プチ鹿島とマキタスポーツ 2014年のニュースを振り返る

プチ鹿島とマキタスポーツ 2014年のニュースを振り返る マキタスポーツ ラジオはたらくおじさん

(プチ鹿島)迂闊な言論っていうか、迂闊なツッコミっていうのが成り立っていたわけですよ。だけどいまですよ、たとえば1年前、2年前、佐村河内がね、ピークの時に『あれ、おかしくねーか?耳、聞こえてるんじゃねーか?』って言ったら、すぐ叩かれますよ。こっち側が。だからこう、スルーしてしまう。黙殺してしまう。で、一方では絶賛する人しか現れない。世の中が、絶賛と黙殺の二極化になって、中間がいなくなったら、熟考する人がいなくなったら、それは佐村河内みたいにやり逃げする人が登場するに決まってるんですよ。

(マキタスポーツ)そうだよね。

(プチ鹿島)それはたぶんヘイトスピーチの論理と同じなんですよね。

(マキタスポーツ)そうなんだよなー。

(プチ鹿島)だから俺、佐村河内って本当にあの問題って、ただ笑って、『ああ、こんなこともあったね』って言うんじゃなくて、意外とこの時代を象徴する、まんまと大逃げした人物ですよ。絶賛と黙殺にわかれるから。

(マキタスポーツ)このおじさんが言ったように、絶賛の反対は批判ではなくて、実は黙殺っていうものがあって。

(プチ鹿島)もしくは苦手っていうね。

(マキタスポーツ)そうそうそう。俺も完全にそうだったもん。だから江頭さんの美談とかよくネットで出回るじゃん。俺、苦手だから避けちゃう。

(プチ鹿島)くすぐったくて。で、なんだったら、たけし軍団さんがフライデー襲撃事件の時にね、志村けんさんが面倒を見てくれたっていう・・・俺、いいね!押しそうになったんだけど。

(マキタ・夏江)(爆笑)

(プチ鹿島)どうも違うな、くすぐってーなと思って。やっぱり、全部は読まなかったわけです。そしたら去年ですよね、ついに当事者であるグレート義太夫さんが『いや、これ嘘ですから』って。やっと声をあげたんです。その時にやっと声を上げたっていうのは、だって、誰も被害者がいないわけで。しかもこれ嘘ですよって言うの、芸人として野暮ったい気持ちがあって。だけど、あれだけシェアされて広まっちゃうと、やっぱり当事者として声をあげなきゃいけないっていうので義太夫さんが。

(マキタスポーツ)そうなんですよ。

(プチ鹿島)で、やっぱり沈静化するじゃないですか。そういうことですよ、やっぱり。

(マキタスポーツ)意外と義太夫さんっていうのは普段、声小さい人なんだよ。で、それがネットで結構大きい声になったっていう(笑)。

(夏江紘実)大きい声になっちゃった。どうしましょう?っていうことで。

(プチ鹿島)だからあれも結局、美談っていうのは本当に怖いなって。美談怖い説を唱えていて。ただ過激ないい話で、中身は問われないんですよ。だって、いい話だから。だからそこに嘘を盛り込まれる。だってね、これ、いい話と面白い話を比べてみたらわかると思うんです。『いまから面白い話をやります』っつったら、チェックが入るでしょ?中身の精度が問われるでしょ?

(夏江紘実)どういうものか、気になりますよね。

(プチ鹿島)そうでしょう?面白くないよ!っていう査察が入るでしょ?だけどいい話って、いいんですよ。それだけで。いい話だから。

(マキタスポーツ)(笑)

(夏江紘実)たしかに!『あ、よかったね』で終わりますね。

(プチ鹿島)いちいち突っ込むのが、もうなんか億劫だし。

(マキタスポーツ)そうだよね。

(プチ鹿島)だから僕、思うんです。羽生事件・・・

(マキタスポーツ)羽生事件って(笑)。袴田事件みたいになってるけど(笑)。事件なの?

(プチ鹿島)あの、激突してね。血だらけに。頭を負傷して包帯を巻いて出てきました。で、僕はうっかり、『へー、がんばってるな』って思っちゃったんですけど。

(マキタスポーツ)(笑)

(夏江紘実)ちょ、ちょ、ちょーっ!(笑)。

(プチ鹿島)だけどちょっとネットを覗いてみたら、もうだから先ほどの学級会化する真面目な社会で。『これは棄権したほうがいい』『いや、美談にするな』っていう。そういう意見で。迂闊な言論って、ちょっとヤバかったじゃないですか。言えなかったじゃないですか。

(マキタスポーツ)そうだよね~。言えなかったみたいね。

(夏江紘実)触れづらい感じ。

(プチ鹿島)なにが足りなかったって、ああいう時はやっぱり熱いおじさんのね、『ああ、もう羽生、怪我して出るんだったら優勝してほしかったわ』っていう、迂闊なおじさんが昔はいたんです。

(夏江紘実)(笑)

(マキタスポーツ)昔はいたね(笑)。いたいたいた。

(プチ鹿島)でも、それがいま認められない。なかなか言えない空気になって来た。そしたらね、どんどん学級会化しちゃいますよ。だから僕は来年の自分のテーマでもあるんですけど。じゃあこれをどうするか?っていう時には、やっぱり意識の高い人たちっていうのがご活躍されるわけじゃないですか。そういうところでは。だからむしろ意識の低い言論を放っていけばいいんじゃないか?と。

(マキタスポーツ)そうだ。だからそれがボケ化することでしょ?だからそれは、実は頭のいい人じゃないとできないんですよ。

(プチ鹿島)もっと言うと、意識の低い言論が許されるひとつのアリバイというのは、その物事に対して熱く見てる人ね。たとえばその羽生のスケートを熱く見ていたおじさんにしか言えないわけ。『俺、優勝してほしかったわー』って。たとえば、延長50回の高校野球の。あんなのブラック企業だなんだって真面目な人が言います。だけど、ねえ。『こんなのすぐにタイブレーク制度を導入した方がいいんじゃないか?』とか『大阪ドームでやれ』とか。もう、全てご正論なんですよ。

(マキタスポーツ)それを言う側っていうのは実は・・・

(プチ鹿島)通りがかりの正論でね。あってもない正論でね。

(マキタスポーツ)ションベン正論。

(プチ鹿島)だけど、それより実は、ちゃんと見ているおじさんっていう。延長50回をずっと見ててね、『うわー!どっちにも勝たせてやりてー!』とか。『51回までやりゃいいじゃねーか!』とか。それ、迂闊な言論です。だけど、意識が低くてもいいんです。ちゃんとその物事を熱く見ていれば。そういう人になれば・・・だからマキタさんがよく、『視野狭窄になった方がいいんじゃないか?』っていう。そこに通じるんですよ。

(マキタスポーツ)あえてね、狭くしていった方がいいんじゃないか?っていう。

(プチ鹿島)迂闊な言論が僕は必要だと思うんですよね。

(マキタスポーツ)そうだね。だからそれをね、PKさんとか僕もね、提唱してるんですけど。これ、なかなか難しくてね。いまね。

(プチ鹿島)難しいんですよ。

(マキタスポーツ)だけどそれはね、我々の役目として言ってった方がいいと思うんですね。で、視野狭窄おじさんでもありますから。PKさんとか。で、それを面白く語っていればいいじゃないですかっていうような話ですよね。

(プチ鹿島)そうなんですよね。

(夏江紘実)ああ、たしかに。楽しそうに話して。

(プチ鹿島)だからどんどんみんながね、真面目な学級会化してるっていうのが、それはしょうがないんでしょうけど。誰もが意見を言えるから。もっと迂闊な、意識の低い人がいてもいいんじゃねーかな?っていうのは僕、来年の自分のテーマでもあるんですよ。たとえばこの間、ご存知ですか?ジャポニカ学習帳の話、知ってます?

(夏江紘実)よく使いますね。小学校の時とか。

(プチ鹿島)そうでしょう?あれがほら、植物のデザイン。表紙が。

(夏江紘実)あったあった!緑の枠に写真が。

(マキタスポーツ)虫とかあった。

(プチ鹿島)虫。昆虫。これがびっくりしたのが、この間、その昆虫の表紙が、『昆虫気持ち悪いからやめろ!』っつって。ジャポニカから昆虫の表紙が消えるんですって!

(夏江紘実)うえーーーっ!?

(マキタスポーツ)マジで!?

(プチ鹿島)びっくりするでしょ?

(マキタスポーツ)本当に?

(プチ鹿島)本当に。大問題ですよ、これ。これ、いちばん今年のね、大ニュースだと思うんです。

(マキタスポーツ)ダメだよ、クレーマーの方、向いちゃ。そんな。

(プチ鹿島)そうなんですよ。だから、そうでしょう?

(夏江紘実)長年に渡って、誰もが知っている・・・

(プチ鹿島)だからそれが、親とかだけじゃなくて教師からもそういう意見があがってたっていう。

(マキタスポーツ)(笑)

(夏江紘実)おかしいでしょ!?なんでいま出てくるんですか?

(プチ鹿島)で、ショウワノートさん、真面目だから。『ひとりでも嫌な人がいるんだったら、やめよう』って。もう昆虫の表紙、消えるんです。

(マキタスポーツ)欽ちゃんみたいなこと言ってんじゃねーかよ。

(夏江紘実)なんでもありじゃないですか。もう。

(プチ鹿島)だからこれもおかしいでしょ?よく考えたら。だからこれも、おかしなポイントって2点あって。そのクレームを入れた人っていうのは、何人なんだ?っていう話ですよ。

(マキタスポーツ)そうだよね。

(プチ鹿島)これ、そんなだって少ないと思うんですよ。圧倒的多数じゃないと思うんです。でもいま、声の大きい少数者の意見の方が通っちゃうんです。普通の人は、意識の低いおじさんは黙ってるんですよ、だから。だいたい、届けないわけですよ。

(マキタスポーツ)これ、だからあべこべになってるからね。言っておくけど。みんなね。実はPKさんが言うところの意識高い系っていうのは、実はヤバいと。意識低いというのは、実は数が少なくて、しかも結構黙っているっていう。

(プチ鹿島)だから、ここのラインナップにもありますけど、写真週刊誌のFLASHっていうのがね、何月ごろかな?回収で発売が・・・9月か。FLASH回収っていうニュースがありましたよね。で、僕Twitterとか見てたら、やっぱり意識高い感じの人たちは『いや、これはもう報じてはいけないものを。虎の尾を踏んだからだ!』みたいな。

(マキタスポーツ)(笑)

(夏江紘実)おー、すごい力説してますね。

(プチ鹿島)みたいなのがあって。で、僕、マキタさんの後を継いでいま山梨でね、週に1回、3時間のラジオをやってるわけです。毎週火曜日に行ってるんですけど、山梨に行ったら、午前中に普通にそれ、売ってたんですよ(笑)。

(マキタスポーツ)(笑)

(夏江紘実)もう、いい(笑)。そういうの、いいじゃないですか。

(プチ鹿島)山梨、最高なんです。だから俺、買って。当然、答え合わせするじゃないですか。どれだけ、たとえば報道ステーションがなにかマズいことを報道したんじゃないか?みたいなね。いかにも大好きな話題、あるでしょ?ところが、袋とじで、要はセレブの自撮りヌードを載せちゃったんですよ。だから。

(夏江紘実)ほう!

(プチ鹿島)もしそれがセレブから訴えられたら、莫大な金が発生するから回収した方がいいっていう。どうやらそれがいちばん回収した理由らしいんです。事実って意外とそういうマヌケなことなんですよ。別に報道ステーションがね、なんかアンタッチャブルなことを報じたからとかね。それによって誰か犠牲者が出たとかね。ぜんぜん違うの。だけどまだ俺がそういうことをTwitterで報告しても、『いや、それじゃない』ってさ。お前、じゃあ見たのか?FLASH、お前見てねーだろ?っていうさ。

(夏江紘実)ものをね。

(プチ鹿島)だから現物を見てないのに。俺からすれば、熱く見たおじさんですよ。俺、見てるんだもん。だって。これがアウトなんでしょ?って。全部いろいろ、裏付けを探ってみる。どうやらそれらしいんですよ。だけど、やっぱり自分の物語に落ち着きたい。だから俺、意識高い人は意外と低いんじゃないか?っていう説も唱えているんですね。自分の思想っていうか、意見から離れられない。意外と世の中ってマヌケですよって言っても、気にしないんですよ。

(マキタスポーツ)そうなんだよね。

(プチ鹿島)こういう風にしなきゃ、落ち着かないっていう感じがね。

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