長男を抱いて本会議場に着席した。それで開会が40分遅れた。で、今日の毎日新聞によると、最大会派の自民党から「議員というルールを作る立場にありながら、ルールを守らなかった」と緒方市議の行動を問題視する声が出た。それで市議会の運営委員会は議長名で文書で厳重注意を出したというんですよね。で、この問題はやっぱり1週間前に起きた話なんですけども、論争というか、注目を集めておりまして。昨日なんですが、朝日新聞と東京新聞が特集記事を組んでいます。

(荒川強啓)うん。

(プチ鹿島)東京新聞は「悩む女性の声、可視化」というタイトルですね。で、今回お子さんが入れなかったのは、「傍聴人はいかなることがあっても議場に入ることができない」ということで、まあ長男も「傍聴人」とみなされたから、ということなんですよね。

(近藤勝重)(赤ちゃんなんだから)傍聴なんか、できないじゃない?

(プチ鹿島)だから、立場上は傍聴人としてカウントするしかなかったということですね。

(片桐千晶)なので、入ってきてはダメということですね。

(プチ鹿島)そうですね。で、緒方市議はそもそもなんで今回、こういう行動を起こしたのか? 「子育てと仕事を両立しようとしている女性たちが直面している問題を体現したかった。可視化したかった」とコメントを残しているわけですよね。で、朝日新聞。これまでの経緯を同じように報道しておりまして。緒方市議は「事前に子供連れで出席ができるか? などを議会事務局に相談したが、『ベビーシッターを雇ってください』という対応で変わらず。埒が明かないと思った」というんです。一方、議会事務局の説明も載っていまして、「緒方さんからは『子供と長時間離れるのが不安だ』という声は聞いていたが、具体的な要望はなかった」という風に説明をしていて、ちょっと食い違っているんですよね。

(片桐千晶)うん。

(プチ鹿島)で、この緒方さんの赤ちゃん連れで議場入りした問題、まあ有識者に聞いてみようということで、先ほどメールでも読みましたアグネス・チャンさんにお話を聞いてみました。というのは、「アグネス論争」っていうのが1987年にあったわけですよね。アグネスさんが出産した長男をテレビ局に連れていき、社会的論争を巻き起こした。つまり、「同伴できない場所があることもわきまえるべき」という声や、「いやいやいや、子連れで来るのも女性の社会参加なんだから、当然のことなんだ」という。もう真っ二つに割れて。あれから30年、アグネスさんは今回のこの騒動をどう思っているのか? ちょっと先ほど電話でインタビューしてみました。聞いてください。

アグネス・チャン 電話インタビュー

<電話インタビュー音源スタート>

(アグネス・チャン)たぶん彼女も連れて行く前にいろいろと連絡をして、解決方法を探ったと思うんですね。でもそれが埒が明かないから、もう連れて行くしかないかなと。あえて、ルールは軽視されているかもしれないんだけど、それを破って問題提起として赤ちゃんを連れて行ったのではないかなと私は思います。

<電話インタビュー音源おわり>

(プチ鹿島)はい。アグネスさんは「今回、問題提起になったのではないか?」とおっしゃっていました。「じゃあ、30年前のアグネスさんの時はどういう思いで連れて行ったんですか?」という、その答えを聞いてみましょう。

<電話インタビュー音源スタート>

(アグネス・チャン)私の時は、スタジオまでは連れて行かなくて、楽屋までですね。それと、本当に問題提起をしようとは思っていなかったんです。だから、彼女ほど意識が高くなかったと思います。偶然にその問題提起になったんですね。だけど、それによって改めてみんなが、「働いている母親の背中には子供がいるんだ」っていう、社会に論争が起きて、みんなが考えるようになったので。それはそれでよかったと思います。

<電話インタビュー音源おわり>

(プチ鹿島)アグネスさんの場合は結果的に問題提起になったので、いまとなってはよかったんじゃないかという。で、最近、この赤ちゃん・子連れ論争の前に、「少子化は国難のひとつだ」っていうことで選挙にもなったじゃないですか。

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で、相変わらずこういう話も起きている。これに関してはアグネスさん、どうですか? という。この答えをどうぞ。

<電話インタビュー音源スタート>

(アグネス・チャン)これは社会全体の働く母親の悲鳴であって、それをなんとか制度を整えてほしいという、そういうような問題提起として見てほしいんですよ。彼女が正しかった、正しくなかったっていうようなことではない。本当に少子化を解消したいなら、どんな細かい対応でも、誠心誠意でやっていかなくちゃいけない。私はすごい楽しみなんですよ。国の対応が。彼女がこうやって注意されるのも、まあ彼女はたぶん想定内でやったと思うんですけど。でも、そうやって注意をされてもいいから、その後に愛情たっぷりの対応をぜひ、やっていただきたい。

<電話インタビュー音源おわり>

(プチ鹿島)ということで、まあルール違反はしたかもしれないけど、でもあえて変えなくてはいけないこともあるんだというのがアグネスさんのおっしゃることで。今回のことで、「パフォーマンスだ」という批判もありますけど、僕は政治家にはいいパフォーマンスもあると思うんですよよね。こういう、もう体を張ったというか、アドバルーンを上げる政策を。これで実際にこういう論争になっているわけで、たとえばじゃあ議場の中に赤ちゃんを連れて行くという100%の理想が達成できなくても、議場の外に託児所が設けられたりとかね。そこまで行けば、もう政治家の問題提起としてすごく意義があったんじゃないかな? と思ったんです。

(片桐千晶)うん、うん。

(プチ鹿島)で、ちなみにこういうニュースも11月初旬にありましたね。世界経済フォーラムの男女格差報告というので、男女平等については日本は144ヶ国中、114位。その主な理由というのは、女性の政治進出が遅れているのが最大の原因。だから一方でこういうのがありつつ、この入口の時点で論争になっているということで。どうですか? 近藤さん。

(近藤勝重)これはいい問題提起になるんじゃないですか? 単にルールに抵触したからダメだっていうレベルでは終わらないですよね。仕事と子育てをどう両立させるのか?っていう、「Aか? Bか?」じゃなくて、ABの答えを出さないと収まらない、いい問題提起だと思いますよ。この間、どこかヨーロッパかな? オーストラリアかな? (議場で)おっぱいを飲ませていたよね?

(プチ鹿島)そうですね。欧州議会では議場で授乳もできる。で、アグネス論争をいろいろと調べてみると、当時はこんな意見が出ていたらしいんですね。ルールについて。「ルールを守れ! と叫ぶのは、ルールに従うことで利益を得る人たちなのである」という。だからそれはやっぱり、まあ体を張ってと言ったらあれですけども。政治家ならひとつのパフォーマンスとしてやるのも十分意義があるのかな? とも思うんですがね。はい。ということで、1週間たってもまだまだ論争を呼んでおります。

(荒川強啓)はい。

<書き起こしおわり>

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