爆笑問題 立川梅春(ビートたけし)の落語の凄さを語る

爆笑問題 タイタンライブ 立川梅春(ビートたけし)出演を語る 爆笑問題カーボーイ

爆笑問題のお二人がTBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』の中で、タイタンライブ20周年記念公演にサプライズ出演した立川梅春(ビートたけし)が披露した落語の凄さについて話していました。

(田中裕二)本当にその後、たけしさんが、落語をやってもらって。

(太田光)たけしさん、本当に僕はね、すごいものを見ました。で、あの人はやっぱり『ああ、志ん生師匠に似てるな』と思いましたね。なんて言うんですかね?だから本当に江戸前の貧乏育ちの。そういう意味で言うと、本当に志ん生師匠の口調にとっても似てるなと思いましたね。

(田中裕二)ねえ。いわゆる人情噺というね、笑いを取るというよりも、ちょっと感動的なというかね。そういうお話だったんですけどもね。

(太田光)もう1回、あの後談志師匠の『人情八百屋』を聞いてみたんだけど。やっぱりぜんぜん違うんだよね。たけしさんが作っている部分っていうのがすごくいいのね。

(田中裕二)ああ、なんかたけしさんが足しているって言ってたもんね。

(太田光)だから、あれ談志師匠が見たらびっくりすると思う。『あ、ここをこう足したか!』っていうのが。そこが生きてるんですよね。

(田中裕二)でも本当ね、この間たけしさんに会って。『ありがとうございました。面白かったです。すごい良かったです』って言ったらね、『いや、俺途中で、いちばん最後のオチを俺、忘れちゃったんだよ。俺、慌ててよ。そんで、「あれ?オチなんだっけ?オチなんだっけ?」って真っ白になっちゃって。パニックになったんだよ』っつって。あのたけしさんもそうなった。

(太田光)たけしさんは本来、基本あがり症だと思うんですよ。あの人はやっぱりネタに対してはものすごいストイックだしさ。

(田中裕二)要は、割とこう落語っていうのは、オチ、下げっていうのはそんなに重要じゃなかったりする部分はあったりするかもしれないけど。そこを忘れるって、あんまりなさそうだなって俺はなんとなく思っていたわけよ。

(太田光)終われないんですよ。そこがないと。特に『人情八百屋』っていうのは、あの下げは完璧に効いてくるやつですからね。

(田中裕二)だから、なんかさ、忘れなさそうじゃない?途中のセリフでちょっと忘れるとかあるかもしれないけど。『それでだから慌てちゃってよ』って。それでなんか他のことを言ってたら、ちょっと間違えたらしいの。俺らはわからないんだけど。

(太田光)わかりましたよ。そりゃ。

(田中裕二)あ、太田さんはわかるのね。

(太田光)立場逆のことを言って。

(田中裕二)『ちょっと間違えた』とか言って。それでもう・・・

(太田光)でもね、それはね、落語をあんまり知らない人はね、『あ、間違えた!』とかね、『ちょっと聞き取りづらい』とかね。なんか思った人がいるかもしれないけど。あれが落語なんです。あれが落語の良さなんです。志ん生師匠のなんて、ぜんぜん聞き取れないですよ。でも、そのセリフじゃないんですよ。落語って。人間なんですよ。だから、セリフを言ってるんじゃないんですよ。たけしさんは。落語の場合。

(田中裕二)うんうん。

落語は人間

(太田光)お芝居とも違うから。あれは要するに、あそこの火消しの棟梁とか、八百屋のっていうその人物をぶつけているだけですから。だからセリフが重要ということではないんですよ。あの凄み、あったでしょ?たけしさんのあの凄み。あれなんですよ。あれはまさに古今亭志ん生の持っている感じですよ。だから、志ん生師匠も『なに言ってるんだ?聞き取れない』っていうのがあってもぜんぜんもう、そこが味になるから。

(田中裕二)味になるのね。

(太田光)落語っていうのはそういうもんです。あえてそうするとかいうこともあるしね。

(田中裕二)うんうん。

(太田光)深いですよ。落語は。

(田中裕二)深いですよね。

(太田光)深いですよ。そういう意味じゃ。深い!

(田中裕二)たけしさん、だから今回出るにあたってね、最初は別の落語をね、するっていうお話だったんですけどね。

(太田光)そうです。そうです。本当に我々のようなもののライブのためにね、あそこまで真剣にやっていただけるとはね、思ってなかった。僕は本当にそういう意味では、最初にたのんだ時は、『いや、もう来てくれるだけで。あとは僕らはね、別に落語がグズグズになったら、すぐ袖にいますし。呼んでください』とまで言っていたんですよ。もう、それ、かえっていま俺、失礼だったなと思うぐらい。

(田中裕二)そうだね。いま考えるとね。

(太田光)でも、本当にね、そういういてくれて、賑やかしてくれればそれでOKですっていう。でも本当に本格のことをやっていただいて。

(田中裕二)そうね。だからいま、たけしさんが最近、ご自分でもライブをやっているじゃないですか。で、それこそ俺の楽屋に。パネルみたいな写真のでちょっと遊んだり。で、その間に落語をして。で、落語をちょっとやると、今度またパネルに戻って・・・みたいな。そういうこともやったりしてるから。そういうね、雰囲気になるかもしれないっていうのもあったけどね。

(太田光)でも、ちゃんとやってくれて。やっぱり、我々のね、タイタンライブっていうものにそういう風に立ててくれたというかね。

(田中裕二)うん。あれは本当に良かったね。まあ、で、客席にはね、桑田佳祐さんとハラボー夫妻が見に来ていただいていて。まあ、我々は会わなかったですけどもね。

(太田光)桑田さんからメールもいただきました。『本当に素晴らしかった。たけしさんが出てきた時はもう神々しくて。枕から涙ぐみました』という。天才同士のまあ、やり取りですよね。

(田中裕二)すごいね。いやー。

(太田光)最初ね、俺、桑田さんどうかな?と思って。あんまりほら、いままで誘ったこともないし。お笑いライブ、だって、お忙しいでしょうし・・・って遠慮してたんですよ。だけど今回、たけしさんも来ることだし。ちょっと我々もね、コントもやるしっていうので。『もしお忙しい・・・まあ、レコーディングの最中なのであれですけど、お時間があれば・・・』っていうことで。したらもうすぐに返事をいただきましてね。『ぜひ伺います』と。

(田中裕二)うん。

(太田光)で、『うちのキーボードの偽ベッキーを連れて伺います』って書いてあって。

(田中裕二)(爆笑)

(太田光)『偽ベッキーって誰だろう?ハラボーかなあ?キーボードっつーから、ハラボーだろうな?』と。

(田中裕二)まあ、そうでしょうね(笑)。

(太田光)あえてそこは聞かずに。『わかりました』ということで。

(田中裕二)で、来ていただいてね。実はこじるり(小島瑠璃子)もね、見に来ていて。仕事だったんで、いちばん最後まではいられなくて。帰ったんですけど。

(太田光)ああ、残念でしたね。

(田中裕二)残念だったですけど。で、明くる日。当然、ネットニュースでその後にたけしさんが来たとかも知っていて。『もう本当に、ああ!見たかったです!』なんて言っていて。で、『客席に、知ってる?昨日、あれだよ。桑田さんとハラボー、来てたんだよ』って言ったら、『ええーっ!?』っつって。

(太田光)そりゃそうだよ。

(田中裕二)『桑田さんと、原監督!?』っつーから。桑田真澄と原辰徳だと思ってたんだって(笑)。

(太田光)それもすごいけども(笑)。それはそれですごいよ。

(田中裕二)俺が『桑田さんとハラボー』って。桑田真澄と原辰徳だって。

(太田光)S-1の現場でそう言われたらね。

(田中裕二)そう。S-1の現場で俺、言ってるし。そりゃ、こじるりはやっぱり『ハラボー』っつったって・・・

(太田光)『お前はハラボーと呼んでるのか?』っていう話だよ。原監督のことを。

(田中裕二)原辰徳のことを俺、『ハラボー』って言うか?っていう話なんだけど。たしかにS-1の現場だし。ねえ。こじるりにとっては俺が『桑田さん』っつったら桑田真澄さんのことを言うことの方が、もしかしたらいままでの機会多かったかもしれないしね(笑)。でも、桑田真澄と原辰徳が2人で来ててもすごいびっくりだよね(笑)。

(太田光)ビッグはビッグだよ。いまこの時期。

(田中裕二)ねえ(笑)。ということで、たくさんのお客さんに来ていただきました。ありがとうございました。

(太田光)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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