安住紳一郎 父親に教わったカレーの食べ方と「上品」の概念を語る

安住紳一郎 父親に教わったカレーの食べ方と「上品」の概念を語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2023年10月1日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中でカレーの食べ方についてトーク。小さい頃、父親から教わったカレーの食べ方と「上品」という概念について話していました。

(安住紳一郎)川崎市の39歳、男性の方。ありがとうございます。

(中澤有美子)ありがとうございます。

(安住紳一郎)「私のルールは、カレーライスのお米とルウの比率を一定に保ちながらカレーを食べることです。カレーライスを食べ始める際、まず米・ルウの比率を目分量で測ります。たとえば6対4の場合、食べ始めから完食するまで、6対4をキープします。ポイントはスプーンですくう際、お米だけやルウだけをすくうことはご法度で、1杯のスプーンの中でも6対4をキープする。たとえるなら1杯のスプーンの中でミニカレーライスを作り続けるイメージです。ちなみに他の『◯◯ライス』と名のつくもの、丼物も同じルールが適用されます。このルールのデメリットは比率に集中するあまり、食べる速度が異常に遅くなること。あとは味に集中できないこと。メリットは特にありません。先日、妻にこのルールについて話したところ全く理解されず、私のこだわりルールであることを初めて認識しました。私は妻のように比率を気にせず適当に食べている人を見ると、だんだんイライラしてきます」。イライラしちゃうんだ。

「たまにお米とルウをぐちゃぐちゃに混ぜ、食べ始める方がいますが、このスタイルももちろんイライラしますし、生まれてこの方、一度もそんなスタイルを試したことはありません。ただ今、落ち着いて改めて考えますと、このぐちゃぐちゃスタイルはぐちゃぐちゃの中でお米・ルウの比率が一定に保たれています。また、最初に混ぜきるため、比率を気にしながら食べる必要がなくなり、私のデメリットも克服でき、実は私の最適解の食べ方のかもしれません。途中で怒り狂ってしまうかもしれませんが、今度ぐちゃぐちゃスタイルを試してみようと思っています」という。どうですか? 39歳の方のどうでもいい話を日曜の朝、耳を傾けてしまいました(笑)。

(中澤有美子)書きながら気づいたんだ(笑)。

(安住紳一郎)そうだね。でも何と、なくわかりますよ。ちょっとね、最後、比率が崩れないまま食べたいっていう。最後まで美味しく食べたい。ねえ。いろいろね、カレー、ありますよね。ルウが右側とか、左側とかね。あとカレーのお皿にあんまり汚れをつけずに食べる方がいいとかね。

(中澤有美子)ねえ。私、結構そんな感じ。ご飯の方をルウの方にだんだん寄せていって。なるべく最後、お皿が綺麗になると「やった!」っていう気持ちになりますね。

(安住紳一郎)そうですよね。日本人は元々、そういうね、意識を持ってますよね。最近はちょっとね、そのあたりの感覚が世代によって違って、私としては悲しいですけどね。私も、カレーのお皿に必要以上にルウがぐちゃぐちゃついていたりとか。ご飯の山がなんかね、2山とかわかれてたりとかしたらもう本当に「ああ……」って思うもんね。

(中澤有美子)ああ、そうですか。

(安住紳一郎)もう本当、「人として下かな」と思いますよ。いやいや、言葉がきつい。言葉がきついけど。自由なんだよ? 多様性だし、それは自由なんだけども……俺は、ちょっと違うなと思っちゃう。ちょっと信用できないなと思っちゃったりするね。わかる。とかさ、紙ナプキンをグチュグチュして皿の横に置く感じとか。そういうの、ちょっとやっぱりお願いしたいなという風に思う時、あるよね。まああんまりね、他人が言うことじゃないのかもしれども。私はカレーと人間の品っていうものに対してすごく小さい時に教育を受けたっていう話は、15年ぐらい前にしたかな?

(中澤有美子)そうでしたね(笑)。お父様からね。

(安住紳一郎)そう。うちの昭和18年生まれの父からね。ちょっとこの話、長くなっちゃうけど。やってみる?

(中澤有美子)久しぶりに。

(安住紳一郎)久しぶりにね。あの、5歳か6歳かな? 7歳ぐらいまでだったのかな? 私、女性を見る目がなくて。幼稚園児とかね。

(中澤有美子)フハハハハハハハハッ! その頃?(笑)。

(安住紳一郎)そう。本当、親戚中で有名だったんだけど。うん。

(中澤有美子)おもしろーい!(笑)。

小さい頃、女性を見る目がなくて有名だった

(安住紳一郎)これもほら、今のさ、いろいろ価値観とずれてるから。またあんまり元気よくしゃべると問題なんだけどさ。ちょっと、あの時代が40年前の時代だから。すいません。当時のままの表現でやっています。一応ね。文学作品だと思って。

(中澤有美子)そうですね。あえてそのまま。

(安住紳一郎)あえてね。で、幼稚園児ぐらいの時に私、女性を見るのがすごくなくて。よく注意されていたの。で、俺が好きな女の人は「ケバい人」だったのよ。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)化粧が濃かったりとか、ホステスさんみたいな。キラキラ、ふわふわした服とか、ピンクとか。そういう派手な女の人が……小さい時って、そうだよね?

(中澤有美子)そうですよ。ええ。

(安住紳一郎)そういう、なんかもう本当にケバケバしい人が通ると「うわー、美人だなー」とかって俺が言っていたの。そしたら、一応ほら、女系家族だからさ。

(中澤有美子)ああ、そうか。

(安住紳一郎)「違うよ! あれはケバいだけだよ!」とかさ。「嫌だね、全く。見る目がなくて!」なんて、すごい叔母とかに言われていたわけ。「ああ、綺麗な人だな」とか、「いい匂いがするな」とか、「あの人は美人な人だね」とか言うと「あれは美人じゃないよ。化粧が濃いだけだよ」とか、すごいガンガン言われていたの。で、見かねた父・スエヒロが「違うんだ。派手なのと美人とか綺麗っていうのは、違うんだよ」って言われたんだけど、こっちは全然ちんぷんかんぷんなわけ。それで「お上品っていう概念があるから、それを覚えろ」って言われて。私、いまだに「おじょうひん」と言われたのが、もうひらがなで覚えてるんだけど。「上の品」なんていう風に理解してなかったから。「おじょうひんっていうものがなんか、あるんだ」と思って。

「えっ? なんだろう? じょうひんって、なんだろう?」って思っていて。で、ずっと周りの家族とかに「じょうひんって、どういうこと?」ってずっと聞いていたわけ。その時に、なんかデパートのレストランでカレーライスを食べている女の人がいて。すごく綺麗に食べている人と、汚く食べている人がいて。で、父親が「ほら、あの人が上品で、あの人が上品じゃないんだよ」って言われたの。まあ、その父親の教え方もどうかと思うんだけど。「ああっ!」って思って。「カレーライスのルウをお皿にベタベタつけない人が上品なんだ」と思うので。いまだに、そのニュアンスなんだよね。理解をしているのは。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! そこスタートだったんですね?

(安住紳一郎)そこスタートなの。うん。カレーの皿の使い方で上品か、上品じゃないかっていう。だからその私の「Elegant」とか「Classy」とか「Polite」っていう概念っていうのはいまだにカレーの食べ方と直結しているの。だから、厳しいの。

(中澤有美子)根強い(笑)。

カレーの食べ方と「上品」の概念が直結している

(安住紳一郎)根強い。うん。なんとなく、ニュアンスはわかるよね? 「あの人は、上品?」とかってずっと聞いていたんだよね。「違う違う違う。あの人は上品じゃない。あの人は、丁寧なだけ」とか。「ああ、丁寧なだけなんだ。難しいな!」みたいな。ずっとみんなに説明されて。「あの人は上品? で、美人?」「若いだけ」「若いだけ!? 若いだけっていうニュアンスもあるんだ!」とか。いろいろとあるでしょう?

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! すごい(笑)。英才教育(笑)。

(安住紳一郎)英才教育を受けているでしょう? 「はい! あの人は上品だよね?」「違う! お金持ってるだけでしょう?」とか。「くぅー、難しいなー!」って。難しいよね。

(中澤有美子)難しいですね(笑)。

(安住紳一郎)いまだにね。

(中澤有美子)難しい(笑)。

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<書き起こしおわり>

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