青山学院大学陸上競技部の神野大地選手がTBSラジオ『日曜天国』にゲスト出演。安住紳一郎さんと駅伝や実業団での生活、祖母の磯部安江さん(通称・白鷺の姉御)などについて話していました。
(安住紳一郎)それでは、今日のゲストです。今年の箱根駅伝で二連覇を達成しました青山学院大学陸上競技部、駅伝チームのエース。三代目山の神こと神野大地さんです。おはようございます。
(神野大地)おはようございます。よろしくお願いします。
(安住紳一郎)よろしくお願いします。なんか、お会いすると笑っちゃって(笑)。
(神野大地)本当ですか?(笑)。
(中澤有美子)なんか、なぜでしょう?照れますね(笑)。
(神野大地)はじめてのラジオなんで。ちょっと緊張してますけども。がんばります(笑)。
(安住紳一郎)あ、そうですか。ありがとうございます。お越しくださいまして。ずっと私たち、おばあさんと知り合いで(笑)。
(神野大地)はい。
(安住紳一郎)そのことについては、知ってましたか?
(神野大地)あの、僕が箱根で三年生の時に活躍した時に、おばあちゃん結構有名になってたなっていうのをはじめて知りました。その時に。
(安住紳一郎)そうですか。それで、青学で活躍をした、五区を走った神野さんのおばあさんは有名な人だなんて、週刊誌の記事、結構出てましたもんね?
(神野大地)出てましたね。はい(笑)。
(安住紳一郎)それを見てちょっと、『えっ?』っていう?
(神野大地)そうですね。本当、ぜんぜん知らなかったんで。自分は。いつの間におばあちゃん、有名になっていたんだ?っていうような感じでしたね(笑)。
(安住紳一郎)そうですか。すいません。本当、日本のトップアスリートを呼んでおいて、いきなりおばあさんの話からで。申し訳ないと思うんですけども。
(神野大地)いえいえ、大丈夫です。
(安住紳一郎)なんとなく、事の経緯は聞きました?
(神野大地)はい。ネットとかでも、チェックさせてもらいました(笑)。
(安住紳一郎)ちょっと私たち、おかしいよね?
(神野大地)いや、そんなこともないと思いますけども。はい(笑)。気にしてる方は、たぶんいらっしゃると思うんで。
(安住紳一郎)そうですか。おばあちゃん、とっても・・・神野さんは『あーちゃん』って呼んでらっしゃいますよね?
(神野大地)ああ、『あーちゃん』って呼んでます。
(安住紳一郎)あの、姉御は本当に相撲がお好きですもんね。
(神野大地)大好きですね(笑)。
大相撲名古屋場所で気になる人
(安住紳一郎)そうですよね。もともと、私がずっと相撲が好きで、中継を見ていたんですよ。で、名古屋場所。7月になるとかならず白い着物を着て、ちょっとね、顔立ちがスッとした感じの人がいっつも画面の右側に映っているなと思って。で、毎年、楽しみにしていたんですよ。
(神野大地)はい。
(安住紳一郎)それが、2010年にちょっと不祥事があって。名古屋場所が中止になった時があって。『なんだよ、今年、見られないじゃないか!』なんて言って。そしたら、夕方の中継はなかったんですが、夜のダイジェストだけはあって。そこで、『はっ!』っと思って。それでものすごく興奮しちゃって。そのことをラジオで話、したんですよね。そしたら、『あっ、私も気になってました!』っていう人がたくさんいて。で、勝手に『白鷺の姉御』っていう名前をつけて(笑)。
(神野大地)(笑)
(安住紳一郎)で、『一体あの人、誰なんだろう?』ってことを5年ぐらいかけてやって。最終的には2013年に、ご自宅まで行って。そっから生放送やっちゃったんです(笑)。
(中澤有美子)お邪魔させていただきました。
(安住紳一郎)そしたら、その行った年に、『実はうちの孫が青学で駅伝走ってるんだよ』って言って。その時は、『へー』っていう感じだったんですけど。そしたら、年末に『二区で走りました。区間五位、六位です』とか言って・・・
(神野大地)そうです。六位でした。
(安住紳一郎)六番で。でも、たしかその時は山梨学院の選手の・・・
(神野大地)ああ、アクシデントがあって。
(安住紳一郎)アクシデントがあって。で、『あんまり大地が映らなかったんだよね』なんて言っていたんですよね。そしたら、その翌年はもう。へー!っていう。ねえ。
(神野大地)そうですね。
(安住紳一郎)神野大地さんは愛知県津島市の出身。現在22才。中学生から陸上を始め、高校は中京大中京高校。高校入学の時点では女子選手より記録が遅い選手だったそうですが、高校二年生、5000メートルで愛知県大会四位に入賞。三年生の時には念願のインターハイに出場しましたが、残念ながら予選落ち。その後、青山学院大学に進学。二年生の時に才能が一気に開花。駅伝チームの主力に成長します。2014年、箱根駅伝ではエース区間の二区を任され区間六位と健闘。青山学院大学初優勝となった2015年は山登りの五区を歴代最速記録で激走。新・山の神を襲名し、一気に注目を浴びます。そして、今年。同じく山登りの五区を担当。チームも一区から十区まで一度もトップを譲らない圧倒的な強さで連覇を達成しています。4年間、もう卒業ですね。
(神野大地)そうですね。一応、3月26日が卒業式になっています。
(安住紳一郎)そうですか。青山学院の競走部の選手としては、今度の土曜日に最後のレースが?
(神野大地)そうです。27日にクロカン日本選手権っていうのが福岡で行われるんですけど。それに出場するのが青山学院大学のユニフォームを着て出る最後のレースになります。
(安住紳一郎)そうですか。
(中澤有美子)長い寮生活だったんですよね。
(神野大地)そうですね。まあでも、1年1年充実をすごくしていたので。まあ、終わってみればあっという間だったかなという感じです。
(安住紳一郎)そうですか。緑のユニフォームを着て走るのも最後なんですね。
(神野大地)はい。土曜日で最後です。
(安住紳一郎)やっぱりいろいろ胸に来るものはありますか?
(神野大地)そうですね。まあ本当に大学4年間でかなり成長をさせてもらえたので。最後、いい形で締めくくって、また次のステージに進んでいければいいかな?という風には思っています。
コニカミノルタでの競技生活
(安住紳一郎)そうですか。そして、卒業式があって4月からはコニカミノルタに就職が決まって。もう、寮に入っているんですね。
(神野大地)1月15日から寮に入って。一緒に練習とかもやらせてもらっています。
(安住紳一郎)そうですか。いやー、これからもね、当然選手生活はあるわけで。寮生活はどうですか?青山学院の時も寮だと思いますが。
(神野大地)そうですね。まあ、部屋の設備とかもすごく良くて。青学の時は2人で6畳とかだったんですけど。これからは12畳で1人になって。かなり、逆にちょっと部屋が広くて寂しい部分とかもあるんですけど。まあ、自分でストレッチスペースとか作ったりして、競技にプラスにしていければいいかな?って言うふうには思っています。
(安住紳一郎)そうですか。青山学院大学の競走部で実業団に進む人っていうのは、何割ぐらいなんですか?
(神野大地)今年に関しては、選手全員実業団に進んで、陸上をします。
(安住紳一郎)はー!実業団って言いますと、あれですよね。会社の仕事もしながら、競技もやって。具体的にはどういう生活になるんですか?
(神野大地)朝練習が5時55分集合になっているんで。だいたい5時半ぐらいに起きて。で、その後に朝練習して、朝ごはん食べて。8時半から出社。で、仕事をして、2時まで仕事をして、帰ってきてすぐ、2時半から午後練習。だいたい6時ぐらいまであるっていうのが1日のスケジュールになります。
(安住紳一郎)そうですか。たぶんね、まあアスリートのみなさんは、『うん、できる』って思うのかもしれないですけど。ちょっと傍から見ると、毎朝5時半には運動しなきゃいけないんですもんね?
(神野大地)そうですね。まあでも、大学の時は4時50分起きだったんで。それでもちょっと遅くなったんで。はい。
(安住紳一郎)はー、そうですか!雨の日も、雪の日も。
(神野大地)そうですね。雨の日は、ぜんぜん走りますね。雪だとちょっと走れない時もあるんですけども。雨だったら、陸上はよっぽど寒くない限りは普通に練習あります。
(安住紳一郎)そうですか。当然、落ち込んだ日も、前の日に嫌なことがあった日も?(笑)。
(神野大地)そうですね。嫌なことがあっても、もう次の日、朝練習はぜったいにやって来るので。切り替えてやっていかないと行けないです。
(安住紳一郎)そうですか。1日、どれぐらい走るんですか?
(神野大地)だいたい30キロぐらいですかね?30キロ、まあ行かないぐらいは走っていると思います。多い時はもっと多かったりしますし。まあ、インターバル練習の時とかは、ちょっと距離が少なかったりとかありますけど。まあ、だいたい平均して30キロぐらいかな?っていう。
(安住紳一郎)そうですか。それで、朝練終わって、汗かいて。シャワーは入るんですか?
(神野大地)シャワー、入ります。
(安住紳一郎)そうですよね。で、着替えて、今度仕事に行くわけですもんね。まあ、これまでは勉強だったわけですけども。ねえ。ちょっとそこが信じられなくて(笑)。
(神野大地)そうですね。はい。
(安住紳一郎)で、仕事して、今度2時に終わって、また着替えて。で、走って。終わってまたシャワー浴びて。1日2回シャワーっていうことですか?(笑)。
(神野大地)そうですね(笑)。もう、結構午前練習・・・まあ、水曜日とかは出社せずに1日練習日っていう形になっているんですけど。そうすると、1日3回ぐらいシャワーを浴びたりとかもあります(笑)。
(安住紳一郎)(笑)。いやー、まあね、これが今度仕事になるとは言え、なかなかできないですよね。コニカミノルタに就職しようと思った理由は何かありましたか?
(神野大地)2つ、理由があるんですけど。ひとつは、憧れの選手が。自分が陸上をやり始めた時から憧れの選手がいて。宇賀地強さんっていう方なんですけど。その人がいるっていうのがひとつの理由で。もうひとつは、かなり実業団の中でもコニカミノルタは厳しいっていう印象を聞いていて。自分は厳しいところでやって、自分の才能がいちばん伸ばせるチームじゃないかな?という風に思ったので、コニカミノルタを選びました。
(安住紳一郎)はー!いちばん練習がキツそうなところに行ったわけですね。
(神野大地)そうですね。まあ、練習・・・どこもやっているとは思うんですけど。充実した質の高い練習ができるっていうのと、強い先輩方もたくさんいらっしゃるので。そういった先輩に追いつき追い越すでやっていたら、自分の才能はどんどん伸びるかなという風に思ったので選びました。
(安住紳一郎)そうですか。それから、これはよく聞かれる話だと思いますが。神野さんは高校生までは、さほど名前を全国に轟かせるというような選手ではなかったんですよね?
(神野大地)そうですね。全国大会も、一応インターハイも出場はしてるんですけど。予選落ちとかだったんで。その頃は本当、青学で一緒にやっていた久保田とかが世代トップで。本当に雲の上のような存在だったんですけど。本当、そんな感じですね。
(安住紳一郎)で、確実に変わったっていうのは、二年生の時ですか?一年生の時ですか?
(神野大地)大学二年生ですね。
(安住紳一郎)二年生の何月ですか?
急激に伸びた大学時代
(神野大地)その時に、4月に記録会があって。そこで、結構大学トップレベルの記録を出すことができて。トップレベルではないんですけど、まあ上の方の。二年生にしては強いなって思ってもらえるタイムを出すことができて。そこから、チームの立ち位置というか。チームでも主力になれて。駅伝メンバーにも、かならず神野が出場だっていうような感じになっていったので。それからは本当に、選ばれた試合ごとに確実に結果を出していって。どんどんどんどん成長していったかなという風に思っています。
(安住紳一郎)その時はうれしかったですよね。
(神野大地)そうですね。本当に、大学に入った時は、一年生の時はケガをしてしまって。駅伝とかもひとつも出れなくて。結構、苦しい思いをしたんですけども。まあ、監督から『1年目、辛抱して練習したら、それが2年目、3年目に花開く』っていう風にずっと言われていて。その言葉を信じてやった結果、本当に二年生の時に一気に伸びることができて。人生変わったかなという風に思います。
(安住紳一郎)そうですよね。やっぱり、あれですか?監督の指導がよかったってこともあるんですか?
(神野大地)そうですね。本当に、監督は一緒に寮生活とかもしていて。いろいろ、日常生活とか楽しい会話とかもすることができて。本当に練習面だけではなくて、そういったところからも監督からのアプローチもあるので。本当にチームの雰囲気がすごくいいので。そういったところも成長できた要因かなという風には思います。
(安住紳一郎)そうですよね。そして、4月にいい記録が出て、これはレギュラーで走れるぞという実感がありながら二区を任されて。そして、その時も上出来だったと思いますが、今度三年生になった時に五区っていう、箱根駅伝のいわゆる駅伝らしいところの山登り。高低差ものすごいところを上がっていくところを、『じゃあ神野くん、お願い!』って言われた時はどういう感じだったんですか?
(神野大地)そうですね。まあ、もともと自分は坂が結構苦手だったんですよ。苦手意識があったんで、ぜったいに自分が山を走ることはないかな?っていう風に思っていたんですけど。チームで誰も山を行きたくないみたいな感じになって。でも、チームは優勝を目指していて。じゃあ、優勝を目指すんだったら、自分が覚悟して登ろうかな?っていう風に思って。覚悟を決めて登ったら、あっと驚くタイムが出てしまいました(笑)。
(安住紳一郎)(笑)。あ、そうですか。じゃあ、決して『おおっ、得意だから、やるやる!』っていう感じではないんですね。
(神野大地)まあ、監督が後押ししてくれて。『お前はいける。走りが向いている』みたいな風に言われて。そういう言葉とかもあったんで、少し自分でもいけるのかな?っていう、半信半疑の気持ちもあったんですけども。まあ登ったら、いい記録が出て。本当、走ってよかったなっていう風に思いました。
(安住紳一郎)そうですか。もう、あれですか?走り始めるまでは、若干不安で。『五区、これ俺、大丈夫なのかな?』みたいな?
(神野大地)そうですね。過去の映像とかを見ても、途中で足が止まってしまって、本当に力尽きるという映像とかも見ていたので。そういう恐怖とかもありながら走ったんですけど。まあ、止まることもなく、最後まで快調に走ることができたんで。特に三年生の時は本当によかったですね。
(安住紳一郎)だって、ぜったいにもう誰も破ることができないだろうっていう記録を軽々と・・・
(中澤有美子)そうでしたねー。
(安住紳一郎)しかもちょっと、ぜったいに神野さんはおっしゃらないと思いますけども。もう、テレビで映っている姿が本当に跳んでいるようで。飄々と、苦しさを感じさせずに。
(中澤有美子)そうなんですね。軽々と。違う動物みたいな感じでしたよ。ねえ。
(神野大地)(笑)。まあちょっとみんなよりも自分、体重が軽いんで。軽さを活かして走ってましたね。
(安住紳一郎)神野さんは、身長164センチ。体重は43キロ。
(神野大地)はい。
(中澤有美子)ひゃー!
(神野大地)いまは45キロぐらいあるんですけど。
(安住紳一郎)長距離の選手、軽い軽いって言っても、ここまで軽い人はなかなか?
(神野大地)そうですね。たぶん今年の箱根駅伝の中でも、選手登録メンバーの中ではいちばん軽かったかな?と思います。
(安住紳一郎)それは、意識して体重をつけないようにしてるんですか?
(神野大地)いや、もう食生活とかも特に気にしてないですし。ご飯も普通にみんなよりも食べるぐらい食べますし。でも、練習するとすぐに絞れてくるというか。まあ、体質がすごい痩せやすい体質なのかな?っていう感じです。
(安住紳一郎)へー!いや、ちょっとまた私が箱根駅伝を見ていた時は神野選手、『おっ、おっ!鳥孫のお孫さんだ!』と思って。そしたら、ねえ。お店が『鳥孫(商店)』。『孫』って入っているし。で、神野選手は体重が軽くて・・・みたいな。『あっ、そうだよ。だって鳥屋さんだもん!』なんて思ったりとかして。1人で興奮してたんですよ(笑)。
(神野大地)ありがとうございます(笑)。
(安住紳一郎)さて、そして今度は2年連続で、四年生になって。今度はチームリーダーとしてもがんばらなくちゃいけないということで。今年の方がプレッシャーかかりましたね?
(神野大地)そうですね。まあやっぱり優勝チームは結構見られたりとか。注目もされたりとか。プレッシャー等もあるんですけど。それをはねのけて今回優勝できたっていうのは、本当にチームとして成長できてきたなっていうのが証明されたんじゃないのかな?っていう風に思っています。
(安住紳一郎)そうですよね。三年生の時はね、たぶん『うーん、どうなるかな?』っていう感じで走って。そしてベストパフォーマンスですもんね。で、2年連続で同じことをやらされるってね。もうだって、『去年ベストやったんだから、もう・・・あれ以上はないんだよ』っていう(笑)。
(中澤有美子)ねえ。気持ち的には2回目の方が難しいとか?
(安住紳一郎)いやー、それはそうですよ。
(神野大地)あの、4年目に関してはケガがかなり多くて。2回も疲労骨折をしたりして。1年間のうち、半年以上は走ってない期間の方が長くて。本当、それぐらいの状況だったんで。箱根駅伝も当日走れるかどうかっていうところも。本当、11月の中旬ぐらいは諦めかけた時期とかもあったんですけど。やっぱり諦めたら一生後悔するなと思って。最後まで、どうなるかはわからないですけど。やれるところまでやろう!っていう思いでやったら何とか、チームの優勝にも貢献することができて。本当に、諦めずにやってきてよかったなという風に思います。
(安住紳一郎)そうですよね。勝手にね、見ている方はね、ぜったいに今年も五区、神野選手が来るんだろうなって思ってますけどね。内情はね、メンバーから外されるぐらいの。
(神野大地)そうですね。もう本当、スタートラインに立てるかどうか?も危なかったんで。
(安住紳一郎)そうですよね。長距離選手、大変ですよね。コンディション。
(神野大地)そうですね。本当に、体がもう本当、いちばん大事になってくるんで。はい。
(安住紳一郎)素人ながらに、100メートル走るのはまあそこそこ毎日、やろうと思ったら似たような17秒ぐらいで走れる自信、あるじゃないですか。素人のおじさんたちでも。やっぱり長距離はね、5000メートル、じゃあ自分の力なりのタイムを設定されても、毎日毎日揃えるのは結構大変ですもんね。
(神野大地)そうですね。本当に、コンディションを整えるのがいちばん難しいんで。それも才能というか、力の一部にはなってくると思うんですけど。
(安住紳一郎)そうですね。あとちょっと、気持ちがブレちゃったりしても。弱気になってもダメだし。
(神野大地)そうですね。メンタル面は結構重要だと思います。
(安住紳一郎)そうですよね。
(神野大地)『ダメかな?ダメかな?』って落ち込んでいたら、本当に調子とかも下がっていったりすることもあるんで。やっぱりポジティブに、前向きな気持ちでやっていくことが大事かなという風に思います。
(安住紳一郎)そうですよね。なので、長距離選手はちょっと哲学者的なね、感じの顔つきされている方が多いですよね。
(神野大地)そうですか(笑)。
(安住紳一郎)神野さんもね、22才で落ち着いてますよね。
(神野大地)そうですかね?いえいえ(笑)。
(中澤有美子)理路整然と。本当に。
(安住紳一郎)いっつも言うんですけど、だいたい人間ってしゃべる時に『えー』とか『あー』とか言うんですけど。本当に、そういうことを言わないですもんね。だから、きちんと自分の中でソリッドな部分ができているので。ですよね?『3.5センチ』って言ったら3.5センチをプッと出せる。そういう感じの(笑)。
(神野大地)いや、でも本当に今日は緊張してます(笑)。
(安住紳一郎)そうですか?さて、それではここで1曲、お聞きいただきたいと思います。
(曲終わり)
(中澤有美子)改めまして、今日は日曜天国でゲストにお迎えしておりますのは、青山学院大学陸上競技部、神野大地選手です。
白鷺の姉御と生電話
(安住紳一郎)さて、ここで電話がつながっています。名古屋から、磯部安江さんです。こんにちは。
(磯部安江)こんにちは。どうも。
(安住紳一郎)(笑)。姉御、お久しぶりです。
(磯部安江)はい。ご無沙汰しております。
(安住紳一郎)今日は、お孫さんの大地さんがスタジオに来てくださっているんですよ。
(磯部安江)ああ、そうですか。はい(笑)。まあ、憧れていた安住さんにインタビューを受けて、大地も喜んでいると思います。
(安住紳一郎)いや、大地さん、そんなこと一言も言ってないですよ(笑)。
(神野大地)喜んでます。喜んでます(笑)。
(磯部安江)いや、私が思うだけです。はい。大地がそんなこと、言いません。私が見てる限りでは、前から、そんな有名な安住さんになんて・・・って。すごく憧れています。これはお上手を言ってません。そのまんま、もう私は話をしているだけです。はい(笑)。
(安住紳一郎)(笑)
(磯部安江)とってもだから今日は私はね、朝からルンルンです(笑)。
(安住紳一郎)ああ、そうですか。大地さん、あーちゃんとは久しぶりになりますか?
(神野大地)今日の朝、『安住さんの日曜天国に出るよ』っていうのは、朝、電話しましたね。
(安住紳一郎)そうですか。
(磯部安江)お電話、いただきました。
(安住紳一郎)今年も、五区を走りまして。大活躍でしたね。
(磯部安江)そうですね。もう本当に、夢の夢でした。もう、いろんなね、ケガが2、3ありましたのでね。箱根駅伝に関しては、もう胸が張り裂ける思いで、テレビ観戦をしておりました。
(安住紳一郎)そうですよね。
(磯部安江)もう去年の気持ちとはぜんぜん違ってましたね。
(安住紳一郎)そうですよね。そして最近は、こうやって姉御に直接話を聞かなくても、他のメディアが結構、あれですよね。安江さんの応援の風景を映像で残してくれているんで。
(磯部安江)(笑)。もう本当に私は、ありったけのそのまんまの姿をね、見せるので。大地には申し訳ないなと思ってますよ。
(神野大地)僕は本当、うれしいです。
(安住紳一郎)うれしいですか?そうですか。
(磯部安江)そう?大地、ごめんね。
(神野大地)いつも気にしてくれるので。
(磯部安江)あーちゃんは気持ちいっぱいなのでね。素直な気持ちでね、応援している限りだから。うん。ありがとうね。
(安住紳一郎)はい(笑)。あの、私、姉御と話して印象的だったのが、2015年の大地さんが五区をはじめて走って、すごい記録を出した時に、『私の孫は普段からものすごい練習をして、追いつめられて、ギリギリのところでやっているから。テレビに向かってでも、「がんばれ」とは言えないんだよ』ってね。
(磯部安江)言えなかったですね。はい。
(安住紳一郎)『もう、がんばっているんだもん』っていうのをね、おっしゃってましたね。
(磯部安江)それ以上ね、がんばれ!なんて、酷で。とても私の口からは言えませんでした。でもね、昨年、全日本を走る前に、たまたま会った時に私がいらんことにね、『大地、どう?調子』って言ったら、『うん、いいよ』って言うから。『あーちゃんは大地の走る姿を見るのはもちろんうれしいけれども、二文字、「優勝」がほしいのよ』なんて、とろいことを言っちゃったんですわ。全日本走る前にね。
(安住紳一郎)はい。
(磯部安江)あの子は出雲はケガで走れなかって。全日本には『走れない』って言っていたにもかかわらず、走れるようになって。で、2日前に会った時に、いらんこと。そんなね、いままで『がんばれ』とかそんなこと、口にも出したことないのにね。格好つけちゃって。私が。うん。大地に『「優勝」の二文字がほしいね』なんて言っちゃったもんでね、ものすごくあの子に対して、申し訳ない気持ちでね。反省しきりでした。全日本の時は。
(安住紳一郎)ああ、そうですか。ええ。大地さん、覚えてますか?
(神野大地)覚えてます。でもぜんぜん、それがプレッシャーになったとかはないんで。それでがんばろうって思えたのは事実なんで。逆に、うれしかったですけどね。
(安住紳一郎)ああ、そうですか。お孫さん、うれしかったみたいですよ。
(磯部安江)安住さん、本当に素直でしょ?
(安住紳一郎)ええ(笑)。
(磯部安江)これ、私取ってつけて、お上手。孫のことを言いたくないですよ。でも本当、明るくてね、素直な子です。
(安住紳一郎)いや、そうなんですよ。やっぱりこの性格がここまでの記録を出したんじゃないかな?って私もいま、お話をしていて感じています。
(中澤有美子)そうですね。
(磯部安江)あ、そうですか?まあ、安住さんはプロなのでね。すぐに見抜くと思いますけども。本当、そうでしょう?
(安住紳一郎)ええ、ええ。
(磯部安江)はい。もう、こんなあーちゃんでね、申し訳ないな思ってるよ。でも、誰よりも、いちばん強い味方だと思って、私は遠慮なくね、大地のことをね。もう歳で、こんなに叫んだりして、恥ずかしいんじゃないかな?と思います。後でね。でも、私はそれでいいんだ!と思ってね。そんなの、関係ないから。自分の大地。孫をね、一生懸命応援することによってこうなるんだから、いいんだ!と思って。私自身は自分に自信を持ってやっていますけど。大地には、申し訳ないな、チームやら友達やらみんなにね、なんか言われやしないかしらん?と、フッと思う時があります。安住さん。
(安住紳一郎)でもあの、お孫さんの大地さんは、おばあちゃんがこうしていろいろメディアとかに出ることは、うれしく思っているそうですよ。
(磯部安江)ああ、そう?うれしいね。うわー、もう最高。うれしい(笑)。大地、ありがとう。うれしい!あーちゃん。うん。もうぜったいに、元気でおるからね。
(安住紳一郎)はい。磯部安江さん、ありがとうございました。
(磯部安江)いえいえ、本当、ありがとうございます。安住さん。今後ともよろしくね。
(安住紳一郎)よろしくお願いします。失礼します。
(磯部安江)はい。どうもありがとうございます。はい。よろしく、どうも。ご無礼します。
(安住紳一郎)(笑)。あーちゃん。白鷺の姉御。
(神野大地)元気でしたねー(笑)。
(安住紳一郎)そう。本当にちょっと、謝らなきゃいけないなと思っていて。ちょっと私たちが面白おかしくね、テレビに映っている、本当ごくごく真面目なご商売をやっている。ねえ。で、神野くんのね、長距離の活動もあるしと思って。迷惑になってないかな?っていう気持ちもあって。
(神野大地)ぜんぜん迷惑じゃないです。もっともっと、取り上げてもらっても大丈夫です(笑)。
(安住紳一郎)そうですか?あの、実は番組であの、7月に白鷺の姉御を見に行こうっていうツアーをプレゼント告知させていただきました。本当にすいません(笑)。
(神野大地)僕も今年は夏、見に行こうかなと思っているんで。
(安住紳一郎)あ、そうですか?
(神野大地)毎年、あーちゃんから『行かない?行かない?』って言われるんですけど。まあ門限とかもあったんで、行けなかったんですけど。これからは、たぶん1日ぐらいだったら、まあ行って帰ってくることはできるので。今年は見に行きたいと思っています。
(安住紳一郎)そうですか。おばあさん、姉御、喜ぶと思いますよ。きっと!
(神野大地)そうですね。本当、毎年『見に来て、見に来て』って言っていて。1回も行けてないんで。僕自身も楽しみです。
(安住紳一郎)そうですか。そして、部外者がいろいろ言っちゃいけませんけども。この後の神野選手の競技の方向性。志向、目標はどうなっていきますか?
(神野大地)まあ、陸上人生の最大の目標っていうのは、東京オリンピック。2020年、あるんで。そこでマラソンで出場して、メダルを取ることが人生最大の目標になります。まあ、1年目とかはマラソンとかにまだ挑戦せずに、トラックで自己ベストを更新したりとか。やっぱりニューイヤー駅伝でチームの優勝に貢献したりとか。そっちの方に重きをおいて。2年目から、マラソンに挑戦して、東京オリンピックに向けてやっていきたいかなという風に思っています。
(安住紳一郎)そうですか。いやー、2020年、東京オリンピック。マラソンに出場し、メダルを取ることが私の人生の最大の目標ですと。
(神野大地)はい。
(安住紳一郎)いやー!うん。いいね!
(神野大地)いいですか?(笑)。
(安住紳一郎)いいです!
(神野大地)あの、言うことは誰にでもできるんで。
(安住紳一郎)いいえ!実績が伴っていますから。ええ、ええ。素晴らしい。そう。応援します。心から、応援します(笑)。
(神野大地)はい。がんばります!
(安住紳一郎)いよいよ、社会人生活も始まりますし。これからもね、いろんな苦難があると思いますけども。その持ち前の素直さでぜひ乗り切ってほしいなという風に、老婆心ながら思います。今日は、青山学院大学陸上競技部、神野大地選手をお迎えしました。どうも、ありがとうございました。
(神野大地)ありがとうございました。
(中澤有美子)ありがとうございました。
<書き起こしおわり>