安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で「ハロウィン」を「ハロウィーーン」と伸ばして読む話など、局ごとのアナウンサーの読み方のルールの話をしていました。
(安住紳一郎)さて、10月30日で、明日が10月31日。ハロウィーーンですね。
(佐藤さやか)伸ばしますね(笑)。
(安住紳一郎)(笑)
(佐藤さやか)「ハロウィーーン」ですね(笑)。
(安住紳一郎)お子さん、いらっしゃいますんで。イベント、ありますか?
(佐藤さやか)そうですね。明日は幼稚園に行く時に仮装して登園します。楽しみにしているみたいです。
(安住紳一郎)息子さん。なんの仮装を?
(佐藤さやか)スパイダーマンです。
(安住紳一郎)スパイダーマン! それは事前にどこかで用意するんですよね?
(佐藤さやか)そうなんです。今年、実は9月にハワイに行ってきたんですけども。そこで、向こうはハロウィンに向けてのお店が盛大に出ていまして。そこで見つけてみたものを。
(安住紳一郎)なるほど。ちょっとイベントとして先を行っている国に行くと、豊富にあると?
(佐藤さやか)豊富に揃っていました。
(安住紳一郎)なるほど。しかもちょっとね、日本だとなんとなく同じものになってしまって……というところがあるかもしれませんが。海外でお求めになると、ちょっと違ったものがあったりとかして。「あらっ?」っていうことはあるかもしれませんね。「ハロウィン」「ハロウィーン」。いま、両方言葉がありますけどね。
(佐藤さやか)安住さんは伸ばすタイプですね。
すごく伸ばす安住紳一郎
(安住紳一郎)私はですね、「ハロウィーーン」ってものすごく伸ばすんですよ。
(佐藤さやか)(笑)
(安住紳一郎)これ、たぶん去年も話したと思いますけども。「ハロウィン」と「ハロウィーン」って両方あって、いま両方混在しているんですよね。
(佐藤さやか)そうですね。
(安住紳一郎)「ハロウィン」って言う人がたぶん80%ぐらい。「ハロウィーン」って言う人が20%ぐらいで。NHKもそうですし、私の勤めている放送局も「ハロウィーンと伸ばしてください」っていう風に言われるんですよね。
(佐藤さやか)おおっ、はい。
(安住紳一郎)ディズニーランドを経営してらっしゃるオリエンタルランドもハロウィーンで統一しているようですけども、でも、ハロウィンの方が定着していますんでね。
(佐藤さやか)そうですね。
(安住紳一郎)そして私は自己保身で、「ハロウィンだろ、安住。なにを伸ばしているんだ?」と見ている人に思われたくないので、「これは言われてやっているんです」っていう、ちょっとそういうふてくされの加減も入れて、「ハロウィーーン」って伸ばしているんです。
(佐藤さやか)(笑)。それでそんなに長いわけですね。
(安住紳一郎)そうです、そうです。くだらないですよね?(笑)。
(佐藤さやか)(笑)
(安住紳一郎)よく、ほら。車の一時停止で自分は停まったつもりなのに「一時停止してませんでした」って言われると、「えっ?」って思うじゃないですか。当然だから、あそこは3秒ぐらいしっかり停まらなくちゃいけないんだけども。それでも、「うん、見てるな」って思う時は8秒ぐらい停まってやるわけですよ。グッと。
(佐藤さやか)迷惑な感じが……(笑)。
(安住紳一郎)そうですよね。なんか「ほら……相当停まったぜ!」っていうのを見せてから出るっていう感じのニュアンスでの、ハロウィーーンなんですね。
(佐藤さやか)そうですか(笑)。
(安住紳一郎)くっだらないですよね(笑)。一応なんか、原語(Halloween)に忠実にということで。ハロウィンでは通じないので、ハロウィーンだと。
(佐藤さやか)なるほど。
(安住紳一郎)「そんなことを言ったら、クリスマスもChristmasって言わなきゃいけないだろうし、ロケットもRocketって言わなきゃいけないだろうな……」と思いつつも、揺れているということですね。
(佐藤さやか)なるほど。ふーん。
(安住紳一郎)なんか、いろいろ決まり事があって面白いですね。
(佐藤さやか)面白いですね。
(安住紳一郎)そして、放送局ごとに決まり事が違いますから。みなさん、ご注意ください。私のもとにも、いっつも投書が来るんですけども。実はNHKと私の勤めている放送局での決まり事が違うので。みなさん、「NHKの決まり事の方が合っている」と思って投書をされるんですけども、実は違うんですよ!っていうところがあるんですよね。
(佐藤さやか)そうかー(笑)。
(安住紳一郎)そうなんですよ。アルファベットの読み方は、私の勤めている放送局はアルファベットの「A」は「エー」って読めと言われているんですよね。NHKは「A」は「エイ」って読めと言われているんですよね。
(佐藤さやか)ああー、細かいけどそういう違いがあるんですね。
AKB48の読み方
(安住紳一郎)なので、NHKの方が「AKB48」とお読みになる時は「エイケイビイ・フォーティーエイト」って言うんですね。で、私の勤めている放送局だとそれは「エーケービー・フォーティーエイト」。で、私が「エイケイビイ・フォーティーエイト」って言うと、「ああ、違います」ってなるし。NHK様はシネマのことを「えいが」って言うんですけども、うちの放送局の指導だと「えーが」って伸ばすことになっているんですね。それで、「AKB48のみなさんが出演している映画」っていうと、投書が2枚来るんですよ。
(佐藤さやか)うわっ!(笑)。
(安住紳一郎)(笑)
(佐藤さやか)ちょっと悔しいですか?
(安住紳一郎)いえいえ、それはお気持ち次第。こちらの広報活動が足りないということなんですけどね。そんなことがね、ありますよね。
(佐藤さやか)くまモンとかもそうでしたよね? たしかね。
(安住紳一郎)そうです、そうです。く↓まモンなんですよ。これはNHKと私の勤めている放送局は歩調が合っているので問題はないんですね。NHKとTBS系列とフジテレビ系列がく↓まモンで統一しているんですね。で、日本テレビとテレビ朝日系列がく↑まモンになっているんですね。はい。
(佐藤さやか)難しいですね。
(安住紳一郎)すいません。私などはもうミスが怖いので、言わないようにするんですよ。
(佐藤さやか)(笑)。ミスになっちゃいますかね?
(安住紳一郎)そうなんですよ。「あっ、熊本のキャラクターが来てますね! みんなで大きな声で呼んでみましょう!」なんて人のせいにしたりして(笑)。
(佐藤さやか)(爆笑)。上手い!
(安住紳一郎)そうなんですよ。「あっ、来てますよ、来てますよ。おーい、おーい! 久しぶりじゃのう!」なんつって。
(佐藤さやか)名前は呼ばずに(笑)。
(安住紳一郎)「呼んであげてください!」なんて(笑)。人のせいにしているっていう(笑)。ひどいでしょう? 本当、いま自分で言っていて恥ずかしくなった(笑)。
(佐藤さやか)いやいやいや……
(安住紳一郎)そう。だから自分ではなるべく言わないようにしようと思って。
(佐藤さやか)そういうことかー。
(安住紳一郎)そう。あるんですよ。面白いですよね。特にね、またNHKのみなさん方の影響力が強いんでね。台湾の台北(タイペイ)もNHKのみなさん方は「たいほく」ってきちんと両方とも、感じはそっちで読むんですけども。ほとんど民放のアナウンサーは「タイペイ」って読むんですけどね。
(佐藤さやか)ふーん。
(安住紳一郎)あと、ヘリコプターもNHKのみなさん方は略す時は私たちは「救難ヘリ」とか「捜索のヘリ」とかって略したりもしますけども。渋谷のみなさん方はヘリコプターのことを略す時は「ヘリコ」っておっしゃるんです。
(佐藤さやか)へっ? そうなんですか?
(安住紳一郎)そうなんです。
(佐藤さやか)ヘリコ?
(安住紳一郎)そうなんです。
(佐藤さやか)びっくりしました。聞いたら(笑)。
(安住紳一郎)びっくりしますよね? 「へっ? 誰か子供が?」っていう感じになりますよね?
(佐藤さやか)そうですね(笑)。
(安住紳一郎)「キリコ? サダコ? ヘリコ?」みたいな。そうなんです。だから、ヘリコプターっていうのはなんか、切るとするならば「ヘリコ・プター」なんですよね。なんとなく「ヘリ・コプター」な気がするんですけども。「ヘリコ」っていうのは螺旋状的な。ヘリコバクターとか。で、ヘリコ。プターっていうのは翼的なものらしいですけどね。なので、略すんだったらヘリではなくヘリコ。なので、渋谷のみなさま方は略す時はヘリコって言うんですね。
(佐藤さやか)救難ヘリコ。
(安住紳一郎)そうです。ただ、渋谷のみなさん方もヘリコっていうと見ている人がびっくりするんじゃないかと思うので、なるべく略さない傾向があるという分析は、私の見解。
(佐藤さやか)なるほど(笑)。分析済みなんですね。
言葉の切れる場所問題
(安住紳一郎)そうなんですよね。難しい。キリマンジャロとかも実は切れどころが一つあるんですけど。どこかわかりますか?
(佐藤さやか)キリマンジャロ? ……キリ・マンジャロ。
(安住紳一郎)ああーっ、惜しい。ですよね。「キリ」とか「キリマン」とかで切ると思うんですよね。これ、衝撃を受けますよ。キリマンジャロはどこで切れると思いますか?意味合い的には。
(佐藤さやか)わからないです。キリマンジャロ。
(安住紳一郎)キリマンジャロ。……キリマ・ンジャロですよ。
(佐藤さやか)ええっ? そんなことはないですよね? ンジャロ?
(安住紳一郎)ンジャロですよ。ええっ?って思いますよね。「日本人の感覚にはない! そりゃそうだ! アフリカの山だから!」っていうことになりますよね。「キリマ」っていうのが「山」っていう意味で、「ンジャロ」が「輝く」っていう意味らしくてですね。
(佐藤さやか)へー!
(安住紳一郎)キリマ・ンジャロ。カメハメハ大王はいかがですか?
(佐藤さやか)それは……カメハメハ。ひとつじゃないんですか?
(安住紳一郎)そうですよね。まあ、カメハメハと大王で切れますけども。カメハメハですね。むしろ、切れどころなんかないと思いますよね?
(佐藤さやか)そうでしょうね。なさそうですが。
(安住紳一郎)カメハメハ。切るとするならば、カ・メハメハですって。
(佐藤さやか)(笑)
(安住紳一郎)(笑)
(佐藤さやか)カ・メハメハでしたか!
(安住紳一郎)らしいですよ。ごめんなさい。ちょっと私、裏を取っていないんで。ごめんなさい(笑)。
(佐藤さやか)面白い(笑)。
(安住紳一郎)ですよね。おかしな話……「おかしな話」じゃないですよ。私たちが勝手に思い込んでいるだけっていうことが多いみたいです。
(佐藤さやか)ふーん!
(安住紳一郎)不寛容な時代ですからね。あまりね、そうですね。私たちも注意してますんで。あんまり揚げ足を取らないでください(笑)。
(佐藤さやか)そうですね(笑)。
<書き起こしおわり>