朝井リョウさんが2026年9月13日放送のTBSラジオ『日曜天国』に出演。小学生の時、「新聞の小説連載がしてみたい」という思いから自分で学級新聞を製作。そこに掲載していた小説について話していました。
(安住紳一郎)あとはごめんなさい。金曜日の番組の感想で申し訳ないんですが。小学生の頃からもう小説を書いていたっていう。
(朝井リョウ)そうだったんですよね。私、小学3年生の時に家にパソコンが来たので。そこから割と長い文章を作れるようになって。そうすると、その小説の募集の要項に当てはまるような枚数にまでいくことができたので。「これはもう送るしかない」と思って。当時は本当に、何て言うんですか? 今もそうですけど身の程知らずだったので。「あーあ、中学校と作家生活、両立できるかな?」とか思いながら送ってました。
(中澤有美子)作家生活を?(笑)。
(朝井リョウ)はい。「大丈夫かな」って。
(安住紳一郎)もう自分は職業作家だと。
(朝井リョウ)「忙しくなるぞ」って思いながら。
(安住紳一郎)「作家活動、中学校で両立できるかな?」って。
(朝井リョウ)不安でした。
(安住紳一郎)その時は別に小学生として参加していたわけじゃないですもんね? 大人に混じって。
(朝井リョウ)ああ、そうですね。大人の賞というか。まあ誰でも投稿できる賞だったので小学生の時から投稿はしてました。
(安住紳一郎)で、中学校の時にはもう本格的に小説を?
(朝井リョウ)中学校の時は主にその夏休みの自由研究として。私は「国語の自由研究だ」と言い張って毎年、その長編小説を提出するということをしていて。それを出版社の新人賞に送ってました。
(安住紳一郎)結構評価、高かったんですか?
(朝井リョウ)全くでした。そもそも小説の新人賞って最後の三作とか五作ぐらいまで残らないと自分がどこで落ちたかわからないっていう。
(安住紳一郎)ああ、教えてもらえないんですね。
(朝井リョウ)そうなんです。当時はとても多くて。私はとにかく感想が欲しかったので。当時、ある出版社が「全部の投稿作に感想を返します」っていうすごく画期的な賞をやられていて。で、私はとにかく大人からの感想がやっぱり欲しかったんですよ。
(安住紳一郎)そうですね。プロからの感想が聞きたいと。
(朝井リョウ)そうなんです。で、そこに送ったら本当に実際にこんな中学生の小説にも感想が届いたんですが、その賞は2年でなくなりました。やっぱり。すごい大変だったんだと思います。それから感想が大人の感想が得られないっていう風になったので。私は当時、まだ黎明期だったウェブの小説掲示板みたいなところに投稿して感想をもらったりしてました。
(安住紳一郎)その時はプロの編集者からどんな言葉が書かれてました?
(朝井リョウ)覚えてないです。
(安住紳一郎)覚えてない(笑)。
(朝井リョウ)でも嬉しかったことはとても覚えていて。岐阜の中学生だったので。まず、その東京の出版社に自分の小説が届いた。滞在していたんだっていうことがもうすごく嬉しくて。それから郵便物が届くとか。もうそれが嬉しかったです。
(安住紳一郎)そうですね。出版社の名前の入った封筒が自分のところの郵便ポストに入ってるっていう。
(朝井リョウ)入っていて。「わあ!」って言いながら開けるっていう。それが楽しかったですね。
(安住紳一郎)やっぱり小さい時から小説家というか、ものを書きたいっていう欲求はあったんですね。
(朝井リョウ)そうですね。私、小学生の時とか全然、その係じゃなかったんですけど勝手に学級新聞を作っていて。それは新聞連載をやりたかったからなんです。「新聞に小説を書く」っていうことに憧れがすごくあって。でも当然、それは子供の頃はできないから。「なら、学級新聞を作ればいいんだ」ということで勝手に作って。その中で連載小説をやってたんですよね。そう。だからエネルギーだけはあったというか。
(安住紳一郎)ねえ。「四コマ漫画を書きたい」っていう子はいたかもしれないけど。「連載小説を書きたい」っていう人はあんまり見たことなかったかも。
新聞連載したい。なら、学級新聞を作ればいい
(朝井リョウ)やってましたね。でも、すごく覚えてるのが……やっぱり誰も読まないんですよね。勝手にやってるだけなので。で、本当に下駄箱とかでなんか振りまいたりとかしてたんですけど。1人だけ、卒業の時期に……それは女の子だったんですけどが。実は読んでくれてた子がいて。で、本当に小学生なのにやっぱり大人びたいから異母きょうだいのラブストーリーとか、そういう湿った話を書いてたんですよ。
(安住紳一郎)フハハハハハハハハッ!
(朝井リョウ)非常に湿っぽい話を書いていて。で、それを読んでくれてた子が1人だけいて。その子が本当卒業間際に「あの話、読んでたんだけど。時系列がたぶん1年ずれてると思う」って。
(安住紳一郎)すごいファンがいましたね(笑)。
(朝井リョウ)「その設定だとここはこの2人がそういうことにはならないはずだよ」みたいな。その、異母きょうだいだったとかで。「ちょっとおかしいと思うから、チェックしてみた方がいいよ」って言われて。それにすごい感動しました(笑)。「そんな読者が!?」ていう。
(安住紳一郎)ねえ。きっと他にも何人かいたかもしれないですね。言わないだけで。
(朝井リョウ)もしかしたら。
(安住紳一郎)ただ、かっこつけて異母きょうだいの話小学生が書いてるっていうのが……(笑)。
(朝井リョウ)そうなんですよ。不気味!
(安住紳一郎)フィクションっぽい感じを出したいから。
(朝井リョウ)そうです、そうです。やってましたね。書体を斜めにさせたりとかして(笑)。余計な演出を加えたりとかね、してました。







新聞連載をしたいという動機から学級新聞を作り、そこに異母きょうだい物の小説を連載する小学生……ちゃんと読者もいたのも含めて面白い話です。
