清野とおる おこだわりグルメを語る

清野とおる おこだわりグルメを語る 荻上チキSession22

漫画家の清野とおるさんがTBSラジオ『荻上チキ Session22』に出演。著書『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』のおこだわりグルメとおこだわり人について話していました。

(荻上チキ)さて、ここからはセッション袋とじ。

(南部広美)今夜のゲストは漫画家の清野とおるさんです。よろしくお願いします。今夜はですね、漫画『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』で様々なおこだわりグルメに触れた清野さんと、『聞く、真似る、味わう。奇妙なれど奥深いおこだわりグルメ』と題してお送りします。

(荻上チキ)はい。おこだわり。モーニングで連載中。『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』。『おこだわり』ってなんですか?

『おこだわり』の定義

(清野とおる)おこだわり。定義が難しいんですけどね。まあ、日常で別にこだわらなくてもいいことに、あえてこだわって、そこに自分だけの幸せを見出しちゃって、コソコソコソコソ楽しんでいる輩どものことですね。まあ・・・『この食べ物はあの場所でこういう風に食べると美味しい』だとか、『この飲み物はあれと一緒に食べると合う!合う!合う!』。まあ、自分だけのひそかな楽しみと言いますかね。

(荻上チキ)はい。食べ物だけじゃなくてね、布団の寝方とか。

(清野とおる)そうですよね。そこ、こだわっちゃうの!?っていう。

(南部広美)マイルールみたいなものだ?

(清野とおる)マイルール。まあ、そうですね。

(荻上チキ)マイフェイバリットですよ。

(清野とおる)でも、なかなか判別難しいですよね。見た目で判別つかないんですよ。僕は見た目でおこだわり人って気づかない。平凡な人間である場合が多いんですけど。で、そういう、僕からすると『あ、この人、おこだわり人だな』っていう人自身、自分がおこだわり人だと気づいてない場合が多いんですよね。

(南部広美)自覚なし?

(清野とおる)自覚ないんですよ。だから自分がおこだわり人だと認識してしまった瞬間、おこだわり人はおこだわり人でなくなるとも・・・わかりますか?

(荻上チキ)ほうほうほう。他人に自慢したら、おこだわりじゃなくなってしまうっていうか。

(清野とおる)そうです。そうです。無意識と言いますかね。そこにすごい魅力を感じるんですよね。

(荻上チキ)自分は当たり前だと思っていたけど、でも実は他人から見るとこだわっているし、本人もそれなりにこだわっているし・・・みたいな?

(清野とおる)そうなんですよ。おこだわり人は、なろうとしてなれるものではないんですよね。ある日突然、もう気づいたらおこだわり人になってるんですよ。村上春樹風に言うなら、それは好むと好まざるとに関係なくですよ、なってしまっているものなのだ。

(荻上チキ)春樹風かな?(笑)。

(清野とおる)抜粋しました。

(荻上チキ)まあ、春樹もね、こだわりなキャラクター出てきますから。ああいうのじゃないんですよね?

(清野とおる)あれは違いますよね。

(荻上チキ)ジャズ聞いて、パスタ茹でて・・・みたいな。

(清野とおる)あそこまで行くとしゃらくさいんですよね。

(荻上チキ)しゃらくさい(笑)。

(南部広美)人に言うほどじゃないんだけど、自分はぜったいにこの形で行くんだ!っていうのを自分の中で。

(荻上チキ)もうちょっと大衆的で。100円ショップとかプラスアルファぐらいで済むぐらいのもので、手軽にハッピーを得られるような。

(清野とおる)そうです。で、それを決して人にひけらかさないと。でも、なんかこっちから見ると、『おっ?なになに?なによ、それ?どうして教えてくれないの?』って。

(南部広美)『みんなやらないけど、いや、それ良さそう!』みたいな。

(清野とおる)『言ってよ!なんで言ってくれないの?ズルい!こすい!』。

(南部広美)(笑)。あ、言わないことが。でも、本人、自覚してないんですよね?

(清野とおる)だからそこがまた魅力。葛藤ですよ。

(南部広美)あ、清野さんに見つけられる感じだ。『俺、見つけちゃった!それ!』っていう。

(清野とおる)で、僕が指摘しても、『はあ?』みたいな感じなんですよ。そこがまた、僕らからするとたまらないんですよ。

(南部広美)脇腹をツンツンとされる感じ。

(清野とおる)そうそう。脇腹ですよ。『お前、それ・・・世が世なら犯罪だぞ!』っていう(笑)。

(南部広美)(笑)。そこまでですか?

(清野とおる)犯罪じゃないっすけど、なんかもう罰したいぐらいのね。

(南部広美)それを独り占めしてるなんて。

(荻上チキ)もう自分が権力者ならば、こだわりの罪として(笑)。

(清野とおる)こだわり罪で検挙しちゃいたいですね。はい。

(荻上チキ)まあ、そうやって今日はピックアップした様々なこだわりをですね、清野さんに紹介してもらうということで。いろんなグルメを実際にスタジオで再現して、味わってみたいと思います。最初のおこだわりグルメ。なにから行きましょうか?

(清野とおる)逆に、なにがいいですか?

(荻上チキ)『逆に』というか、こっちはわからないので(笑)。

(清野とおる)ああ、そうっすか(笑)。

(南部広美)気軽に試せるものがいいです。

(清野とおる)なにをセッションしますかね。じゃあ、ねえ。

(荻上チキ)なんでもいいですよ。

(清野とおる)えーと、じゃあ、ツナ缶から行きますか。

(荻上チキ)ツナ缶から。

おこだわりグルメ ツナ缶

(南部広美)ツナ缶って、ツナの缶詰ですね。

(荻上チキ)よく売っている。どこでも売っている。

(清野とおる)僕からすると、ツナ缶なんて最初、どこのメーカーも同じじゃないかな?と思ったんですけど。

(南部広美)同じじゃないんですか?

(清野とおる)いなばのライトツナフレークまぐろ油漬けですよ。

(荻上チキ)まぐろ油漬け?

(清野とおる)これ、別に僕の意見じゃないっすよ。

(南部広美)おこだわり人から清野さんが。

(清野とおる)僕が発見したおこだわり人の『ツナ缶の男』っていうのがいるんですよ。まあ、39才で出版社勤務で既婚。A型。練馬区在住ですね。この方は。これ以上のことはちょっと言えないんですけどね。ごめんなさい。本当、すいません。夜な夜な1人でツナ缶を肴に一杯やるのが好きな男から僕が聞いた話なんですけど。

(荻上チキ)これ、ツナ缶だけで食べるんですか?

(清野とおる)じゃ、ないんですよね。ええと、いま、手元にツナ缶ありますよね?

(荻上チキ)はい。3人とも持っています。いま。

(清野とおる)いなばの。これ、開けますか。

(荻上チキ)開けましょう。

(清野とおる)(パカッ)。これね、ぜったい今日、本人聞いてるんで、緊張するんすよね。下手なことすると、怒られるんですよね。

(荻上チキ)えっ?怒る人なんですか?

(清野とおる)おこだわり人って怒るんですよ。なんかLINEとかでね、『清野さん、ああいう風に描きましたけど、僕はちょっと違いますよ。僕のニュアンスは違いますよ』みたいな。いま、開けましたよね?

(荻上チキ)いい匂いがします。

(清野とおる)で、これ、漫画で描きそびれたんですけど。油、ダクダクじゃないですか?これ、捨てちゃダメなんですって。

(南部広美)えっ?これが重要?

(清野とおる)これ、命。これがもう軸ですね。

(荻上チキ)じゃあ、絞っちゃダメ?

(清野とおる)手つかずですよ。手つかずのこの自然に、マヨネーズが出てきましたけど。マヨネーズを死ぬほどかけるんですよ。

(荻上チキ)死ぬほど?

(南部広美)何マヨネーズとか、あるんですか?何でもいいの?

(清野とおる)これはキューピーマヨネーズ。

(南部広美)キューピーもライトとか、いろいろあるじゃないですか?普通の?

(清野とおる)もう定番。オーソドックスなやつです。

(荻上チキ)簡単に言うと、マヨネーズの入れ物ありますよね。あれをグッとグーで握りしめて、7秒くらい握りしめたままです。

(清野とおる)これ、もう自殺するぐらいの気持ちでかけてくださいよ。

(南部広美)これ、大丈夫かな?こんなに・・・1、2、3、4、5、6、7、8・・・あ、かけすぎた。見えなくなるぐらい?

(清野とおる)見えなくなるぐらい。ツナがマヨネーズで隠れるぐらい。

(南部広美)でも私、ちょっと量的に清野さんほどは行けなかったわ。躊躇があった。

(清野とおる)僕も嫌ですけどね。

(荻上チキ)こんなもんですか?

(南部広美)あっ、行ったね!荻上くん、行ったね!

(清野とおる)ああ、チキさん、男前!

(荻上チキ)すごい、マヨネーズの入れ物が、3人がかけただけでほぼ空になりました。

(清野とおる)ナイスセッション!ナイスセッションですよ。

(荻上チキ)どっぷりですね。これ、どうします?

(清野とおる)これに、さらにコショウをかけるらしいんですよ。

(南部広美)コショウもいろいろ銘柄、ありますけども。

(清野とおる)ギャバンなんですって。

(南部広美)ギャバンなんだ!

(清野とおる)うるせーな!って思いますけどね。本当。ここは従いましょう。このギャバンのコショウも、マヨネーズの海の上に死ぬほどかけるんですよ。

(荻上チキ)死ぬほど?

(清野とおる)ここ、覚悟してくださいよ。

(荻上チキ)はい。どうぞどうぞ。

(清野とおる)もう!もう!もう!

(南部広美)えっ?まだ!?

(荻上チキ)おおー!

(南部広美)ふさーってなってますよ。コショウが、ふさーって!

(荻上チキ)コショウ味としか言いようがないぐらい。

(清野とおる)もう本当、覚悟を決めてくださいよ。腹くくってくださいよ。

(荻上チキ)あ、行ったね。南部さん。

(南部広美)こんぐらい?私の方が、多くない?

(清野とおる)いやいや、ちょっと!ナメないでくださいよ。もう。

(南部広美)真っ黒になるぐらい。

(荻上チキ)こんなもんですか?

(清野とおる)あ、いっすね。いっすね。

(荻上チキ)(ゴホンゴホン)

(南部広美)あ、くしゃみも出るね。大丈夫?

(清野とおる)で、これをお箸でかき混ぜるんですけど。この時に注意してほしいのは、僕の意見じゃないっすよ。ここが大切なんですけど、僕の意見じゃなくて、おこだわり人のツナ缶の男曰く、(ゲフンゲフン)・・・

(南部広美)むせてるじゃないですか(笑)。

(荻上チキ)コショウ、すごいよね。これ(笑)。

(南部広美)清野さん、コショウでむせてる(笑)。

(清野とおる)あの・・・使う箸は割り箸じゃなきゃダメなんですって。塗装されたちょっと高めの箸だと、缶の縁のところで塗装が削れて剥げちゃうっていうんですって。割り箸だったら別に安心安全じゃないですか。

(荻上チキ)はいはい。

(南部広美)缶のまま調理するから、割り箸の方がいいってことだ。

(清野とおる)そうです。あとは、別皿に移すのはNGって。

(荻上チキ)なるほど。じゃあこれを混ぜればいいんですね?グッチャグチャに。。

(清野とおる)そうです。この男はいつも深夜に1人で自分の部屋でやっているんで。洗い物、増えちゃうじゃないですか。

(荻上チキ)うおっと!

(南部広美)いま、混ぜてますけど。3人で混ぜる様子ってこれ、どうなんだろうね?

(荻上チキ)なんなんだろうな?未来、きてるのかな?これ。

(南部広美)うわっ、これさ、コショウ入れすぎた。黒い!混ぜたら黒いよ。

(荻上チキ)いや、うん。黒いよ。

(南部広美)油とマヨネーズがこの、なんか絶妙な絡み合いを見せますね。

(荻上チキ)『これ、ツナ缶だっけ?』っていうぐらいの黒さになってますね。

(清野とおる)もう決壊してますよね。

(荻上チキ)じゃあ、食べます?食べていいですか?じゃあ、いただきまーす。

(南部広美)うわー、油だよ、これ。なにかに乗せるとか、野菜と混ぜるとかじゃないんですよね。このまま行くんだ?

(南部広美)うまーい!

(清野とおる)あ、でも美味しいっすね。(プシュッ!)。

(荻上チキ)これはね、美味しいですよ。

(南部広美)(ングッ!)。

(荻上チキ)大丈夫?南部さん、大丈夫!?

(南部広美)コショウ、かけすぎた!

(清野とおる)マヨネーズが少なかったんですよ。

(荻上チキ)清野さん、実はこれね、割とね、普段からやるタイプなんですよ。

(清野とおる)あ、そうですか?

(荻上チキ)結構近いやつ。僕はコショウじゃなくて醤油をちょんちょんちょんって垂らして。いままで食べてたんですけど、コショウ、いけますね。スパイシーさが。

(南部広美)でもそもそも、ツナ缶だけでも美味しいもん。

(荻上チキ)いま、手元に氷結があるんで、飲んで大丈夫なんですか?これは。

(南部広美)これ、合わせるお酒も決まっているんですか?

(清野とおる)もう、これは氷結のストロング缶のグレープフルーツ味ですよ。

(南部広美)でしかダメ?

(荻上チキ)氷結なんて久しぶり。

(清野とおる)これ以外はもう、ないらしいですね。

(荻上チキ)大学生以来ですよ。氷結飲んだの。うん。たしかにこの、若い感じ。美味いな。

(南部広美)おおーっ!油とこの氷結のキリッとした・・・

(清野とおる)フルーツ味だけに、果汁が突出してるんですよね。これね。

(荻上チキ)そうですね。パンチがありますよね。

(清野とおる)何%でしたっけ?果汁率。

(荻上チキ)果汁4.1です。で、アルコールが9です。

(清野とおる)レモンは果汁2.8%なんですよ。ドライライムはたしか2.6なんですよ。4.1の『1』ってなんなんですかね?

(荻上チキ)(笑)。いや、たまたまじゃないですか?

(清野とおる)たまたまじゃないっすよ。これ。意図的ですよ。これ、4.1ですよね?

(荻上チキ)清野さん、そこにこだわらないでください(笑)。

(清野とおる)いやいや、別にこだわってないですよ。

(南部広美)続いて。

(荻上チキ)続いていきましょう。

(南部広美)これはなんですか?目の前にいま・・・

おこだわりグルメ ポテトサラダ

(清野とおる)はい。これはポテトサラダの男の、ポテトサラダの山ですね。

(荻上チキ)ポテトサラダにしてはシンプルですね。

(南部広美)マッシュポテトみたいですよ。

(清野とおる)これもあの、僕が取材した男で、ポテトサラダの男っていうのがいるんですよ。こちらの方は41才、会社員、既婚、O型。八王子市在住の方ですよね。で、彼の話によると、彼にとってポテトサラダっていうのは元々は、『ないよりも、まああった方がいいかな?』程度の存在だったらしいんですよね。

(荻上チキ)ええ、ええ。

(清野とおる)でも、ポテトサラダの概念が変わった夜っていうのがあったらしいんですよね。そっから熱狂的なポテサラ信者になってしまったらしい。まあ、それは漫画を読んでいただきたいんですけど。いまでは1から手作りするほどのポテサラ狂になっちゃいましてね。

(荻上チキ)はいはい。

(南部広美)どんなポテサラなんですか?なんか、いろいろあるじゃないですか。好みが。ゴロゴロしてる方がいいとか。野菜が入っていた方がいいとか。

(清野とおる)まあ、芋はメークイーンですよ。

(南部広美)銘柄指定。

(清野とおる)男爵芋とくらべて、ねっとりしてるんですって。ねっとり。ねっとりしてるんですよ、チキさん(笑)。聞いてますか?ちゃんと(笑)。

(荻上チキ)聞いてる、聞いてる(笑)。

(清野とおる)僕の話を聞いてますか?チキさん。

(荻上チキ)下ネタとかなんですか?違いますよね?(笑)。

(清野とおる)男爵芋にくらべて、ねっとりしてるんですって。

(荻上チキ)芋からこだわるんだね。

(清野とおる)そうです。ねっとり感がもう半端ないんですって。で、具も当初はハムだのきゅうりだの、いろいろ仕込ませていたらしいんですよ。

(荻上チキ)きゅうりのシャキシャキ感ね、好きな人、いますよね。

(清野とおる)でも、だんだん淘汰されていって。いまではもう、シンプルにメークイーンだけのポテトサラダ。

(南部広美)だけ?オンリー?

(荻上チキ)メークイーンポテトオンリーサラダ。

(清野とおる)はい。そうです。それこそ、彼は『ポテサラ究極の姿だ』と言ってますよね。

(荻上チキ)なるほど。じゃあこれを、いただいていいですか?

(南部広美)食べますよ。

(清野とおる)あ、いまポテトサラダが山になってますよね。大皿に。で、これを彼はね、『モンジョーヌ』と表現してるんですよ。

(荻上チキ)モンジョーヌ?

(清野とおる)モンジョーヌ。まあ、フランス語で『黄色い山』っていう意味らしいんですけど。ちょっと頂上付近にパセリが彩られてますけども。

(南部広美)彩られている。

(清野とおる)パセリはいいらしいんですって。パセリは必要悪。

(荻上チキ)これ、この添えるのはOKと。

(清野とおる)そうですね。これ、すごいっすね。

(荻上チキ)食べていいですか?

(清野とおる)どうぞ。

(南部広美)食べ方とか、あるんですか?

(清野とおる)あっ!なんかいろいろ言ってたんですよね。これも本当、気をつけないと怒られるからなー。

(荻上チキ)とりあえずポテトサラダを・・・

(清野とおる)あっ!ちょっちょっちょっ!ダメなんですよ、これ。怒られる。割り箸でいいんですけど、割り箸、いま2本で行こうとしたじゃないですか?

(荻上チキ)箸ですから。

(清野とおる)箸を1本だけ使うんですって。

(荻上チキ)1本にするんですか?

(清野とおる)1本。

(南部広美)おばあちゃんに怒られたけどな。1本で食べると。

(清野とおる)1本箸、良くないですけどね。その男曰く、これが正解なんですって。1本でポテサラの山に箸をぶっこむじゃないですか?で、そうすると割り箸の先端に付着するじゃないですか。で、これを舐めるように食べろと。

(南部広美)ああー!わたアメみたいなことだ。ええーっ?このわたアメみたいに山から、こう・・・

(荻上チキ)美味い!美味いんだけど、もっと食べたいわ。

(南部広美)絡みつけて、割り箸に。

(清野とおる)そうです。で、まあこのポテサラのお供はサントリーの金麦のロング缶じゃなきゃダメなんですって。彼曰く。

(南部広美)マストなんですか?

(清野とおる)マストです。

(荻上チキ)いま、ロングじゃなくて350ですけど。手元にあるのは。

(清野とおる)それは別に言わなきゃいいことじゃないですか、チキさん!

(荻上チキ)(笑)

(清野とおる)気をつかって僕、言ったのに。もう・・・

(荻上チキ)いや、真実を報じるのがね。はい。知る権利を(笑)。これ、でも複数人で食べると、箸グッチョグチョになりますね。

(南部広美)1人でこれ、食べるものなんですか?みんなで食べても?

(清野とおる)一応、おこだわり人の方はですね、いま、『八王子市ポテトサラダの会』というのを発足されたようで。男性4人。みなさん既婚なんですけど。みんなで手作りで、こんな感じで大皿にポテトサラダを盛って。このポテサラの山をモンジョーヌと呼んで。で、竹串・・・あっ、竹串の話をするの、忘れたな。メークイーンを茹でる時に、茹で時間ってポテトって難しいらしいんですよ。

(荻上チキ)刺してね、試して。

(清野とおる)竹串がメークイーンにスーッと貫通するぐらい。

(南部広美)それが目安だと。

(清野とおる)そうです。そん時に使った竹串を、このモンジョーヌの頂上にぶっ刺して。で、ポテサラ棒倒しっていうのをやっているらしいんですよね。

(南部広美)ああー!よく砂場でやった。

(清野とおる)そうです。まあ、どういう道具を使うのかは自由なんですけど。もう、手づかみでいくものもいれば、スプーンでいくものもあり、フォークでいくものもあり。で、最終的に倒れた人が負け!っていうゲームをやりつつ、金麦飲みながらワイワイやっているらしいですけどね。

(南部広美)はー!楽しそう。倒さないように。

(清野とおる)もうぜったいに金賭けてると思うんですけど。本人曰く、『お金賭けてないっすよ』って小声で言ってましたけどね。

(荻上チキ)楽しくワイワイということでね。

(南部広美)さて、続いてのお皿が出てきました。これ、なんですか?揚げ物ですけど。

(清野とおる)ああ、これ、さけるチーズのかき揚げですか。

おこだわりグルメ さけるチーズのかき揚げ

(南部広美)えっ?天ぷら?かき揚げ?さけるチーズを揚げちゃったんですか?

(清野とおる)これもなんか、裂く男っていう僕の知り合いがいまして。さけるチーズを裂くことに命をかけている28才の玩具メーカー勤務の、バツイチAB型の、葛飾区在住の方なんですけどね。まあ、雪印の定番のさけるチーズ。プレーンですよ。

(南部広美)プレーン?

(清野とおる)そうです。キュッキュキュッキュする歯ごたえ、裂きごたえ。で、その人は普通に裂くんじゃなくて、もう頭の部分を持って、1本1本極限まで細かく。

(南部広美)糸状になるまで?

(清野とおる)もう正確には、300マイクロメートル。ほっそいっすよ。

(荻上チキ)まあ、暇な時にやりますよね。みんなね。

(清野とおる)でも、さけるチーズを裂くためだけに、人差し指と親指の爪を伸ばして、尖らしているんですよ。

(荻上チキ)(笑)

(南部広美)こだわってる、それ!(笑)。

(清野とおる)もう『自称 切り裂きジャックなんです、僕』とか言ってますけども。

(南部広美)チーズ用に自分の体も、もう整えているという。爪を。

(荻上チキ)それを揚げたんだ。

(清野とおる)裂いた状態で揚げたんですか?これは。

(荻上チキ)裂いて、揚げる。

(南部広美)さけるチーズを裂いて揚げると。かき揚げみたいにして。

(ディレクター)漫画に描いてある、細くやるっていうその細さのものではないです。

(南部広美)ああ、もうちょっと太めに。

(荻上チキ)やろうと思えば、もっとこだわれるっていう?

(ディレクター)これ、もう漫画を読んでもらえばわかりますけど、いま清野さんが言っていた300マイクロっていう話、この、筆みたいになる・・・

(南部広美)フサーッていう?

(ディレクター)習字の筆みたいになる状態なんで。それではなくて、一応、その後に単行本に収録されているチンジャオロースぐらいの具の細さに裂いたやつを揚げるっていう。

(南部広美)本当のかき揚げみたいに見えるもん。だって。

(荻上チキ)そうだね。じゃあちょっと、いただきますよ。

(清野とおる)でっかいっすね。

(荻上チキ)うん。おっきいですね。

(清野とおる)うまっ!

(荻上チキ)うん。美味しい。普通に美味しいですよ。

(南部広美)うん!うまい!

(荻上チキ)単品としても美味しいし。乗せたい。そばとかにも。

(南部広美)あの、天つゆにつけたい。

(清野とおる)ああ、そうっすね。まさに。

(南部広美)大根おろしの入った天つゆにつけたい。

(荻上チキ)さけチーかき揚げそばとか。

(南部広美)うわー、これ有りだ。美味しい。カリッとしてて。

(荻上チキ)これにはなにを飲めばいいですか?これとは。

(南部広美)合うお酒っていうのが、おすすめがあるんですか?

(清野とおる)これ、なんて言ってたかな?ノンアルコールビールですよね。キリンの。休む日の0.00%っていうのがあるんですけど。それとすごい合うって言ってたんですけど。ある日、その男が我慢できなくなって、ノンアルコールビールにキンミヤの焼酎を割って。まあ、ノンアルじゃないですけど。その時点で。

(南部広美)25%ありますよ。キンミヤ焼酎。

(清野とおる)まあ、休む日の0.00%のキンミヤ割りですよね。それがすごい合うって。

(荻上チキ)ほうほう。

(南部広美)割りなのか(笑)。

(荻上チキ)飲んでみますね。(グビッ)。

(南部広美)いかがですか?

(荻上チキ)へー!へー!

(清野とおる)まあ、ムカつきますけど、合いますよね。これね。

(荻上チキ)これ、いいね!ノンアルで焼酎を割ると、シュワシュワ感と焼酎のあののどごしのホカホカする感じが。

(南部広美)ああー、炭酸のものと揚げ物って合うからね。

(荻上チキ)合うし、単純にこの飲み物も美味しい。

(清野とおる)オルニチンが入ってるんすか、これ?シジミでお馴染みのオルニチンが入ってるんですか?(笑)。

(荻上チキ)へー。『回復系アミノ酸』って書いてるけど。美味しいですね。これ、どれも。

(清野とおる)美味しいですね。

(南部広美)ということで・・・

(荻上チキ)あ、もう終わり?

(南部広美)はい。時間が来てしまいました。今夜、いろいろうかがいましたけども、こちらのおこだわり人のお話は、『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』の1巻に詳しくまとめられておりますので。ぜひ、読みながら試していただきたいと思います。講談社から税込み702円で発売中でございます。

<書き起こしおわり>

その「おこだわり」、俺にもくれよ!!(1) (ワイドKC モーニング)
Posted with Amakuri
清野 とおる
講談社
販売価格 ¥702(2018年3月25日8時49分時点の価格)
古川耕推薦図書 清野とおる『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』
古川耕さんがTBSラジオ『タマフル』秋の推薦図書特集の延長戦、放課後ポッドキャストで、清野とおる『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』を紹介していました。 (古川耕)で、あとこれも良かったんですね。清野とおるさんっていう、『東京都北区赤羽
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