渡辺志保 2017年アトランタHIPHOPシーン最新レポート

渡辺志保 2017年アトランタHIPHOPシーン最新レポート INSIDE OUT

渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で2017年5月にジョージア州アトランタを訪れた際の模様をレポート。アトランタのヒップホップシーンの歴史や最新情報、フューチャーのライブの模様などをお話されていました。

アトランタでゲットしたフューチャーのツアーTとともに?? #inside_out アトランタについて喋り足りません??

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この曲(YFN Lucci『Everyday We Lit (Remix) ft. PnB Rock, Lil Yachty, Wiz Khalifa』)もね、めっちゃアトランタのラジオでかかっていたわけですけども。改めて、渡辺志保によりますアトランタ超偏愛特集をお届けしたいと思うんですけども。そもそもね、私ずっとアトランタが好きで。はじめてアトランタに行ったのはもう大学生の時だから10何年前だ? みたいな感じになるんですけども。ちょうど当時はヤング・ジージーがデビューして……とかそれぐらいの時だったんですが。で、アトランタって今年に入ってね、フューチャーがビルボードでアルバム1位を取ったりとか、ミーゴスがシングルチャートでもトップを取ったりとかっていう動きがありますけども。まあ、ここ1、2年で盛り上がったシーンではないよっていうところを老婆心ながらお伝えしたく思っていて。

もともと豊かだったアトランタの音楽シーン

もともと音楽シーンに関してはアトランタはすごく肥沃地帯といいますか。産業的に盛んなところだったんですね。で、80年代の終わりにはL.A.リードとベイビーフェイスがラフェイスレーベルを立ち上げまして。そこからTLCが出てきたりとか、その数年後にはアッシャーが出てきたりとかっていうことがありましたし。で、方やいまかかっているこの曲も作ったジャーメイン・デュプリというプロデューサー兼ラッパーがいますけども。ジャーメイン・デュプリがソー・ソー・デフを立ち上げて、結構最初の頃にね、『So So Def Bass All-Stars』なんてコンピを作って。そこからアトランタベースなんていうのが流行ったりもしましたし。クリス・クロスが出てきたり……っていうこともございましたし。

なんだかんだでアトランタの音楽産業っていうのはずっと80年代の終わりから脈々と育ってきたものではあるんですよね。で、そこから90年代に入ってやっとアウトキャストがシーンに出てきまして、アトランタのヒップホップサウンドっていうのがそこから、ダンジョン・ファミリーとかね、グッディ・モブとかと一緒に作られていくわけなんですけども。で、アトランタのヒップホップってなにかたぶんね、みんな……私もいままさにずっとそうなんだけど、惹かれるものがすごくあるんですよ。

ちなみに、グラミー賞っていうのが毎年行われますけども、今年行われた第59回。その中で毎年毎年、最優秀アルバムっていうのが選ばれまして。今年はアデルのアルバムでしたけど、その長い約60年続くグラミー賞の歴史の中で最優秀アルバム部門に輝いたヒップホップアルバムって実は1作品しかなくて。それって何か?っていうと、ドクター・ドレーでも2パックでもジェイ・Zでもなくて、アトランタ出身のアウトキャストの『Speakerboxxx/The Love Below』。2003年にリリースされましたけど、それが唯一のグラミー賞に輝いた……ヒップホップアルバムではなくて全体のベストアルバム部門に輝いたのが唯一アウトキャストの『Speakerboxxx/The Love Below』だったんですよ。

なので、本当にね、みんながなにか惹かれる「魔力」みたいなものが脈々とアトランタのヒップホップサウンドにはあるんじゃないか?っていうのが私の勝手な持論なんですけども。で、今回、私もアトランタに行きましてアウトキャストらを輩出したダンジョン・ファミリーというクリエイター集団というかプロデューサー集団がいるんですけども。そのダンジョンファミリーのアートワークなんかを昔から手がけてきたライター、デザイナーの方のアトリエに行かせてもらいまして。その彼が、Netflixで見れるんですけど、『The Art of Organized Noize』っていうドキュメンタリー映画があって。フューチャーとか、そのへんもワーッと出ているんだけど。

そこに、なんといろんな昔の彼らの写真が出てくるんだけど、それを全部提供したのがそのアーティストのダックスさんっていうOGなんですけど。そのダックスさんっていうデザイナーさんのアトリエに行かせてもらって。で、もう昔の実際にアウトキャストが着ていた衣装とか、そのよく見るダンジョン・ファミリーのロゴの形を模したいろんなグラフィティの原画みたいなものも見せてもらって。本当にヨダレ! みたいな感じがしたんですよ。

で、そこでめっちゃ私が興奮したのがアウトキャストがその『Speakerboxxx/The Love Below』というアルバムがありますけども。その中で『Roses』というシングルがございまして。そのミュージックビデオがあるんですけど。そこでビッグ・ボーイが着ているスタジャン、スタジアムジャケットがありまして。それはバックに「Speakerboxxx」って書いてある。で、ミュージックビデオもよくある学園ものなんですけど、ビッグ・ボーイチームとアンドレ3000チームに分かれてかわい子ちゃんを巡って抗争が起こるっていうストーリーのミュージックビデオなんですが。そこで着た実際のスタジアムジャケットを見させていただいて本当にダンジョン・ファミリーファンにとってはもう本当に本当にたまらない。

『Roses』のジャケット

しかも、「いま日本からこういう音楽好きな子が来ているからお前、インタビューしてやってくれよ」っつってリアル・ダンジョン・ファミリーのメンバーにその場で電話をかけてくれるみたいな。「うおーっ!」みたいな。「ああ、ちょっと俺、いまからレイ・マーレーに電話をかけてやるよ」とか言ってね、お電話なんかしてくださったりしていて。本当にこう、ヨダレが止まらないっていう感じだったんですよね。なんでちょっと、いまからさかのぼること14年ですけども、そのグラミー賞を受賞した唯一のヒップホップアルバム、アウトキャストの『Speakerboxxx/The Love Below』からこの『Roses』という曲を聞いていただきたいと思います。

OutKast『Roses』

はい。というわけでいまお聞きいただいておりますのはアウトキャストの伝説的なアルバム『Speakerboxxx/The Love Below』から『Roses』、聞いていただいております。いまね、みやーんさんも松尾潔先生の『メロウな夜』のアトランタR&B特集の書き起こし記事をつぶやいてくださっていますけども。本当にね、このへんの「ラフェイスが~」とかは私じゃなくて松尾先生にじっくりたっぷりメロウに語っていただく方がよいかと思われますので。みなさん、松尾先生のご著書なんかを読んでぜひぜひキャッチアップしていただきたいと思うんですけども。

そう。まさにアトランタでは1996年にオリンピックがありましたけども。今回行ったアトランタの古着屋さんなんかでも、その96年の五輪グッズを……スポーツアイテムっていまも流行っているじゃないですか。特に90年代の。そういうのを多く扱っている古着屋さんなんかがあって。あと、オリンピックの時に使われたスタジアムのイスなんかも売っているというかディスプレイされていて。マジですげーな! と思ったんですけども。オリンピック公園なんかもありますので、アトランタに行かれた際はぜひそういった歴史的なサイトシーイングの場所も行ってみたらどうでしょうか?っていう感じがしますけども。まあ、アウトキャストが出てきましたと。

そしてですね、2000年あたりを転機にしまして、アトランタのヒップホップサウンドが大きく転換期を迎えるんですね。で、後ろでT.I.なんかがかかっていますけども。まず2000年にリュダクリスがデフ・ジャムからデビューするんですよ。その後、2001年ぐらいから今度はリル・ジョンが出てきまして。もうクランクシーンをウワーッと作り始めましたけども。2001年にはリル・ジョンが出てきて『Bia, Bia』という最初のヒットシングルを出すと。で、だんだんだんだんいまのアトランタサウンドに通じる、シンセがあって、ハイハットがチキチキ鳴っていて、ベースがズンズン鳴っていて……っていうまた新しいアトランタサウンドが作られるわけなんですけども。

トラップ・ミュージック

2003年にT.I.が『Trap Muzik』というアルバムをリリースするんですね。で、ここがまさにいま2017年にもつながるトラップ・ラップとかトラップ・ヒップホップにつながるその礎を築いたのがまさにこの時代のT.I.だったりとか、そのちょっと後に出てくるグッチ・メインとかヤング・ジージーとか、そういったメンツなわけですよ。で、まあトラップ・ミュージックってなんだ?っていう感じなんですけど、「Trap」っていうのはもともといけないドラッグなんかを売りさばく場所だったんですよ。で、「Trap House」って言うと、たとえばその売りさばく場所であるし、もしくはそういうお粉を袋詰め作業する場所というか、ドラッグの売買に必要不可欠な場所を「Trap」とか「Trap House」って言うんですけども。

T.I.とかグッチ・メインっていうのは実際にそういうトラッピングしながら……トラップっていうのは職業を表す名詞・動詞にもなるんですけども。実際にそのトラップ生活を送ってきたハスラーたちがラッパーとしてデビューして。で、その曲をトラップ・ミュージック、トラップ・ラップっていう風に呼ぶことになったんですよね。で、まずT.I.がヒットをさせます。その後にグッチ・メインが『Icy』とかをヒットさせて。で、一気にアトランタのシーンが盛り上がる。しかもそこにはトラップ・ラップっていうひとつの精神みたいなものが宿ったラップが盛り上がるようになっていくんですけども。私が、これこそがトラップ・ミュージック、トラップ・ラップの元祖だと思う曲がありまして。今日は皆さんにもそれを聞いていただきたく、ヤナタケさんに用意をお願いしたんですけども。T.I.の2003年にリリースしたアルバム『Trap Muzuk』から『24’s』を聞いてください。

T.I.『24’s』

はい。いまお聞きいただいておりますのはT.I.が2003年にリリースしましたアルバム『Trap Muzuk』から『24’s』、聞いていただきました。これが2003年ですよね。で、90年代の終りぐらいにノーリミットのヒットがワーッとあったりとか、その後にホット・ボーイズ。リル・ウェイン、B.G.、ジュヴィナイルのヒットがあったりとかして。で、かつこの2000年代半ばぐらいに掛けてですかね? 今度はテキサス州、特にヒューストンを中心としたサウスのムーブメントなんかもあって。なので、2000年に入ってからガガガッとジョージア州アトランタとか、ニューオリンズとかメンフィスとか、そのあたりのサウスのムーブメントが一気にガラッと勢いを増してきたっていう時でもあるわけなんですけども。ちなみにこの当時、このT.I.の初期の頃のヴァイナルってCISCOとかでも普通に売られていたんですか?

(DJ YANATAKE)あ、ヤナタケでございます。あのね、まだ正直、ニューヨーク至上主義というんですかね。渋谷は。でも、この曲に関して言えば普通にHot97とかでかかっていた記憶もあるし、僕、これすごい好きだったんでDJでもかけていたし。普通に仕入れて売っていたと思うんですけど。ただ、これBPMが81ぐらいなんだけど、いま聞くと普通ぐらいの……なんならちょっと早いぐらいだけど。

(渡辺志保)いま、だからフューチャーの曲とかもう60、70ぐらいが主流……。

(DJ YANATAKE)もう60とか50台も出てきているぐらい。それに対してこれは81なんだけど。ただ当時、すっごく遅く感じて。「こんな遅い曲、どうやってかけよう?」みたいなぐらいの曲だったから。なんか、ずいぶんスピードの感じ方違うよな、いま聞くと。

(渡辺志保)ねえ。本当ですね。逆にね、いま聞いても全然これでケツを振れちゃうぜっていう感じがするんですけども。そんなこんなで、2000年初頭ぐらいからそのアトランタのトラップシーンっていうのがだんだん形成されていったんですよ。で、それをひとつ定形を作ったのが『Icy』でブレイクしたグッチ・メインなんですが。いま、後ろでかかっているのが『Wasted』っていう曲ですけども。

Gucci Mane『Wasted』

これが2009年なんですよね。で、2007年ぐらいからインターネットを中心にヒップホップのアーティストがどんどんミックステープを出していったりとか。WorldStarHipHopとかを使ってどんどんどんどんすっごい勢いで曲を出して、PVを出して……っていう動きを見せてきたわけですけども。グッチ・メインはまさにそれに乗っかったようなアーティストで。もうすごい勢いで……もうファンもグッチがどれぐらいの曲を量産しているのか、全然追いつけないぐらいに。アルバムも正規のアルバムもあれば、ストリートだけでしか流通していないような、そういう「ストリートCD」なんて当時は言っていましたけども。そういったものもあるというわけで、もうグッチがすっごい勢いでこのへん、曲を出していき。しかもそれがヒット曲につながると。

で、かつマライア・キャリーとかとも当時コラボしていて。アトランタの1トラッパーだったグッチ・メインが本当どこまでスターダムにのし上がってしまうのでしょうか? ということがあったのが2009年ですね。で、その後にワカ・フロッカ・フレイムが出てきたりなんていうことがあるんですけども。その後ね、ちょっとグッチ・メインもおイタがすぎまして、ムショに入ったり出たりっていうのを繰り返すようになりまして。で、2010年代に出てきた新しいスターがまさにフューチャーなんですね。で、フューチャーのデビューっていうのはみなさんも覚えているかもしれないですけど。『Same Damn Time』とかね。いまもクラブでよくかかりますけども。そういった本当に結構その当時王道のアトランタのトラップチューンっていうのを武器に出てきた彼なんですけども。

もともとフューチャーっていうのはアトランタでアウトキャストとかと一緒にサウンドを作ってきたオーガナイズド・ノイズのプロデューサー集団がおりますけども。そこのメンバーのリコ・ウェイドっていうベテランがいまして。そのリコ・ウェイドのいとこなんですよ。フューチャーは、もともと。それで、フューチャーのデビューライティング作。自分がラップしたんじゃなくて、フックだけを書きましたという作品があって。それがリュダクリスの『Blueberry Yum Yum』っていう曲があって。これがね、2006年の作品かな? ぐらいのシングルなんですけども、そのフックを書いたのがはじめてのソングライティング経験だという風にインタビューでフューチャーさんが語ってらっしゃいましたね。

でもって、フューチャーが『Pluto』というデビューアルバムをリリースするんですけど、それが2012年ですね。なのでシングルなんかは2011年に出ていて、2012年にアルバム『Pluto』でデビューするんですけど。さっきも言ったような『Same Damn Time』とか、あとはなんですかね。ここのアルバムからヒットしたと言えば……。

(DJ YANATAKE)『Tony Montana』?

(渡辺志保)そうです。『Tony Montana』。「トニモンターナ、トニモンターナ♪」って。

(DJ YANATAKE)あれが最初に流行った感じがするな。

(渡辺志保)そうですね。で、その頃にたぶん私もこの『INSIDE OUT』を始めて。で、HIPHOP HYPE!の中の人と『FLEXIN’』っていうね、コンピアルバムを作らせていただいたというすごいほっこりする思い出があるんですけども。

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その中で、結構ね、コアなリスナーからすごい支持された曲が『Pluto』のアルバムの中に入っていて。それが『Turn On the Lights』っていう曲なんですけど。あのね、このフューチャーはすごいいまのフューチャーにすごい近い歌唱法なんですけど。ラップするんじゃなくて、もうしゃがれ声みたいな声でひたすら歌っている曲なんですよ。しかもちょっと甘いラブソングみたいな感じに仕上がっていて。

で、私、最初これを聞いた時に『Pluto』の最後の方に入っている曲なんですけど、ギャグでやっているのかな?って思って。「なに、この歌っているんだかラップしてんだかよくわかんないモゴモゴしたラップ?」って思って。最初は「超ワロスw」みたいな感じで聞いていたんですけど、結構ね、ネットとかを見ているとコアなリスナーからはその曲がいちばん人気が高くて。結果、その『Turn On the Lights』がいまのフューチャーのド雛形につながるわけなんですが。ちょっとここで2012年にそのフューチャーが発表した『Turn On the Lights』という曲を聞いていただいてもいいでしょうか。お願いします。

Future『Turn On the Lights』

はい。いま聞いていただいておりますのはフューチャーのデビューアルバム『Pluto』からの1曲『Turn On the Lights』ですね。これ、だから私もラッパー・フューチャー……しかもサウス、アトランタ出身のハードコアなラッパーのアルバムを聞いていたら、最後の方にこういうメロウな……「お前、歌っとるやんけ!」みたいな曲が入っていて、当時はすっごいびっくりしたんですけど。まさかこれが彼のそのメインストリームのスタイルになるとは全く思っておりませんでしたし。でね、フューチャーがここまで売れるとは、私も当時全く思っていなかったんですけども。

今回アトランタに行きまして。私もすごい好きな若手のクルーに取材をする機会を得たんですけど。彼らに「あなたたちもアーティスト活動、特にヒップホップアーティストとして活動していく上で、アトランタで生まれ育ったことって影響してますか?」って聞いて。で、「影響しているとしたら、どういうアーティストが、あなたたちが影響を受けたアーティストなのか?」っていう質問をしたら、やっぱり「アトランタで生まれ育つと、グッチ・メインがゴッド。そしてフューチャーはジーザスなんだ」っていうね、神発言を。まあ、両方とも「神」なんですけども。そう。だからグッチ・メインって本当にね、いままでアトランタのフッドスターみたいな感じで。で、去年グッチがムショから出た時もすっごいもう、お迎えパーティーがすごかったんですよ。「お帰りなさい!」っていうね。

で、それといま並ぶぐらいフューチャーはね、本当にアトランタの若手にとってはすごいジーザス、神様みたいな存在なんだよという風に言っておりまして。で、魅力ってなんなんだろう?って私も自分でもグルグルグルグル、頼まれてもいないのに考えちゃうんですけど。たとえば、カニエ・ウェストとかケンドリック・ラマーっていうのは自分のフィールドの範囲外のミュージシャンとも上手くコラボレーションして。で、ケンドリックだったら『To Pimp A Butterfly』でロバート・グラスパーとかサンダーキャットとかも招いて。今回のアルバムはなんとキッド・カプリなんかも呼んで。で、そこで自分のサウンドを二次的、三次的に発展させていくような感じがするんですよね。

それで、たとえばヒップホップしか聞いてなかったような……ケンドリックのファンはヒップホップファンばかりだったかもしれないけど、ジャズを聞く人もロックを聞く人も、ちょっとケンドリック・ラマーを聞いてみようじゃないかというような感じになっているんじゃないかと思います。で、たとえばドレイクに関しても、今回『More Life』というプレイリストをリリースしましたけども。そこでもさ、南アフリカのブラック・コーヒーとやったりとか、UKの若手のアーティストをあんだけワッサーと呼んだりして。自分の世界ではない、外の世界からどんどんどんどんアーティストとかサウンドのエッセンスを取り入れて。それが自分の血となり肉となり……っていう感じでサウンドを構築していくようなアーティストだと思うんですが。フューチャーはね、全く逆なんですよ。「半径1メートルのやつらとしか曲を作りません」みたいな。本当にストリクトリー・トラッパーみたいな感じなんですよね。

で、そこはたぶんグッチ・メインもね、同じような感じだと思うんですけども。なので、ずっと地元で一緒に活動してきているサウスサイドとかメトロ・ブーミンとかマイク・ウィル・メイド・イットとかと濃いセッションを大量にこなしながら。で、自分の曲を作っていくことで自分のシーンっていうものを作っていってる。なので、自分からシーンに寄るのではなくて、自らそのヒップホップシーンとか、いまとなってはポップシーンですけども、そういったところを引き寄せた、そんな才能のあるタレンテッドなラッパーなんじゃないかな? という風にも思っています。だからこそね、ドレイクもフューチャーと2年前にコラボミックステープを作り、去年は一緒に2人で全米をグルグルグルグル回る大規模なツアーをやっていましたから。

あと、個人的にはすごいフューチャーは色気があるなという風にも思っていまして。まあシアラとのいざこざなんかもありましたけども。まあ今回、『Future』と『HNDRXX』という2枚のアルバムを作って。『Future』の方がより内省的だし、より彼のトラッパー、トラップ生活を送るアルバムですけども、『HNDRXX』っていうのはちょっとその色気がより押し出されている。で、「これ、絶対にシアラのこと言ってるんだろうな」みたいな曲もいくつか散見されますし。で、リアーナを招いたりとかウィーケンドを招いたりで、ちょっと甘いテイストなんかもあるという、すごく対照的な2枚だと思うんですけども。

でも、それでもやっぱり「サウンドを作っているのは本当に俺の半径1メートルにいる仲間たちだけだぜ」みたいな感じがするので。やっぱりその濃いエッセンスっていうのがフューチャーの魅力かなという風に思っています。そして、フューチャーを語る時に欠かせないのが彼のライブDJも務めているDJエスコという存在がいるんですけども。もうエスコちゃんはね、すごいんですよ。なにがすごいかと言いますと、アトランタってストリップクラブがすっごいたくさんあって。しかもそこがトレンドの発信地になっているという話はこれまでにも『INSIDE OUT』でもお話してきたことでもあるんですけども。

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そんな中でアトランタの伝説的なストリップクラブ、マジック・シティっていうのがありまして。結構ね、T.I.もね、フューチャーと一緒に『Magic』という曲を作っているし。ヤング・ジージーもね、『Magic City Monday』なんて曲をちょっと前に出しましたけども。結構ね、人気ラッパーはみんな行くっていうようなストリップクラブなんですね。で、私も今回はじめて昼間のマジック・シティに行きまして。やっぱりすごい広いのと、あとリック・ロスがイメージキャラクターを務めているシャンパンがバーッと置いてあって。リック・ロスの等身大のパネルとかも置いてあって。「ああ、いいですね」という風に思ったんですけども。まあ、そんなマジック・シティ。アトランタ随一のストリップクラブで箱付きDJとして……アトランタのストリップクラブはDJが常駐していますから。そこで、ストリッパーから。そしてドラッグディーラーからも一身に期待を背負って、みんなのプロップスを集めてアトランタでのし上がったのがDJエスコなんですよね。

なので、そのフューチャーとエスコの二人三脚の、またこの濃い世界というのがファンにとってはたまらないわけです。で、今回私、フューチャーの『Nobody Safe Tour』のアトランタ公演にも行ったんですけど。本来なら、ミーゴスとかトリー・レーンズとかも出るツアーだったんだけど、私が見に行ったアトランタ公演はなんとミーゴスもいない、トリー・レーンズもいないっていうことで。その代わりに、DJエスコのソロのよくわかんない、エスコの盆踊り大会みたいなのが途中で設けられて。もうすごいエスコファンには……私にはすっごいたまらなかったんですけども。もうね、エスコが本当に大盤振る舞いでカラオケをしてくれる。しかも、盆踊りみたいなおもろい踊りをしながらカラオケをしてくれるっていうエスコタイムがございまして。で、エスコが自分で『T Shirt』とか『Bad and Boujee』とか、あと『Tunnel Vision』とかをね、カラオケする時間があったんだけど。

@escomoecity x @migos #badandboujee #nobodysafetour #future #djesco

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そん中でやっぱりエスコが出てくる時にかかっていたのが去年の彼のミックステープにも入っていた、彼の代表的なシングルなんですけど『Too Much Sauce』という曲がありまして。それをかけて出てくるエスコがめちゃめちゃキュートっていうか。すごいお客さんの反応もよかったし。

TOO MUCH SAUCE???? @escomoecity #nobodysafetour #djesco #toomuchsauce #sauce #atlanta

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エスコもエスコで『Too Much Sauce Tour』っていうのを自分で今年ワーッとやっていたんですけども。まあ、フューチャーはさ、日本に来れないとしてもせめてエスコだけでも日本に来てほしいなと思って。今日はそのDJエスコへの愛情を込めてこの曲を『INSIDE OUT』でかけさせてもらいたいんですけども。よろしいでしょうか? フューチャーで『Too Much Sauce』。聞いてください。

DJ ESCO『Too Much Sauce ft. Future, Lil Uzi Vert』

はい。いま聞いていただいておりますのはDJエスコ feat. フューチャー&リル・ウージー・ヴァートで『Too Much Sauce』。これね、本当になんかこういうところで聞くとなんてことはない曲なんだけど、これをね、スタジアム級のところでかかってエスコが盆踊りしながら出てくるともう、「キャーッ! 失神しちゃう~!」みたいな感じなので。暇なDJの方はぜひぜひ現場でかけてください。はい(笑)。で、フューチャーのライブはマジでヤバかったっす。実は私、コーチェラとかちょっと前、4月にやっていましたけどね。フューチャーの時にドレイクが出たり、レイ・シュリマーが出てきたりとかしていて。まあ、アトランタだから誰か来るやろと思っていたんですけど結局ノーゲストだったんですよ。

でも、フューチャー1人プラスDJエスコの盆踊りタイムで計90分ぐらいのショウで。もう1人でずっと歌いっぱなしなんですよね。フューチャーが。もう超汗だくになりながら歌っているんですけど。で、私もこれまた同じくですね、コーチェラとかその他のライブの映像とかを見ていると、やっぱりドレイクと一緒にラップするフューチャーってどうしてもドレイクの方がソリッドな声量があって。フューチャーはちょっとモゴモゴしたマンブルなラップだから、「お前もうちょっとしっかり声出せや!」って言いたくなる――まあ、YouTubeとかで見ている分には――なっていたんですけども。もう、「ごめん! フューチャー、本当ごめん!」っていう感じで。「マジ、ごめん! マジでめんご!」みたいな。本当、歌えるんすよね。90分、全然歌えるんすよね。フューチャー。

しかも、CDと声が変わらないみたいな。で、なんだろうね? エイサップ・ファーグの……他のエリアではエイサップ・ファーグも一緒に帯同するツアーの公演の日程組みがされているんですけど、エイサップ・ファーグの『New Level』をやったりとか、『Jumpman』もやってくれましたし。で、初期の『Same Damn Time』とか『Move That Dope』とかの初期のヒット曲もやってくれたし。1、2、3曲目は全部新しいアルバム『Future』からの曲でね。で、エスコの盆踊りタイムが終わったら、今度はガラッと『HNDRXX』タイムに切り替えっていうところもあって、なかなかソリッドでタイトなライブだったし。で、私たちが見に行った時は前座がヤング・サグだったんですけど。まあ、ヤング・サグもヤングにも人気ねっていう感じで。もちろんヤング・サグもヒット曲が多いですから、最後は『Lifestyle』を歌ってはけていったんですけども。

結構すごい、心温まると言ったら変ですけど、めっちゃ熱い気持ちになるライブでしたね。で、私が席を取ったのは、せっかくだから、わざわざアトランタまで行くからさ、ちょっといい席を買ったんですよ。だからちょっと単価の高いチケットを買って行ったんですけど。そんなこともあって、周りはアフリカン・アメリカンの方でもちょっと大人な人たち。もしくは、父親・母親がクソ金持っているんだろうな、みたいな白人のキッズたちっていう感じで。で、本当にね、編み編みみたいな服のレオタード着たお姉ちゃんの隣になんか女子高生みたいな白人の女の子がいたりなんかして、結構カオスな感じだったんすけど。でもみんな、本当に地元の人はよく知っているねっていうぐらい、もう本当に全てのリリックをみんな、もう当たり前ですけど……。

(DJ YANATAKE)ああ、そうだよね。

(渡辺志保)そう。歌えるし。で、たとえばヤング・サグの昔のミックステープに入っている本当にマイナーな曲なんかももうみんな、超歌えるし。

(DJ YANATAKE)すげーな。たとえばさ、日本のフェスに日本人のすげー人気のある人が出ても、そこまでなんないもんね。

(渡辺志保)まあ、そうかもしれないですね。たとえば○○さんが出ても、彼の曲を観客がみんな……まあ、個人のソロのライブだったらまだ違うかもしれないですけど。そう。だから合唱っぷりが気持ちよかったですね。で、合唱といえばやっぱりね、いまいちばん流行っているフューチャーのヒットチューン『Mask Off』がですね、これ、いちばん最後にやったんだけど。もう、なんて言うの? 何万人分の「モリ、パコセッ!」がね、響きに響き渡りまして。私はもう涙が出そうでしたよ。「パコセ、モリ、パコセッ!」っていうのを何回も言いますがフューチャーさんも盛り上げ上手ですから。何回も何回もオーディエンスを煽ってやってくれるわけなんですけど。

Mask off hero. #future #djesco #nobodysafetour #maskoff #percoset

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で、ちょうど私たちがアトランタに行った次の日ぐらいかな? フューチャーのライブの当日ですね。『Mask Off』のPVが発表になったこともあって、「アンバー・ローズが来たりしねーかな?」なんて思いましたけども。まあ、もちろん来ないよねっていう感じで。でも『Mask Off』は本当に盛り上がりましたね。で、コーチェラだと本当のフルート奏者のお姉さんが出てきてフルートを吹いてくれていたんですけど。そういうのも期待していたんだけど、なかったね。DJエスコだけだったね。まあ、私は満足なんですけど。まあ、そういった場所でフューチャーのファンと一緒になって歌った『Mask Off』は本当に忘れられないというわけで。ここでちょっとみなさまにもその楽しみを享受していただきたく、みなさんもぜひフックのところはね、Rap Geniusでリリックをいますぐ調べて歌っていただきたいと思います。それでは聞いてください。フューチャーで『Mask Off』。

Future『Mask Off』

はい。いまお聞きいただいておりますのはフューチャーの大ヒットシングル『Mask Off』でございます。「Chase a check, never chase a bitch(ビッチのケツは追わねえ)」というフューチャーの熱い叫び、みなさんも聞こえていますでしょうか? というわけで、お送りしておりますアトランタ特集なんですけども。まあアトランタね、本当に行けば行くほど私もその深みというかね、魅力にハマるんですけど。まあ、ちょっと真面目な話をすると、全米の調査がありまして、アトランタって全米においても貧富の差が最も大きい都市なんですよね。で、私が調べたところだと2012年、2013年と2年連続でワースト1位なんですよ。なので、金持ちはめっちゃ金持ちだけど、プアな人はめっちゃプアっていう、その差がいちばん開いているのが……全米、ニューヨークとかロスとかたくさんありますけども、本当にアトランタがそこのワースト1位なんですよね。

かつ、アフリカン・アメリカンの比率が高い都市でもあるんですけども。で、今回ちょっと「うわーっ!」って思ったのが、バンクヘッドというエリアがありまして。ショーティー・ローとかT.I.の地元なんですけども。そこに車で連れて行ってもらったんですけど、ショーティー・ローが生まれ育ったプロジェクトがもう更地になっていて。で、フェンスが建てられていて立入禁止になっているんですよね。で、土地開発が進んでいて、たぶんオリンピックの96年の時もそうだと思うんですけど、いままた土地開発が進んでいて。そういうプロジェクト……低所得者のための居住区っていうのがどんどんどんどん閉鎖されているところらしいんですよ。

で、閉鎖されて追いやられた人はどうするか?っていうと、まあシェルターに住まわされるのか、もしくはちゃんと経済基盤がある方は他のところに引っ越すし。もしくは、もうホームレスになるしかないんですよね。で、だからそういうちょっと閉塞感っていうのがすごいし、そこでやっぱり金持ちになるのは、勉強して大学に行っていい会社に入るっていうのももちろん、それは至極真っ当な道なんですけど。さもなければ、やっぱりラップでヒット曲を作って一山当てるみたいなのが、やっぱり彼らにとって本当に身近だし手っ取り早い自分たちの閉塞感から抜け出す唯一の手段っていう感じなんですよ。

で、去年に私、アトランタにうかがった時にミーゴスとかと同じクオリティー・コントロールというレーベルのジョニー・シンコという若手ラッパーに話を聞いたんですけど。私もニューヨークのラッパーとかLAのラッパーとかいろんな方にお話を聞いてきましたが、やっぱりジョニー・シンコは「とにかくラップで稼ぐためにやるだけ。それだけ!」っつって。で、「そのためにはやっぱり誰よりも目立たなきゃいけないし、自分をしっかり持たなきゃいけないし。とにかく俺はラップで稼がないと話になんねえんだよ」みたいなことをすっごい、それを何回も何回も繰り返して言うわけなんですよね。

アトランタの思い出。 - HIPHOPうんちくん
みなさま、ごきげんよう。最初から分かっていたことではありますが、ブログの更新がめっきり滞ってしまいました。不甲斐ないです。 すでに色んなところで書いたり喋ったりしているんですが、先日、ゴールデンウィーク時期にアトランタまで旅行に行って参りま...

だからさ、そういう閉塞感のある毎日で、なんなら思うようにお金も稼げないみたいなところで、いまさらそのポリティカルなことを言っても誰が聞いてくれるんだ? みたいな。そんな「政治がよくない、警察がよくない」みたいなのはみんなわかりきっていて、そんなの飽き飽きしているような状況なのに、さらにそういうことを言うんじゃなくて。だったらもうね、「俺たちバッド&ブージーだぜ!」みたいなことを歌って。それでヒット曲を作って金を稼いで高級車に乗って見せびらかすみたいな方がよっぽど彼らのリアリティーなんだなっていうのを。やっぱり行けば行くほどそういうことを思うんですよね。もう、しみったれたような曲をかけるぐらいであれば、パーティーとかね、あと自分たちの本当に身近なことを歌ってヒットにつなげる方がやっぱり彼らにとってはプライオリティーが高いことではあるんですよ。

で、ちょっとこれね、ソースを探しても見つからないんですけど。以前にT.I.の『Whatever You Like』っていうヒット曲が2008年だったかにありまして。それがヒットした時ってリーマン・ショックの時のアメリカ。で、ブッシュからオバマに変わる直前のアメリカっていう感じで。その時に、なんかアメリカの評論家の方が、「いまアメリカ自体が沈んでいるから曲の中だけでもこういう風に見栄を張って、『何でも買ったれ!』っていう羽振りのいい歌を聞きたくなるんだ。アメリカ国民は」みたいなことを言っていて。なのでいまもね、トランプ政権に変わりましていろいろと不安定じゃないですか。なので、だからこそミーゴスの、言ったら享楽的で単純な曲っていうか、そういうのが流行るっていうのももしかしたらそこの……まあ、ソースは見つけられないんですけども。そのロジックに当てはめると、必然性があるというか、そういうことなのかなということも考えてしまいました。

で、私もクラブに行って何気なくトイレに入ったら壁に「ファックトランプ」って書いてあって。その隣に違う子の筆跡で「I Agree(同意)」とかって書いてあって。本当にそういうのがね、日常っていうか。これがアトランタのいまなんだなとかって思うこともございましたので。そうなんですよ。で、話を戻すとこのミーゴスの『Bad and Boujee』に関してはもうジョージア州州歌か?っていうぐらい、本当にいろんなところでかかっていたし。あと、ミッドタウンの、東京でいうと丸の内みたいな、いろんなホテルがあってオフィスがあってっていうエリアがあるんですけど。そこにもでっかい液晶画面の広告があるんですけど。そこもYouTubeがお金を出しているミーゴスの広告で『T-Shirt』の『レヴェナント』みたいな格好をしたミーゴスがバーン!って煌々と光っていて。「うわーっ! マジでヒップホップドリーム!」とかって思ったわけなので。ここでちょっと締めの1曲というわけで、2017年を代表する1曲となりました、ミーゴスのこの曲を聞いていただきたいと思います。『Bad and Boujee』。

Migos『Bad and Boujee ft Lil Uzi Vert』

はい。いまお聞きいただいておりますのは、もう(NHKの)『みんなのうた』で流れる日も近いんじゃないか?っていう感じがしますけども。ミーゴスで『Bad and Boujee』です。ちなみに……(ツイートを読む)「パコセってどういう意味なんだろうと気になって、Geniusで調べる」とつぶやいてくださっていますが。『Mask Off』のフックに使われている「パコセ」っていうのは「Percocet」っていう鎮痛剤ですね。なんで、「ちょっとおクスリを飲んで……」っていうことでございます。ありがとうございます。

(DJ YANATAKE)なるほど。とりあえずじゃあ、アトランタ特集はここまでなんですかね?

(渡辺志保)好き勝手にありがとうございました。

(DJ YANATAKE)いやいや、あのちょっと普通の質問とかをしてみたいんですけど。結構さっきもTwitterを見ていると、これで興味を持ってアトランタに行ってみたいみたいな人とかいるんですけど。俺も乗り換えで空港しか行ったことがないんだけど。実際にたとえば、一般旅行者がヒップホップを感じたいみたいなので行くと……たとえば知り合いもいないとか。そういう感じで行っても、たとえばクラブとかに行っても大丈夫そうな感じですか?

(渡辺志保)大丈夫だと思いますよ。一応ね、LAとかもそういう風に言うけどミッドタウン、ダウンタウンっていうエリアがあって。そこは結構観光地のエリアなんですよね。で、そこにあるクラブはたぶん『地球の歩き方』とかに載っているかはわからないけど、あるんで。行ってもらえれば、ぜひ。でも、結構ね、これはあれですけど。白人の人がよく行くクラブと黒人の人が行くクラブで真っ二つに分かれているんですよ。なのでそこの見極めが必要かもしれないですね。なのでちょっとネットでパパッと調べて。クラブのスナップとかが絶対にあるはずなんで。そのお客さんの様子とかを見ながら……もしくは私にDMをくだされば、リコメンします。

(DJ YANATAKE)その、3日間ぐらい行って。たとえば、街で言うとニューヨークってさ、たとえば地下鉄とかタクシーとかを使うと割りと1人でなんでも移動できたりするじゃん。でもロスに行くとさ、車がないと何もできないみたいな。そういう交通網的にはどうなんですか? 旅行者が行くには。

(渡辺志保)Uberを強くおすすめします。

(DJ YANATAKE)あ、じゃあUberで移動すると。

(渡辺志保)タクシーはあんまりないからUberと、あとはマルタっていう、一応まあちゃんとした電車が走っているんですよ。で、まあそんなにめっちゃ長距離を移動することもたぶんないと思うので、マルタにさえ乗れば、たとえばキング牧師の生まれたお家に行って、その後にマルタに乗ってレノックスモールっていう私がヤング・ジージーに会ったモールとかに行けますので。Uberとマルタを活用すれば。でもクソ危ないところはね、もちろん現地の人とかがいないとなかなか行けないので。そういうところはおすすめしないですけど。うん。Uberとマルタ。で、Uberも、今回のUberはあんまりだったんですけど、前回に行った時のUberは乗ったUber全てがフューチャーみたいな男の人に当って。「いい、いい!」みたいな。

それで、もうみんな現地のヒップホップのラジをガンガンに聞いていて。移動中もずっと最新のヒット曲が聞けるという、私にとってはすごいウハウハな状況でしたね。

(DJ YANATAKE)おおー。じゃあ、最後の質問。もう1ヶ所。ここだけは絶対に行け!

(渡辺志保)ええっ、超難しい。どこだろ? でも、エッジウッドっていうエリアがあるんですよ。で、エッジウッドっていうのはよく言えば渋谷の円山町のエイジアとかブエノスとかハーレムとかが並んでいるあの坂、あるじゃないですか。ああいった感じでちっちゃいバーとかがいろいろとひしめいているんですね。で、そこにクラブっぽいところやバーもあるし。超白人の人向けのピザ屋とかもあるし。あとは、キラー・マイクが営んでいる床屋がありますので(笑)。

あと、ジャマイカ料理屋さんとかがあったりするんで。そのエッジウッドに行ってほしい。あと、もう1個付け足すならリトル・ファイブポインツっていうところですかね。

(DJ YANATAKE)それは、何?

(渡辺志保)それはね、ちょっと代官山・原宿っぽいところかな。

(DJ YANATAKE)ちょっとおしゃれっぽい。へー、なるほど。まあ、少し参考になりましたでしょうか?

(渡辺志保)なったかな? でもね、私はいっつも経由便でケチッて行ってますけど、直行便もあるんで。ぜひぜひみなさんアトランタ、本当に行ってほしい。街から感じるヴァイブスみたいなのが全然違うし、ヒップホップにかけるみんなの情熱みたいなものが本当に違うので。ぜひぜひ。まあ、アトランタはいつでもホットですけどね、ホットなうちにぜひぜひ訪れていただきたい街のひとつです。

(DJ YANATAKE)なるほど。お疲れ様でした。

(渡辺志保)お疲れ様でした。ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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