渡辺志保さんとDJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でギャングスターの16年ぶりの新作『Family and Loyalty feat. J.Cole』について話していました。
(渡辺志保)そんな感じで今日の2曲目をお届けしたいと思うんですけれども。これも発表されてから私のタイムラインとインスタのストーリーが全部これだったんだけど。あのギャングスターが16年ぶりに……。
(DJ YANATAKE)やったー! キターッ!(拍手)。
(渡辺志保)ヤバい(笑)。もう30以上のヒップホップヘッズはみんなこれをつぶやいたり、ストーリーにポストしていて。「ヤベえ!」って思って。みなさんもよくご存知だと思いますけど、DJプレミアとMCのグールーによるヒップホップ黄金デュオのギャングスターが16年ぶりの新作『Family and Loyalty feat. J.Cole』をリリースしたと。で、グールー先生は2010年4月に逝去していますから。ギャングスターとしての本当の意味での新曲っていうのはもう出ないと思うんですが。生前にレコーディングしたフックとバースを使って今回、新譜としてリリースしたという。で、アルバムのプロジェクトも控えているそうなんですね。
(DJ YANATAKE)よくここまで取っていたね。
(渡辺志保)すごいですよね。でも、いっぱいありそうじゃないですか? どうなんだろう?
(DJ YANATAKE)どうなんだろう? なんでこのタイミングなんだろう?
(渡辺志保)ねえ。しかもJ・コールを呼んだところがまたいい話と思って。で、このフックなんですけども。「Diamonds are forever like family and loyalty(ダイアモンドは家族や忠誠心のように永遠だ)」という。で、その次。「Or real rap songs like ”C.R.E.A.M.” or “My Melody”(ダイアモンドはもしくは、ウータン・クランの『C.R.E.A.M.』やエリック・B&ラキムの『My Melody』みたいなリアルなラップソングのように永遠に輝くものだ)」という風にラップしておりまして。
(DJ YANATAKE)クラシック!
(渡辺志保)亡くなったグールーにこんなことを言われたら、もう泣くしかないみたいな感じがしますね。ちなみに、そのイントロでもサンプリングの声が入っているんですが、それはMCライトの『Stop, Look, Listen』からのサンプリングということです。
(渡辺志保)で、そういうフックになっていますんで。J・コールも彼は2バース目でキックしているんですけども。「Guru flows forever like a diamond(グールーもまたダイアモンドみたいに永遠に輝いているぜ)」みたいなことを返していまして、もう泣きですよ。で、このDJプレミアのこの美しいも完璧なループサウンドの後に、やっぱりグールーの声、フックが入るっていうのはいま聞いても高鳴っちゃうなって自分でもちょっとびっくりしました。
(DJ YANATAKE)いやー、本当にそうですね。やっぱり僕らおじさん世代、僕もかなり胸アツなんですけども。僕、90年代はレコード屋さんで働いていまして。夕方、他の番組でも同じようなことをしゃべったんですけども。とにかくすごい、90年代にずっと売れ続けたようなヒップホップグループなわけですけども。レコードが入荷するじゃない? それで本当はポップとかキャプションとかでレコードの説明とかを書いて、みんなそれを読んだりして、視聴をしたりして買ったりするわけじゃん。だけども、入ってきた瞬間からさ、もうみんな「プレミアの新譜なら間違いない!」みたいに。全員がそう思っていたのよ。
(渡辺志保)なるほどね。しかも2枚、買っていくみたいなね。
90年代、宇田川町で売れまくったDJプレミア作品
(DJ YANATAKE)そう。もうレコードが入ってきました。「DJプレミア」って入っていたらもう全員が2枚、買うの。だから売上は倍なわけですよ。で、なんか知らないけど……DJはレコード2枚とかでスクラッチとかしますから。それで2枚買うのはいいんですけど、みんながみんな実はそういうこと、できるわけじゃないけども。でも、レジに持っていく時に「プレミアのやつ、2枚買わないの?」みたいな謎の圧がですね……(笑)。
(渡辺志保)でも、たしかに「2枚買い必至」とかそういうポップが書かれていたりもした気がする(笑)。
(DJ YANATAKE)だからもうね、全員2枚レジに持っていかなきゃいけないっていう。強制なんですよ。それがもうね、宇田川町に蔓延していたんで。まあね、いっぱいご飯を食べさせていただいたことになるんですけども。でもやっぱりね、こういうサウンドが最先端な頃もあったんだよっていうことなんですけども。でもやっぱりここにJ・コールがね、いい感じのラップをカマしてくれているのが……。
(渡辺志保)カマしてくれている。しかも、J・コールさんはご自身のTwitterで「これが最後の俺のフィーチャリング仕事だ」っていう風におっしゃってまして。寂しいわっていう感じが……。
(DJ YANATAKE)「最後の客演=引退か?」みたいな噂にもなっちゃっているんでしょう?
(渡辺志保)でも、引退はないような気がしますけどね。でも、ドリームヴィルの作品とかどうなっちゃうのかな?っていう気もしますからね。そういうファミリーの仕事は別みたいな感じなのかもしれないですけども。
(DJ YANATAKE)でも、ギャングスターはやっぱりやります。J・コールさんもやります。でもアルバムが出たらあとは誰が参加しているんだろう?ってやっぱりね。だって、ナズの電話からスタートしたわけでしょう?
(渡辺志保)そうそう。
(DJ YANATAKE)誰がギャングスターのアルバムに入るんだろう?
(渡辺志保)本当だよね。やっぱり当時の同期的な方もたくさんいらっしゃれば、こういう風に新しい世代の方も入るのかしら?って。
(DJ YANATAKE)非常に楽しみです。
(渡辺志保)非常に楽しみですね。じゃあ、アラサー以上の方はぜひ胸を高鳴らせて聞いていただければと思います。ギャングスターで『Family and Loyalty feat. J. Cole』。
Gang Starr『Family and Loyalty feat. J. Cole』
(渡辺志保)はい。いまお届けしましたのは泣きの1曲。ギャングスターで『Family and Loyalty feat. J. Cole』。
(DJ YANATAKE)バースが長くていいですね(笑)。
(渡辺志保)たしかに、バースが長い(笑)。「8小節以上あるんだ!」みたいな感じがありますね。(ツイートを読む)「ロジックとかも個人的にはありそうな気がします」。
(DJ YANATAKE)ああ、そうかもね!
(渡辺志保)たしかにね。ロジックも自分のアルバムにウータンを再集結させていましたからね。ギャングスターの懐に潜り込みたいと思っているかもしれない。(ツイートを読む)「心が洗われるようです」ということで(笑)。みなさん、泣いてらっしゃる。ありがとうございます(笑)。
<書き起こしおわり>