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爆笑問題と佐野元春 立川談志を語る

佐野元春と爆笑問題 桑田佳祐とサザンオールスターズを語る SOUND AVENUE 905
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爆笑問題のお二人がTBSラジオ『Sound Avenue905 元春レイディオショー』にゲスト出演。佐野元春さんと立川談志さんについて話していました。

《爆笑問題をゲストに迎えて – 「元春レイディオショー」TBSラジオ 夜9時 ~ 》佐野元春構成・DJ、ロック音楽ファンのための番組「SOUND AVENUE 905 元春レイディオショー(MRS)」。2月16日(火)放送では、爆笑問題…

Posted by 佐野元春(Official) on 2016年2月15日

(佐野元春)まあ、今日はいろいろと世代という話があちこちに出てきましたけど。最後に僕はひとつだけ、聞きたいことがあって。あの、上岡龍太郎さんが立川談志さんとね、対談があって。それで、これは昔の話なんですけど。上岡さんはこんなことをおっしゃってるんですね。『いまのお笑い、バラエティーは教養がなくなった。でもひとつ救いなのが、爆笑問題が談志師匠に会うと緊張する気持ちを持っていてくれるのだけが救いだ。その気持ちを忘れずに爆笑問題、たのむよ』というような発言を上岡さんは談志師匠にしているという。

(田中裕二)うーん。

(佐野元春)これ、まずひとつインプットとしてあったんですね。それからもうひとつ。お二人がデビューして間もない頃、やはり談志師匠が太田さんにね、『天下取っちゃいなよ』と応援の言葉を送ったと。で、また談志師匠は田中さんについて、『こんなにできたやつもなかなかいないから、ぜったいにコンビを続けていけ』と。田中さんのね、相方としての重要性を力説なさっていたという話があって。それから時がたって、これは僕、読ませていただいたんですけども。単行本で『最後の大独演会』。談志師匠と太田さんとビートたけしさんですね。この3人の対談。まあ僕からすれば、ナイアガラ・トライアングルよ。

(太田・田中)(笑)

(佐野元春)この対談でさっきの2つのエピソードが帰結したような印象があったんですね。で、お二人にとって、その談志師匠というのはどういう存在なのか?それをね、ぜひ聞いてみたい。あの、実を言うと僕、下町生まれなんですよ。で、談志師匠が亡くなった時は、なんかね、もう本当に僭越なんだけれども。遠い親戚のおじさんが亡くなったような感じがあって。立川談志のようなおじさんっていうのはいっぱいいましたから。周り、僕の親戚もみんなあんな感じですから。亡くなった時には、なんかね、遠い親戚のおじさんが亡くなったような。で、あんまり寂しくてね、僕、バンドのメンバーに一言メールを送ったんですよ。『談志が死んだ(だんしがしんだ)』っつって。

(太田・田中)(笑)

(田中裕二)上から読んでも下から読んでも(笑)。

(佐野元春)まあ、それは余談なんですけども。談志さん。談志師匠っていうのはお二人にとって、どのような存在なんですか?

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爆笑問題にとっての立川談志

(太田光)どのような存在・・・うーん。まあ、一言で言うのは本当に難しいですけど。そうですね。あの、立川談志っていう人と、もう一人。古今亭志ん朝っていうやっぱり名人がいて。で、この2人も、言ってみれば桑田さんと佐野さんのように、やっぱりぜんぜんタイプが違うけれども。まあ、歳は談志師匠の方がちょっと上なんですけど。まあ、本当にライバルだったんですね。

佐野元春と爆笑問題 桑田佳祐とサザンオールスターズを語る
爆笑問題のお二人がTBSラジオ『Sound Avenue905 元春レイディオショー』にゲスト出演。佐野元春さんと桑田佳祐さんについて、サザンオールスターズの楽曲を聞きながら話していました。

(佐野元春)そうですね。

(太田光)で、志ん朝っていう人はキートンなんですよ。ぜったいに理屈・・・落語以外の、要するに古典以外の理屈を言わないんですよ。一切言わないけど、まあ軽いポップな落語って言っていいのか・・・とにかく江戸っ子の、あの流暢な立て板に水の落語を。本当に色気のある落語をされて。で、談志師匠は談志師匠で全部解説しながら。その、落語の理屈を、古典を解体して分析して、また新しいそこにイリュージョンであるとか、それこそサイケみたいなことを、いまの客に向けて落語を作りなおすみたいなことをやって。で、自分は政治家にも立候補してすぐにやめたりとか。

(佐野元春)そうですね。

(太田光)まあ、生き方も破天荒でしたし。で、僕にとってはやっぱりチャップリンとキートン。まるで、そういう感じなんですね。で、談志師匠の前で初めて、僕らネタをやった時に、まあ『天下取っちゃえよ』って言われたことがものすごく僕はうれしくて。その頃、僕らはもうちょっと仕事がなくて。しばらくテレビもぜんぜん出ていない状態で、これからもう1回やり直そうっていう時だったんで。その初っ端に談志師匠との出会いが。もう憧れの人だったからガチガチに緊張して漫才やったんですけど。

(佐野元春)でしょうね。

(太田光)たまたま、その日の客がウケてくれたもんですから。師匠が『この後、行くか?』っつって。まあ、怪しい店に連れて行かれたんですけど。で、そこで2人、飲めないんですけど。酒を無理やり飲まされて、ヘロヘロになりながら、『さっきのネタ、もう1回やってくれ』って言われて。もうボロボロだったよね?

(佐野元春)(笑)

(太田光)で、その時に、僕らがあんまり酔ってるんで談志師匠が引いて。『俺、帰えるわ』っつって、先に帰ったんですよ。で、そん時にちょっと俺のことを呼んで、『お前、天下取っちゃえ』って小声で言ったんですよ。で、それがうれしかったのが、いまやっぱりこうやってやっていることのひとつ、大きな励みですね。それともうひとつ、その何ヶ月後ぐらいだったかな?志ん朝師匠に会ったの。

(田中裕二)そうだね。

(太田光)イイノホールだったですけど。それも初対面だった。本当に偶然なんですけど、同じ時期に志ん朝師匠のやっぱり前座で僕ら、漫才をやったんです。で、そこはイイノホールって割と広いホールだったんですけど、談志師匠のその前の経験があるものだから。で、そん時もウケたんですよ。

(佐野元春)ええ。

(太田光)『ああ、志ん朝師匠もきっと楽屋で聞いてくださっている』と思って。『ご挨拶に行ったら、なんか言ってくれるかな?』って。『あ、お先に勉強させていただきました』っつったら、志ん朝師匠、鏡の前で正座をされて。ピシッと背筋がのびたまま、ちょっと振り向いて。『お疲れ様でした』っていう一言だけだったんですよ。『ああ、やっぱり志ん朝なんだ!』ってそこでね、思って。『ああ、かっこいい!』と思って。

(田中裕二)かっこよかったねー!

(太田光)それはそれで、まったく違うんですよ。

(田中裕二)その一度きりだからね。会ったのは。

(佐野元春)そうですか。

(太田光)だから、そういう意味では俺はいまだにだから、志ん朝になりたいのか、談志になりたいのかって(笑)。本当にそういう2人の存在ですね。

(佐野元春)うん。

(太田光)なんかだから、常にたけしさんとさんまさんとかね。僕らの上には本当にすごい先輩たちがいるから。どっちの良さもわかるもんですから、僕は優柔不断ですから。談志になりたい、志ん朝になりたいとかね。もう、いっつもそこでブレてて。いまだに。

(佐野元春)ねえ。僕ら東京人にとってみればね、立川談志師匠。それから志ん朝ですね。もう、2つの宇宙ですよね。ひとつひとつが違った宇宙。話芸というもので意識を飛び越えさせてくれる。そのような偉大な芸術家と言ってもいいと思うんですよね。だから、いま太田さんがおっしゃっていることはよくわかります。

(太田光)で、やっぱり本当、間に合ってよかったというか。関わることもできてよかったし。

(田中裕二)あんだけ怖いと思っていた人だけど、あんだけ優しいと思った人もいない。ああ、こんなに優しい!って。1回も怒られたことが、ほぼないんですよ。

(太田光)ないね。

(田中裕二)僕ら、まあ結構かわいがっていただいて。いろんな談志師匠の主催する一人会で漫才させてもらったりとか。そういうね、一緒に番組も結構やらせてもらったりして。で、本当に、いつ怒られるんだろう?いつ怒られるんだろう?ってやっぱり思って。毎回緊張してたんだけど、いっつも優しいんですよね。

(佐野元春)ああー。

(田中裕二)でも、最後まで優しい人でしたね。もう笑顔。あの、談志師匠って本当に苦虫を噛み潰したような。あれが一応談志さんのいちばん特徴的な顔だけど。笑顔の方が多いんですよね。

(佐野元春)うーん。

(田中裕二)『よかったよ、お前』っつって。いっつもなんか、お腹とか殴ってくるんですよね(笑)。

(太田光)(笑)

(田中裕二)本当に優しくて、かわいがってくれたなって。だからまあ、僕らは孫の世代なので。それこそ、僕らは談志師匠の子供であるたけしさんの子供みたいな世代じゃないですか。たけしさんに憧れて、そっからその、さらにそのたけしさんが憧れた人っていう感覚の談志師匠。だから、おじいさんの世代。だから、僕らはそれこそ、佐野さんからボブ・ディランやビートルズを知るような感じの存在なので。

(佐野元春)ええ。

(田中裕二)やっぱり距離は、やっぱりあるよね。そこのね。うん。本当に優しくしてもらったっていう。

(佐野元春)素晴らしい話だね。まあ、先人たち。尊敬できる先人を見て思うのは、スタイルっていうのはね、それぞれ確立しているものだからそれを超えることはできないけど。その芸に対する思いとか、音楽に対する愛情とかね。そうしたスピリットみたいなものは、やっぱり受け継ぐことはできるんですよね。

(太田光)うん。

(佐野元春)受け継いで、また時代に合わせて応用することができる。僕はだから、やはり僕の・・・僕にとってみれば大瀧さんは先輩だし、音楽に対する知識や愛情も僕以上に深い方で。学ぶことも多かったんですけども。彼もスタイルをそのまま僕は受け継ぐことはできないけども、彼のスピリットはね、受け継いで。それを自分なりの形でまたファンに披露することができるのかな?なんて。そんなことを思いますね。音楽よりもむしろ、芸の場の方がそうしたことを感じられるんじゃないかな?ということをいま、お話を伺いながら感じていました。今夜は本当に楽しいお話をいっぱいしてくださって、ありがとうございました。

(田中裕二)いやー、もう夢のような時間。

(太田光)緊張しました。本当に。

(佐野元春)いやいやいや。長い時間に渡って、ありがとう。

(田中裕二)いや、こちらこそ、本当に。うれしかったです。

(佐野元春)あの、僕の音楽をね、10代の頃に聞いてくれていたお二人ということで。こうして会って、互いに表現の場は違うけども。その表現について話しできたっていうのがね、僕にとっては宝物のような時間でした。

(田中裕二)こちらこそ。

(佐野元春)ありがとうございました。

(田中裕二)ありがとうございました。

(佐野元春)これからも体に気をつけて、楽しいエンターテイメントを創り続けてください。

(太田・田中)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>


https://miyearnzzlabo.com/archives/36099

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