安住紳一郎さんが2022年4月3日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で自身の「昔、日高の山の中で熊と戦った」という誇大武勇伝を披露していました。
(安住紳一郎)伊勢原市の56歳男性の方、ありがとうございます。「社会人になりたての頃、同期入社の男に自分を大きく見せるために当時、近鉄バファローズのエースだった阿波野投手の名前を出し、『俺、高校の時、阿波野と対戦したことがあるんだぜ』と一発かましたことがありました」。やりがちですよね。ちょっとね、こういうことね。「ただ、県大会の1回戦で当たったのは事実でしたが、コールド負け。しかも自分は試合には出ておらず、ベンチを温めていた身だったにもかかわらず、『阿波野のクロスファイアーはすごかったなあ』などと当時、レギュラーが言っていたことをさも自分が体験したことのように言っていたら、あっという間に社内に『本格的に野球をやっていたやつが入社した』という噂が広まり。
しかもいつしか噂は『阿波野』の名前が『野茂』に変わり……ちなみに野茂とは3学年違うので高校で対戦できるはずもなく。結局、噂は独り歩きして最終的に私は『野茂からヒットを打った新入社員』となってしまい、入社早々『口は災いの元』といった格言を痛感させられ社会人の洗礼を受けたものでした。そんな私もこの4月で勤続35年表彰を受ける身となりました」。ああ、おめでとうございます。
(中澤有美子)おめでとうございます。
(安住紳一郎)いいですねー。こういう武勇伝自慢は会社や新しい組織に入った時にはね、かならずやるものですよね。こういうのは昔からだと思いますよ。時代劇とかを見ていてもね、かならずやってそうな感じ、ありましたもんね。うん。自慢ね。手柄自慢ね。かならず大きく言っちゃうもんね。
(中澤有美子)また、面白いですよね。そんな風に言ってもらった方が受け取る方も。「すごいのが入ってきた!」と思って。ねえ。盛っちゃう気持ちもわかるわ。
(安住紳一郎)そうですよね。こういうのは少し、やっぱりあれですよね。誇大に、大きく大きく表現するのが一番面白いですよね。
(中澤有美子)面白いですね(笑)。みんなハッピー!
(安住紳一郎)私の誇大自慢、一番有名なのは「昔、日高の山の中で熊と戦った」っていうのがありますからね(笑)。
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!
(安住紳一郎)まあ、そこまで行くと誰もが「嘘だ」と思いますけどもね。この話もちょっと長くなりますけれども……。
(中澤有美子)それはそうですね(笑)。初耳ですね。
一番有名な誇大自慢
(安住紳一郎)あれ? 初耳ですか? あら、初耳ですか。そうですか。でもちょっと長くなるからな……できるかな? 上手に。ちょっと2週、休んでますんでね。年齢とともに話が冗長になったりとか……昔、話した話をもう4、5回話してるのになんか久しぶり感を出して話しちゃう癖が最近出てきちゃって。これ、ちょっとね、パーソナリティーの老化の初期症状なんですけど(笑)。あの、石炭ストーブってわかりますかね? わかりますよね。私、幼少期の頃、家が北国だったもんですから、石炭ストーブだったんですよね。まあ、石炭ストーブはあったかくていいんですけども。石炭の匂いとともにね、もう鉄を溶かすが如く、ストーブが真っ赤になっているみたいな時があるんですけども。
(中澤有美子)頼もしいですよね。
(安住紳一郎)頼もしいですよね。火力が強いんでね。で、ストーブから煙突が出てるんですよね。で、煙突がまず真横に出て、そこを直角に曲げて、屋根の方に行くんですよね。で、その曲がってるところが鉄のスチールの煙突のなんで、そこが蛇腹に切ってあるんですよね。クッと……水道管なんかでもそうかもしれませんけど。ありますよね。直角に曲がるために蛇腹を切ってるんですけど。
で、そこが排気が直角にぶつかるんで一番、また赤く燃えてるみたいな感じになりましてね。そのあたりが実はあったかいんですよね。それで私、当時木造家屋に住んでいて。まだ幼稚園……だから5歳ぐらいの時ですよね。汲み取り式のトイレだったもんですから、とにかくトイレが寒くて。それで朝、便意をもよおしたらまずお尻を温めてからトイレに行くっていう習慣があったんですよ。
(中澤有美子)ああ、そうだった(笑)。
(安住紳一郎)そうなんですよ。寒いから。下から冷気がグッと来るから。北国ですからね。で、しかもちょっと幼いながらにして、結構トイレが長い方だったんすよ。しっかり朝、うんこさんをしてから幼稚園に行く幼稚園児だったから。そういうタイプだったから。で、四つん這いになって、お尻を全部出して……本当に天使みたいな感じでお尻を出して、プリプリお尻を振りながら。蓄熱してから……和式のトイレだから、ズボンとか履いたままではできないから、すっぽんぽんなって。トイレの大を。特に下だけね。だから行く前に全部下、すっぽんぽんになって、四つん這いになってお尻を煙突の方にふんふんふんふん、ケツを振って。それで右を温めて、左を温めて……ってふんふんふんふんってやっていて。
で、ギリギリになったらほら、もっともっと蓄熱できるから。おしりがどんどんどんどんとその煙突に近づいたの。そしたらそこで、ジュッとついちゃったの! 「熱い!」ってなるはずなんだけど、それがならなかったの。なんか、やっぱりお尻のお肉があれなのかな? 鈍いのかな? それで……まあ、ジュッとついたらしいんだけど、その後にトイレに行ってトイレをして、戻ってきて。そのあたりぐらいから痛くなってきて。
(中澤有美子)ええっ?
(安住紳一郎)それで親や姉に「トイレに行ってからお尻が痛い」って訴えたの。そしたら家族は「またきっと、大きなのをやったから切れちゃったんじゃない? そういうのはよくあるのよ」って言われて。「ああ、よくあるんですね? 仕方ないな……」なんつって(笑)。「こんなに痛いのに、よくあるんだ。結構大変だな、人間は」なんつってズボンを履いて、大谷幼稚園に行ったわけですよ(笑)。そして大谷幼稚園から帰ってきて、着替えた時に母親が「これ、なに?」って言ってびっくりして。「火傷だ!」ってなって。
「なんで火傷したんだろう?」ってなって。それでしばらく、どこで火傷したのかわかんなかったんですけども。そのうちに父親かなんかが「これは煙突の蛇腹じゃないか?」って言って、そのトイレ行く前にお尻を温めた時に蛇腹についてできた火傷の痕が……だから筋がね、3本ぐらいお尻にチュッとついているの。ピッピッピッて。で、それがどんどん成長していって。中学生ぐらいの時には、不思議なもんですね。その右のお尻の火傷の痕がね、背中の肩甲骨の下ぐらいまで上がってきたの。
(中澤有美子)それは不思議ですね!
お尻の火傷の痕が肩甲骨の下あたりに移動
(安住紳一郎)不思議ですよね、人間の成長ってね。それで、背中の肩甲骨の下に大きな筋が3本、ついている。本当にゴルゴ13みたいな体になっていて。それで体育の授業とか部活動の時に着替えるじゃないですか。で、「安住、それはなに?」みたいなことになって。「なに、それ?」「これ、昔日高でね、熊に引っかかれたんだよ」って(笑)。
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!
(安住紳一郎)「命からがら逃げたもんだよ」って(笑)。
(中澤有美子)「すげえ!」(笑)。
(安住紳一郎)「すごいね……」って。熊と戦った男。
(中澤有美子)みんな、信じた?
(安住紳一郎)みんな、信じた。いや、本当にね、熊に引っかかれたみたいな感じ。ザッとなっていて。そう。ねえ。ちょっと2週間ぶりなんでね……。
(中澤有美子)よかった! よかった!(拍手)。
(安住紳一郎)えっ、本当に?
(中澤有美子)もうちょっと?(笑)。
(安住紳一郎)すいません、もうちょっと? すいません(笑)。申し訳ございません。もうちょっとね、練習すれば大丈夫なんですけども。最近、練習なしでやってるもんですから、すいません。ごめんなさい。ちょっとね……。
(中澤有美子)完璧でしたよ(笑)。
(安住紳一郎)いやいや、違うんです。すいません。「火傷だ」ってわかったところの場所の入れどころ、間違えました(笑)。すいません。
(中澤有美子)そうなんですか?
(安住紳一郎)そうなんです。ごめんなさい。これ、私は中学校の頃から何回も話してるから、とても上手に話できるんですけどもね。すいません。失敗した……。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
<書き起こしおわり>